刑事訴訟法 第344条
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- 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、第六十条第二項ただし書及び第八十九条の規定は、これを適用しない。
- 2.拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、第九十条の規定による保釈を許すには、同条に規定する不利益その他の不利益の程度が著しく高い場合でなければならない。ただし、保釈された場合に被告人が逃亡するおそれの程度が高くないと認めるに足りる相当な理由があるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第344条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第344条の条文原文は「拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、第六十条第二項ただし書及び第八十九条の規定は、これを適用しない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第344条は第五節 公判の裁判に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第344条の前の条は刑事訴訟法第343条の3です。
- 刑事訴訟法第344条の次の条は刑事訴訟法第345条です。
- 刑事訴訟法第344条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第344条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第344条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/344
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法344条は、拘禁刑以上の実刑判決後は権利保釈(89条)を適用せず、保釈を裁量保釈(90条)のみに限り、その要件も逃亡のおそれの程度で厳格化すると定める。
Q · 一審で実刑判決が出たら、控訴しても判決の日に収監されてしまうの?
原則として収監され、保釈は裁量保釈のみになります
刑事訴訟法344条により、拘禁刑以上の実刑判決が宣告された後は権利保釈(89条)と勾留要件の60条2項ただし書が適用されなくなります。控訴しても確定までの身柄拘束は止まらず、残るのは要件の厳しい裁量保釈(90条)だけです。さらに2項は、逃亡のおそれの程度などを考慮して裁量保釈の余地を絞り込んでいます。判決前に控訴申立書・保釈請求書・保証金を準備していたかどうかで、収監される日数が大きく変わります。
解説
刑事裁判の一審で保釈されて自宅から法廷に通っていた被告人が、ある日「拘禁刑」の実刑判決を言い渡される。その瞬間、世界が切り替わる。判決前まであなたを守っていた「権利保釈」(請求すれば原則として認めなければならない保釈、刑訴89条)が、この条文によって消えるからだ。実刑判決が出た後は60条2項ただし書も89条も適用されず、残るのは裁判官の裁量保釈(90条)だけ。しかも2項は、その裁量を「逃亡のおそれが高くないと認める相当な理由」がある場合などに絞り込んでいる。結果として、控訴するつもりでいた被告人の多くが、判決の日の夕方には法廷から留置場へ連れていかれる。あなたが信じていた「控訴中は自由」という前提は、この一条で崩れる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法344条は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告後における保釈の規律を定める規定である。判決宣告後は権利保釈(89条)および勾留要件の60条2項ただし書が適用されず、保釈は裁量保釈(90条)に限られ、その許可も逃亡のおそれの程度が高くないと認める相当な理由などを要件として厳格化される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決前に控訴申立書と保釈請求書を起案しておく 実刑が見込まれる事件では、弁護人と相談し控訴申立書と裁量保釈請求書を判決前に作成しておく。判決言渡し直後に提出できる体制を組めば収監期間を最短化できる
- 2.保証金原資と身元引受人・定まった住居を事前確保 判決後の裁量保釈は要件が厳しく保証金も高額化しがち。許可が出た瞬間に即日納付できる資金、確実な身元引受人、定まった住居を判決前に整える
- 3.在宅中の呼出しに必ず応じ条件違反を作らない 保釈中の呼出し無視や条件違反は、判決後の裁量保釈で逃亡のおそれが高いと評価される。出頭を遵守した実績が再保釈の評価を左右する
- 4.判決直後、控訴申立てと同時に裁量保釈を請求し保証金を即日納付 実刑判決が出たら、控訴申立て(14日以内)と並行して裁量保釈を請求し、逃亡のおそれが高くない相当な理由(定まった住居・身元引受・パスポート預託の用意など)を具体的資料で示す。許可後は保証金を即日納付する
- 5.収監に備え会社・家族の権限移譲と連絡体制を整える 再保釈が認められない場合に備え、会社の決裁権限の移譲、家族・取引先への連絡体制、弁護人との接見計画を判決前に整えておく。控訴審の主張立証は身柄拘束中でも進められる
よくある質問 AI による整理
Q1判決後の保釈とは何ですか?
実刑判決の宣告後に求める保釈のことです。刑訴344条により権利保釈(89条)が外れ、要件の厳しい裁量保釈(90条)のみで判断されます。
Q2実刑判決 収監 タイミングはいつですか?
