公認会計士法 第53条の4
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第五十条、第五十二条の二、第五十二条の四、第五十三条第一項又は第五十三条の二の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第53条の4は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第53条の4の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第五十条、第五十二条の二、第五十二条の四、第五十三条第一項又は第五…」で始まります。
- 公認会計士法第53条の4は第八章に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第53条の4の前の条は公認会計士法第53条の3です。
- 公認会計士法第53条の4の次の条は公認会計士法第54条です。
- 公認会計士法第53条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第53条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第53条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/53_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法53条の4は、従業者等が業務に関して50条などの罪を犯したとき、行為者に加え法人又は人にも各本条の罰金刑を科す両罰規定である。
Q · 社員が無資格で監査業務をしたら、会社も刑事責任を問われるの?
問われる。ただし監督を尽くした立証で免責されうる
公認会計士法53条の4により、従業者が業務に関して50条(無資格の監査証明業務等)などの列挙された罰則に違反した場合、行為者本人に加えて法人または個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。法人に拘禁刑はありません。判例は事業主の選任監督上の過失を推定する立場をとり、注意を尽くしたことを事業主側が立証すれば免責されうるとしています(最大判昭和32年11月27日)。
解説
罰金の請求書は、違反した本人にだけ届くわけではない。公認会計士法53条の4は、法人の代表者・代理人・使用人・その他の従業者が「業務に関して」50条、52条の2、52条の4、53条1項、53条の2の違反をしたとき、行為者本人を罰したうえで、その法人や個人事業主(条文の「人」)にも各本条と同じ罰金刑を科すと定める。いわゆる両罰規定である。押さえておくべき点は三つある。第一に、法人に科されるのは罰金だけで、拘禁刑はない。第二に、最高裁は両罰規定について、事業主には従業者を選び監督するうえでの過失(選任監督上の過失)があったと推定し、事業主が注意を尽くしたことを立証すれば責任を免れるという立場をとる(最大判昭和32.11.27)。第三に、52条や51条は列挙されていない。つまり、どの違反なら会社も道連れになるかは条文の列挙で決まる。経理代行やコンサルを営む会社の社員が、資格がないのに監査証明まがいの業務を引き受けた場合、会社も刑事被告人として法廷に立つことになる。
法的な位置づけ
公認会計士法53条の4は、法人の代表者または法人・人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関して同法50条、52条の2、52条の4、53条1項または53条の2の違反行為をした場合に、行為者を処罰するとともに、当該法人または人に対しても各本条の罰金刑を科す旨を定めた両罰規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反行為をした場合に、行為者本人だけでなく、その事業主である法人や個人にも刑罰を科す規定です。公認会計士法では53条の4がこれに当たります。
Q2公認会計士法の両罰規定の対象になる罰則は?
50条、52条の2、52条の4、53条1項、53条の2の五つに限られます。列挙されていない罰則規定の違反では、本条により法人が罰せられることはありません。
Q3両罰規定で法人に科される刑罰は?
罰金刑のみです。法人に拘禁刑を科すことはできず、罰金額は行為者に適用される各本条の罰金刑と同じ基準によります。
Q4個人事業主も両罰規定の対象になる?
なります。条文の「人」は個人事業主を指し、雇っている補助者や従業員が業務に関して違反すれば、事業主本人にも罰金刑が科されえます。
Q5無資格で監査をすると違法?
違法です。公認会計士または監査法人でない者が他人の求めに応じ報酬を得て監査証明業務を行うことは47条の2で禁止され、50条の罰則対象になります。
Q6両罰規定で会社が免責される条件は?
判例上、事業主が行為者の選任・監督について必要な注意を尽くしたことを立証すれば免責されえます。社内規程や研修記録など事前の証拠が必要です。
Q7法人の罰金刑は前科になる?
法人に対する罰金刑も有罪判決として記録されます。許認可の審査や上場審査、取引先のコンプライアンス確認で説明を求められる場面があります。
Q8両罰規定と転嫁罰規定の違いは?
両罰規定は行為者と事業主の双方を罰します。転嫁罰は行為者を罰せず事業主のみを罰する形式で、現行法では両罰規定が一般的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったことでも、会社が罰金を払わなきゃいけないんですか?
原則としてそうなる。53条の4は、業務に関する違反であれば会社にも各本条の罰金刑を科す。ただし判例は事業主の選任監督上の過失を推定する立場なので、注意を尽くしたことを立証できれば免責されうる。実務のポイント:実際に免責が認められる例は多くない。研修の実施日、受講者の署名、禁止事項を明記した規程の改訂履歴など、日付入りの記録がない限り「注意を尽くした」とはまず認められない
Q2会社の社長が逮捕されて刑務所に行くことになるんですか?
本条で法人に科されるのは罰金刑だけで、法人に拘禁刑はない。ただし、社長自身が違反行為をした、あるいは指示した場合は、行為者または共犯として各本条の拘禁刑の対象になりうる(50条など)。実務のポイント:捜査機関は、まず現場の行為者を固め、そこから上司の指示の有無をたどる。社内チャットに残った「とりあえず受けておいて」の一言が、行為者を社員から役員に変える
Q3守秘義務違反も両罰規定で会社が罰せられますか?
