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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 6 分6 分6 分

刑事訴訟法 第346条の2

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電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号ロに掲げる方法(電磁的記録を記録媒体に移転させるものに限る。)による提供を命ずるものに限る。)により移転させた電磁的記録について、没収の言渡しがないときは、当該電磁的記録の複写を許す言渡しがあつたものとする。ただし、不正に作られた電磁的記録については、この限りでない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第346条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第346条の2の条文原文は「電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号ロに掲げる方法(電磁的記録を記録媒体に移転させるものに限る。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第346条の2は第五節 公判の裁判に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第346条の2の前の条は刑事訴訟法第346条です。
  7. 刑事訴訟法第346条の2の次の条は刑事訴訟法第347条です。
  8. 刑事訴訟法第346条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第346条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第346条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/346_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法346条の2は、電磁的記録提供命令で移転させた電磁的記録に没収の言渡しがないとき、複写を許す言渡しがあったものとみなす。ただし不正に作られた記録は除外される。

Q · 押収されて手元から消えたデータは、裁判が終わったら取り戻せるの?

判決に没収の言渡しがなければ、複写を許す言渡しがあったとみなされます

刑事訴訟法346条の2により、電磁的記録提供命令で記録媒体に移転させた電磁的記録は、判決に没収の言渡しがないとき、複写を許す言渡しがあったものとみなされます。保有者の側から申立てをする必要はなく、没収の言渡しがないという事実だけで効果が生じます。ただし戻るのは原本ではなく複写であり、但書により不正に作られた電磁的記録は対象外です。公判係属中に必要なデータは、本条ではなく刑訴法123条の還付・仮還付で対応します。

解説

捜査機関があなたのクラウドやサーバーから電磁的記録を「複写」ではなく「移転」させたとする。移転とは、元の場所からデータが消え、記録媒体に移された状態を指す。つまりあなたの手元からそのデータは失われている。裁判が終わり、判決で没収の言渡しがなかったとき、あなたはそのデータを取り戻せるのか。刑事訴訟法346条の2は、その場面で自動的に「複写を許す言渡しがあったものとする」と定める。裁判官が判決文にわざわざ一行書かなくても、法律の側が黙って言渡しを補ってくれる仕組みだ。あなたが押さえておくべきは二点。第一に、返還されるのは「原本」ではなく「複写を許す」という形である点。第二に、但書で「不正に作られた電磁的記録」は対象外とされる点。偽造された電子契約書や改ざんログは、無罪判決が出ても複写を求められない。この条文は2023年(令和5年)の情報処理高度化等対処法で新設された、比較的新しい仕組みである。

法的な位置づけ

刑事訴訟法346条の2は、電磁的記録提供命令のうち電磁的記録を記録媒体に移転させる方法によって取得された電磁的記録について、判決に没収の言渡しがない場合に、複写を許す言渡しがあったものとみなす擬制規定である。ただし、不正に作られた電磁的記録は但書によりその対象から除外される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.差押えの現場で「移転」か「複写」かを確認する 捜査官が電磁的記録をどの方法で取得したかを、その場で確認して差押調書に記載されているか確かめ、控えを保管する。移転であれば本条が働くが、複写であれば元データは手元に残っているはずである
  2. 2.公判中に必要なデータは123条で先に動かす 判決を待てない業務データがある場合は、本条ではなく刑訴法123条の還付・仮還付を弁護人に検討させる。条文の使い分けを誤ると、待たなくてよい期間を待つことになる
  3. 3.最終弁論前に没収対象リストを突き合わせる 押収された電磁的記録の一覧と、検察官が没収を求めている対象の範囲を照合し、事業に不可欠な記録が没収対象に含まれていないかを確認する。但書該当が争われそうな部分は本案の弁論で潰しておく
  4. 4.判決言渡し後に主文の没収記載を確認する 判決主文に当該電磁的記録の没収が含まれているかを確認する。含まれていなければ本条により複写を許す言渡しがあったものとみなされるため、判決確定を待って複写の実施に向けた調整に入る
  5. 5.確定後に検察官へ複写の実施を求める 裁判の執行は検察官が指揮するため、判決確定後は事件を担当した検察庁に対し、複写の実施方法・媒体・日程を具体的に申し入れる。データ量が大きい場合は媒体の準備に日数がかかる

よくある質問 AI による整理

Q1刑事訴訟法346条の2とは?

