刑事訴訟法 第343条
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- 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつたときは、保釈又は勾留の執行停止は、その効力を失う。
- 2.前項の場合には、新たに保釈又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、第九十八条及び第二百七十一条の八第五項(第三百十二条の二第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定を準用する。この場合において、第二百七十一条の八第五項中「第一項(」とあるのは、「第二百七十一条の八第一項(」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第343条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第343条の条文原文は「拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつたときは、保釈又は勾留の執行停止は、その効力を失う。」で始まります。
- 刑事訴訟法第343条は第五節 公判の裁判に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第343条の前の条は刑事訴訟法第342条の8です。
- 刑事訴訟法第343条の次の条は刑事訴訟法第343条の2です。
- 刑事訴訟法第343条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第343条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第343条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/343
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法343条は、拘禁刑以上の実刑判決が宣告されると、その瞬間に保釈と勾留の執行停止が失効すると定める。判決が確定する前でも収容されうる。
Q · 保釈中に実刑判決が出たら、その日のうちに収容されるの?
はい。判決宣告と同時に保釈は失効し収容されます
刑事訴訟法343条1項により、拘禁刑以上の実刑判決が宣告されると、その瞬間に保釈および勾留の執行停止は効力を失います。判決が確定していなくても、控訴予定であっても、第一審の保釈は復活しません。実刑判決を受けた被告人は、その日のうちに身柄を収容されうるのが原則です。ただし執行猶予や無罪の判決では、逆に345条により勾留状が失効し、その場で釈放されます。
解説
保釈金を積んで、裁判の間は自宅から法廷に通っていた。判決の日、裁判長が「被告人を拘禁刑二年に処する」と読み上げた瞬間、あなたの保釈は法律上その場で効力を失う。刑事訴訟法343条1項がそう定めている。実刑なら、判決の言い渡しと同時に保釈は死に、あなたはその日のうちに身柄を収容されうる。多くの被告人とその家族が、この一点を知らずに判決期日に臨む。控訴するつもりでも関係ない。第一審の保釈は判決でいったん消える。控訴審で外にいたければ、新たに保釈を申請し直さなければならず、しかも控訴審では権利としての保釈(89条)が使えず、裁判所の裁量保釈(90条)に賭けるしかない。つまり一審で実刑判決を受けた瞬間、あなたの身柄は手続上もっとも不利な位置に落ちる。判決前夜にこの構造を分かっているかどうかで、その日に何を準備し、弁護人と何を打ち合わせるかが根本から変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法343条は保釈の失効を定める規定であり、拘禁刑以上の刑に処する判決が宣告されたとき、保釈および勾留の執行停止がその効力を失う旨を規定する。判決確定を待たず宣告の瞬間に効力が消滅する点に特徴があり、無罪や執行猶予の判決で勾留状が失効する345条の裏面に位置する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決期日前に「実刑なら即収容」を前提共有する 弁護人と判決の見通しを確認し、実刑の可能性があるなら343条で当日収容されうる前提で段取りを組む。控訴申立書と控訴審の再保釈請求書を判決前から起案させておく
- 2.判決当日の持参品と家族への委任を準備する 実刑で収容されると本人は動けなくなるため、着替え・身の回り品を持参し、保証金の還付手続や控訴審の保釈金準備を家族が代行できるよう、委任関係と口座情報を事前に整える
- 3.実刑判決後、14日以内に控訴と再保釈をワンセットで動かす 控訴は判決言い渡しの翌日から14日以内(刑訴373条)。控訴申立てと同時に控訴審での裁量保釈(90条)を請求する。控訴審は権利保釈(89条)が使えない(344条)ため、保釈条件を具体的に積み上げる
- 4.保釈保証金の還付手続を進める 保釈の失効だけでは保証金は没取されない。収容にきちんと応じて手続を踏めば原則として還付される。家族を通じて還付を受け、その資金を控訴審の再保釈金に充てる
よくある質問 AI による整理
Q1保釈の失効とは何ですか?
拘禁刑以上の実刑判決が宣告されると、保釈や勾留の執行停止が自動的に効力を失うことです。刑事訴訟法343条が根拠で、裁判所の新たな決定を要さず当然に生じます。
Q2執行猶予判決でも収容されますか?
収容されません。343条で保釈は失効しますが、執行猶予判決では345条により勾留状そのものが失効するため、その場で釈放されます。収容されるのは実刑のときだけです。
Q3保釈はいつ効力を失いますか?
実刑判決の言い渡し(宣告)と同時です。判決確定や勾留手続を待たず、主文が読み上げられた瞬間に失効します。猶予期間はありません。
Q4拘禁刑とは何ですか?
