刑事訴訟法 第465条
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- 略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。
- 2.正式裁判の請求は、略式命令をした裁判所に、書面でこれをしなければならない。正式裁判の請求があつたときは、裁判所は、速やかにその旨を検察官又は略式命令を受けた者に通知しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第465条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第465条の条文原文は「略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第465条は第六編に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第465条の前の条は刑事訴訟法第464条です。
- 刑事訴訟法第465条の次の条は刑事訴訟法第466条です。
- 刑事訴訟法第465条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第465条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第465条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/465
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法465条は、略式命令を受けた者または検察官が、告知から14日以内に書面で正式裁判を請求できると定める。期間経過で略式命令は確定する。
Q · 略式命令が届いたけど、ちゃんとした裁判で争うことってできるの?
告知から14日以内に書面で請求すれば可能です
刑事訴訟法465条により、略式命令を受けた者または検察官は、告知を受けた日から14日以内に、略式命令をした裁判所へ書面で正式裁判を請求できます。請求すれば非公開・書面審理から公開の通常裁判に移行します。ただし正式裁判では裁判所は略式命令の内容に拘束されないため(468条3項)、結果として刑が重くなる可能性もあります。14日が過ぎ、または請求を取り下げると略式命令は確定判決と同一の効力を持ち(470条)、以後は原則として覆せません。
解説
自転車のひったくり、万引き、無免許運転。警察と検察の手続を経て、ある日あなたの郵便受けに「略式命令」が届く。罰金〇万円。多くの人は交通反則金と同じ感覚で振り込み、それで終わったと思う。だが終わってはいない。略式命令は前科だ。前科調書に記録され、職業によっては資格・許認可に響く。そして刑事訴訟法465条が、あなたに一度だけの逃げ道を用意している。告知を受けた日から14日以内に正式裁判を請求すれば、公開の法廷でやり直せる。ただしこれは賭けでもある。正式裁判では、裁判所は略式命令の内容に拘束されない(468条3項、つまり結論を縛られない)。罪に身体刑の定めがあれば、罰金が拘禁刑に跳ね上がる可能性すらある。14日の沈黙は同意、14日の行動は再戦。どちらを選ぶかで、あなたの記録の中身が変わる。
法的な位置づけ
正式裁判の請求とは、略式命令を受けた者または検察官が、告知を受けた日から14日以内に書面で申し立てることにより、略式手続による非公開・書面審理を、公開の法廷で行う通常の刑事裁判へと移行させる手続上の権利をいう。刑事訴訟法465条が根拠規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.告知日を特定して14日の起算点を確定する 略式命令の封筒の消印ではなく、自分が現実に告知を受けた日を確認する。その翌日から14日を数える(初日不算入が原則)。残り日数を真っ先に把握する
- 2.納付を保留し、請求するか弁護士に相談する 罰金をすぐ振り込まない。正式裁判は略式命令に拘束されず(468条3項)刑が重くなる可能性があるため、見通しを弁護士に相談してから判断する
- 3.正式裁判請求書を書面で作成する 略式命令をした裁判所宛てに、事件番号・被告人氏名・正式裁判を請求する旨を記載した書面を作成する。電話・口頭は不可(465条2項)
- 4.14日以内に裁判所へ提出する 請求書を、略式命令をした裁判所に持参または郵送で提出する。郵送の場合は期限内必着に注意し、控えと送付記録を保管する
- 5.示談・有利な資料を並行して準備する 正式裁判では量刑が改めて審理される。被害者との示談、反省文、再発防止策などの有利資料を法廷提出に向けて整える
よくある質問 AI による整理
Q1正式裁判の請求とは何ですか?
略式命令を公開の通常裁判に移行させる手続です。刑事訴訟法465条が根拠で、告知から14日以内に書面で請求する必要があります。
Q2略式命令の罰金を払ったら正式裁判は請求できますか?
原則できません。請求は告知から14日以内かつ確定前に限られ、納付して期間が過ぎれば確定判決と同一の効力が生じます(470条)。
Q3正式裁判の請求は電話でできますか?
できません。465条2項は略式命令をした裁判所への書面提出を要件としています。電話や口頭では受理されません。
Q4正式裁判を請求すると刑は軽くなりますか?
保証はありません。裁判所は略式命令に拘束されず(468条3項)、罪に拘禁刑の定めがあれば罰金より重くなる可能性もあります。
Q5正式裁判の請求は誰ができますか?
略式命令を受けた者と検察官です(465条1項)。被害者には請求権がなく、検察官への上申などにとどまります。
Q6正式裁判の請求は後から取り下げられますか?
第一審の判決があるまで取り下げられます(466条)。相手の出方を見て撤退する余地が残されています。
Q714日の期限はいつから数えますか?
告知を受けた日の翌日から起算するのが原則です(初日不算入)。封筒の消印ではなく告知日を確認してください。
Q8略式命令は前科になりますか?
なります。罰金・科料でも前科として前科調書に記録され、一部の資格・許認可・在留資格の審査で不利に働く場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1略式命令の罰金、もう払っちゃったんですけど、やっぱり正式裁判ってできますか?