電磁的記録提供命令で記録媒体に移転させたデータについて、判決に没収の言渡しがないときは複写を許す言渡しがあったものとみなす擬制規定です。2文構造で、但書が不正に作られた記録を除外します。

Q2押収されたデータの原本は返ってくる?

本条で得られるのは複写を許す言渡しであり、移転された記録そのものの返還ではありません。原本性が争点になる電子署名付き文書などでは、この差が後の民事訴訟で問題になることがあります。

Q3複写を許す言渡しに申立ては必要?

不要です。本条は「言渡しがあったものとする」という擬制であり、没収の言渡しがないという事実だけで効果が生じます。保有者が裁判所に申し立てて認めてもらう構造ではありません。

Q4但書の「不正に作られた電磁的記録」とは?

偽造・改ざんされた電子文書や不正指令電磁的記録など、作成自体が正当でない記録を指します。該当すると判断されれば、本案で有罪にならなくても複写を許す擬制は働きません。

Q5没収の言渡しがある場合はどうなる?

本条は「没収の言渡しがないとき」に働く規定なので適用されません。没収の言渡しがあるときは、没収の裁判の執行(刑訴法490条)の枠組みで処理されます。

Q6裁判中に業務データを取り戻せる?

本条は判決に没収の言渡しがないことを前提とするため、公判係属中には使えません。事業継続上どうしても必要なデータは、刑訴法123条の還付・仮還付を弁護人に検討してもらいます。

Q7クラウド上のデータも押収の対象になる?

電磁的記録を保管する者に提供を命じる処分であるため、自社サーバーを持たずクラウドだけで事業をしていても射程から外れません。命令の名宛人が事業者、データの帰属者が別人という場面もあります。

Q8押収されたパソコン本体の返還はどうなる?

有体物であるパソコン本体は押収物の還付手続で処理され、本条の対象ではありません。データが移転された電磁的記録なのか、機器そのものの押収なのかで手続の入口が変わります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1押収されたデータって、無罪になったら全部返してもらえるんですか?

移転された電磁的記録については、判決に没収の言渡しがなければ本条により複写を許す言渡しがあったものとみなされます。ただし返るのは複写であって原本ではなく、不正に作られた記録は但書で除外されます。実務のポイント:無罪判決と複写許可は法的に別の話です。無罪でも但書該当と判断されれば複写は認められない。争うなら本案の中で「不正に作られたものではない」という主張を組んでおく必要がある

Q2そもそも電磁的記録提供命令って何ですか、家宅捜索とは違うんですか?

刑訴法102条の2に基づき、電磁的記録を保管する者に対してその提供を命じる処分です。物理的にパソコンを持ち去る差押えとは別枠で、データそのものを対象とします。本条が扱うのは、そのうち記録媒体に「移転」させる方法によったものに限られます。実務のポイント:命令を受けた側が事業者(クラウド事業者など)で、データの帰属者が別人という場面が実務では多い。自分が名宛人でなくても自分のデータが取得されうる、この構造を知っている人は少ない

