刑事訴訟法 第363条
クイックジャンプ
- 上訴権回復の請求は、事由が止んだ日から上訴の提起期間に相当する期間内にこれをしなければならない。
- 2.上訴権回復の請求をする者は、その請求と同時に上訴の申立をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第363条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第363条の条文原文は「上訴権回復の請求は、事由が止んだ日から上訴の提起期間に相当する期間内にこれをしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第363条は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第363条の前の条は刑事訴訟法第362条です。
- 刑事訴訟法第363条の次の条は刑事訴訟法第364条です。
- 刑事訴訟法第363条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第363条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第363条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/363
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法363条は、上訴権回復の請求を事由が止んだ日から上訴提起期間に相当する期間内に行い、かつその請求と同時に上訴の申立てをすべきことを定める。
Q · 控訴の期限を過ぎてしまったら、もう上訴はできないの?
責めのない事由なら、上訴権回復で取り戻せる
刑事訴訟法362条・363条により、災害・重病・通知の不到達など本人の責めに帰することができない事由で控訴期間を過ぎた場合、上訴権回復を請求できます。請求は事由が止んだ日から上訴提起期間に相当する期間(控訴は14日)内に行い、その請求と同時に控訴状などの上訴申立ても必ず提出しなければなりません(363条2項)。回復請求だけでは救済が成立しません。
解説
判決を受けて控訴したかったのに、入院していて通知が届かず、気づいたときには14日の控訴期間が過ぎていた。普通ならここで諦める。だが刑事訴訟法には、その絶望をひっくり返す非常口が用意されている。362条が「自己又は代人の責めに帰することができない事由」で期間内に上訴できなかった者に回復の請求を認め、363条がその使い方を定める。ここで多くの人が転ぶ落とし穴が二つある。第一に、回復を請求できるのは「事由が止んだ日」から控訴期間と同じ14日以内。障害が消えた瞬間に、止まっていたカウントがもう一度走り出す。第二に、回復を請求するときは、その場で控訴(または上告)の申立ても同時に出さなければならない。回復だけを求めて上訴本体を出し忘れると、せっかくの救済そのものが無効になる。この二つを握っているかどうかで、あなたの裁判がもう一度開くか、永遠に閉じるかが分かれる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法363条は上訴権回復の請求方式を定める手続規定であり、回復請求は事由が止んだ日から上訴提起期間に相当する期間内に行うこと、及びその請求と同時に上訴の申立てをすべきことを要件とする。362条の実体要件を受け、回復を機能させるための時的制約と同時申立てを規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事由が止んだ日を証拠で固定する 上訴できなかった事由(入院・災害・通知の不到達など)と、その事由が止んだ日を特定し、退院日の診断書、郵便の保管・再配達記録、罹災証明などで動かせない証拠として固定する
- 2.回復請求書と上訴状を二通セットで準備する 上訴権回復請求書に加え、控訴状(または上告状)を必ず同時に作成する。363条2項により片方だけでは救済が無効になるため、二通セットを徹底する
- 3.事由が止んだ日から14日以内に原裁判所へ同時提出 起算点から控訴提起期間に相当する14日以内(373条)に、回復請求書と上訴状を原裁判所に同時提出する。一日も無駄にしないため、提出先と受付時間を事前確認する
- 4.365条で原裁判の執行停止を申し立てる 確定を前提とした収監や罰金執行を止めるため、365条により原裁判の執行停止を同時に申し立てる。検察官が執行へ動き出す前に出すほど効果が大きい
- 5.却下なら即時抗告で争う 回復請求が却下された場合、364条に基づき即時抗告を申し立てる。起算点の認定や同時申立ての評価について上級審で争う
よくある質問 AI による整理
Q1上訴権回復とは何ですか?
本人の責めに帰さない事由で上訴期間を過ぎた場合に、上訴の機会を取り戻す制度です。362条が要件を、363条が請求方式を定めます。
Q2上訴権回復請求の期限はいつまでですか?
事由が止んだ日から上訴提起期間に相当する期間内です。控訴・上告とも14日。判決言渡し日ではなく障害が消えた日が起算点です。
Q3上訴権回復請求は控訴状と同時に出すのですか?
はい。363条2項により、回復請求と同時に控訴状などの上訴申立てを出す必要があります。片方だけだと救済が成立しません。
Q4「責めに帰することができない事由」とはどんな場合ですか?
災害、重病・入院、通知の不到達など、本人の落ち度ではどうにもならなかった事情を指します。多忙や失念は通常含まれません。
Q5上訴権回復が認められると裁判はどうなりますか?
確定が解かれ、上訴審で改めて審理されます。365条で原裁判の執行停止を併せて申し立てれば、収監や執行を止められます。
Q6上訴権回復請求はどの裁判所に出しますか?
原裁判所(判決を言い渡した裁判所)に提出します。回復請求書と上訴状を二通セットで同時に出すのが原則です。
Q7略式命令でも上訴権回復できますか?
465条が363条を準用するため、正式裁判の請求期間を過ぎた略式命令でも回復請求の対象になり得ます。
Q8上訴権回復請求が却下されたら不服申立てできますか?
364条の決定に対し、即時抗告で争うことができます。起算点の認定や同時申立ての有無が争点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴の期限が過ぎちゃったんですけど、もう本当にどうにもならないんですか?
