公認会計士法 第34条の32(計算書類の作成に関する特則)
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- 登録有限責任監査法人は、その計算書類について、内閣府令で定めるところにより、当該登録有限責任監査法人と政令で定める特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければならない。ただし、当該計算書類に係る会計年度における当該登録有限責任監査法人の収益の額その他の政令で定める勘定の額が政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。
- 2.前項の監査報告書については、これに記載すべき事項を記録した電磁的記録の添付をもつて、監査報告書の添付に代えることができる。
この条文の基本情報
計算書類の作成に関する特則とは何ですか?
定義計算書類の作成に関する特則とは、公認会計士法第34条の32に定められた規定で、「登録有限責任監査法人は、その計算書類について、内閣府令で定めるところにより、当該登録有限責任監査法人と政令で定める特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の32(計算書類の作成に関する特則)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の32の条文原文は「登録有限責任監査法人は、その計算書類について、内閣府令で定めるところにより、当該登録有限責任監査法人と政令で定める特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監…」で始まります。
- 公認会計士法第34条の32は第五章の三に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の32の前の条は公認会計士法第34条の31です。
- 公認会計士法第34条の32の次の条は公認会計士法第34条の33です。
- 公認会計士法第34条の32には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の32 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の32(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の32は、登録有限責任監査法人に対し、特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査報告書を計算書類に添付するよう義務づける。小規模法人は免除される。
Q · 有限責任監査法人の決算書は、誰かに監査されているの?
原則、利害関係のない外部の会計士が監査する
公認会計士法34条の32により、登録有限責任監査法人は自らの計算書類に、政令で定める特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければなりません。社員の責任が限定される分、賠償の引当てとなる法人財産の実態を第三者に確認させる趣旨です。ただし、収益の額等が政令の基準に達しない小規模な法人は免除され、監査報告書は電磁的記録で代えることもできます(同条2項)。
解説
監査する側の決算書にも、監査が入る。公認会計士法34条の32は、登録有限責任監査法人(社員の責任が原則として出資額までに限られる監査法人で、内閣総理大臣の登録を受けたもの。実務上の窓口は金融庁)に、自分の計算書類(貸借対照表や損益計算書などの決算書)を作るときのルールを課している。具体的には、その法人と特別な利害関係のない別の公認会計士か監査法人に監査してもらい、その監査報告書を付けなければならない。理由は「有限責任」という仕組みにある。監査の失敗で損害を受けた企業や投資家が賠償を求めても、その業務に指定されて関わった社員を除けば、ほかの社員の個人財産には原則として手が届かない。最後に頼れるのは法人自身の財産である。だからこそ、その財産が本当にあるのかを第三者に確かめさせる。ただし、収益の額などが政令の定める基準に届かない小規模な法人は、この義務を免除される。あなたが自社の監査法人を選ぶ側なら、相手の決算書が外部監査を受けているかどうかは、その法人の体力を測るまっとうな物差しになる。
法的な位置づけ
公認会計士法34条の32は、登録有限責任監査法人の計算書類に関する特則であり、当該法人と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人による監査報告書の添付を義務づける規定である。有限責任制の下で債権者の引当てとなる法人財産の状況を外部監査で担保する機能を持ち、収益の額等が政令の基準に満たない法人には適用されない。
手順
- 1.収益規模が政令基準を超えるか見込みで判定 期中の段階で、当該会計年度の収益の額その他政令で定める勘定の額が政令の基準に達する見込みかを確認する。基準超過が見込まれる場合は外部監査の準備に着手する
- 2.利害関係のない外部監査人を選定 候補となる公認会計士又は監査法人について、出資関係、社員・役員の兼任、親族関係など政令で定める特別の利害関係がないかを確認し、書面で記録する
- 3.内閣府令に沿って計算書類の監査を受ける 内閣府令の定めに従い、貸借対照表・損益計算書等の計算書類について外部監査を受け、監査報告書を受領する。決算日から提出期限までの日程を逆算して監査日程を組む
- 4.監査報告書を添付して提出・保存 計算書類に監査報告書を添付する。電磁的記録で代える場合(2項)は、記録の保存と提出の手順を整え、34条の16に基づく提出期限に間に合わせる
よくある質問 AI による整理
Q1登録有限責任監査法人とは何ですか?
