刑事訴訟法 第507条
クイックジャンプ
検察官及び検察事務官は、裁判の執行に関する調査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第507条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第507条の条文原文は「検察官及び検察事務官は、裁判の執行に関する調査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第507条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第507条の前の条は刑事訴訟法第506条です。
- 刑事訴訟法第507条の次の条は刑事訴訟法第508条です。
- 刑事訴訟法第507条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第507条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第507条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/507
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法507条は、検察官と検察事務官が裁判の執行に関する調査のため必要なときは管轄区域外でも職務を行えると定める。罰金の財産調査は転居先にも及ぶ。
Q · 罰金を払わずに別の県へ引っ越せば、検察官の取り立ては届かなくなるの?
届きます。検察官は管轄を越えて全国で財産調査ができます
刑事訴訟法507条により、検察官と検察事務官は裁判の執行に関する調査のため必要があれば、自分の管轄区域を越えて職務を行えます。確定した罰金・科料の財産調査や差押えの準備は、被執行者が他県へ転居しても止まりません。完納できなければ最終的に労役場留置(刑法18条)に至ります。逃げ切りを前提にするより、徴収担当へ分割納付や納付猶予を早期に相談する方が現実的です。
解説
交通事故で略式起訴され、罰金30万円の納付書が届いた。払わずに引き出しへ放り込み、別の県へ引っ越せばそのうち忘れられると高をくくる人がいる。その発想を正面から潰すのが本条である。検察官と検察事務官は、裁判の執行に必要な調査のためなら、自分の管轄区域を越えて職務を行える。あなたが東京で罰金を科され大阪へ移っても、担当検察官の手は大阪まで伸びる。預金、給与、不動産、執行のための財産調査に地理的な壁はない。そして罰金を完納できなければ、最後は労役場留置という身柄拘束(刑法18条、払えない分を施設内の作業で消化する制度)が待っている。納付書一枚を軽く見た代償は、引っ越した先の自分にそのまま追いついてくる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法507条は、裁判の執行に関する調査について、検察官および検察事務官の職務執行が管轄区域に限定されないことを定める規定である。罰金・科料などの財産刑の徴収や、被執行者の財産調査・差押えの準備は、本来の管轄区域外であっても適法に行うことができ、確定した刑の執行が地理的制約により妨げられない仕組みを支える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.納付書が届いたら期限と金額を確認 罰金・科料の納付告知書(納付書)が届いたら、まず納付期限と金額を確認する。期限内の一括納付が原則だが、難しい場合は次のステップへ進む
- 2.督促を待たず検察庁の徴収担当へ相談 一括納付が難しいと分かった時点で、督促や財産調査が始まる前に、執行を指揮する検察庁の徴収事務担当へ自分から連絡し、分割納付や納付猶予を申し出る
- 3.資力の実情を書面で整理して提示 収入、扶養家族、他の債務の状況を書面で整理して持参すると、検察官側も無理な一括執行より現実的な分割回収を選びやすくなり、交渉が進みやすい
- 4.誤りや異議があれば期限内に申立て すでに納付済みなのに執行連絡が来た場合は領収書を提示し、検察官の処分自体を不当と考えるときは言渡しをした裁判所へ異議を申し立てる(刑訴502条)。期限と要件を確認して動く
よくある質問 AI による整理
Q1検察事務官とは何をする人ですか?
検察官を補佐し、その指揮を受けて捜査・執行・徴収などの事務を行う国家公務員です。507条により、裁判の執行調査では管轄区域外でも職務を行えます。
Q2管轄区域外の職務とはどういう意味ですか?
検察官は通常、所属検察庁の管轄区域内で職務を行いますが、裁判の執行調査に必要なときは、その枠を越えて他県でも調査できるという意味です。
Q3罰金の財産調査では何を調べられますか?
預金口座、給与、不動産、その他換価可能な財産が調査対象です。507条により転居先の金融機関や勤務先にも調査が及びます。
Q4罰金の差押えはどこまで及びますか?
預金・給与・不動産などに及びますが、生活に必要な一定額は差押禁止財産として保護されます(民事執行法の準用、刑訴490条)。
Q5罰金の徴収に異議があるときはどうすればいいですか?
執行を指揮した検察官の処分を不当と考えるときは、言渡しをした裁判所へ異議を申し立てられます(刑訴502条)。期限と要件の確認が必要です。
Q6罰金の刑の時効は何年ですか?
罰金は3年、科料は1年で時効にかかります(刑法32条)。ただし督促や一部納付で中断するため、放置による逃げ切りは現実的ではありません。
Q7科料と罰金の違いは何ですか?
いずれも財産刑ですが、罰金は1万円以上、科料は1,000円以上1万円未満です。時効期間も罰金3年・科料1年と異なります。
Q8裁判の執行は誰が指揮するのですか?
