刑事訴訟法 第515条
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- 前条の規定による鑑定の嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて、第百六十八条第一項に規定する処分をすることができる。
- 2.検察官が前条の規定による鑑定の嘱託をした場合においては、前項の許可の請求は、検察官からこれをしなければならない。
- 3.裁判官は、前項の請求を相当と認めるとき、又は裁判所若しくは裁判官が鑑定を嘱託した場合において第一項の許可をするときは、許可状を発しなければならない。
- 4.第百三十一条、第百三十七条、第百三十八条、第百四十条及び第百六十八条第二項から第四項までの規定は、第一項の許可及び前項の許可状について準用する。この場合において、第百三十七条第一項中「被告人」とあるのは「裁判の執行を受ける者」と、第百六十八条第二項中「被告人の氏名、罪名」とあるのは「裁判の執行を受ける者の氏名」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第515条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第515条の条文原文は「前条の規定による鑑定の嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて、第百六十八条第一項に規定する処分をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第515条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第515条の前の条は刑事訴訟法第514条です。
- 刑事訴訟法第515条の次の条は刑事訴訟法第516条です。
- 刑事訴訟法第515条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第515条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第515条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/515
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法515条は、刑の執行段階で鑑定嘱託を受けた者が裁判官の許可を得て身体検査等の処分を行えると定める。検察官嘱託の場合、許可請求は検察官から行う。
Q · 判決が確定した後でも、鑑定のために身体を検査されることがあるの?
ある。ただし許可状がなければ拒める
あります。刑事訴訟法515条により、刑の執行段階でも鑑定の嘱託を受けた者が裁判官の許可を得て身体検査や住居への立入り等の処分(168条1項)を行えます。ただし許可状がなければ強制処分はできず、その場で提示を求められます(168条4項準用)。検察官が嘱託した場合、許可の請求は検察官から行う必要があり(2項)、女子の身体検査には医師か成年女子の立会いが要ります(140条準用)。正当な理由なく拒むと過料等の対象になりえます。
解説
判決が確定し、もう裁判は終わったと思っているその先に、刑の執行という第二の局面が待っている。死刑や自由刑の執行は、対象者が心神喪失の状態にあれば止まる(479条、480条)。では、その精神や身体の状態を誰がどう確かめるのか。ここで鑑定が嘱託され、本条が動き出す。鑑定の嘱託を受けた専門家は、裁判官の許可(許可状)を得て、対象者の身体を検査し、住居に立ち入るといった処分ができる(168条1項の処分)。検察官が鑑定を嘱託したなら、許可の請求は検察官から出さなければならない(2項)。あなたが押さえるべきは、許可状がなければこの強制的な処分はできず、身体検査には配慮規定(131条、140条)が及ぶという点だ。だが正当な理由なく拒めば過料や罰金が科されうる(137条、138条)。執行段階でも、あなたの身体と住居には鍵がかかっており、その鍵を開けるには令状という手続が要る。
法的な位置づけ
刑事訴訟法515条は、裁判の執行段階における鑑定処分の許可を定める規定である。前条の鑑定嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて第168条1項の処分(身体検査、住居への立入り等)を行うことができ、検察官嘱託の場合は許可請求を検察官に限定し、裁判官が相当と認めれば許可状を発付する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.鑑定処分を受ける前に許可状の提示を求める 鑑定人や検察官側が身体検査・住居立入り等を求めてきたら、応じる前に『許可状を見せてください』と求める。提示がなければ強制処分に応じる義務はない(168条4項準用)
- 2.許可状の記載と処分範囲の一致を確認 許可状の記載(裁判の執行を受ける者の氏名、検査すべき身体、立ち入るべき場所など)が、実際に行われようとする処分の範囲と一致しているか確認する。範囲外の処分は拒める
- 3.身体検査の立会い・配慮を要求 女子の身体検査なら医師または成年の女子の立会いを求める(140条準用)。身体検査一般でも被検査者の健康・名誉への配慮を求める(131条準用)
- 4.検察官嘱託なら請求主体を確認し瑕疵を記録 検察官が嘱託した鑑定なのに許可請求が検察官以外から出ている場合(2項違反の疑い)は、その点を記録し弁護人に伝える。後の不服申立ての足場になる
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定処分許可状とは何ですか?
