刑事訴訟法 第508条
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- 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行に関して、その目的を達するため必要な調査をすることができる。ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めがある場合でなければ、これをすることができない。
- 2.検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行に関しては、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第508条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第508条の条文原文は「検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行に関して、その目的を達するため必要な調査をすることができる。ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めがある場合でな…」で始まります。
- 刑事訴訟法第508条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第508条の前の条は刑事訴訟法第507条です。
- 刑事訴訟法第508条の次の条は刑事訴訟法第509条です。
- 刑事訴訟法第508条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第508条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第508条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/508
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法508条は、裁判の執行のため検察官等が必要な調査を行い、公務所や団体に照会できると定める。差押えなど強制の処分は法律に特別の定めがある場合に限られる。
Q · 罰金を放置していたら検察庁から照会が来た。もう差し押さえられるの?
照会は任意の調査で、差押えとは別の段階です
刑事訴訟法508条1項により、検察官等は裁判の執行のため必要な調査を行うことができ、2項により公務所や銀行・勤務先などの団体に照会して報告を求めることができます。ただし同条ただし書により、差押えなどの強制処分は法律に特別の定めがある場合に限られます。つまり照会が来た段階では、まだ財産は押さえられていません。財産刑の強制執行は民事執行法の手続(刑訴490条)に従い、資力がなければ労役場留置(刑法18条)に進みます。督促や照会が来た段階で徴収担当へ相談すれば、強制執行や留置を避けられる余地があります。
解説
略式命令で罰金30万円が確定した。納付書を放置しているうちに、ある日、勤務先や取引銀行に検察庁から「照会」が届く。これがどこから来た権限なのか、その答えがこの条文だ。裁判が確定したあと、刑を現実に取り立てる役目は検察官が負う。そのために検察官や裁判所は、相手の財産・住所・勤務先を「調査」し、役所や銀行、勤務先などの団体に照会して報告を求めることができる。ここで握っておくべき急所が一つある。本条は調査と照会の権限を与えるが、差押えのような「強制の処分(あなたの同意なしに財産や身体を直接押さえる手続)」は、法律に特別の定めがある場合しか使えないと釘を刺している。つまり、検察官が任意で聞いてくる段階と、令状や民事執行法に基づいて強制的に取り立てる段階は別物だ。その境目を知っているかどうかで、照会の電話一本にどう構えるかが変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法508条は、裁判の執行に関する調査権および照会権を定める規定である。検察官・裁判所・裁判官は、執行の目的を達するために必要な調査を行い、公務所または公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。ただし強制の処分は、この法律に特別の定めがある場合でなければ行うことができない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.封筒を開け、差出人と根拠条文を確認 検察庁からの文書が届いたら放置せず開封し、差出人と根拠条文(刑訴法508条2項の照会か、490条以下の強制執行か)を確認する。差押えなのか任意の照会なのかを最初に見分ける
- 2.本人なら徴収担当へ分割・猶予を相談 罰金・科料を科された本人で一括納付が難しい場合、強制執行や労役場留置に進む前に検察庁の徴収担当へ連絡し、分割納付や納付猶予を相談する。自主的な納付意思を示すことが選択肢を広げる
- 3.第三者なら回答を特定範囲に限定 勤務先・取引先などとして照会を受けた立場なら、照会が任意であることを踏まえ、求められた事項が曖昧または過大なら対象者と期間の特定を求める。回答は文書で特定された範囲に限り、社内の個人情報取扱規程との整合を確認する
- 4.身に覚えがなければ裁判内容と送達を確認 心当たりのない執行や照会なら、確定した裁判の内容と送達状況を確認し、不服があれば刑事訴訟法上の異議申立てを検討する。期限があるため早めに弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法508条とは何ですか?
裁判の執行に関して検察官等が必要な調査を行い、公務所や団体に照会できる権限を定めた規定です。強制処分は特別の定めがある場合のみ認められます。
Q2罰金を払わないとどうなりますか?
検察官が508条で資力や勤務先を調査・照会し督促します。支払いがなければ民事執行法の手続で強制執行され、資力がなければ労役場留置に進みます。
Q3検察庁からの照会は拒否できますか?
508条2項の照会は任意で、応じなくても本条に罰則はありません。ただし公的機関の正式照会であり、正当な理由のない拒否は望ましくありません。
Q4検察庁が銀行口座を調べると本人に通知されますか?
通知されません。508条2項の照会に銀行が応じても本人への通知義務はなく、気付かないうちに財産状況を把握される場合があります。
Q5罰金の分割払いはできますか?
検察庁の徴収担当に相談すれば、分割納付や納付猶予に応じる運用が広く行われています。督促が来た段階で自分から連絡するのが有効です。
Q6労役場留置とは何ですか?
罰金を完納できない場合に、1日あたりの金額に換算して刑事施設で作業に従事させる手続です。刑法18条が根拠で、508条の調査はその前段にあたります。
Q7暗号資産の口座も照会の対象になりますか?
なり得ます。検察官が508条2項で取引所に照会すれば把握されます。現金以外に資産を移しても見つからないという考えは通用しません。
Q8罰金の執行に時効はありますか?
刑の時効により罰金は確定後3年、科料・没収は1年で執行が免除されます(刑法32条)。ただし督促・差押えなどの執行行為で進行は止まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金を払わずにいたら、いきなり差し押さえられますか?
いきなり財産を差し押さえられることは原則ありません。検察官はまず刑訴法508条で資力や勤務先を調査・照会し、督促します。それでも支払いがなければ、財産刑は民事執行法の手続(刑訴法490条)に従って強制執行され、資力がなければ労役場留置(刑法18条)に進みます。実務のポイント:検察庁の徴収担当は、本人が納付意思を見せれば分割や猶予に応じる運用が広く行われています。督促が来た段階で自分から連絡すれば、強制執行や留置をかなりの確率で避けられる。逃げ回るのが一番損です
Q2うちの会社の従業員について、検察庁から「給与を報告しろ」と書類が来ました。出さないとダメですか?
