公認会計士法 第34条の33(供託に関する特則)
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- 登録有限責任監査法人は、第三十四条の二十一第二項第一号又は第二号に該当することによつて生ずる損害の賠償を請求する権利(以下この条において「優先還付対象債権」という。)を有する者(以下この条及び次条において「優先還付対象債権者」という。)に対する債務の履行を確保するため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を、主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
- 2.内閣総理大臣は、優先還付対象債権者に対する債務の履行を確保するため必要があると認めるときは、登録有限責任監査法人に対し、その業務を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。
- 3.登録有限責任監査法人は、政令で定めるところにより、当該登録有限責任監査法人のために所要の供託金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなつている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の規定により供託する供託金の全部又は一部を供託しないことができる。
- 4.内閣総理大臣は、優先還付対象債権者に対する債務の履行を確保するため必要があると認めるときは、登録有限責任監査法人と前項の契約を締結した者又は当該登録有限責任監査法人に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
- 5.登録有限責任監査法人(第三十四条の二十二第八項の規定による定款の変更の効力が生じていないものを除く。)は、第一項の規定により供託する供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託又は第三項の契約の締結を行い、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、その業務を行つてはならない。
- 6.優先還付対象債権者は、優先還付対象債権に関し、当該登録有限責任監査法人に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
- 7.前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
- 8.登録有限責任監査法人は、第六項の権利の実行その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなつたときは、内閣府令で定める日から政令で定める期間以内にその不足額につき供託又は第三項の契約の締結(第五十二条の四において単に「供託」という。)を行い、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
- 9.第一項、第二項又は前項の規定により供託する供託金は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める有価証券をもつてこれに充てることができる。
- 10.第一項、第二項、第四項又は第八項の規定により供託した供託金は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、内閣総理大臣の承認を受けて、その全部又は一部を取り戻すことができる。
- 一第三十四条の十八第一項各号のいずれかに該当することとなつたとき。
- 二第三十四条の十八第二項に該当することとなつたとき。
- 三第三十四条の二十二第九項に規定する定款の変更を行い、同条第十項の規定によりその旨を内閣総理大臣に届け出たとき。
- 四業務の状況の変化その他の理由により供託金の額が第一項の政令で定める額を超えることとなつたとき。
- 11.内閣総理大臣は、前項の承認をするときは、優先還付対象債権の弁済を確保するために必要と認める限度において、取り戻すことができる時期及び取り戻すことができる供託金の額を指定することができる。
- 12.前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
この条文の基本情報
供託に関する特則とは何ですか?
定義供託に関する特則とは、公認会計士法第34条の33に定められた規定で、「登録有限責任監査法人は、第三十四条の二十一第二項第一号又は第二号に該当することによつて生ずる損害の賠償を請求する権利(以下この条において「優先還付対象債権」とい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の33(供託に関する特則)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の33の条文原文は「登録有限責任監査法人は、第三十四条の二十一第二項第一号又は第二号に該当することによつて生ずる損害の賠償を請求する権利(以下この条において「優先還付対象債権」とい…」で始まります。
- 公認会計士法第34条の33は第五章の三に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の33の前の条は公認会計士法第34条の32です。
- 公認会計士法第34条の33の次の条は公認会計士法第34条の34です。
- 公認会計士法第34条の33には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の33 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の33(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の56は、登録有限責任監査法人に政令額の供託または保証契約と届出を義務づけ、虚偽証明の被害者が供託金から他の債権者に先立ち弁済を受けられると定める。
Q · 有限責任の監査法人が粉飾を見逃して破綻したら、損害は回収できる?