原則として、その裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官が指揮します(刑訴472条)。507条はその執行調査の地理的範囲を定めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金を払わずに引っ越したら、もう請求は来ないって本当ですか?
来ます。本条により検察官と検察事務官は管轄区域を越えて執行調査ができるので、転居先でも財産調査や差押えは続きます。罰金の刑の時効は3年(刑法32条)ですが、督促や一部納付で中断するため、逃げ切りはほぼ不可能です。実務のポイント:実務では転居先の住民票、勤務先、金融機関口座まで追跡されます。逃げるより、徴収担当に自分から分割納付を申し出た方が、差押えや労役場留置を避けられる確率がはるかに高い
Q2罰金を本当に払えないとき、最後はどうなるんですか?
完納できない場合、労役場に留置されます(刑法18条)。判決で1日あたりの換算額が定められ、その日数分、刑事施設内の労役場で作業をして罰金分を消化します。実務のポイント:労役場留置は身柄を拘束されるので仕事を失うリスクが大きい。多くの人が知らないのは、検察庁が分割納付に柔軟に応じる運用をしている点で、一括が無理でも最初に相談すれば留置を回避できるケースは少なくない(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金は科した検察庁の管轄の中だけの話で、引っ越せば追ってこない」と思われがちだが、本条がその地理的制約を外している。転居先でも執行調査は止まらない
- 「払うか、逃げるか」の二択で考えている時点で、問いの立て方そのものが間違っている。現実の選択肢は「一括で払うか、分割や納付猶予を申し出るか」であって、逃げるは最初から選択肢に入っていない
- 罰金を払えなければ「払えないで済む」と思っている人は多いが、その先に労役場留置(刑法18条)という身柄拘束が控えている深刻さまでは知らない。判決が定めた1日あたりの換算額で割り、完納するまで施設に留め置かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 刑訴507条:執行調査の職務を管轄区域外でも行える | 刑訴472条:裁判の執行は検察官が指揮する 刑訴490条:財産刑の執行に民事執行法を準用 |
| 場面 | 被執行者が他県へ転居した場合の財産調査・差押え準備 | 執行手続を誰が動かすかの主体の確定 実際の差押え・換価の手続ルール |
| 被執行者の救済 | —(権限の地理的範囲を定めるのみ) | —(執行指揮の原則) 差押禁止財産による最低生活の保護 |
| 不服申立て | — | — 刑訴502条:執行に関する検察官の処分への異議申立て |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も裁判の執行を検察官の指揮に委ねる点で日本と共通。執行のための財産調査・徴収の実務運用も近い構造を持つ。
韓国も裁判の執行を検察官が指揮する。財産刑の徴収・換刑処分の枠組みは日本法と類似する。
ドイツは刑の執行機関を検察官(Staatsanwaltschaft)とし、罰金(Geldstrafe)の徴収手続も検察官が主導する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 罰金の納付期限を過ぎたまま転居したら、どうなる? 検察官は管轄を越えて新住所地での財産調査に動ける。預金の差押えは、あなたが越してきた県の銀行支店にもそのまま届く
- あなたが略式命令で科料を命じられ、払えないまま放置した。検察事務官が勤務先のある他県まで出向き、給与差押えの手続を進める。職場に執行の連絡が入る前に、分割納付を相談しておけたはずだ
- 納付告知から数週間。督促状が届いた。ここで動かなければ、次に来るのは労役場留置の呼出状である
取るべき行動
被害を受けた側:1. すでに納付済みなのに執行の連絡が来たら、領収書や振込記録を直ちに提示する2. 人違いや別事件との混同が疑われるなら、執行を指揮する検察庁へ書面で異議を述べる3. 検察官がした執行の処分を不当と考えるときは、言渡しをした裁判所への異議申立て(刑事訴訟法502条)という手続がある。期限と要件を確認して動く4. 記録が手元になければ、当時の事件番号と担当検察庁を特定するところから始める
訴えられた側:1. 罰金や科料を一括で払えないと分かったら、督促を待たずに執行を指揮する検察庁の徴収担当へ連絡し、分割納付や納付猶予を相談する2. 収入、扶養家族、他の債務の状況を書面で整理して持参すると交渉が進みやすい3. 放置すると財産調査と差押え、最終的に労役場留置(刑法18条)に至り、留置は1日あたりの換算で完納まで続く4. 転居しても本条により執行調査は追ってくる。逃げるより早期相談が傷を浅くする
時効(請求できる期限):罰金や科料の執行は刑の時効による(罰金は3年、科料は1年、起算は裁判確定時、刑法31条・32条)。ただし督促や一部納付で時効は中断するため、時効完成を当てにした放置は振り出しに戻る危険が高く現実的でない(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:刑事訴訟法の全部改正(昭和23年法律第131号)に伴い制定。裁判の執行に関する調査について、検察官および検察事務官の職務が管轄区域に限定されないことを明文化した。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める