刑事訴訟法 第366条
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- 刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上訴をしたものとみなす。
- 2.被告人が自ら申立書を作ることができないときは、刑事施設の長又はその代理者は、これを代書し、又は所属の職員にこれをさせなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第366条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第366条の条文原文は「刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上訴をしたものとみなす。」で始まります。
- 刑事訴訟法第366条は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第366条の前の条は刑事訴訟法第365条です。
- 刑事訴訟法第366条の次の条は刑事訴訟法第367条です。
- 刑事訴訟法第366条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第366条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第366条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/366
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法366条は、在監者が上訴提起期間内に申立書を刑事施設の長へ差し出せば、裁判所への到達が遅れても期間内に上訴したものとみなす特則を定める。
Q · 拘置所の中にいるとき、控訴は郵便で間に合わせないといけないの?
郵便ではなく施設の長へ手渡せば期限内です
刑事訴訟法366条1項により、在監者は上訴の申立書を期間内に刑事施設の長またはその代理者へ差し出せば、裁判所への到達が後日にずれても期間内に上訴したものとみなされます(発信主義)。郵便の到達時期を気にする必要はありません。さらに2項は、被告人が自ら申立書を作れないとき、施設の長またはその代理者に代書する(または所属職員に書かせる)義務を課しています。塀の中にいることを理由に上訴の機会を失わせない安全網です。
解説
判決の言渡しを受け、控訴できる期間はわずか14日。だがあなたが今いるのは拘置所の中だ。郵便を出すにも手続が要り、弁護人はまだ正式についていない。塀の外なら裁判所に駆け込めるその14日が、塀の中では絶望的に短く感じる。ここで刑事訴訟法366条があなたを救う。通常、訴訟書類は期限内に裁判所へ「到達」しなければ無効とされる(到達主義、つまり届いて初めて効力が出る)。ところが在監者だけは例外で、上訴の申立書を期間内に刑事施設の長(拘置所長や刑務所長)またはその代理者に差し出せば、その瞬間に「上訴をした」とみなされる。裁判所への到達が翌週にずれ込もうと関係ない。さらに、ショックや混乱で自分では申立書を書けない被告人のために、施設の長は代書する(または職員に書かせる)義務を負う。塀の中にいることを理由に上訴の機会を失わせない、それがこの一条の役割だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法366条は、在監者の上訴に関する特則を定める規定である。刑事施設に収容された被告人が上訴提起期間内に上訴申立書を刑事施設の長またはその代理者へ差し出した場合、裁判所への到達時期にかかわらず期間内に上訴したものとみなす発信主義を採用する。あわせて、被告人が自ら申立書を作成できないときの代書義務を施設の長に課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決言渡しの日を起点に14日を確認 判決の言渡しを受けたら、その翌日から起算して14日が控訴の上訴提起期間であることを確認する(刑訴法373条、55条1項)。初日は算入しないが、塀の中では日付感覚が鈍るため記録しておく
- 2.上訴の意思を施設職員と弁護人に明示 控訴の意思が固まったら、早い段階で施設の職員と弁護人の双方に『控訴する』と明示しておく。記録の残る形で動けば、後の『出した・出さない』の水掛け論を避けられる
- 3.申立書を刑事施設の長へ直接差し出す 上訴の申立書を郵送せず、刑事施設の長またはその代理者に直接差し出す。その瞬間に期間内の上訴とみなされる(366条1項)。自分で書けないときは代書を求める(366条2項)
- 4.受領の日時の控えを必ず残してもらう 差し出すとき、受領の日時の控え(領置の記録や受領印)を施設に求める。万一裁判所への到達が遅れて期限を疑われたとき、366条の発信主義を発動させる決定的な証拠になる
よくある質問 AI による整理
Q1在監者の上訴の特則とは何ですか?
刑事訴訟法366条が定める発信主義の特則で、刑事施設の被告人が期間内に上訴申立書を施設の長へ差し出せば、裁判所への到達が遅れても期間内の上訴とみなされます。
Q2発信主義と到達主義の違いは何ですか?
到達主義は書類が裁判所に届いて初めて効力が出る原則。発信主義は差し出した時点で完了とみなす例外で、在監者の上訴は366条により発信主義が適用されます。
Q3控訴の上訴提起期間は何日ですか?
14日です。控訴は刑訴法373条で、判決の言渡し(告知)の翌日から起算して14日。初日は算入しません(刑訴法55条1項)。
Q4上訴の申立書は誰に渡せばいいですか?
在監者は刑事施設の長またはその代理者に直接差し出します。差し出した時点で期間内の上訴とみなされるため、郵送でなくても構いません。
Q5刑事施設の長とは誰のことですか?
拘置所長や刑務所長など、被告人を収容する刑事施設の責任者を指します。その代理者や、代書では所属職員も対応します。
Q6上訴期間の起算日はいつですか?
裁判の告知(判決の言渡し)の日です。初日不算入の原則で翌日から数え始めます(刑訴法55条1項、358条)。
Q7弁護人がいても本人が施設に出す必要がありますか?
弁護人が控訴を申し立てる方法もありますが、本人が自力で守る場合は366条により施設の長へ差し出すのが確実なルートです。両方を併用しても問題ありません。
Q8上告にもこの特則は使えますか?
使えます。上告手続には刑訴法414条で控訴の規定が準用され、366条の発信主義も及びます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1拘置所から控訴状を郵便で出したら、裁判所に届くのが15日目になりそうです。間に合いませんか?
