刑事訴訟法 第509条
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- 検察官は、裁判の執行に関して必要があると認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、捜索、電磁的記録提供命令又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。
- 2.差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。
- 3.第一項の令状は、検察官の請求により、これを発する。
- 4.検察官は、第一項の身体検査令状の請求をするには、身体の検査を必要とする理由及び身体の検査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。
- 5.裁判官は、身体の検査に関し、適当と認める条件を付することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第509条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第509条の条文原文は「検察官は、裁判の執行に関して必要があると認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、捜索、電磁的記録提供命令又は検証をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第509条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第509条の前の条は刑事訴訟法第508条です。
- 刑事訴訟法第509条の次の条は刑事訴訟法第510条です。
- 刑事訴訟法第509条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第509条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第509条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/509
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法509条は、裁判の執行に必要があるとき、検察官が裁判官の令状により差押え・捜索・検証をできると定める。差押対象が電子計算機なら接続先の電磁的記録まで複写して押収できる。
Q · 判決が確定して罰金や没収が決まったら、検察官はもう何もしてこないの?
いいえ。検察官は令状で家を捜索し財産を差し押さえられます
刑事訴訟法509条により、検察官は裁判の執行に必要があると認めるとき、裁判官の発する令状で差押え・記録命令付差押え・捜索・検証ができます。罰金を払わず財産を隠したり、没収対象物の在りかが不明なとき、捜査段階と同じ強制処分が執行のために発動されます。第2項では、差し押さえる対象が電子計算機なら、それと接続したクラウドやサーバーの電磁的記録まで複写して押収できます。判決確定後だから手は出ない、という前提は通用しません。
解説
判決が確定して罰金や没収が言い渡された、それで事件は片付いたと思うのは早い。検察官の手には、もう一段階の強制力が残されている。刑事訴訟法509条は、裁判の執行に必要があると認めるとき、検察官が裁判官の令状を取って、あなたの自宅や事務所を捜索し、財産を差し押さえる権限を与えている。罰金を払わず財産を隠した、没収対象の物の在りかが分からない、そういうとき検察官は捜査段階と同じ差押え、記録命令付差押え、捜索、検証を、執行のためにもう一度発動できる。しかも第2項が鋭い。差し押さえる対象がパソコンなら、そのパソコンとネットでつながったクラウドやサーバーに保管されたデータまで複写して押収できる。身体検査を伴うなら身体検査令状が要る。判決後だからもう手は出ない、という発想が通用しない領域がここにある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法509条は、裁判の執行のための強制処分を定める規定であり、検察官が裁判の執行に必要と認めるとき、裁判官の発する令状により差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証を行う権限を規定する。捜査段階の差押え等の母型規定を執行局面に転用しつつ、身体検査には別途身体検査令状を要求する令状主義の枠組みを採る。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.執行通知が来たら期限と金額をまず確認 罰金・没収・追徴の執行通知が届いたら、机に放り込まず納付期限と金額を真っ先に確認する。払える額なら早期完納で差押えそのものを回避できる
- 2.払えない事情があるなら徴収担当へ自分から相談 支払いが難しい事情があるなら、差押えが動き出す前に検察庁の徴収担当へ自分から連絡する。強制処分に踏み切る前なら分納や猶予の交渉余地が残っている
- 3.捜索差押えを受けたら令状の記載を確認し記録化 令状による捜索差押えを受けたら、令状の対象物・場所・根拠裁判の記載を確認する。範囲外の物や他人の所有物が含まれそうなら、その場で所有関係を主張し記録に残す
- 4.不服があれば準抗告で争う 差押え処分に不服があれば準抗告(刑事訴訟法430条)を検討する。執行段階でも争う手段は残っており、現場での所有権主張の有無が取り戻せるかを分ける
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法509条とは何ですか?
裁判の執行に必要があるとき、検察官が裁判官の令状で差押え・記録命令付差押え・捜索・検証をできると定める規定です。罰金や没収の確定後に発動されます。
Q2判決が確定した後でも捜索されることはありますか?
あります。罰金未納や没収対象物の隠匿があると、検察官は509条の令状で執行のための捜索差押えに踏み切れます。確定は終点ではなく執行手続の起点です。
Q3執行のための差押えにも令状が必要ですか?
必要です。509条1項は裁判官の発する令状を要求し、令状は検察官の請求により発せられます(同条3項)。令状主義は執行段階でも貫かれます。
Q4記録命令付差押えとは何ですか?
保管者に必要な電磁的記録を記録媒体に記録・印刷させたうえで押収する処分です。サーバー管理者などに協力させてデータを取得する方式です。
Q5罰金を払えないと家を差し押さえられますか?
財産があるのに払わない場合は差押えが動きます。財産が無く払えない場合は労役場留置になります。『払えない』と『払わない』で扱いが分かれます。
Q6没収対象の物を隠したらどうなりますか?
検察官は在りかを突き止めるため509条の捜索を発動できます。友人宅など隠匿先も令状の射程に入り、執行を免れることはできません。
Q7差押えに納得できないとき争えますか?
争えます。差押え処分には準抗告(刑事訴訟法430条)で不服を申し立てられます。現場で所有関係を記録に残しておくことが取り戻しの鍵です。
Q8身体検査を伴う執行はどうなりますか?
身体検査には通常の令状ではなく身体検査令状が必要です(509条1項後段)。裁判官は身体検査に適当な条件を付すことができます(同条5項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金が払えないと、結局どうなるんですか?