供託金から他の債権者より先に弁済を受けられる
公認会計士法34条の56により、登録有限責任監査法人は政令で定める額の金銭を供託所に供託するか、金融機関などと保証契約を結んで届け出なければ業務を行えません(1項・3項・5項)。虚偽証明や相当の注意を怠った証明で損害を受けた人は、この供託金について他の債権者に先立ち弁済を受けられます(6項)。ただし供託金は最低限の保証であり、超える損害は法人財産などへの請求で回収を図ります。
解説
監査法人の名前に「有限責任」と付いていれば、その法人のパートナー会計士(社員)は、原則として出資額までしか責任を負わない。粉飾決算の見落としで株価が暴落し、あなたが損をしても、会計士個人の自宅や預金にまで請求できるとは限らない。その穴をふさぐのが本条の供託金である。登録有限責任監査法人は、政令で定める額の金銭を法務局の供託所に預けるか、銀行などと「国の命令があれば代わりに供託する」という契約を結ぶ。そのうえで内閣総理大臣(実務上は金融庁)に届け出るまで、業務を始められない(5項)。虚偽の監査証明や重大な見落としで損害を受けた人は、この供託金から他の債権者より先に支払いを受けられる(6項)。法人が破綻して取引先や金融機関が群がっても、供託金については被害者が列の先頭に立つ。ただし供託金は最低限の保証であり、賠償額の上限ではない。法人の財産と、指定有限責任社員(その監査を担当した会計士)への請求を組み合わせて、初めて回収の全体図が描ける。
法的な位置づけ
公認会計士法第34条の56は、登録有限責任監査法人の供託義務を定める規定である。同法人は、虚偽証明等による損害賠償請求権(優先還付対象債権)の履行確保のため、政令で定める額の金銭を供託し、または保証契約を締結して内閣総理大臣に届け出なければ業務を行えず、優先還付対象債権者は当該供託金から他の債権者に先立ち弁済を受ける。
手順
- 1.損害の根拠資料を保全する 有価証券報告書、独立監査人の監査報告書、株式の売買記録、損失額の計算資料をまとめて保全する。監査報告書に記載された担当社員の氏名も控えておく
- 2.請求の法的枠組みを決める 投資家なら金融商品取引法21条・22条、会社の取引先など第三者なら会社法429条、それ以外は民法709条を軸に、弁護士と請求構成を検討する
- 3.供託金の優先還付の手続を確認する 監査法人が破綻または資力不足の場合、破産債権の届出と並行して、優先還付対象債権者としての権利実行手続(政令で定める事項)を確認する
- 4.担当社員の個人責任も並行して検討する 供託金を超える損害については、法人財産への請求とあわせ、その監査を担当した社員の個人責任を追及できるかを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1監査法人の供託金はどこに預けられている?
主たる事務所の最寄りの供託所(法務局)に供託されます(公認会計士法34条の56第1項)。額は政令で定める額が基準です。
Q2監査法人は供託金の代わりに保証契約でもいい?
できます。命令があれば供託金を代わりに供託する契約を結び、内閣総理大臣に届け出れば、その契約金額分は現金の供託を省略できます(3項)。
Q3供託せずに監査業務をしたら違法?
違法です。供託または保証契約の締結を行い、内閣総理大臣に届け出た後でなければ業務を行ってはならないと定められています(5項)。
Q4粉飾決算を見逃した監査法人を訴えられる?
訴えられます。投資家なら金融商品取引法21条・22条、会社の第三者なら会社法429条、それ以外は民法709条が主な根拠になります。
Q5監査法人の供託金が減ったらどうなる?
政令額を下回った場合、法人は内閣府令で定める日から政令で定める期間内に不足額を補充し、遅滞なく届け出る義務を負います(8項)。
Q6監査法人の供託金は国債で納められる?
できます。国債証券、地方債証券その他内閣府令で定める有価証券をもって供託金に充てることができます(9項)。
Q7監査法人は供託金をいつ取り戻せる?
解散や無限責任への定款変更、供託額が政令額を超えた場合などに、内閣総理大臣の承認を受けて取り戻せます(10項)。
Q8監査法人への損害賠償請求はいつまで?
不法行為構成なら損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年が原則です(民法724条)。根拠法により期間が異なるため早めの確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1有限責任の監査法人って、結局ちゃんと賠償してくれるんですか?
法人の財産で賠償するのが原則であり、加えて本条の供託金について被害者は他の債権者より先に弁済を受けられる(公認会計士法34条の56第6項)。実務のポイント:「有限責任」でも、その監査を担当した指定有限責任社員は個人で責任を負う場面がある。法人だけを見て「出資額までしか取れない」と諦める前に、担当会計士の名前を監査報告書で確認しておくべきである。
Q2供託金っていくら積んであるんですか?調べられますか?