2025年6月施行の改正刑法で、従来の懲役と禁錮を一本化した刑です。343条はこの改正に伴い「禁錮以上」から「拘禁刑以上」へ文言が改められました。
Q5罰金刑の判決でも保釈は失効しますか?
343条による失効はしません。条文は「拘禁刑以上の刑」が対象です。罰金刑の判決では、むしろ345条で勾留状が失効し釈放されるのが原則です。
Q6勾留の執行停止と保釈の違いは何ですか?
保釈は保証金を条件に身柄を解く制度、勾留の執行停止は病気や事情により一時的に勾留の執行を止める制度です。343条はその双方を同時に失効させます。
Q7保釈失効後の収容手続はどうなりますか?
343条2項により98条が準用され、検察官の指揮で収容されます。新たな保釈・勾留執行停止の決定がない限り、宣告後に身柄が確保されます。
Q8判決前に弁護人と何を打ち合わせるべきですか?
実刑の見込みがあるなら、控訴申立書と再保釈請求書の事前起案、判決当日の持参品、家族への資金・連絡の委任を打ち合わせておくと、収容後の対応が間に合います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保釈で家にいたのに、判決の日にいきなり連れて行かれるって本当ですか?
本当です。刑事訴訟法343条1項により、拘禁刑以上の実刑判決が言い渡されると、その瞬間に保釈は効力を失い、判決が確定する前でも収容されます。控訴予定かどうかは関係ありません。実務のポイント:弁護人はこの展開を当然分かっているので、実刑の見込みがある事件では判決前から控訴申立書と再保釈請求書を用意しています。何も準備していない被告人は、収容されてから動き始めて控訴審の勾留が長引く。判決前夜の段取りで、その後の身柄の自由が変わります
Q2控訴したら、また保釈で外に出られますか?
自動では出られません。第一審の保釈は判決で失効しているので、控訴審で改めて保釈を請求する必要があります。しかも控訴審には権利保釈(89条)が適用されず(344条)、裁判所の裁量保釈(90条)に委ねられるため、一審のときより認められにくくなります。実務のポイント:控訴審の再保釈を通すには、保釈条件を具体的に積み上げるのが鍵。住居制限、身元引受人、保証金の増額、逃亡しない客観的事情を弁護人と組み立てて裁判所に出すかどうかで、結果が分かれます
Q3実刑判決で保釈が切れたら、積んだ保釈金はもう戻ってこないんですか?
原則として戻ります。保釈の失効と保証金の没取は別物です。収容にきちんと応じて手続を踏めば、保証金は還付されます。没取されるのは、逃亡したり出頭を拒否したりした場合です(96条)。実務のポイント:本人が収容されると自分では還付手続を動かせなくなるため、判決前に家族へ委任と口座情報を渡しておくと、戻った保証金をそのまま控訴審の再保釈金に回せます。資金を止めないこの一手が、控訴審で外に出る現実的な余力になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「保釈が切れるのは判決が確定してから」と思っている人が多い。確かにそう聞けば筋が通る。だが343条は確定を待たない。第一審の宣告、つまり言い渡しのその瞬間に保釈は失効する。控訴して判決が未確定でも、第一審の保釈はもう生きていない。確定前と確定後を分けて考える発想自体が、ここでは通用しない
- 「執行猶予でも343条で保釈が失効するなら、結局収容されるのでは」という問いを立てる人がいるが、その問いはねじれている。343条で保釈は確かに失効するが、執行猶予判決では345条が勾留状そのものを失効させるため、あなたは身柄拘束されず釈放される。収容されるのは実刑のときだけ。二つの条文が噛み合って初めて結論が出る
- 「控訴すれば保釈はそのまま続く」と信じている被告人は少なくないが、第一審の保釈は判決で死ぬ。控訴審で外に出るには新たな保釈申請が必要で、しかも控訴審には権利保釈(89条)が適用されない(344条)。一審のときより、裁判所に保釈を認めてもらうハードルは確実に上がっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動する判決の種類 | 343条:拘禁刑以上の実刑判決の宣告 | 345条:無罪・免訴・刑の免除・執行猶予・罰金等の判決 344条:上訴中(控訴・上告審)の勾留 |
| 身柄への効果 | 保釈・勾留執行停止が失効 → 収容されうる | 勾留状そのものが失効 → その場で釈放 権利保釈(89条)が不適用 → 裁量保釈に依存 |
| 効力発生のタイミング | 判決の宣告と同時、確定を待たない | 判決の宣告と同時に勾留状が失効 上訴審に係属している間 |
| 被告人が取りうる手段 | 控訴 + 控訴審での再保釈請求(90条) | 釈放されるため再保釈は不要 保釈条件を具体的に積み裁判所を説得 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は判決確定前の羈押を維持しつつ、停止羈押(具保)後に再執行羈押できる事由を定める。判決宣告と同時に当然失効する日本ほど機械的ではない。