郵便である必要がありません。刑事訴訟法366条1項により、在監者は上訴の申立書を期間内に刑事施設の長またはその代理者に差し出せば、裁判所への到達が後日になっても期間内に上訴したものとみなされます。実務のポイント:弁護人がついていれば弁護人事務所から控訴申立てをする方が確実ですが、本人が自力で守れる最後の砦がこの366条です。差し出した日時の記録を施設に残してもらうこと、これが後の争いを防ぐ
Q2本人が精神的に参ってしまって、自分で控訴状を書けません。どうすれば?
刑事訴訟法366条2項が、被告人が自ら申立書を作れないとき、刑事施設の長またはその代理者が代書するか、所属職員に代書させなければならないと定めています。本人が控訴の意思を示せば足ります。実務のポイント:『書けないから上訴を諦めた』という事態は、本来この2項で防げるはずのものです。施設側が代書義務を怠れば上訴権の侵害が問題になりうるので、面会時に本人へ『代書を求める権利がある』と伝えておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴は期限内に裁判所へ届かなければ無効」というのは、一般原則としては正しい。だが在監者にはこの到達主義が適用されず、施設の長へ差し出した時点で完了する(発信主義)。一般原則をそのまま信じた在監者が、郵送の遅延で機会を失う
- 発信主義の存在を知っていても、「いつ差し出したか」の記録の重みを知らない人は多い。施設側が受領の日時を記録するので、その記録が期間内に差し出した唯一の証明になる。受領の控えを残せるかどうかが後で効いてくる
- 「字が書けないなら上訴は無理」という問いの立て方そのものが誤り。2項は施設の長に代書義務を課しており、書けないことは諦める理由にならない。問うべきは『どう書くか』ではなく『代書を求めたか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 366条:在監者の上訴は施設の長へ差し出した時点で完了(発信主義) | 373条:控訴の提起期間を14日と定める 374条:控訴申立書を第一審裁判所へ差し出す原則 |
| 到達の要否 | 裁判所への到達不要、施設長への差出しで足りる | 期間(14日)内であることが前提 原則として裁判所への到達が必要(到達主義) |
| 適用対象 | 刑事施設に収容された被告人に限る特則 | すべての控訴申立人 在宅被告人を含む一般の控訴申立人 |
他国ではどう定めているか 4 か国
在監所の被告が上訴期間内に監所長官へ上訴書状を提出すれば期間内の上訴とみなす。日本366条とほぼ同趣旨の発信主義特則。
재소자에 대한 특칙として、教導所長等への提出時点で上訴提起とみなす。日本と同型の構造。
拘禁中の者は勾留地の区裁判所書記課の調書により上訴の意思表示ができる。提出経路を緩和する点で同趣旨だが、書記課の調書という手段を用いる。
本人訴訟の受刑者の上訴通知は、刑務所当局へ引き渡した時点で提出されたとみなす(prison mailbox rule)。判例法理だが発信主義と同じ発想。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 判決を聞いた日から14日目、外部交通の制限で郵便が裁判所に間に合いそうにない。どうすればいい? 答えは郵便ではない。施設の長か職員に申立書を直接手渡せば、その場で「期間内の上訴」が成立する。到達の遅れを恐れる必要はない
- 勾留中、判決のショックと混乱で自分では申立書の文章をまとめられない。本条2項により、刑事施設の長は代書するか所属職員に書かせる義務を負う。「書けないから上訴を諦めた」は、本来あり得ない選択だった
- 面会に来た家族が、あなたの「控訴したい」という言葉を聞いた。だが控訴の申立ては家族ではなく被告人本人が施設へ差し出すのが本筋。家族ができるのは、すぐに弁護人をつける手配をすることだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 刑事施設にいる本人が判決を受けたら、控訴期間が言渡しの翌日から14日であることをまず確認(刑訴法358条、373条)。2. 本人に『上訴の申立書は郵送ではなく刑事施設の長または職員に直接差し出せば期間内になる』(刑訴法366条1項)と伝える。3. すぐに弁護人(私選か国選か)をつける手配をする。4. 本人が文章を書けない状態なら、施設に2項の代書義務があることを本人へ知らせる
訴えられた側:1. 判決言渡しの日を起点に14日の上訴期間を意識する(初日不算入、刑訴法55条1項)。2. 控訴の意思が固まったら郵送を待たず、申立書を刑事施設の長または代理者・職員に直接差し出す。その瞬間に期間内の上訴とみなされる。3. 差し出した受領の日時を必ず控えてもらう。4. 自分で書けないなら遠慮なく代書を求める、施設側にはこれに応じる義務がある(2項)
時効(請求できる期限):上訴提起期間は裁判の告知(言渡し)の日から14日(控訴は刑訴法373条、上告も刑訴法414条による373条準用で14日)。初日は算入せず翌日から起算(刑訴法55条1項)。在監者は本条により、期間内に刑事施設の長へ差し出せば、裁判所への到達日にかかわらず期間内に上訴したものとみなされる
学説
通説:訴訟書類の提出は原則として到達主義によるが、366条は身体を拘束され郵便等を自由に利用できない在監者について、上訴の機会を実質的に保障するため発信主義を採用した特則と理解される。憲法32条の裁判を受ける権利の実質化と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)制定・平成18年(2006年)施行(刑事収容施設法、要検証) 監獄法の廃止に伴い、本条の文言が「監獄の長」から「刑事施設の長」へ改められたと考えられる。改正回数の全体像は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成17年(2005年)成立・平成18年(2006年)施行 改正:監獄法の廃止と刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の制定に伴い、本条の文言が「監獄の長」から「刑事施設の長」へ整理されたと解される(改正経緯の詳細は要検証)。
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