鑑定人が身体検査や住居への立入り等の強制処分(168条1項)を行うために裁判官が発付する許可状です。これがなければ強制的な処分はできません。
Q2刑事訴訟法515条はどんな場面で使われますか?
刑の執行段階で対象者の精神・身体の状態を確かめるため鑑定が嘱託された場面です。死刑・自由刑の執行停止(479条、480条)の判断などで動きます。
Q3執行段階の鑑定処分の許可は誰が請求しますか?
検察官が鑑定を嘱託した場合、許可の請求は必ず検察官から行います(515条2項)。請求主体を欠いた許可は手続の瑕疵として争点になりえます。
Q4許可状を提示されなかったら従う義務はありますか?
ありません。許可状の提示がない強制的な鑑定処分には応じる義務はなく(168条4項準用)、その場で提示を求めることができます。
Q5168条1項の処分とは具体的に何ですか?
住居への立入り、身体検査、死体の解剖、墳墓の発掘、物の破壊などです。515条はこの処分を執行段階でも行えるようにしています。
Q6鑑定の身体検査に立会いは必要ですか?
女子の身体検査には医師または成年の女子の立会いが必要です(140条準用)。身体検査一般でも131条準用の配慮が及びます。
Q7鑑定処分の許可状には何が書かれていますか?
裁判の執行を受ける者の氏名、検査すべき身体や立ち入るべき場所など処分の範囲が記載されます(168条2項準用・読替え)。範囲外の処分は拒めます。
Q8死刑の執行は心神喪失だと止まりますか?
止まります(479条)。その心神喪失を見極めるために鑑定が嘱託され、515条の許可を得て専門家が対象者を診ることになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1もう刑が確定したのに、なんで今さら身体検査されるんですか?
刑の執行が適法に進むか確かめるためです。たとえば死刑・自由刑は対象者が心神喪失なら執行が停止します(479条、480条)。その判断に鑑定が必要なとき、本条で鑑定人が裁判官の許可を得て身体を検査します。実務のポイント:許可状なしの身体検査は違法で、応じる義務はありません(168条4項準用)。その場で『許可状を見せてください』と言えるかどうかで、後に適法性を争う足場が残るかが変わります。
Q2鑑定の身体検査を断ったら、どうなりますか?
正当な理由なく拒むと、過料(137条準用)や、場合によっては罰金・拘留(138条準用)の対象になりえます。ただし許可状の提示がない、女子の身体検査で医師・成年女子の立会いがない(140条準用)など、手続違反があれば話は別です。実務のポイント:拒否の代償と手続違反の有無は別問題です。やみくもに拒むより、立会いや配慮(131条準用)を要求しつつ手続の適法性を確認するのが実務的に賢い動きです。
間違えやすい点 AI による整理
- 『判決が確定したら、もう自分の身体や家に手は出されない』と思いがちだが、執行段階でも鑑定処分は可能だ。ただし無制限ではない。裁判官の許可状という手続を通さなければ、その処分は違法になる。終わったのは『争う場面』であって、『国家が身体に触れる場面』ではない。
- 鑑定処分には許可状が要ることは知っていても、その許可状が誰の請求で出るかまで意識している人は少ない。検察官が鑑定を嘱託した場合、許可の請求は必ず検察官から出さなければならない(2項)。請求主体を欠いた許可は、手続の瑕疵として争点になりうる。許可状があるかどうかだけでなく、誰が請求したかまでが防御の材料になる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される局面 | 515条:裁判の執行段階の鑑定処分 | 514条:執行段階での鑑定の嘱託そのもの 168条:捜査・公判段階の鑑定処分の本則 |
| 許可請求の主体 | 検察官嘱託なら検察官から請求(2項) | 嘱託の主体は検察官・裁判所・裁判官 鑑定人の請求により裁判所が許可 |