社員の責任が原則として出資額までに限られる有限責任監査法人のうち、内閣総理大臣の登録を受けた法人です。登録の窓口は実務上金融庁です(公認会計士法34条の24)。
Q2監査法人の計算書類 外部監査は義務?
登録有限責任監査法人は原則として義務です。利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査報告書を計算書類に添付します(34条の32第1項本文)。
Q3監査法人の外部監査が免除される基準は?
その会計年度の収益の額その他政令で定める勘定の額が、政令で定める基準に達しない場合に免除されます。具体的な数値は公認会計士法施行令で確認が必要です。
Q4監査法人を監査できるのは誰?
当該登録有限責任監査法人と政令で定める特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人です。資本関係や役員兼任などがある相手は監査人になれません。
Q5監査報告書は電子データでもいい?
できます。34条の32第2項により、監査報告書に記載すべき事項を記録した電磁的記録の添付をもって、紙の監査報告書の添付に代えることが認められています。
Q6無限責任監査法人にも外部監査は必要?
本条の対象は登録有限責任監査法人に限られます。社員が無限連帯責任を負う無限責任監査法人には、本条の外部監査義務は直接適用されません。
Q7監査法人の外部監査を怠るとどうなる?
法令違反として、内閣総理大臣(金融庁)による戒告、業務改善命令、業務停止などの処分の対象となりうります(公認会計士法34条の21)。
Q8監査法人の財務状況はどこで確認できる?
監査法人が公衆の縦覧に供する説明書類で確認できます(34条の16の3)。多くの法人は自社サイトで公開しており、外部監査の有無も読み取れます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監査法人の決算書って、一般人でも見られるんですか?
見られる。監査法人は業務や財産の状況を記した説明書類を、公衆の縦覧に供する義務を負っている(34条の16の3)。多くの法人が自社サイトで公開しており、登録有限責任監査法人であれば本条による外部監査の有無も読み取れる。実務のポイント:注目すべきは本文より、監査報告書の監査人名と、人員の増減である。社員や職員の数が急に減っている法人は、監査の品質が落ちる前ぶれであることが多い
Q2小さい監査法人だと外部監査なしでもいいって、それ大丈夫なんですか?
法律上は問題ない。収益の額などが政令の基準に届かない法人は本条ただし書で免除されている。小規模な法人にまで監査コストを負わせると、市場から退出してしまうおそれがあるという判断である。実務のポイント:免除される法人に監査を頼むなら、決算書の代わりに、日本公認会計士協会の品質管理レビューの結果や、上場会社等監査人名簿への登録状況を尋ねるとよい。答えをためらう法人は、それ自体が判断材料になる
Q3監査法人同士で監査し合ったら、なあなあになりませんか?
その懸念に対する答えが「政令で定める特別の利害関係のない」という要件である。出資関係、役員の兼任、近い親族関係などがある相手には監査を頼めない。ただし同じ業界の中で回り合う構造そのものは残り、制度の限界として指摘されている。実務のポイント:監査報告書に名前を出す監査人にとって、同業者を甘く見たという評判は致命的である。だから実務では、普段のクライアント監査よりかえって厳しく見られる傾向があると言われる。実務上、評価は分かれている
間違えやすい点 AI による整理
- 「監査法人は監査するプロなのだから、自分の決算は自分で正しく作れる」と考えがちだが、法律は自分で自分を監査することをそもそも信用していない。問題は能力ではなく利害である。自分の財産を少しでも良く見せたい動機がある限り、自分の決算書を自分で検証しても意味がない。だから要件には、能力ではなく「特別の利害関係がないこと」が置かれている
- 有限責任監査法人なら監査報告書が必ず付いている、とまでは言えない。収益の額などが政令の基準に届かない小規模な法人は免除される。看板に「有限責任」とあっても、決算書が外部監査を受けているとは限らない。相手の規模によって、確認する中身は変わってくる
- 依頼する企業から見れば「監査法人の決算書なんて自分には関係ない」と思える。しかし賠償請求の場面では事情が逆になる。有限責任である以上、回収の上限は法人の財産で決まる。普段は誰も読まないその決算書が、いざというときに取り戻せる額の目安になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 34条の32:登録有限責任監査法人の計算書類への外部監査報告書の添付 | 34条の16:監査法人一般の計算書類の作成・提出 34条の33:登録有限責任監査法人の供託 |