入院、災害、通知の不到達など「責めに帰することができない事由」があれば、362条・363条で上訴権の回復を請求できます。条件は、事由が止んだ日から14日以内に、控訴の申立ても同時に出すこと。実務のポイント: 多くの人が回復請求書だけを出して上訴状を忘れ、それで却下されます。窓口は親切に「控訴状も出して」と教えてくれるとは限らない。二通セットが鉄則です
Q2ただ仕事が忙しくて控訴を出し忘れてただけでも、回復してもらえますか?
原則として無理です。「責めに帰することができない事由」は、本人の落ち度ではどうにもならなかった事情を指し、多忙、失念、法律を知らなかったことは通常含まれません(363条・362条)。実務のポイント: 弁護人の過失による期間徒過も、原則は本人側の事由として扱われ回復が認められにくい(実務上、判断が分かれる論点)。だからこそ期間管理を弁護人任せにせず、自分でも控訴期限を把握しておくことが、最後の保険になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴期間を過ぎたら、もう何をしても無理」と問いを立てた瞬間に、その問い自体がずれている。本当に問うべきは「期間を過ぎた理由が、自分の責めに帰すものか否か」。災害、重病、通知の不到達なら、答えはあなたが思うより明るい
- 回復の請求ができること自体は知っていても、「請求と同時に上訴の申立てをしなければならない」という一行の重さを、ほとんどの人が見落とす。回復請求書だけを窓口に出して安心し、上訴状を忘れた瞬間、救済は形を成さずに崩れる
- 「期間管理は弁護人に任せておけば安心」と思いがちだが、弁護人の過失による期間徒過は、原則として本人側の事由として扱われ、回復が認められにくい(実務上、判断が分かれる論点である)。任せきりが、最後の救済を自ら閉ざすことがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 363条:回復請求の方式(期間制限と同時申立て) | 362条:回復の実体要件(責めに帰さない事由) 364条:回復請求に対する決定と即時抗告 |
| 規律内容 | 事由が止んだ日から14日以内 + 上訴申立てを同時に | 上訴できなかった事由が本人の責めに帰さないこと 請求に対する裁判所の決定、不服申立て手段 |
| 違反・欠缺の効果 | 期間徒過や同時申立て欠缺で回復が成立しない | 事由が認められなければ回復の前提を欠く 決定に不服があれば即時抗告で争える |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も『非因過失遅誤期間者』に回復原狀を認め、原因消滅後5日以内に回復原狀の声請と同時に遅誤した訴訟行為(上訴等)を補行する点で、日本の同時申立ての発想と類似する。
韓国も本人の責めに帰さない事由による上訴権回復を認め、事由消滅後の期間内に回復請求と上訴提起を併せて行う構造で日本と近い。
ドイツは『原状回復』として、無過失で期間を徒過した者に救済を認める。回復申立てと同時に懈怠した訴訟行為(上訴)を追完すべき点が日本の363条2項と対応する。
米国連邦の刑事控訴期間は短く、地裁が excusable neglect または good cause があれば期間延長を認め得る。『回復』という独立制度ではなく期間延長の裁量で処理する点が日本と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし判決の言渡しのあと、あなたが交通事故で意識不明のまま14日が過ぎていたら? 意識が戻った日から、また14日のカウントが始まる。診断書を握って、退院したその日のうちに動けるかどうかで結末が変わる
- 拘置所で判決後の郵便が遅れ、控訴期間が過ぎていた。あなたの責めではない。366条の在監者特則と363条の回復請求、二枚のカードがまだ手元に残っている。
- 略式命令の罰金通知を、引っ越しのドタバタで見落としていた。正式裁判を求める期間はとうに切れている。465条を経由すれば回復請求はできるが、引っ越しによる不到達が「責めに帰さない事由」と認められるかどうか、そこが分水嶺になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず「上訴できなかった事由」と「その事由が止んだ日」を特定し、診断書、配達記録、罹災証明などで証拠化する2. 事由が止んだ日から控訴期間と同じ14日以内に、回復請求書と上訴状(控訴状または上告状)を必ず二通セットで原裁判所へ提出する。片方だけは厳禁(363条2項) 3. 同時に365条で原裁判の執行停止を申し立て、収監や罰金執行を止める4. 364条の決定が出るまで待ち、却下なら即時抗告で争う
訴えられた側:1. あなたが相手方(検察官側)の立場で、被告人から回復請求が出た場合、まず「事由が止んだ日」の認定と起算点が正確か、14日の窓を超えていないかを精査する2. 上訴の申立てが同時にされているか(363条2項)を確認、欠けていれば不適法を主張3. 回復を認める決定が不当と考えるなら、364条の即時抗告で争う4. 執行停止(365条)が絡む場合は、停止の要否についても意見を述べる
時効(請求できる期限):事由が止んだ日から「上訴の提起期間に相当する期間」内(控訴・上告とも14日、刑訴373条・414条)。起算点は障害が消滅した日であり、判決言渡し日ではない。この期間内に回復請求と上訴申立てを同時に行わなければならない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:363条1項の起算点である「事由が止んだ日」は障害が客観的に消滅した日と解され、判決言渡し日ではない。2項の同時申立ては効力要件であり、回復請求のみで上訴申立てを欠く場合は不適法とされる。弁護人の過失による期間徒過は原則本人側の事由として扱われるが、実務上判断が分かれる論点である。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める