受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第188条の6

クイックジャンプ
  1. 第百八十八条の二第一項又は第百八十八条の四の規定により補償される費用の範囲は、被告人若しくは被告人であつた者又はそれらの者の弁護人であつた者が公判準備及び公判期日に出頭するに要した旅費、日当及び宿泊料並びに弁護人であつた者に対する報酬に限るものとし、その額に関しては、刑事訴訟費用に関する法律の規定中、被告人又は被告人であつた者については証人、弁護人であつた者については弁護人に関する規定を準用する。
  2. 2.裁判所は、公判準備又は公判期日に出頭した弁護人が二人以上あつたときは、事件の性質、審理の状況その他の事情を考慮して、前項の弁護人であつた者の旅費、日当及び宿泊料を主任弁護人その他一部の弁護人に係るものに限ることができる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第188条の6は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第188条の6の条文原文は「第百八十八条の二第一項又は第百八十八条の四の規定により補償される費用の範囲は、被告人若しくは被告人であつた者又はそれらの者の弁護人であつた者が公判準備及び公判期…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第188条の6は第十六章 費用の補償に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第188条の6の前の条は刑事訴訟法第188条の5です。
  7. 刑事訴訟法第188条の6の次の条は刑事訴訟法第188条の7です。
  8. 刑事訴訟法第188条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条の6
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/188_6
裁判例 6件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法188条の6は、無罪確定時に国が補償する費用を旅費・日当・宿泊料・弁護人報酬の四項目に限定し、報酬額は法定基準で算定すると定める。

Q · 無罪になったら、弁護士に払ったお金は全部国が返してくれるの?

いいえ、戻るのは法定額の枠内の費用だけです

刑事訴訟法188条の6により、国が補償する費用は、公判準備・公判期日への出頭旅費、日当、宿泊料、弁護人であった者への報酬の四項目に限られます。しかも報酬額は実費ではなく刑事訴訟費用に関する法律の法定基準で計算されるため、私選弁護人に支払った金額との差額が残ることが珍しくありません。弁護人が複数いた場合は、第2項により裁判所が主任弁護人など一部の分に絞ることもできます。

解説

無罪判決を勝ち取った。冤罪と戦い抜いて、ついに裁判官が「あなたは無罪だ」と告げる。だがその瞬間、多くの人が抱く期待は静かに裏切られる。「これで弁護士に払った数百万円も、国が返してくれる」。そう思っているなら、刑事訴訟法188条の6をまだ読んでいない。本条は、国が補償してくれる費用の範囲を厳密に区切っている。公判準備と公判期日に出頭するための旅費、日当、宿泊料、そして弁護人だった者への報酬、この四つだけだ。しかも報酬の額は、あなたが実際に私選弁護人へ支払った金額ではなく、刑事訴訟費用に関する法律が定める法定額(国選弁護人の水準に近い基準)で計算される。実際に300万円払っていても、戻るのはその一部にとどまることが珍しくない。さらに弁護人が二人以上いた場合、裁判所は主任弁護人など一部の分だけに絞ることができる。無罪でも、あなたは戦いの費用の大半を自分の財布から出すことになる。

法的な位置づけ

刑事訴訟法188条の6は、無罪等の裁判が確定した場合に国が補償する費用の範囲と算定基準を定める規定である。補償対象は公判準備・公判期日への出頭旅費、日当、宿泊料、及び弁護人であった者への報酬の四項目に限られ、その額は刑事訴訟費用に関する法律の規定を準用して算定される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.確定から6か月の請求期限を最優先で確認 無罪等の裁判が確定したら、まず請求期限を確認する。費用補償の請求は確定日から6か月以内(188条の3)で、過ぎると権利が消滅する。確定日をカレンダーに記録し、期限を逆算して動く
  2. 2.補償対象の証拠書類を揃える 公判準備・公判期日への出頭旅費、日当、宿泊料の領収書と、弁護人との報酬契約書・支払記録を集める。補償は四項目に限られるため、対象外の費用と区別して整理する
  3. 3.無罪等の裁判をした裁判所に請求書を提出 費用補償の請求書を、無罪等の裁判をした裁判所に提出する。額は刑事訴訟費用に関する法律の法定基準で算定されるため、実費との差額が出ることを前提に申し立てる
  4. 4.複数弁護人の必要性を具体的に主張 弁護人が二人以上いた場合、第2項で主任弁護人等の分に絞られうる。各弁護人の専門分野の分担や争点の多さなど、出頭が事件の性質上必要だったことを審理記録に基づいて主張し、絞り込みに反論する

よくある質問 AI による整理

Q1費用補償とは何ですか?

