刑事訴訟法 第470条
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略式命令は、正式裁判の請求期間の経過又はその請求の取下により、確定判決と同一の効力を生ずる。正式裁判の請求を棄却する裁判が確定したときも、同様である。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第470条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第470条の条文原文は「略式命令は、正式裁判の請求期間の経過又はその請求の取下により、確定判決と同一の効力を生ずる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第470条は第六編に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第470条の前の条は刑事訴訟法第469条です。
- 刑事訴訟法第470条の次の条は刑事訴訟法第471条です。
- 刑事訴訟法第470条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第470条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第470条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/470
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法470条は、略式命令が正式裁判の請求期間の経過または請求の取下げにより、確定判決と同一の効力を生ずると定める。確定後は原則として中身を争えない。
Q · 略式命令の罰金、払わずに放っておいたらどうなるの?
14日で正式裁判の道が閉じ前科が確定します
刑事訴訟法470条により、略式命令は正式裁判の請求期間(告知の翌日から14日)の経過、または請求の取下げによって確定判決と同一の効力を生じます。正式裁判請求を棄却する裁判が確定したときも同様です。つまり14日以内に何もしなければ、法廷に一度も立たないまま罰金刑の有罪判決が確定し、原則として中身を争えなくなります。確定後は前科として記録され、職業・資格・在留資格に影響しうるため、払う前にこの14日の意味を理解することが重要です。
解説
スーパーで万引きをして捕まった、自転車を盗んだ、痴漢で現行犯逮捕された。多くの軽微な刑事事件は、法廷に一度も立たないまま「罰金○○円」という一枚の紙、略式命令で幕を閉じる。問題は、その紙を受け取って14日間、何もしなければどうなるかだ。刑事訴訟法470条は、正式裁判を請求しないまま期間が過ぎれば、その略式命令が確定判決と同一の効力を持つと定める。裁判官の前で一言も話さないまま、あなたには前科がつく。罰金を振り込む行為を、駐車違反の反則金と同じ感覚でやってしまう人は多い。だが反則金は行政処分、略式命令は刑事の有罪判決だ。この一文の差が、あなたの履歴に一生残る。
法的な位置づけ
刑事訴訟法470条は略式命令の確定効を定める規定であり、略式命令が正式裁判請求期間の経過または請求の取下げによって確定判決と同一の効力を生ずる旨を規律する。正式裁判請求を棄却する裁判の確定によっても同一の効力が生じ、確定後は通常の確定判決と同様に既判力および執行力を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.略式命令の告知日を確認し14日を数える 封筒を開けたら、まず告知を受けた日を確認する。その翌日から起算して14日以内が正式裁判請求の絶対期限(刑訴465条1項)。罰金額より先に、この締切を手帳に書き込む
- 2.前科確定の影響を冷静に評価する 罰金を払って確定させる前に、前科がつくことで職業・国家資格(士業・医療・警備等)・在留資格の更新や帰化審査に影響しないかを確認する。影響があるなら争う実益が大きい
- 3.争うなら14日以内に正式裁判請求書を提出 事実に争いがある、または前科を避けたい場合、命令をした裁判所宛てに正式裁判請求書を書面で提出する。提出により略式命令は確定せず、通常の公開公判へ移行する(刑訴469条)
- 4.弁護人と不利益変更リスクを含めて判断 正式裁判では略式命令より重い刑が出る可能性が理論上残る(不利益変更禁止は不適用というのが通説)。争点の強さと重罰リスクを弁護人と検討してから請求するか決める
よくある質問 AI による整理
Q1略式命令とは何ですか?
正式な法廷を開かず、書面審理で100万円以下の罰金・科料を科す簡易な刑事手続です(刑訴461条)。被疑者の同意が前提で、確定すれば有罪判決になります。
Q2略式命令はいつ確定しますか?
告知の翌日から14日の正式裁判請求期間が経過した時、または請求を取り下げた時に、確定判決と同一の効力が生じます(刑訴470条)。
Q3略式命令の罰金を払わないとどうなりますか?
確定後に納付しないと、検察庁の労役場留置(換刑処分)の対象になりえます。期限内に争うかどうかと、確定後に払うかどうかは別問題です。
Q4略式命令に納得できないときの正式裁判請求の方法は?
告知の翌日から14日以内に、命令をした裁判所へ正式裁判請求書を提出します(刑訴465条)。請求すれば命令は確定せず通常の公判に移ります。
Q5略式命令と確定判決の違いは何ですか?
略式命令は書面審理で出る命令ですが、確定すれば刑訴470条により確定判決と同一の効力を持ちます。確定後は両者に実質的な差はありません。
Q6略式命令は確定後に取り消せますか?
確定すれば通常の確定判決と同じで、原則として中身を争えません。重大な誤りがある場合は再審など例外的手続を検討するしかありません。
Q7略式起訴に同意しないとどうなりますか?
被疑者が同意しなければ略式手続には乗らず、最初から公開の法廷で通常の刑事裁判を受けることになります(刑訴461条の2)。
Q8略式命令で前科はつきますか?
つきます。罰金刑でも確定すれば有罪判決として前科になり、検察庁の犯歴票に記録されます。一部の資格の欠格事由になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金を払ったら、本当に前科ってつくんですか?
