公認会計士法 第46条の8(紛議の調停)
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協会は、会員の業務に関する紛議につき、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。
この条文の基本情報
紛議の調停とは何ですか?
定義紛議の調停とは、公認会計士法第46条の8に定められた規定で、「協会は、会員の業務に関する紛議につき、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第46条の8(紛議の調停)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第46条の8の条文原文は「協会は、会員の業務に関する紛議につき、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。」で始まります。
- 公認会計士法第46条の8は第六章の二に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第46条の8の前の条は公認会計士法第46条の7です。
- 公認会計士法第46条の8の次の条は公認会計士法第46条の9です。
- 公認会計士法第46条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第46条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第46条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/46_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法46条の8は、日本公認会計士協会が会員の業務に関する紛議を、会員・当事者・関係人の請求により調停できると定める。協会に応じる義務はなく、合意に強制執行力もない。
Q · 会計士とのトラブル、日本公認会計士協会に調停を頼めるの?
頼めるが、協会の応諾も合意の強制力も保証されない
公認会計士法46条の8により、日本公認会計士協会は、会員の業務に関する紛議について、会員、依頼者などの当事者、その他の関係人の請求を受けて調停をすることができます。ただし条文は「できる」と定めるにとどまり、協会が必ず応じるわけではありません。成立した合意も原則として和解契約(民法695条)であり、強制執行するには公正証書や即決和解(民事訴訟法275条)で執行力を確保する必要があります。
解説
公認会計士と揉めたときの相手先として、多くの人は二つしか思いつかない。泣き寝入りするか、弁護士を立てて訴えるかである。公認会計士法46条の8は三つ目の道を定めている。日本公認会計士協会は、会員の業務をめぐる紛議(業務上のトラブル)について、会員本人、依頼者などの当事者、その他の関係人の請求を受けて調停ができる。全国の公認会計士と監査法人を束ねる業界団体の場に、相手を呼び出すことになる。この手続の力は判決の強制力にあるのではない。会員は協会の会則に縛られ、懲戒(公認会計士法30条・31条)を受けうる立場でもあり、その協会の目の前で自分の仕事ぶりを説明しなければならない。相手が受ける心理的な重さは、知らない人の請求書一枚とは比べものにならない。ただし条文は「調停をすることができる」と書いている。協会が必ず応じるわけではなく、まとまった合意にもそのままでは強制執行力がない。三つ目の道を知ったうえで、その限界まで見ておく必要がある
法的な位置づけ
公認会計士法46条の8は、日本公認会計士協会による紛議調停を定める規定である。会員の業務に関する紛議について、会員、依頼者などの当事者またはその他の関係人の請求を受け、協会が調停を行うことができる旨を定める。調停は任意の手続であり、成立した合意は原則として民法上の和解契約の効力を持つにとどまる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.紛議の内容と証拠を時系列で整理 契約書、業務範囲を定めた書面、メール、議事録を時系列に並べ、相手の業務が契約のどこから外れたか、損害または未払額がいくらかを特定する
- 2.日本公認会計士協会に申立方法を確認 協会に紛議調停の申立方法、必要書類、費用、標準的な進行を確認する。条文上、協会は調停を「することができる」にとどまるため、受理の見通しも併せて確認する
- 3.時効対策を並行して打つ 請求権の消滅時効が迫っている場合、調停申立てとは別に内容証明郵便で催告するか、相手方と書面で協議を行う旨の合意を取り付ける
- 4.調停に出席し主張を記録に残す 争点と求める解決内容を簡潔にまとめた書面を準備して出席する。不成立に終わっても、経過は後の訴訟で相手方の対応を示す事情として使える場合がある
- 5.合意内容に執行力を持たせる 合意が成立したら、公正証書(執行認諾文言付き)にするか、簡易裁判所の即決和解(民事訴訟法275条)を申し立て、相手方が履行しない場合に備える
よくある質問 AI による整理
Q1公認会計士とトラブルになったらどこに相談すればいい?
弁護士への相談や訴訟のほか、公認会計士法46条の8に基づき日本公認会計士協会に紛議の調停を請求する方法があります。
Q2会計士協会の紛議調停は誰が申し立てられる?
条文上、会員(公認会計士・監査法人)、依頼者などの当事者、その他関係人が請求できます。会計士側からの申立ても可能です。
Q3会計士協会の調停に費用はかかる?
条文に費用の定めはありません。手数料や申立書式は協会の運用によるため、申立て前に日本公認会計士協会へ直接確認してください。
Q4監査法人とのトラブルも調停の対象になる?
監査法人も協会の会員であり、その業務に関する紛議は本条の対象となりえます。監査契約の解除や引継ぎをめぐる争いが典型です。
Q5会計士協会の調停で合意したら強制執行できる?
そのままではできません。合意は原則として和解契約にとどまるため、公正証書化や簡易裁判所の即決和解で執行力を確保する必要があります。
Q6会計士協会に調停を申し立てると時効は止まる?
当然には止まりません。時効の完成猶予が明文で認められる手続に当たるかは要確認で、催告や書面による協議合意を併用するのが安全です。
Q7調停の場で会計士は守秘義務を理由に資料を出さない?
会計士には守秘義務(公認会計士法27条)があるため、第三者の情報を含む資料は開示範囲が絞られることがあります。事前に争点を特定しておくと有効です。
Q8IPO直前に監査契約を解除されたら調停は使える?
監査法人の業務に関する紛議として調停を請求する余地があります。訴訟より早く、解除の経緯や後任への引継ぎ協力を話し合える可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協会の調停って、会計士が来なかったらどうなるんですか?