無罪等の裁判が確定した場合に、訴訟に要した一定の費用を国が補償する制度です。刑事訴訟法188条の2以下が根拠で、補償の範囲は188条の6が定めています。

Q2費用補償と刑事補償はどう違いますか?

費用補償は訴訟に要した費用(188条の2以下)、刑事補償は身柄拘束日数に対する補償(刑事補償法)です。申立先も計算方法も別で、両方を別々に請求できます。

Q3費用補償の請求期限はいつまでですか?

無罪等の裁判が確定した後6か月以内です(188条の3)。起算点は裁判の確定日で、過ぎると補償を受ける権利そのものが消滅します。

Q4国選弁護人でも費用補償を受けられますか?

国選弁護人の報酬はもともと国が負担しているため、費用補償で『弁護人報酬』として戻る分は生じません。私選か国選かで戻る金額が変わります。

Q5費用補償はどこに請求しますか?

無罪等の裁判をした裁判所に請求します。請求書とともに旅費・宿泊の領収書、弁護人との報酬契約書・支払記録を揃えて提出します。

Q6費用補償の対象になる費用は何ですか?

公判準備・公判期日への出頭旅費、日当、宿泊料、弁護人であった者への報酬の四項目に限られます(188条の6第1項)。それ以外の実費は対象外です。

Q7検察官が上訴したときの費用も補償されますか?

検察官の上訴等により生じた費用は188条の4が補償の根拠となり、その範囲は同じく188条の6によって四項目に限定されます。

Q8費用補償の額はどうやって決まりますか?

刑事訴訟費用に関する法律を準用して算定します。被告人であった者は証人、弁護人であった者は弁護人に関する規定が準用され、実費全額ではありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1無罪になったのに、なんで弁護士費用が全額戻ってこないんですか?

188条の6が補償の範囲を旅費・日当・宿泊料・弁護人報酬の四項目に限定し、しかも報酬額は刑事訴訟費用に関する法律の法定基準で計算するからです。私選弁護人に実際に支払った額とは大きく開くことが珍しくありません。実務のポイント:この差額は基本的に取り戻せません。だからこそ重大事件では、無罪でも自己負担が残ることを契約時に書面で確認しておくのが実務の鉄則です

Q2弁護士を3人つけて無罪になったら、3人分の費用が補償されますか?

されるとは限りません。188条の6第2項で、裁判所は事件の性質・審理の状況などを考慮し、旅費・日当・宿泊料を主任弁護人など一部の弁護人の分に絞ることができます。実務のポイント:絞り込みを避けるには、各弁護人がなぜ必要だったか(専門分野の分担、争点の多さ)を審理段階から記録に残すこと。後から『全員必要でした』と言っても、裁判所はその場の記録で判断します

間違えやすい点 AI による整理

  • 「無罪になれば弁護士費用は全額国が返してくれる」と思われているが、188条の6が補償するのは旅費・日当・宿泊料・弁護人報酬の四項目に限られ、しかも報酬は実費ではなく法定額で計算される。300万円払っても、戻るのは一部にすぎないことが多い
  • 費用補償の制度があること自体は知っていても、第2項の「弁護人が複数いると主任弁護人など一部の分に絞られうる」という深刻さを知らない人が多い。大型弁護団で無罪を勝ち取っても、追加した弁護士の費用は自腹になる構造が組み込まれている
  • そもそも『費用補償』と『刑事補償』を同じものだと思い込んで問いを立てている人がいる。前者(188条の2以下)は訴訟にかかった費用、後者(刑事補償法)は身柄を拘束された日数に対する補償。別制度で申立先も計算方法も違う。どちらを請求すべきかという問いの立て方そのものが、最初の分岐点になる
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割188条の6:補償される費用の範囲と算定基準188条の2:無罪確定時の費用補償の根拠
188条の3:請求手続と6か月の請求期限
対象旅費・日当・宿泊料・弁護人報酬の四項目に限定無罪等の裁判を受けた被告人であった者
費用補償を請求する権利の行使期間
実務上の注意報酬は法定基準で算定、複数弁護人は絞られうる(第2項)188条の4は検察官上訴等の場合の補償根拠
期限超過で補償請求権が消滅する