額は政令(公認会計士法施行令)で定める基準によるが、法人の規模によって変わりうるため、具体額は最新の施行令で確認が必要である。また3項により、現金ではなく銀行などとの保証契約で代える法人も多い。実務のポイント:保証契約の場合、実際の供託は内閣総理大臣の命令があって初めて行われる(4項)。被害者側は、金融庁への働きかけが手続を動かす引き金になりうる点を押さえておくとよい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「有限責任監査法人を相手にすると、取れるのは出資額までの小さな金額だけ」と考えて、請求をあきらめる被害者がいる。実際には、法人財産、供託金の優先弁済、さらに担当した指定有限責任社員の個人責任という複数の層がある。一つの層しか見ていないと、残りの回収可能性を自分で捨てることになる。
- 供託金は賠償額の上限だと誤解されやすい。供託金は「最低限ここまでは確実に被害者に回る」という床であり、天井ではない。損害が供託額を超えれば、残りは法人の財産への一般的な請求として追いかける。床と天井を取り違えると、和解交渉で相手の提示額を「上限いっぱい」と思い込み、早々にのんでしまう。
- 監査法人の側から見れば、供託は登録のための形式的な手続に映る。しかし法律の視点では、供託または保証契約の届出が済むまで業務を行うこと自体が禁止される(5項)。手続の遅れは、そのまま無資格営業というリスクに変わる。この見え方の差が、事務方の小さな見落としを行政処分の火種にする。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 34条の56:供託・保証契約の義務と被害者の優先弁済権 | 34条の21:虚偽証明等に対する処分の原因(優先還付対象債権の発生原因) 34条の22:有限責任への定款変更とその効力発生 |
| 被害者から見た意味 | 回収財源の確保と、他の債権者より先に受け取れる順位 | どんな監査の失敗が対象になるかの基準(故意の虚偽証明・相当の注意を怠った証明) 法人がいつから有限責任になったかの判断基準 |
| 監査法人側の実務 | 業務開始前の供託・届出、不足時の補充、取戻しには承認が必要 | 監査調書で相当の注意を尽くしたことを立証できる体制 定款変更の手続と届出 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も法人會計師事務所などの組織形態を認め、損害賠償責任の担保を制度化している。供託金の優先弁済という構造まで同一かは要確認
特殊普通合伙の会計師事務所に执业风险基金と职业保险を義務づけ、責任限定と被害者保護を組み合わせる発想は日本と共通する
ドイツは供託ではなく職業賠償責任保険の加入義務で被害者の回収可能性を担保する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保有していた上場株が、粉飾発覚で一晩に七割下落した。決算書には大手監査法人の「適正意見」が付いていた。その監査法人が有限責任なら、損害賠償の回収ルートの一本は、供託所に眠る供託金である。
- もし監査法人そのものが経営破綻したら、賠償金は銀行や取引先と同じ列に並んで按分されるのか? 本条6項により、供託金に限っては虚偽証明の被害者が他の債権者より先に支払いを受ける。破産手続で一般債権者として届け出るだけで済ませると、この優先枠を取りこぼす。
- あなたは中堅監査法人の管理部長で、有限責任への定款変更を進めている。登録は済んだ。だが供託か保証契約の届出を忘れたまま監査契約を始めれば、5項違反の無届営業になる。期末監査の繁忙期を前に、届出の控えが手元にあるか確認してほしい。
- クライアントの粉飾事件で賠償金を払い、供託金が政令の定める額を割り込んだ。8項により、内閣府令で定める日から政令で定める期間内に不足分を積み直し、遅滞なく届け出なければならない。資金繰りが最も苦しい局面で、この期限が先に来る。
- M&A の買い手として、デューデリジェンスで対象会社の監査証明を信じて買収価格を決めた。後で簿外債務が見つかった場合、監査法人への請求が金融商品取引法の枠組みに乗るのか、民法の不法行為で組み立てるのかで、供託金の優先弁済を使えるかどうかの見え方も変わる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 虚偽の監査証明で損害を受けた根拠(有価証券報告書、監査報告書、売買記録、損失額)を保全する2. 請求の枠組みを決める。投資家なら金融商品取引法21条・22条、会社やその利害関係者なら会社法429条、それ以外は民法709条が軸になる3. 監査法人が破綻または資力不足の場合、供託金について優先還付対象債権者として権利実行の手続(政令・府省令で定める)を確認する4. 担当した指定有限責任社員への個人責任追及も並行して検討する
訴えられた側:1. 登録後、業務開始前に供託または保証契約の締結を済ませ、内閣総理大臣(金融庁)への届出控えを保管する2. 賠償の支払いで供託額が政令の定める額を割り込んだら、期限内の補充と届出をスケジュール表の最優先に置く3. 責任原因(34条の21第2項1号・2号)に当たるかどうか、監査調書で「相当の注意」を尽くしたことを立証できるよう日頃から記録を残す4. 供託金を取り戻す場面(解散、定款変更、超過額)では、内閣総理大臣の承認と指定条件を確認してから動く
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。不法行為構成なら損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。会社法429条などの法定責任は一般消滅時効(民法166条、知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。金融商品取引法上の請求には同法の特則がありうる。供託額の不足は、内閣府令で定める日から政令で定める期間内に補充する必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)公認会計士法改正 有限責任監査法人制度が創設され、社員の責任限定と引き換えに供託等による被害者保護の仕組みが導入された。本条の条番号の変遷と、その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:公認会計士法改正により有限責任監査法人制度が創設され、社員の責任限定と引換えに供託等による被害者保護の仕組みが導入された。本条の条番号の変遷とその後の改正は要確認
- 公認会計士法 第34条の21優先還付対象債権の原因となる虚偽証明等
- 公認会計士法 第34条の22有限責任への定款変更と効力発生
- 公認会計士法 第34条の18解散事由、供託金取戻しの要件
- 公認会計士法 第34条の57優先還付対象債権者に関する次条の規定(現行効力を要確認)
- 公認会計士法 第34条の10の5指定有限責任社員の責任(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第21条虚偽記載時の監査証明者の賠償責任
- 会社法 第429条会計監査人の第三者に対する責任
- 供託法 第1条供託所と供託事務の一般的枠組み
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