| 適用範囲 | 登録有限責任監査法人のみ(小規模法人は免除) | すべての監査法人 登録有限責任監査法人 |
| 債権者保護の手段 | 法人財産の実態を第三者監査で検証 | 財務情報を行政に報告 賠償原資を供託等で確保 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は法人會計師事務所制度を設けているが、事務所自身の財務諸表の外部査核義務の有無・範囲は個別条文での確認が必要
韓国の회계법인制度との比較は、法人自身の外部監査規律の条文確認を要する
ドイツの監査法人は GmbH・AG 等の会社形態をとることが多く、会社法・商法典上の規律と組み合わせて検討する必要がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- IPO 準備中の CFO であるあなたは、大手監査法人に断られ、名前を聞いたことのない中堅の監査法人と契約しようとしている。その法人が「有限責任」を名乗っているなら、公表されている説明書類と計算書類を見て、外部監査を受けているか、受けていないなら収益基準による免除なのかを確かめる。契約書にハンコを押す前の、この10分の確認が後の安心につながる
- もし監査を任せていた監査法人が粉飾を見逃し、株主代表訴訟であなたの会社まで巻き込まれたら、賠償を取り立てる先はどこになる? 有限責任監査法人なら、業務に指定されていない社員の個人資産には原則として届かない。頼れるのは法人の財産と、供託や責任保険の手当てである
- あなたは中規模監査法人の経理責任者である。今期は業容が拡大して収益が政令の基準を超えた。決算日まで残り2か月しかないのに、外部の監査人がまだ決まっていない。利害関係のない監査人を探し、独立性を確認し、契約まで済ませる必要があり、残された時間はわずかである
- 依頼を受けた側の公認会計士として。同業の監査法人から「うちの計算書類の監査をお願いしたい」と声がかかった。ただ、相手とは共同監査をしていて、元同僚が向こうの社員になっている。政令で定める「特別の利害関係」に当たらないか、引き受ける前に一度立ち止まる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 監査ミスで損害を受けたと考えたら、まず相手が有限責任監査法人かどうかと、問題の監査業務について指定を受けた社員(指定有限責任社員)が誰かを確認する。2. 法人が公表している説明書類で、計算書類とそれに付いた外部監査報告書、収益の規模を見て、回収できる見込みを試算する。3. 供託や責任保険など、賠償に備えた手当ての状況も確認する。4. 回収の上限を踏まえて、訴訟に進むか早期に和解するかを決める。
訴えられた側:1. 自法人の収益の額が政令の基準を超えるかどうかを、決算期ごとに見込みの段階で確かめる。2. 基準を超えそうなら、決算日よりかなり前に外部監査人を選び、政令で定める特別の利害関係(出資関係、役員や社員の兼任、親族関係など)がないかを書面で確認しておく。3. 監査報告書を電磁的記録で付ける場合(2項)は、保存と提出の手順を整える。4. 義務を怠ると、内閣総理大臣(金融庁)による戒告や業務停止などの処分につながりうる(34条の21)。
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効や期限はない。計算書類は会計年度ごとに作成と提出が求められ(34条の16)、外部監査はその提出期限に間に合わせる必要がある。具体的な提出期限は施行規則で確認すること(最新の改正状況をご確認ください)。賠償請求については特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)、不法行為であれば民法724条が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)公認会計士法改正 有限責任監査法人制度の創設に伴い、登録有限責任監査法人の計算書類に外部監査を求める規定が新設されたと考えられる。条番号の変遷や後の改正の有無は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:公認会計士法改正による有限責任監査法人制度の創設に伴い、登録有限責任監査法人の計算書類に外部監査を求める規定が設けられたとされる。条番号の変遷・その後の改正の有無は e-Gov の改正履歴で要確認
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