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
刑事補償法(中華民国)

台湾は無罪確定者への補償を刑事補償法で扱うが、主に拘禁・執行への補償であり、防御費用そのものの補償制度は限定的

韓国
형사소송법 제194조의2

韓国も無罪判決に対する費用補償の規定を刑事訴訟法に置く。補償範囲の限定という構造は日本と類似

ドイツ
StPO § 467

ドイツは無罪等の場合、被告人の必要費用を原則として国庫が負担する。日本より補償範囲が広い傾向

アメリカ
Hyde Amendment(18 U.S.C. § 3006A note)

米国は原則として各自費用負担(American Rule)だが、濫用的訴追に対しては勝訴被告人が弁護士費用を回収できる余地がある

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • ようやく無罪が確定した。喜びもつかの間、あなたは弁護士費用の請求書を見返す。総額280万円。国に費用補償を申し立てたら、いくら戻ってくると思う? 額は刑事訴訟費用に関する法律の法定基準で計算され、実費の三分の一以下ということも起こりうる
  • 重大事件で無罪を狙い、あなたは主任弁護人のほかに二人の専門弁護士を雇った。報酬総額600万円。だが無罪後の費用補償で、裁判所は188条の6第2項を使い、旅費・日当・宿泊料を主任弁護人の分だけに絞った。残りはあなたの負担になる
  • 無罪判決の翌日、あなたは費用補償の請求を考える。請求の期限は裁判確定から6か月(188条の3)。動かなければ、補償を受ける権利そのものが消える
  • あなたが弁護人として依頼者の無罪を勝ち取った。「費用補償で報酬の一部は国から戻ります」と説明するとき、その額が法定基準にとどまることを正確に伝えないと、後で『話が違う』と依頼者と揉めることになる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 無罪等の裁判が確定してから6か月以内に、判決をした裁判所へ費用補償の請求書を提出する(188条の3)。期限を過ぎると権利が消滅する2. 公判準備・公判期日への出頭の旅費・日当・宿泊料の領収書、弁護人との報酬契約書・支払記録を揃える3. 補償額は刑事訴訟費用に関する法律の法定基準で計算されるため、実費との差額が出ることを前提に申し立てる4. 弁護人が複数いた場合は、各弁護人の出頭が事件の性質上必要だったことを具体的に主張し、第2項による絞り込みに反論する

訴えられた側:1. 弁護士と契約する前に、無罪となっても費用補償は法定額にとどまり実費全額は戻らないことを理解しておく2. 私選か国選かを、無罪後の費用補償の有無も踏まえて判断する(国選弁護人の報酬は補償対象にならない) 3. 弁護団を増やす場合、第2項で主任弁護人分に絞られるリスクを織り込む4. 旅費・宿泊・報酬の記録を審理の最初から保存し、無罪を勝ち取った後の請求に備える

時効(請求できる期限):費用補償の請求は、無罪等の裁判が確定した後6か月以内にしなければならない(刑事訴訟法188条の3第1項)。起算点は裁判の確定日。この期間を過ぎると補償を受ける権利は消滅する(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:188条の6の費用補償は、補償範囲を四項目に限定し、額を刑事訴訟費用に関する法律に準用して標準化することで、無罪者の費用救済と公費支出の節度を両立させる趣旨と解されている。実費全額の填補を目的とするものではない。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:刑事訴訟法の改正により費用補償制度(188条の2以下)が新設され、188条の6で補償される費用の範囲と算定基準が定められた(施行時期・改正経緯は現行法の公布資料で要確認)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第十六章 費用の補償

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›