医療法 第14条の3
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- 厚生労働大臣は、厚生労働省令で、オンライン診療の適切な実施に関する基準を定めなければならない。
- 2.前項の基準は、次に掲げる事項について定めるものとする。
- 一オンライン診療を行うに当たり病院又は診療所において必要な施設及び設備並びに人員の配置に関する事項
- 二患者がオンライン診療を受ける場所に関する事項
- 三オンライン診療を行うに当たり患者に対して行う説明に関する事項
- 四他の病院又は診療所との連携その他の患者の病状が急変した場合において適切な治療を提供するための体制の確保に関する事項
- 五その他オンライン診療の適切な実施に関し必要な事項
- 3.オンライン診療は、第一項の基準に従つて行われなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第14条の3は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第14条の3の条文原文は「厚生労働大臣は、厚生労働省令で、オンライン診療の適切な実施に関する基準を定めなければならない。」で始まります。
- 医療法第14条の3は第二節 管理に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第14条の3の前の条は医療法第14条の2です。
- 医療法第14条の3の次の条は医療法第14条の4です。
- 医療法第14条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第14条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第14条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/14_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法14条の3は、オンライン診療を厚生労働省令の基準に従って行う義務を定める。基準は施設・人員、受診場所、患者への説明、急変時の連携体制等を対象とする。
Q · オンライン診療って、医師やアプリ会社が自由に決めたルールでやっていいの?
いいえ。医療法14条の3で国の基準に従う義務があります
医療法14条の3は、オンライン診療を厚生労働省令で定める基準に従って行うよう義務付けています(3項)。基準は、病院・診療所の施設・設備・人員、患者が受診する場所、患者への事前説明、容体急変時に他の医療機関と連携する体制などを対象とします(2項)。具体的な中身は法律本体ではなく省令と厚生労働省の指針に書かれるため、実務では両方の確認が欠かせません。
解説
画面越しの診察は、医師の善意やアプリ運営会社の利用規約だけで成り立っているわけではない。医療法14条の3は、オンライン診療を「厚生労働大臣が省令で定める基準に従って行わなければならない」ものと位置付けた。基準に盛り込むべき事項は五つ。病院・診療所の施設、設備、人員。患者が診療を受ける場所。患者への事前説明。容体が急に悪くなったときに対面診療へつなぐ連携体制。そしてその他の必要事項である。あなたにとっての意味ははっきりしている。スマホの向こうの医師には、容体が急変したらどこへ回すかを事前に決めておく法的な義務がある。受診前の説明もあなたの権利として位置付けられた。「オンラインだから仕方ない」で片付けられていた不備の多くは、基準違反という言葉で指摘できるようになる。一方、基準の中身は法律本体ではなく省令に書かれ、医療現場の状況に合わせて改定されていく。法律だけを読んでも答えは出ない。省令と厚生労働省の指針まで確認して、はじめて全体像が見える(最新の改正状況をご確認ください)
法的な位置づけ
医療法第14条の3は、オンライン診療の実施基準を定める規定である。厚生労働大臣に対し、施設・設備・人員の配置、患者の受診場所、患者への説明、病状急変時の他医療機関との連携体制その他必要な事項について厚生労働省令で基準を定めることを義務付け、オンライン診療を当該基準に従って行うべきものとする。
手順
- 1.省令と指針を読み込み自己点検表を作る 医療法14条の3に基づく厚生労働省令と「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を確認し、施設・設備・人員、受診場所、説明、急変時連携の各項目を点検表に落とし込む
- 2.診療を行う部屋と通信環境を整える 医師側の診察場所で他の患者情報やスタッフの会話が映り込まない配置にし、通信の安定性と情報セキュリティを確認する
- 3.急変時の連携先を書面で確保する 患者の容体が急変した場合に受け入れを依頼する病院・診療所と事前に合意し、連絡手順とともに書面化する。患者ごとに連携先を示せるようにしておく
- 4.事前説明と同意を記録する 受診前に、オンライン診療の限界、受診場所の条件、急変時の連絡先などを患者に説明し、説明内容と同意を診療録に紐付けて保存する
よくある質問 AI による整理
Q1医療法14条の3とは何ですか?
