医療法 第25条
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- 都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者若しくはオンライン診療受診施設の設置者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、病院、診療所、助産所若しくはオンライン診療受診施設に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、病院、診療所、助産所若しくはオンライン診療受診施設の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、当該病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者若しくはオンライン診療受診施設の設置者に対し、診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は当該職員に、当該病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくはオンライン診療受診施設の設置者の事務所その他当該病院、診療所、助産所若しくはオンライン診療受診施設の運営に関係のある場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 3.厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、特定機能病院等の開設者若しくは管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、特定機能病院等に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 4.厚生労働大臣は、特定機能病院等の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該特定機能病院等の開設者又は管理者に対し、診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。
- 5.第六条の八第三項の規定は第一項から第三項までの立入検査について、同条第四項の規定は前各項の権限について、準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第25条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第25条の条文原文は「都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者若しくはオンライン診療受診施…」で始まります。
- 医療法第25条は第四章 病院、診療所及び助産所に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第25条の前の条は医療法第24条の2です。
- 医療法第25条の次の条は医療法第25条の2です。
- 医療法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法25条は、都道府県知事等が病院・診療所・助産所等に報告を命じ、職員に立入検査をさせる権限を定める。違反の疑いがあれば、カルテの提出命令や事務所への立入りもできる。
Q · 保健所の立入検査って、クリニック側は断れるの?
原則断れず、拒否・妨害は罰金の対象になる
医療法25条1項により、都道府県知事や保健所設置市の市長などは、必要があると認めるとき、病院・診療所・助産所等に報告を命じ、職員に立入検査をさせることができます。正当な理由なく検査を拒んだり妨げたりすると、医療法89条により罰金の対象になります。日程の調整を相談することと、検査そのものを拒否することは別物です。なお検査は犯罪捜査のための権限ではありません(同条5項による6条の8第4項の準用)。
解説
保健所の職員が身分証を示してクリニックの受付に現れたとき、院長が「今日は都合が悪い」と追い返せる余地はほとんどない。医療法25条は、都道府県知事、保健所を設置する市の市長、特別区の区長に、病院・診療所・助産所、さらにオンライン診療受診施設に対する報告命令と立入検査の権限を与えている。調べられるのは、医師や看護師などの人員、院内の清潔さ、建物や設備、そして診療録(カルテ)や帳簿である。2項はもう一歩踏み込む。法令違反や「運営が著しく適正を欠く」疑いがあれば、カルテや帳簿の提出を命じたり、病院の外にある開設者の事務所など運営に関係する場所にまで立ち入ったりできる。報告や検査を拒めば罰金の対象になる(89条)。逆に患者の側から見ると、この権限を動かすきっかけは保健所への一本の相談である。検査そのものは犯罪捜査ではない(6条の8第4項を準用)。それでも、その結果は改善命令、使用制限、最終的には許可の取消しや閉鎖命令へと一本の線でつながっている。
法的な位置づけ
医療法25条は、医療機関に対する行政の報告徴収・立入検査権限を定める規定である。1項は都道府県知事等が必要と認めるときに人員、清潔保持、構造設備、診療録等を検査する一般的権限を、2項は法令違反や著しい運営不適正の疑いがある場合の物件提出命令と開設者事務所への立入りを、3項・4項は特定機能病院等に対する厚生労働大臣の権限を定める。
手順
- 1.前回の指摘事項と改善記録を並べる 立入検査の通知が届いたら、まず前回の検査結果通知と改善報告書を確認する。指摘事項ごとに、改善の実施日と記録の所在を一覧にしておく
- 2.人員・清潔保持・構造設備の記録をそろえる 従業者名簿と資格証の写し、勤務表、清掃や消毒の記録、医療安全・院内感染対策の研修記録、設備の保守点検記録を検査項目ごとに整理する
- 3.当日の受け入れ手順を院内で決めておく 院長不在でも対応できる応対責任者を決め、職員の身分証確認、検査場所への案内、書類提示の担当を割り振る。受付での門前払いは検査拒否と評価されるおそれがあることを全職員に共有する
- 4.指摘事項を文書で受け取り期限内に改善報告 検査後の指摘事項は文書で受け取り、期限内に改善計画と実施記録を提出する。事実と違う指摘には根拠資料を添えて書面で申し出る。カルテや帳簿を事後に書き足すことはしない
よくある質問 AI による整理
Q1医療法の立入検査とは何ですか?
医療法25条に基づき、保健所などの職員が病院や診療所に立ち入り、人員配置、清潔保持、構造設備、カルテや帳簿を確認する行政検査です。
Q2医療監視とはどういう意味ですか?