間違えやすい点 AI による整理

  • 「押収されたデータは判決が出れば当然返ってくる」と思われがちだが、返ってくるのは原本ではなく「複写」である。移転された電磁的記録そのものは記録媒体に残り、あなたが得るのはそのコピーを取る権利。デジタルデータでは原本と複写の実質的差異は小さいが、原本性が争点になる契約書や電子署名付き文書では、この違いが後の民事訴訟で効いてくることがある
  • この条文を「没収されなければ全部返る」というルールだと理解している人は、但書の重さを見落としている。「不正に作られた電磁的記録」が対象外という一文は、偽造・改ざんされた電子データについては、たとえ本案で有罪にならなくても複写を求められないことを意味する。無罪と複写許可は連動しない
  • 「押収されたのは自分のデータだから、返還を求める手続をこちらから起こす必要がある」と考える人が多いが、問いの立て方が逆である。この条文は「言渡しがあったものとする」という擬制規定であり、あなたが申し立てて認めてもらう構造ではない。没収の言渡しがない、それだけで法律上の効果が発生している
比較の観点この条文ほかの条文
適用場面346条の2:判決に没収の言渡しがないとき(判決段階)123条:公判係属中を含む押収物一般の還付・仮還付
347条:偽造・変造の記載がある物の還付の言渡し
対象電磁的記録提供命令で記録媒体に移転させた電磁的記録押収物(有体物を含む)
偽造・変造にかかる物
手続の起動申立て不要。言渡しがあったものとみなす擬制請求または職権による還付・仮還付の処分が必要
判決における言渡しが必要
得られる結果原本の返還ではなく「複写を許す」地位押収物そのものの返還(仮還付は一時的)
偽造・変造部分の表示を経た上での還付

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第142条・第318条

台湾は押収物の還付・仮還付を一般規定で処理し、電磁的記録の複写許可を擬制する規定は置いていない。デジタル証拠は押収物一般の枠組みで扱われる

韓国
대한민국 형사소송법 제106조 제3항・제333조

韓国は情報保存媒体の押収について複製・出力を原則とする明文を持ち、原本ごと取り上げる場面自体を絞る立法設計。日本は取得後の復旧を擬制で補う設計で、着眼点が異なる

ドイツ
StPO § 111n、§ 110

ドイツは押収物の還付を一般規定で処理し、電子記憶媒体については閲読手続を整備。没収されない電磁的記録の複写許可を擬制する明文はない

アメリカ
Fed. R. Crim. P. 41(g)、41(e)(2)(B)

米国は電子的に保存された情報の押収について複写を前提とする規律を置き、返還は保有者の申立て(motion)による。日本の申立て不要の擬制とは起動方式が逆

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたが経営する小さな受託開発会社に捜索差押えが入り、業務用サーバーから顧客データを含む電磁的記録が移転された。半年後、あなたは不起訴または無罪。事業に不可欠なそのデータは、判決に没収の言渡しがなければ複写を求められる。この一行を知らないと、返還請求の根拠を弁護人に説明できないまま、事業が止まったままになる
  • 友人が「押収されたパソコンのデータ、返してもらえないらしい」と相談してきた。確認すべきは、パソコン本体(有体物)の還付なのか、電磁的記録提供命令で移転されたデータなのか。前者は347条以下の還付手続、後者はこの346条の2の自動的な複写許可。手続の入口が違う
  • もし判決文のどこにも「電磁的記録」の文字が出てこなかったら、どうなる? 実はそれで正しい。この条文は「言渡しがないとき」に働く規定なので、裁判官が沈黙していることが、あなたにとって有利な状態を意味する。判決文を読んで不安になる必要はない
  • 被告人として、押収された電磁的記録の中に会社の営業秘密が含まれていた。裁判は続いているが、事業継続のためデータが今すぐ要る。あと数か月で決算。判決確定まで待てない場合は、この条文ではなく訴訟係属中の還付・仮還付(刑訴法123条)の手続を検討する。条文の使い分けを間違えると、待たなくてよい期間を待つことになる

取るべき行動

訴えられた側:1. 捜索差押えの時点で、電磁的記録が「複写」か「移転」かを差押調書で確認し、控えを保管する2. 公判中に事業上どうしても必要なデータがあれば、判決を待たず刑訴法123条の還付・仮還付を弁護人に検討させる3. 判決言渡し後、主文に当該電磁的記録の没収が含まれているか確認。含まれていなければ本条により複写を許す言渡しがあったものとみなされる4. 但書の「不正に作られた電磁的記録」に該当すると主張されそうな部分がある場合、その争点は本案の弁論段階で潰しておく

時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間の定めはない。効果は判決に没収の言渡しがないことにより発生する。ただし押収物全般の処分については還付手続の期間の定めがあり、公判係属中の還付請求は刑訴法123条による。関連する期間の詳細は最新の改正状況をご確認ください

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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