オンライン診療の実施基準を厚生労働省令で定め、オンライン診療をその基準に従って行うよう義務付ける医療法の規定です。
Q2オンライン診療の基準はどこに書かれていますか?
法律本体には基準の対象事項だけが列挙され、具体的な中身は厚生労働省令と厚生労働省の指針に書かれています。両方の確認が必要です。
Q3オンライン診療 急変時 どうなる?
医療機関には、容体が急変した患者を他の病院・診療所につなぐ連携体制の確保が求められます。緊急時はまず119番を優先してください。
Q4オンライン診療 受ける場所 決まりはある?
患者が受診する場所も基準の対象です。第三者に会話を聞かれず、医師が適切に診察できる環境であることが求められます。
Q5オンライン診療 基準違反 どうなる?
保健所等の立入検査(医療法25条)で指摘・指導を受けうるほか、民事の損害賠償で過失を裏付ける事情として評価される可能性があります。
Q6オンライン診療を始めるクリニックが準備すべきことは?
診療場所の設備と人員配置、患者への説明手順、急変時の連携先の確保を整え、省令と指針に照らして記録を残せる体制を作ることです。
Q7オンライン診療 事前説明 義務?
はい。患者への説明に関する事項は基準の対象として法律に明記されています。患者が理解できる形で説明されることが前提です。
Q8自由診療のオンライン処方サービスも対象?
医師が診療を行う以上、保険診療か自由診療かを問わず本条の基準の対象になると解されます。美容・ダイエット系サービスも例外ではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1初めて受診するクリニックでも、いきなりオンラインで診てもらえるの?
条件付きで可能である。厚生労働省の指針は2022年の改訂で、かかりつけの医師による初診を原則としつつ、診療前相談を経た場合などに初診からのオンライン診療を認めた。本条1項の基準も、こうした運用を前提に整備されている。実務のポイント:初診のオンライン診療では、麻薬や向精神薬は処方できない。基礎疾患の情報が把握できない患者には処方日数の上限(8日分)もある。初診で1か月分を気前よく出すサービスは、それだけで警戒に値する(最新の改正状況をご確認ください)
Q2カフェとか車の中からオンライン診療を受けてもいいの?
本条2項2号により、患者が診療を受ける場所も基準の対象になっている。第三者に会話を聞かれず、医師が適切に診察できる環境であることが求められる。実務のポイント:場所の適否を最終的に判断するのは医師である。騒がしい場所や運転中の車内からの受診は、医師が断っても不当な診療拒否とは評価されにくい。静かな個室を確保することが、あなた自身の診療の質を守る
Q3オンライン診療で見落としがあったら、対面より医師の責任は軽くなるの?
軽くならない。オンラインであることは、医師の注意義務を下げる理由にならない。本条3項が基準に従う義務を定めているため、説明や連携の不備があれば、それ自体が過失を裏付ける事情になりうる。実務のポイント:医療紛争で重視されるのは診療録と記録である。オンライン診療では通話の録画を残さない運用が多く、説明記録の有無で勝負が決まりやすい。患者側も自分でメモとスクリーンショットを残しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「オンライン診療は対面より規制が緩い、手軽な簡易版」と思われがちだが、法律上は逆である。対面診療にはない基準適合義務が3項で上乗せされており、オンラインを選んだ時点で医療機関の負う義務は一段増える
- 急変時の連携体制が必要なことは多くの医師が知っている。見落とされがちなのはその重さである。連携先を実際に確保していないまま処方を続け、患者の容体が悪化した場合、基準違反は民事の損害賠償で過失を裏付ける有力な材料になりうる。形だけの連携表記は、紛争になった瞬間に弱点へ変わる
- 「オンライン診療は合法か違法か」という問いの立て方自体がずれている。法律はオンライン診療を正面から認めたうえで、どう行うかを基準で縛っている。問うべきは、そのオンライン診療が基準どおりに行われたかどうかである
- 患者から見れば、画面越しに医師が話を聞いてくれれば診療は成立したように感じる。しかし法律から見れば、説明、場所、連携の各要件を満たしてはじめて適法な診療になる。この落差に気付かない事業者は、患者満足度が高いまま行政指導を受けることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 医療法14条の3:オンライン診療の実施方法(基準適合義務) | 医療法1条の4:医療提供全般における適切な説明と患者の理解 医療法25条:保健所等による立入検査の権限 |