刑訴法508条2項の照会は任意であり、報告しなかった場合の罰則はこの条文にはありません。ただし公的機関からの正式な照会であり、正当な理由のない拒否は望ましくありません。実務のポイント:照会には応じつつ、回答は文書で特定された事項に限るのが実務上の安全策です。聞かれていない情報まで進んで提供すると、従業員のプライバシー侵害で逆に会社が責任を問われかねない。求められた範囲を超えない、これが照会対応の鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「検察庁から照会が来た、もう差し押さえられる」と思って青ざめる人が多いが、本条の照会は任意の情報収集にすぎない。差押えには別途、法律上の特別の定め(民事執行法に基づく手続など)が必要で、照会段階ではまだ財産は押さえられていない
- 「罰金は払わなければ刑事施設行き」とだけ理解している人は、その手前にある調査・照会・督促の段階を見落としている。検察官はまず本条で資力を調べ、払えるのに払わない者と本当に払えない者を選別する。資力がなければ労役場留置に進むが、その前に分割納付の相談に応じる余地がある。本当に深刻なのは、放置して「払えるのに逃げた」と見られることだ
- 「自分は被告人ではないから関係ない」と問いを立てる人がいるが、その問い自体が的を外している。本条2項の照会を受けるのは、罰金を科された本人だけではない。その人の銀行・勤務先・取引先といった第三者こそが照会される側に回る。あなたが報告を求められる立場になる場面の方が、実は多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的・段階 | 508条:裁判の執行(確定後)のための調査・照会 | 197条2項:捜査(起訴前)のための照会 490条:財産刑の強制執行(民事執行法準用) |
| 強制力 | 任意の調査・照会(強制処分は特別の定めがある場合のみ) | 任意の照会(強制処分は別途令状等が必要) 民事執行法に基づく強制執行が可能 |
| 拒否時の効果 | 本条に罰則なし(任意協力が期待される) | 本条に罰則なし(任意協力が期待される) 債務名義に基づき強制的に財産を差し押さえられる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判の執行は原則として検察官が指揮する。執行のための財産調査・照会の具体的枠組みは個別規定・運用に委ねられる部分が大きい
韓国も裁判の執行を検察官が指揮し、財産刑の執行は民事執行手続に準じる点で日本と類似する
ドイツは Strafvollstreckung を検察官(Vollstreckungsbehörde)が担い、罰金(Geldstrafe)不納時の代替自由刑(Ersatzfreiheitsstrafe)が労役場留置に相当する
米国連邦では criminal fine の徴収に民事の徴収手段を援用し、財産の調査・差押えが可能。本人の財産状況の把握権限が法定されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 交通違反の罰金を払い忘れて半年。ある朝、検察庁から出頭通知が届き、納付しなければ労役場留置(罰金を1日あたりの金額に換算して刑事施設で作業に従事させる手続)になると書かれている。あと数日で出頭日。今から払えば留置を避けられるのか、誰に何を確認すべきか、調べる時間はほとんど残っていない
- もし、自分名義の銀行口座に検察庁から残高照会が入ったら、銀行はあなたに知らせてくれるのか? 答えはノーに近い。本条2項の照会に銀行が応じても、本人に通知する義務はない。気付かないうちに財産状況を把握されている
- 没収・追徴の判決が確定した。検察官があなたの不動産登記や預金を調べ始める。その調査の法的根拠が、この一条だ
- あなたが小さな会社の経理担当で、従業員宛てに検察庁から「給与の支払状況を報告せよ」という照会文書が届いた。応じる義務はあるのか、個人情報保護を理由に断れるのか。これは本条2項の照会で、原則として協力が期待されるが、提出を強いる罰則まではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 照会を受けた第三者(勤務先・取引先など)なら、まず差出人と根拠条文(刑訴法508条2項か)を確認2. 照会は任意で、応じない場合の罰則は本条にはないが、正当な理由のない拒否は社会的信用に響きうる3. 求められた事項が曖昧または過大なら、対象者と期間の特定を求め、回答は文書で特定された範囲に限る4. 個人情報を含む場合、本人への通知義務はないが、社内の個人情報取扱規程との整合を必ず確認する
訴えられた側:1. 罰金・科料の納付書や検察庁からの督促が来たら放置しない、放置が最悪の選択だ2. 一括で払えないなら、強制執行や労役場留置に進む前に検察庁の徴収担当へ分割・猶予を相談する3. 既に財産調査や照会が始まっていても、自主的な納付意思を示せば留置を回避できる余地がある4. 身に覚えのない執行なら、確定した裁判の内容と送達状況を確認し、不服があれば刑訴法上の異議申立てを検討する
時効(請求できる期限):刑の時効により、罰金は確定後3年、科料・没収は1年で執行が免除される(刑法32条)。ただし時効は督促・差押えなどの執行行為で更新・停止するため、検察官が調査・照会を始めれば進行は止まる。放置して時効を待つ戦略は現実にはほぼ成立しない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:508条は執行の実効性を確保するため検察官等に広く任意の調査・照会権を認める一方、ただし書により強制処分を法定主義の下に置く。任意の情報収集と強制執行とを段階的に区別し、執行の必要と財産権・適正手続の保障の均衡を図る規定と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の全部改正により制定。裁判の執行に関する調査権(1項)と公務所等照会権(2項)を定め、強制処分は特別の定めがある場合に限る旨を明文化した。
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