韓国は無罪・執行猶予等の判決で구속영장が失効し釈放される点が日本345条に近い。実刑判決後の身柄確保の構造も類似する。
ドイツは Haftbefehl の執行停止(Haftverschonung)を裁判所が個別に判断し、Sicherheitsleistung の Verfall も別途要件を要する。判決宣告による当然失効という一律構造はとらない。
米国は有罪認定後の保釈(release pending sentence/appeal)を原則として制限し、逃亡・危険のおそれがないことの立証を被告人に課す。判決後の身柄の厳格化という点で趣旨が通底する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保釈中のあなたに、明後日が判決期日という通知が届く。弁護人は「実刑の可能性は半々」と言う。あと48時間。判決当日に着替えと身の回り品を持参すべきか、家族に何を伝えておくべきか、再保釈の申請書を弁護人にいつ用意させるか。この三つを今夜決めておかないと、主文が読まれた瞬間に何も間に合わない
- 夫の判決を傍聴席で見守る妻。裁判長が「拘禁刑一年六月」とだけ言い、執行猶予の文言が続かない。その瞬間、夫は廷内で身柄を確保され、妻は声をかける間もなく別室へ連れて行かれる夫の背中を見送る。保釈で家にいたのに、なぜ今日連れて行かれるのか、誰も事前に教えてくれなかった
- もし、執行猶予が付く判決だったら、収容されずに家に帰れるのか? 答えはイエス。343条で保釈は形式上失効するが、執行猶予の場合は345条で勾留状そのものが効力を失うため、あなたはその場で釈放される。実刑と執行猶予で、判決後の身柄は天と地ほど違う
- 起訴された取引先の社長が、保釈で社業を続けながら裁判を受けていた。第一審で実刑判決。控訴したものの再保釈が認められず、控訴審判決まで一年以上勾留された。会社は経営者不在で傾いた。保釈が「判決でいったん切れる」ことを織り込めなかった代償
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が保釈中に第一審で実刑判決を受けた場合、343条によりその場で保釈が失効し、収容されるのが原則。判決期日と主文を確認したいなら、被害者参加制度(刑訴316条の33以下)や期日傍聴を活用する2. 加害者が控訴して再保釈を申請する可能性がある。控訴審では権利保釈が外れる(344条)ため、検察官を通じて保釈に対する意見(被害者の処罰感情・報復のおそれ)を裁判所に届ける余地がある3. 損害賠償の回収を考えているなら、保証金の還付タイミングや加害者の資力動向を弁護士と把握しておく
訴えられた側:1. 判決期日前に弁護人と「実刑なら即収容」という前提を共有し、控訴申立書と再保釈請求書を事前起案しておく2. 判決当日は身の回り品を準備し、家族に資金管理・連絡の委任を済ませておく3. 実刑判決が出たら、控訴申立て(判決翌日から14日以内)と同時に控訴審での裁量保釈(90条)を請求、保釈条件(住居制限・身元引受人・保証金)を具体的に積み上げて裁判所を説得する4. 保釈保証金は失効だけでは没取されない、収容に応じて還付手続を進める
時効(請求できる期限):保釈の失効は判決の宣告と同時にその場で生じる(起算点は言い渡しの瞬間、猶予なし)。控訴は判決言い渡しの翌日から14日以内(刑訴373条)。この14日の間に控訴申立てと控訴審での再保釈請求の両方を動かす必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:拘禁刑以上の実刑判決が宣告された時点で逃亡による刑の執行回避の危険が類型的に高まるため、判決確定を待たず保釈・勾留執行停止を失効させると解されている。失効は当然に生じ、別途の決定を要しない。345条と表裏一体で、実刑か否かにより判決後の身柄が分かれる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役・禁錮を拘禁刑へ統合する刑法改正に伴い、本条1項の「禁錮以上の刑」を「拘禁刑以上の刑」に改正。保釈失効の要件となる刑の名称が変わった
- 令和5年(2023年) 犯罪被害者等の情報保護のための起訴状記載事項の秘匿措置の新設に伴い、本条2項に第271条の8第5項の準用・読替え規定を追加。収容手続における起訴状秘匿措置との整合を図った
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:懲役・禁錮を拘禁刑へ統合する刑法改正に伴い、本条1項の「禁錮以上の刑」を「拘禁刑以上の刑」に改正。保釈失効の要件となる刑名が変わった。
- 2.令和5年(2023年) 改正:犯罪被害者等の情報保護のための起訴状記載事項の秘匿措置の新設に伴い、本条2項に第271条の8第5項の準用・読替え規定を追加。収容手続における起訴状秘匿措置との整合を図った。
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