| 説明に関する規律 | オンライン診療特有の説明事項を省令基準で定める | 医療の担い手の努力義務として一般的な説明を求める 説明の実施状況を検査で確認する側の規定 |
| 違反時の実務上の帰結 | 基準違反として行政指導・民事上の過失評価の材料になりうる | 努力義務のため直接の制裁規定はない 検査結果に基づく改善指導等の前提となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は対面診察を原則とし、通訊診察治療辦法で対象患者・場面・実施計画の届出等を細かく定める。日本と同じく法律+下位法令の二層構造
韓国は医療人間の遠隔協力を中心に規律し、医師・患者間の遠隔診療は法改正論議と時限的な試行事業で運用されてきた
中国は再診患者を原則としてインターネット診療を認め、初診の実施を制限している
フランスは télémédecine を公衆衛生法典で定義し、実施条件をデクレで定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ダイエット目的のオンライン処方アプリで薬を受け取ったら、飲み始めて三日目に動悸とめまいが出た。アプリに問い合わせてもチャットボットしか返ってこない。この場合に問われるのは「急変時の連携体制」を確保していたかどうかである。診療所側が連携先を決めていなかったなら、基準違反を正面から主張できる
- 開業医のあなたは、オンライン診療を始めたくて院長室の奥にノートパソコンを置いた。ところが、診察中の画面にスタッフの話し声や他の患者のカルテが映り込む配置になっている。施設・設備の基準は患者のプライバシー保護と直結しており、この状態のまま診療を続ければ保健所の立入検査で指摘されうる
- もし通勤中の電車内や職場の休憩室から、患者が「このまま診てほしい」と言ってきたらどうなる? 患者が診療を受ける場所も基準の対象に含まれる。医師は応じるかどうかを判断し、断る責任を負う立場にある
- 来月からの新サービス開始まであと二週間。オンライン診療プラットフォームを立ち上げるスタートアップのあなたは、提携クリニックの急変時対応をどの病院に頼むかをまだ決めていない。これが決まらないまま始めれば、違法状態のリリースになりかねない
- 高齢の母が、かかりつけ医から「次回からはオンラインでいい」と言われた。だが母はビデオ通話の操作がおぼつかない。事前説明は、患者が理解できる形で行われてはじめて意味を持つ。家族が同席して説明を聞き直すよう求めることは、遠慮すべき要求ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 体調が急変したら、アプリの返信を待たず119番または近くの救急外来へ。安全の確保が最優先2. 受診画面、同意書、事前説明、処方内容、チャット履歴をスクリーンショットで保存する3. 医療機関に対し、事前説明の内容と急変時の連携体制の記録を書面で求める4. 対応が不十分なら、医療機関を管轄する保健所の医療安全支援センターに相談する。損害が出ていれば、民法415条・709条に基づく賠償請求を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 厚生労働省令の基準と、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に照らし、施設、人員、患者の受診場所、説明、連携の各項目を自己点検する2. 急変時の連携先との合意は書面で残し、患者への説明記録は診療録に紐付けて保存する3. 保健所から照会があった場合は、改善計画を添えて速やかに回答する4. 患者との紛争では、説明の記録と連携体制の実在を示せるかどうかで過失評価が大きく変わる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。診療上の過失で患者の生命・身体が害された場合、債務不履行による請求は権利を行使できることを知った時から5年・行使できる時から20年(民法166条、167条)、不法行為による請求は損害と加害者を知った時から5年・不法行為時から20年(民法724条、724条の2)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和7年(2025年) 新設:医療法等の一部改正によりオンライン診療が法律上位置付けられ、実施基準の策定義務と基準適合義務を定める本条が新設された(公布日・施行日は e-Gov で要確認)
- 医療法 第1条の4医療提供時の適切な説明と患者の理解
- 医療法 第15条管理者の従業者監督義務
- 医療法 第25条保健所等による立入検査の根拠
- 医師法 第20条無診察治療の禁止とオンライン診療の適法性
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