完納できない場合、原則として労役場に留置され、1日あたり一定額に換算して作業をします(刑法18条)。ただし財産があるのに払わないなら、検察官が509条の令状で差押えに動くこともあります。実務のポイント:労役場留置は刑罰の代替であって借金の踏み倒しではないので、留置されれば罰金債務は消えます。一方、隠した財産が見つかれば差押えが優先される。『払えない』のか『払わない』のかで、検察官の出方は全く変わる
Q2押収されたパソコンから、クラウドのデータまで取られるって本当ですか?
本当です。509条2項は、押収対象の電子計算機とネットでつながった記録媒体のうち、その端末で作成や変更ができる状態にあるデータを、複写したうえで押収することを認めます。これは捜査段階の218条2項と同じ仕組みです。実務のポイント:鍵はログイン状態と『接続している』状態にあるかどうか。ログアウトし端末との結び付きを切っておくかどうかで、リモート先のデータに手が届くかが変わる。だからこそ執行側は端末を押さえた瞬間の状態を重視する
間違えやすい点 AI による整理
- 判決が確定したら執行は機械的に終わると思われているが、財産を隠したり払わずに放置したりすれば、検察官は捜査と同じ令状による捜索差押えを執行のために発動できる。確定は終点ではなく、別の手続の起点である
- 罰金が払えなければ労役場、という結末は広く知られているが、その使い分けの深刻さが見落とされている。財産が無いなら労役場留置、財産があるのに払わないなら差押えが先に動く。『払えない』と『払わない』は法的に全く別の扱いを受ける
- 『パソコンを押収されても、クラウドに上げたデータは無事』という前提そのものが誤っている。509条2項は、押収対象の電子計算機とネットでつながった記録媒体のデータまで複写を認める。あなたの『逃がした』という感覚と、法律の『射程内』という現実の落差が、執行段階であなたを追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 509条:執行のための差押え・捜索・検証の強制処分 | 472条:裁判の執行を検察官が指揮する原則 490条:罰金・没収等の財産刑の執行方法 |
| 発動の局面 | 執行に強制力が必要なとき(財産隠匿・所在不明) | 執行全般の指揮主体を定める総則 民事執行の例による財産刑の換価・徴収 |
| 令状の要否 | 裁判官の令状が必要(身体検査は身体検査令状) | 不要(指揮権の所在規定) 原則として民事執行手続による |
| 母型・準用 | 捜査の218条を執行に転用、222条で各規定を準用 | — 民事執行法の規定を準用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
財産刑の執行は検察官の命令によるとし、強制執行法を準用する。日本のように執行のための独立した捜索差押え条文を置く構成とは異なる
재산형 등의 집행을 검사가 명령으로 하고 민사집행의 예에 따르도록 한다. 집행을 위한 별도의 압수·수색 규정の構成は日本に近い側面がある
罰金刑等の執行(Vollstreckung von Geldstrafen)は基本的に民事執行類似の手続による。執行段階の独立した強制捜索処分の構成は日本と立て付けが異なる
刑事罰金は連邦税の徴収と同様の手段で徴収・執行され、リーエン設定や財産差押えが可能。検察官の令状による執行捜索という構成とは制度設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 罰金80万円の判決が確定したのに、払えないまま督促を放置していたら、どうなる? 財産があると見れば、検察官は509条の令状で自宅を捜索し、預金や換価できる動産を差し押さえる。無視した時点から、執行側の時計は静かに動いている
- 没収を命じられた高級腕時計を、友人に預けて隠した。509条はその在りかを突き止めるための捜索を可能にする。隠匿先の家まで令状の射程に入る
- 暗号資産で得た犯罪収益の追徴が確定した。検察官は押収済みのあなたのノート PC から、ログイン状態でつながった取引所のアカウントデータまで複写して資産を特定できる。クラウドに逃がしたつもりの記録が、そのまま執行の手がかりになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 罰金、没収、追徴の執行通知が来たら、まず納付期限と金額を確認、払える額なら早期完納で差押えを回避2. 払えない事情があるなら検察庁の徴収担当に自分から相談、分納の余地がある場合もある3. 令状による捜索差押えを受けたら、令状の記載(対象物、場所、根拠裁判)を確認、範囲外の差押えには現場で異議を述べ記録を残す4. 差押え処分に不服があれば準抗告(刑事訴訟法430条)を検討、執行段階でも争う手段は残る
訴えられた側:1. 被執行者の財産を預かっているだけで捜索を受けることがある、令状の対象物と自分の保管物が一致するか冷静に確認2. 自分の所有物まで巻き込まれそうなら、その場で所有関係を主張し記録化3. 差し押さえられた物が自分の正当な財産なら、準抗告や不服申立てで取り戻す道がある4. パソコン等を預かっている場合、リモートアクセスで他人のデータまで複写されうることを理解しておく
時効(請求できる期限):罰金の刑の時効は3年、没収、科料、拘留は1年(刑法32条)。裁判確定後この期間執行を受けないと刑の執行が免除される。起算点は裁判確定時。ただし執行行為があれば時効は更新される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は確定裁判の実効性を担保するため、捜査の強制処分規定(218条等)を執行局面に転用したものと解される。強制力の発動は令状主義に服し、身体検査には身体検査令状を要求することで、執行の実効性と被執行者のプライバシー保護の均衡を図る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、裁判の執行のための差押え・捜索・検証等を定める規定として設けられた。
- 2.平成23年(2011年) 改正:情報処理の高度化に対処するための改正により、電子計算機と接続する記録媒体の電磁的記録を複写して押収するリモートアクセスの仕組みが、捜査規定と同様に執行局面にも整備された(最新の改正状況は要確認)。
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