判決宣告後は勾留状の効力で身柄を取られ得ます。再保釈が認められなければ、判決の日のうちに法廷から留置場へ移されることがあります。
Q3控訴 保釈 期限はいつまでですか?
保釈請求自体に法定期限はありませんが、控訴は判決宣告の翌日から14日以内(刑訴373条)です。これを過ぎると判決が確定し保釈の前提を失います。
Q4権利保釈と裁量保釈の違いは何ですか?
権利保釈(89条)は除外事由がなければ原則認められる保釈、裁量保釈(90条)は裁判官の判断による保釈です。判決後は後者しか残りません。
Q5刑事訴訟法344条 は拘禁刑だけに適用されますか?
拘禁刑以上の刑に処する判決が対象です。罰金のみの判決には適用されず、権利保釈の枠組みが残ります。
Q6保釈保証金は判決後いくらになりますか?
金額は事案・資力・逃亡のおそれで決まり一律ではありません。判決後は逃亡防止の観点から高額化しがちで、即日納付できる準備が釈放時期を左右します。
Q7実刑判決後の保釈は申請できますか?
できます。344条2項ただし書は、逃亡のおそれの程度が高くない相当な理由があれば裁量保釈の余地を残しています。具体的な疎明資料が必要です。
Q8保釈が取り消されるのはどんな場合ですか?
逃亡、証拠隠滅、呼出し無視、条件違反などがあると刑訴96条により保釈が取り消され、保証金が没取されることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴するのに、なんで判決が出ただけで留置場に入れられるんですか?
拘禁刑以上の実刑判決が宣告されると、344条により権利保釈(89条)が適用されなくなり、身柄を解く根拠が弱まるためです。控訴しても確定までの拘束は止まりません。残るのは裁量保釈(90条)だけです。実務のポイント:弁護人は実刑が見込まれる事件で、判決日の朝にはすでに保釈請求書を用意して法廷に臨むことがあります。判決後に書類を作り始める弁護人と、その場で出せる弁護人とで、依頼人が留置場で過ごす日数が大きく変わります
Q2実刑判決のあとでも、また保釈してもらえる可能性はあるんですか?
あります。344条2項ただし書は、逃亡のおそれの程度が高くないと認める相当な理由があるときは裁量保釈(90条)の道を残しています。ただし判決前より要件は厳しく、具体的な疎明資料が要ります。実務のポイント:ここで効くのは抽象的な反省文ではなく、定まった住居、確実な身元引受人、十分な保証金、出頭を担保する具体策の積み上げです。逃亡しない条件をどれだけ目に見える形で示せるかが、認否を分ける裏の勝負どころになります
間違えやすい点 AI による整理
- 「判決に不服で控訴するのだから、確定するまでは自由なはず」と思い込んでいる人が多い。無罪推定は確定まで続くが、それと身柄の自由は別問題。実刑判決が出た時点で権利保釈(89条)は外れ、身柄拘束の根拠は十分に生きている。控訴の有無は収監を止めない
- 保釈が消えること自体は何となく知っていても、その深刻さを見誤っている人が多い。判決後の裁量保釈(90条)は、2項によって「逃亡のおそれが高くない相当な理由」などが要求される厳しい関門になっており、一審で通っていた保釈が自動で続くわけではない。同じ保釈という言葉でも、判決後は別格に重い
- 「実刑判決後はもう保釈は一切無理」と諦めてしまうのも誤り。2項ただし書は、逃亡のおそれの程度が高くないと認める相当な理由があれば裁量保釈の余地を残している。準備さえ整えれば、判決後でも釈放される被告人は現に存在する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保釈の性質 | 344条:判決後は権利保釈が外れ裁量保釈のみが残る | 89条:除外事由がなければ原則認める権利保釈 90条:裁判官の裁量による裁量保釈 |
| 適用時期 | 拘禁刑以上の実刑判決の宣告後 | 判決宣告前(起訴後〜一審判決前)に機能 判決前後を通じて機能、判決後は唯一の根拠 |
| 要件の厳しさ | 2項により逃亡のおそれの程度が高くない相当な理由などを要求し厳格化 | 除外事由(重罪・常習・証拠隠滅のおそれ等)がなければ原則許可 諸般の事情を総合考慮した裁判官の裁量判断 |
| 控訴との関係 | 控訴しても確定までの身柄拘束は止まらない | 判決後は適用排除されるため控訴中は使えない 控訴中の再保釈の唯一の道として残る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも判決後の羈押が問題となり、具保停止羈押の枠組みがある。判決により羈押の評価が変わる点で日本と構造的に近い。
韓国も保석(보석)制度を持ち、上訴と구속の関係を105条で規律する。判決後に拘束評価が厳しくなる点は日本と類似。