つきます。略式命令が確定すると、刑事訴訟法470条により確定判決と同一の効力を持ち、罰金刑の有罪判決として前科になります。実務のポイント:「前科」と「前歴」は別物で、前科は検察庁の犯歴票に残り続け、医師・弁護士・警備員など一部の資格の欠格事由になります。罰金を振り込む前に、自分の職業や資格に影響しないか必ず確認すること。
Q2正式裁判を請求したら、罰金より重い刑になっちゃいませんか?
理論上はありえます。略式命令に対する正式裁判請求には不利益変更禁止の原則(刑訴法402条)が適用されないというのが通説で、正式裁判では略式命令より重い刑が言い渡される可能性が残ります。ただし実務上、重くなる例は多くありません。実務のポイント:実務上の扱いに幅があるため、争点や証拠の強さを弁護人と見極めてから請求するかを判断するのが安全です。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば略式命令は「罰金の支払い書類」、だが法律から見れば確定すれば確定判決と同一の効力を持つ有罪判決である。この落差が命取りになる。振込用紙を処理するつもりで、実は前科の確定手続を完了させている
- 14日という期間の存在は知っていても、その重さを体感していない人が多い。これは「いつか払えばいい支払期限」ではなく「一度過ぎたら二度と中身を争えなくなる絶対的な締切」だ。期間経過と同時に、裁判をやり直す扉が閉じる
- 「正式裁判を請求すると心証が悪くなって重くなる」と恐れて請求を諦める人がいるが、その前提自体が判断を歪める。請求は正当な権利の行使であり、請求したこと自体で不利益を受けるわけではない。ただし正式裁判の結果として略式命令より重い刑が出る可能性は理論上残る(不利益変更禁止は適用されないというのが通説で、実務上の運用には幅がある)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 刑訴470条:略式命令の確定効(確定判決と同一の効力) | 刑訴461条:略式命令の対象と内容(100万円以下の罰金等) 刑訴465条:正式裁判の請求と14日の期間 |
| 発生する場面 | 請求期間の経過・請求の取下げ・棄却裁判の確定の時点 | 検察官が略式命令を請求し裁判所が発する時点 命令の告知を受けてから争う手段を行使する局面 |
| 効果 | 既判力・執行力が生じ、原則として中身を争えなくなる | 書面審理による罰金・科料の命令が成立 期間内の請求で命令が確定せず通常公判へ移行(刑訴469条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も書面審理による簡易判決処刑を設け、被告に不服があれば上訴できる構造を採る。日本の略式手続と機能的に近い
韓国の약식명령も確定すれば確定判決と同一の効力を持ち、正式裁判請求の期間制度を備える点で日本と酷似する
ドイツの命令罰は、2週間以内に異議(Einspruch)がなければ確定判決と同一の効力を生ずる。日本の略式手続の母法にあたる
米国には書面審理の命令罰制度がなく、軽微事件は有罪答弁(guilty plea)や nolo contendere による迅速処理が機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 痴漢で逮捕され、勾留が解けた数日後に「罰金30万円」の略式命令が郵送されてきた。あと10日で正式裁判請求の期限。払えば前科が確定し、争えば長期戦に入る。この10日間で、あなたの人生が二つに分岐する
- もし、あなたの会社の従業員が業務上横領で略式命令を受け、罰金を払って確定したらどうなる。それは確定判決と同一の効力を持つので、懲戒解雇の正当事由を基礎づける有力な事実として使われうる。刑事が終わった後に、雇用の問題が動き出す
- あなたが暴行の被害者で、加害者は略式命令の罰金だけで幕引きになった。これで終わりかと納得がいかない。だが刑事が確定しても、慰謝料や治療費の損害賠償は別軌道で動かせる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が略式命令で確定しても、あなたの民事上の損害賠償請求権(民法709条)は消えない。刑事と民事は別軌道だ2. 検察庁に刑事記録の閲覧・謄写を請求し、加害者が認めた事実を民事訴訟の証拠に使う3. 不起訴や軽すぎる処分に納得いかない場合は検察審査会への申立てを検討4. 慰謝料や治療費は罰金とは無関係に別途請求できる
訴えられた側:1. 略式命令の告知日を確認、その翌日から14日以内が正式裁判請求の絶対期限(465条) 2. 罰金を払う前に、前科がつくことの影響(就職・資格・在留)を冷静に評価3. 事実に争いがある、または前科を避けたいなら書面で正式裁判を請求、命令は確定せず通常公判へ移る4. 弁護人と相談し、正式裁判では略式より重い刑もありうる点(不利益変更禁止は不適用、実務上の運用に幅あり)も含めて判断5. 払って確定させるのも一つの選択、その場合は前科を受け入れる決断だと自覚する
時効(請求できる期限):正式裁判の請求は、略式命令の告知を受けた日の翌日から14日以内(刑事訴訟法465条1項)。この期間の経過、または請求の取下げにより、本条の効力(確定判決と同一)が生じる。期間経過後は原則として中身を争えない
学説
通説:略式命令の確定効(刑訴470条)は、被告人が14日以内に正式裁判を請求しなかったことへの帰結として正当化される。正式裁判請求に不利益変更禁止(刑訴402条)は適用されず、正式裁判の結果として略式命令より重い刑となる可能性は理論上残るとするのが通説であり、実務上の運用には幅があるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、略式手続と略式命令の確定効を定める規定群(461条以下・470条)が整備された。
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