原則できません。請求できるのは告知から14日以内かつ確定前に限られ(465条)、納付して14日が過ぎれば確定判決と同一の効力が生じます(470条)。実務のポイント:略式命令が届いたら、罰金を払う前にまず告知日を確認するのが鉄則です。実務では『払えば終わり』と思って即納付し、前科を確定させてから後悔する人が後を絶ちません。迷ったらまず14日の期限を確保し、納付を保留しておく
Q2正式裁判を請求したら、絶対に罰金より軽くなるんですか?
なりません。むしろ重くなるリスクがあります。正式裁判では裁判所は略式命令の内容に拘束されず(468条3項)、罪に拘禁刑の定めがあれば、罰金が身体拘束を伴う刑に変わることもあります。実務のポイント:これを『上訴のような不利益変更禁止が働く』と誤解する人が多いのですが、現行法は拘束されないと明定しています。だから弁護士は『勝てる見込みがあるときだけ請求する』。無計画な請求は、自ら重い刑を取りに行く行為になりかねない
間違えやすい点 AI による整理
- 「略式命令の罰金を払えば、それで全部終わり」という前提で動く人が多いが、問いの立て方そのものが間違っている。払って終わるのではなく、前科として始まる。問うべきは「払って終わらせるか」ではなく「前科を確定させてよいか」だ
- 略式命令が前科であること自体は知っていても、その深刻さを過小評価している人は多い。前科は前科調書に半永久的に残り、一部の国家資格・許認可・在留資格の更新で不利に働く。効いてくるのは罰金額の多寡ではなく、前科の有無そのものだ
- 「正式裁判を請求しても、最悪で略式命令と同じ刑で済む」と思われているが、逆だ。正式裁判では裁判所は略式命令に拘束されない(468条3項)。請求した結果、罰金が拘禁刑へ変わることすらありうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 465条:正式裁判の請求権と14日の期間・書面要件 | 466条:請求の取下げ(第一審判決まで) 468条:請求後の通常審判(略式命令に拘束されない) |
| 行為主体 | 略式命令を受けた者または検察官 | 請求をした者 裁判所 |
| 時間的制約 | 告知から14日以内 | 第一審の判決があるまで 請求後すみやかに通常の規定により審判 |
| 効果 | 公開の通常裁判へ移行 | 略式命令が確定(470条へ) 罰金が重い刑へ変わる可能性あり |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は簡易判決処刑に対し上訴の形で争う構造。略式命令を独立に取り消す請求ではなく上訴審へ移る点で日本と手続構成が異なる。
韓国の약식명령に対する정식재판청구も告知から7日以内(日本は14日)など期間差はあるが、書面審理から公開裁判へ移行させる構造は日本と同型。
ドイツの Strafbefehl に対する Einspruch も2週間以内。母法的背景にあたるが、ドイツでは異議後に略式命令を超える刑を科せるかにつき制限の議論がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 無免許運転で略式命令が届いた。罰金30万円。だが封筒を開けたのは告知から既に10日後で、残りはあと4日。正式裁判を請求して公開法廷で争うか、振り込んで前科を確定させるか、今夜じゅうに決めなければならない
- もし略式命令の罰金を払ったあとで、それが一生残る前科だと気付いたら、取り消せるか。原則できない。14日を過ぎて確定すれば、略式命令は確定判決と同一の効力を持つ(470条)。覆す手段はほぼ残っていない
- 被害者との示談がまとまりかけているのに、略式命令が先に届いた。正式裁判を請求すれば法廷で示談成立を主張できる。ただし略式命令に拘束されないぶん、刑がかえって重くなる賭けにもなる
- 知人が酒気帯び運転で略式命令を受けて悩んでいる。あなたは14日の期限と、正式裁判は略式命令に拘束されない(つまり軽くなる保証がない)ことを三分で説明できる。その一言で知人の判断は変わる
取るべき行動
被害を受けた側:被害者として略式命令の罰金が軽すぎると感じても、正式裁判を請求する権利は被告人と検察官にしかない(465条1項)。できるのは、担当検察官に対し正式裁判請求を促す上申、または処分が不当に軽いと考える場合の検察審査会への申立てだ。損害の回復は刑事手続とは別に、民事の損害賠償(民法709条)で並行して進める。刑事の罰金は国庫に入り、あなたの手元には来ない点に注意する
訴えられた側:1. 封筒の消印と告知日を確認し、14日の起算点を特定する(告知を受けた日の翌日から起算、初日不算入が原則) 2. 略式命令をした裁判所宛てに「正式裁判請求書」を書面で提出する(465条2項、電話・口頭は不可) 3. 請求は賭けだと理解する。正式裁判は略式命令に拘束されず(468条3項)刑が重くなる可能性があるため、提出前に弁護士へ見通しを相談する4. 請求しても第一審判決までは取下げ可能(466条)、相手の出方を見て撤退もできる
時効(請求できる期限):略式命令の告知を受けた日から14日以内に、書面で請求しなければならない(465条)。期間は初日を算入せず翌日から起算するのが原則。14日の経過、または請求の取下げによって略式命令は確定判決と同一の効力を生じ(470条)、以後は原則として争えなくなる
学説
通説:略式手続は軽微事件の迅速処理と公開裁判保障の調和を図る制度であり、465条の正式裁判請求権はその要となる。正式裁判では468条3項により裁判所は略式命令に拘束されず、不利益変更禁止は働かないと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、略式手続(461条以下)の一環として正式裁判の請求(465条)が規定された。
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