53条の4が列挙しているのは50条、52条の2、52条の4、53条1項、53条の2だけである。列挙に含まれない罰則規定の違反は、本条によって法人まで罰せられることはない。実務のポイント:刑事上の両罰がなくても、民事上の使用者責任(民法715条)や、金融庁による監査法人への行政処分は別に動く。刑事で道連れにならないことと、会社が無傷であることは同じではない
間違えやすい点 AI による整理
- 「社員が勝手にやったことだから会社は無関係」と考えがちだが、両罰規定の下では、業務に関して行われた違反である限り、会社が知らなかったことは免責理由にならない。免責されるには、選任・監督に必要な注意を尽くしたことを会社側が積極的に立証する必要がある(過失推定説、最大判昭和32.11.27)
- 罰金額が各本条どおりなので小さく見えるかもしれない。だが本当の打撃は金額ではない。法人が罰金刑を受けると前科として記録され、許認可の審査、上場審査、取引先の反社・コンプラチェックで説明を求められ続ける。数百万円の罰金より、その後の信用コストのほうが桁違いに重い
- 「公認会計士法の罰則なのだから、監査法人だけの話」という問い自体がずれている。本条の対象は「法人又は人」であり、無資格者による監査業務の禁止違反などは、会計事務所以外のコンサル会社、経理代行業者、個人事業主こそが踏みやすい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 53条の4:法人・人への罰金刑を定める両罰規定 | 50条:無資格の監査証明業務等に対する行為者の罰則 47条の2:公認会計士・監査法人以外による監査業務の禁止 |
| 処罰対象 | 業務の主体である法人又は人(事業主) | 違反行為をした者本人 罰則規定ではなく行為の禁止規範 |
| 刑の種類 | 各本条の罰金刑のみ(拘禁刑なし) | 拘禁刑または罰金(条文で確認) 違反は50条で処罰 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も特別法ごとに兩罰規定を置き、法人には罰金を科す構造で日本と近い
韓国の양벌규정は、法人が相当の注意と監督を怠らなかった場合の免責ただし書きを明文で置く例が多い
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法上の過料(Geldbuße)で対応する
米国は代位責任により法人の刑事責任を広く認め、コンプライアンス体制は量刑上考慮される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが経営する経理代行会社で、営業担当が顧客に「うちで決算書の監査もやりますよ」と持ちかけ、報酬を受け取って証明書類を出していた。公認会計士でも監査法人でもない者が報酬を得て監査証明業務を営むことは47条の2で禁止され、50条の罰則対象になる。社員の独断でも、会社にも罰金が科されうる
- もし、社員が勝手にやったことで会社まで罰金を科されたら、反論の余地はあるのか? ある。事業主が選任・監督に必要な注意を尽くしたことを立証すれば免責されうる。ただし、その証拠は事件の前から積み上げておかなければ存在しない
- IPO 準備中のスタートアップで、CFO が知り合いの元会計士(登録抹消済み)に「監査っぽいレビュー」を有償で依頼した。その元会計士が個人事業主として補助者を使っていた場合、補助者の違反行為について、その元会計士自身も「人」として本条の対象になる
- 当局の報告徴求の期限まであと3日。担当の従業員が都合の悪い資料を外し、虚偽の内容で提出しようとしている。列挙された罰則に当たる報告義務違反であれば、提出した瞬間に会社も罰金刑の当事者になる(該当条項は最新の条文をご確認ください)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無資格の業者が作った「監査報告書」を受け取って損害を受けた場合、まず契約書・請求書・報告書の原本を保全する2. 相手が公認会計士か監査法人かは、日本公認会計士協会の登録情報で確認できる3. 民事では、行為者だけでなく法人にも使用者責任(民法715条)で賠償を請求できる4. 刑事告発を検討する場合は弁護士と相談し、金融庁への情報提供も選択肢になる
訴えられた側:1. 会社が両罰規定で捜査対象になったら、行為者個人と会社の弁護人を分けることを検討する。利益が対立しうるためである2. 社内規程、研修記録、業務承認フロー、内部監査記録を至急集め、選任監督上の注意を尽くした証拠として整理する3. 違反行為が「業務に関して」行われたかを精査する。業務と無関係な私的行為なら本条の対象外となりうる4. 違反業務を即時停止し、顧客への説明と再発防止策を書面で残す
時効(請求できる期限):罰金刑の公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号、253条1項)。行為者の罪の法定刑が長期5年未満の拘禁刑であれば行為者についても3年。両罰規定で法人の時効を行為者に合わせる明文規定を置く法律もあるが、本条の扱いは実務上確認が必要である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):事業主の責任を従業者の選任監督上の過失の推定と解し、事業主に注意義務を尽くしたことの反証を許す。責任主義との調和を図る立場。
無過失責任説:事業主は従業者の違反について過失の有無を問わず責任を負うとする見解。責任主義に反するとの批判が強く、判例は採用していない。
- 公認会計士法 第50条無資格監査業務の罰則、両罰の対象
- 公認会計士法 第47条の2非会計士による監査業務の禁止
- 公認会計士法 第53条1項違反が両罰の対象、罰金の基準
- 公認会計士法 第53条の2両罰の対象となる罰則規定
- 刑法 第8条刑法総則を特別刑法の罰則に適用
- 刑事訴訟法 第250条罰金刑の公訴時効期間を規律
- 民法 第715条民事の使用者責任、刑事両罰と並行
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