ドイツは未決勾留の執行猶予(Haftverschonung)という枠組みで身柄を扱い、逃亡のおそれを中心に判断する点で発想が近い。
米国連邦法は有罪認定・量刑後の保釈を原則否定しつつ、逃亡・危険のおそれがないことを明白かつ確信的に示せば例外的に認める。判決後にハードルが上がる構造は日本344条と同方向。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社を経営するあなたが業務上の事件で起訴され、一審で実刑判決。控訴して争うつもりだったのに、判決言渡しと同時に収監され、会社の決裁も資金繰りも止まる。控訴審で逆転無罪になっても、その間の数か月の拘束は戻ってこない。判決前に再保釈の準備をしていたかどうかで、止まる時間がまるで違う
- もし、一審で執行猶予を期待していたのに実刑が出たら、その日のうちに帰宅できるのか。答えは原則ノー。判決後は権利保釈(89条)が外れ、裁量保釈(90条)の高いハードルを越えなければ留置場に泊まることになる
- あなたが弁護人で、依頼人に実刑判決が出た。法廷を出る前に動かなければ身柄を取られる。控訴申立てと同時の保釈請求、保証金の即日納付、逃亡のおそれが低いことを示す資料。残り時間はその日のうち
- 保釈中に逃亡した著名事件の後、保釈の運用は厳格化した。あなたが一度でも条件違反や呼出し無視をしていれば、判決後の裁量保釈で「逃亡のおそれが高い」と評価され、再保釈の道はほぼ閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:一審で実刑判決を受け収監された側として動く場合:1. 判決翌日から14日以内に控訴を申し立てる(刑訴373条)、これを逃すと判決が確定する2. 控訴と並行して裁量保釈(刑訴90条)を請求、344条2項を踏まえ「逃亡のおそれが高くない相当な理由」を具体的資料で示す(定まった住居、家族・勤務先の身元引受、過去の出頭遵守、パスポート預託の用意など) 3. 保証金を即日納付できるよう準備4. 保釈が認められなくても、控訴審での主張立証は身柄拘束中でも進められる、弁護人との接見計画を最優先で組む
訴えられた側:判決前で実刑の可能性に備える場合:1. 弁護人と「実刑が出た場合の即日対応」を事前に詰める、控訴申立書と保釈請求書を判決前に起案2. 身元引受人、定まった住居、保証金原資をあらかじめ確保3. 在宅中の呼出しには必ず応じ、条件違反を作らない(逃亡のおそれの評価を悪化させない) 4. 収監に備え、会社・家族の緊急時の権限移譲や連絡体制を判決前に整えておく
時効(請求できる期限):保釈請求そのものに法定の期限はなく、判決後いつでも請求できる。ただし判決に対する控訴は、判決宣告日の翌日から起算して14日以内(刑訴373条)。この期間を過ぎると判決が確定し、保釈を論じる前提自体が失われる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:判決宣告により有罪の心証が裁判所によって一度示された以上、逃亡や刑の執行回避の現実的リスクが判決前より高まるため、権利保釈を外して原則を拘束側に傾けることには合理性があるとされる。もっとも2項ただし書により裁量保釈の余地は残され、無罪推定と身体の自由への配慮との均衡が図られていると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正 保釈中の逃亡防止を目的とする刑事訴訟法等改正の一環で、判決宣告後の保釈に関する規律が見直され、2項に逃亡のおそれの程度を考慮する枠組みが整えられた(具体的な施行時期と改正内容は最新の官報・法令データで要確認)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役・禁錮を拘禁刑に統合する刑事法改正に伴い、本条の「禁錮以上」が「拘禁刑以上」に改められた
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 改正:保釈中の逃亡防止を目的とする刑事訴訟法等改正の一環で、判決宣告後の保釈に関する規律が見直され、逃亡のおそれの程度を考慮する枠組みが整えられた(具体的な施行時期・改正内容は最新の官報・法令データで要確認)。
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:懲役・禁錮を拘禁刑に統合する刑事法改正に伴い、本条の『禁錮以上』が『拘禁刑以上』に改められた。
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