出席を強制する規定はなく、調停は不成立で終わる。本条はあくまで「調停をすることができる」と定めているだけである。とはいえ、協会の場を欠席したという事実は残る。会員は会則や懲戒(公認会計士法31条)の枠組みのなかで働いている。実務のポイント:欠席されたり不成立になったりしても、その経過の記録は後の訴訟で、相手が話し合いを拒んだ事情として使える場合がある
Q2弁護士に頼んで訴えるのと、どっちがいいですか?
請求額が大きく争点が専門的な場合は訴訟が向く。早く解決したい、または関係を続けたい場合は調停が向く。両方を順に使うこともできる。実務のポイント:弁護士会にも同じ形の紛議調停(弁護士法41条)がある。士業団体の調停は、ほかの手続とは違い、相手の職業上の評判に働きかける手続である。最初の一手を調停にしておけば、訴訟費用をかけずに相手の言い分を全部引き出せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「業界団体の調停なんて身内びいきに決まっている」と思われがちである。たしかに協会は会員の団体だが、調停の場で記録される会員の言動は、協会自身の自主規制や監督と無関係ではいられない。身内びいきかどうかより先に考えるべきなのは、相手が職業人として協会の前で何を言わざるを得なくなるか、という点である
- 調停で合意すれば解決だと考える人は多いが、その危うさは十分に知られていない。協会の調停でまとまった合意は、原則として民法695条の和解契約にとどまり、判決のような債務名義(強制執行できる根拠書面)にはならない。相手が支払わなければ、もう一度訴訟から始めることになる。合意内容を公正証書にするか、簡易裁判所の即決和解(民事訴訟法275条)にしておかなければ、合意書一枚では回収できない
- 「調停を申し立てたから時効は止まっている」と思うのは、問いの立て方からして危ない。時効の完成猶予が明文で認められているのは、法務大臣の認証を受けた ADR(裁判外紛争解決手続)などに限られる。協会の調停がそれに当たるかは事前に確認が要る。当たらなければ、催告や協議合意など別の手当てを並行して打たなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の目的 | 46条の8:会員業務をめぐる紛議を話し合いで解決 | 31条:会員の非違行為に対する懲戒(処分) 民事調停法2条:裁判所による民事一般の調停 |
| 判断主体 | 日本公認会計士協会 | 内閣総理大臣(金融庁) 簡易裁判所等の調停委員会 |
| 申立てできる人 | 会員、当事者、その他関係人 | 処分は行政庁が行う(何人も事実の申出が可能とされる) 紛争の当事者 |
| 結果の効力 | 合意は原則として和解契約、執行力なし | 戒告・業務停止・登録抹消などの処分 調停調書は裁判上の和解と同一の効力 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では会計師公會の自律規範に加え、一般の民間紛争は郷鎮市の調解委員会で扱える。士業団体調停の明文規定の有無は要確認
ドイツでは経済監査士会(WPK)の任務として、会員間および会員と依頼者間の紛争の仲介が定められているとされる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- IPO 準備中のスタートアップで、上場申請の三か月前に監査法人から契約解除を通知された。代わりの監査法人がすぐ見つからなければ、上場スケジュールが一年ずれる。訴訟では間に合わない。協会の調停なら、解除に至った経緯と引継ぎへの協力を、業界の目がある場で話し合える
- 顧問の会計士に頼んだ財務デューデリジェンスで、簿外債務の見落としがあった。M&A 後に数千万円の損失が出たのに、会計士は「契約範囲外だった」と言うだけ。訴える前に、まず協会の調停を申し立てるという手もあるのではないか?
- あなたが会計士の側だとする。報酬を払わない元クライアントから、逆に「ミスがあった」と言われて支払を拒まれている。会員も調停を申し立てられる。待っていても状況は変わらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書、業務範囲を定めた書面、メールや議事録を時系列で整理し、相手の業務が契約のどこから外れたかを特定する2. 日本公認会計士協会に、紛議調停の申立方法と費用を確認する3. 申立てと並行して、時効が迫っていれば内容証明で催告するか、書面で協議の合意(民法151条)を取り付ける4. 合意が成立したら公正証書か即決和解にして、執行力を確保する
訴えられた側:1. 調停を申し立てられたことを、懲戒手続と混同しない。調停は話し合いの場である2. ただし発言は記録に残ると考え、契約範囲と実施した手続の証拠をそろえてから出席する3. 守秘義務(公認会計士法27条)に触れる資料は、開示の範囲を事前に整理しておく4. 報酬の未払いがあれば自分から反対の主張を出し、損害額と相殺できるかを協議する
時効(請求できる期限):本条に固有の期限はない。会計士への損害賠償や報酬の請求には一般の消滅時効(民法166条:知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。調停を申し立てても時効が当然に止まるわけではないため、催告(民法150条、6か月)か書面による協議合意(民法151条、最長1年)を併用する(最新の改正状況をご確認ください)
- 公認会計士法 第46条の2調停主体である協会の設立根拠
- 公認会計士法 第26条信用失墜行為の禁止、紛議の背景規範
- 公認会計士法 第27条守秘義務、調停での資料開示の制約
- 公認会計士法 第31条一般の懲戒、調停と別軌道の責任追及
- 弁護士法 第41条弁護士会の同型の紛議調停制度
- 民法 第695条調停合意の法的性質は和解契約
- 民事調停法 第2条裁判所の民事調停という代替経路
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