| 許可状の要否 | 裁判官が許可状を発付(3項) | 嘱託自体には許可状不要 裁判所が許可状を発付(168条2項) |
| 立会い・配慮規定 | 131条・140条等を準用(4項) | なし(嘱託行為のみ) 168条4項で身体検査の規定を準用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も鑑定人の身体検査等には許可書(鑑定許可書)を要し、令状主義的な司法統制を及ぼす点で日本と共通する。
韓国も鑑定に必要な処分に裁判所の許可状を要求し、身体・住居への強制処分に司法的統制を及ぼす。
ドイツは身体検査を原則として裁判官の命令にかからしめ、遅延の危険がある場合のみ検察官・捜査官の命令を認める。
米国は身体への侵襲的検査に令状または相当の理由を要し、執行段階の能力鑑定にも裁判所の関与を求める。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 死刑が確定した者に、執行直前『最近様子がおかしい』との報告が上がったらどうなる? 心神喪失なら執行は停止する(479条)。それを見極めるため検察官は鑑定を嘱託し、本条の許可を得て精神科医が拘置所内で対象者を診る。その鑑定結果が、生死を分ける。
- 自由刑の執行を受けるあなたに、鑑定人が『身体を検査したい』と告げる。許可状を示されなければ、その場で応じる義務はない(168条4項準用)。逆に正当な理由なく拒めば、過料や罰金の対象になりうる(137条、138条準用)。応じるか争うか、その判断は数分のうちに迫られる。
- 家族が執行段階で鑑定の対象になった。女子の身体検査には成年の女子か医師の立会いが要る(140条準用)。覚えておくべき一行だ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなた、または家族が執行段階で鑑定処分の対象になったら、まず許可状の提示を求める(168条4項準用)。提示なき処分に応じる義務はない2. 許可状の記載(対象者の氏名、検査すべき身体、立ち入るべき場所など)が処分の範囲と一致しているか確認、範囲外の処分は拒める3. 女子の身体検査なら、医師または成年の女子の立会いを要求(140条準用)、身体検査一般では配慮を求める(131条準用) 4. 検察官嘱託の鑑定なのに許可請求が検察官から出ていない場合(2項違反の疑い)は、その点を記録し弁護人に伝える
訴えられた側:1. 鑑定処分を拒否したい場合、代償を理解する。正当な理由なき拒否は過料(137条準用)、場合により罰金・拘留(138条準用)の対象になりうる2. ただし許可状の不提示、立会い規定違反など手続の瑕疵があれば、拒否に正当な理由が立つ余地がある3. やみくもに全面拒否するより、立会いや配慮(131条、140条準用)を要求しつつ処分の適法性を確認するのが実務的4. 処分の違法を争うなら、処分を受けた直後から弁護人と不服申立ての可否を検討する
時効(請求できる期限):本条自体に出訴期間や消滅時効の定めはない。ただし鑑定処分を受けるその場で許可状の提示を求める権利があり(168条4項準用)、提示なき処分には応じる義務がない。処分の適法性を事後に争う場合の手続は事案により異なるため、処分を受けた直後に弁護人へ相談する必要がある(最新の手続状況をご確認ください)
学説
通説:執行段階であっても鑑定人による身体検査・住居立入り等の強制的処分は強制処分法定主義および令状主義に服する。裁判官の許可状を欠く処分は違法であり、検察官嘱託の場合に許可請求権者を検察官に限定した点(2項)に、執行段階での手続的統制の意義が認められる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、裁判の執行段階における鑑定処分の許可と許可状の手続、および身体検査の配慮・拒否に関する諸規定の準用を定めた。
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