医療法25条の立入検査を実務上こう呼びます。検査を担う職員は医療監視員(26条)と呼ばれ、医療機関が法令基準を満たしているかを確認します。
Q3保健所の立入検査は何年に一回ありますか?
法律上、頻度は定められていません。病院は定期的に実施される運用が一般的ですが、診療所の頻度は自治体によって異なります。違反の疑いがあれば随時です。
Q4立入検査で見られる書類は何ですか?
条文上は診療録、助産録、帳簿書類その他の物件です。実務上は従業者名簿、医療安全や院内感染対策の記録、設備の管理記録なども確認されます。
Q5立入検査の指摘事項に従わないとどうなる?
改善命令や構造設備の使用制限(24条)、管理者の変更命令(28条)、開設許可の取消しや閉鎖命令(29条)へと処分が段階的に進むおそれがあります。
Q6医療法の立入検査は令状が必要?
不要です。行政目的の検査であり、犯罪捜査のための権限と解釈してはならないとされています(6条の8第4項を準用)。職員は身分証を携帯し提示します。
Q7オンライン診療の受診場所も立入検査の対象?
対象です。オンライン診療受診施設の設置者も、25条1項の報告命令・立入検査と、2項の提出命令・事務所への立入りの対象に含まれています。
Q8厚生労働省が直接立入検査することはある?
あります。特定機能病院等については、25条3項により厚生労働大臣が報告を命じ立入検査をさせることができ、4項で物件の提出も命じられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の立入検査って、断ったらどうなるんですか?
正当な理由なく検査を拒んだり、妨げたり、忌避したりすると、医療法89条により罰金の対象になります(最新の改正状況をご確認ください)。日程の調整を相談するのと、拒否するのとは違います。実務のポイント:罰金そのものより怖いのは、拒否したという記録が残ることです。それが2項の「運営が著しく適正を欠く疑い」の材料になり、次は事務所まで踏み込む検査につながりかねません
Q2患者が保健所に相談したら、本当に病院に検査が入るんですか?
必ず入るとは限りません。保健所は、相談の内容から法令違反や著しい不適正の疑いがあるかを判断し、2項の検査や指導を行うかどうかを決めます。実務のポイント:感情的な苦情は記録されるだけで終わりがちです。日時、人数、具体的な行為を並べた書面は、行政が動く根拠として扱いやすくなります。同じ医療機関について別々の人から具体的な相談が重なると、行政は特に動きやすくなります
Q3立入検査で見つかった内容が、警察に行くことはありますか?
医療法25条の検査は、6条の8第4項の準用により、犯罪捜査のための権限と解釈してはならないとされています。ただし、公務員は職務上犯罪があると考えたとき告発する義務を負います(刑事訴訟法239条2項)。実務のポイント:検査そのものは捜査ではありませんが、無資格の医療行為のように重大な疑いが見つかれば、告発というルートで刑事手続につながる可能性はあります
間違えやすい点 AI による整理
- 立入検査は事前に連絡が来るものだと思われている。定期の検査は日程調整のうえで行われるのが通例だが、法律上、事前通知は要件ではない。違反の疑いによる検査では、予告なしで来る可能性も十分にある
- 「保健所の検査は形式的なチェックにすぎない」と甘く見る経営者は多い。深刻さはその先にある。指摘された不備を放置すれば、改善命令、構造設備の使用制限、管理者変更命令、最終的には許可の取消しや閉鎖命令へと段階的に進む(24条、28条、29条)。最初の指摘は、長い処分の階段の一段目である
- 患者側は「医療ミスは裁判でしか争えない」と考えがちだが、問いの立て方がずれている。25条は個別の損害を賠償させる制度ではなく、医療機関の体制を是正させる制度だ。賠償を求める道(民法)と、同じ被害を二度と出させない道(医療法)は別々に歩める
- 院長の目線では「カルテは患者と自分のもの」かもしれない。しかし法律の目線では、カルテは行政の検査対象物件として明記されている。提出を命じられた後でカルテを書き足せば、改ざんを疑われ、状況は一気に悪くなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の役割 | 医療法25条:報告命令・立入検査で実態を調べる | 医療法24条:清潔保持や構造設備の不備に対し使用制限・修繕等を命じる 医療法29条:開設許可の取消し・閉鎖命令 |
| 発動の段階 | 調査の入口。必要があると認めるとき(1項)、違反等の疑いがあるとき(2項) | 調査で不備が確認された後の是正段階 重大な違反や命令違反が続いた場合の最終段階 |
| 医療機関への影響 | 書類準備と検査対応。拒否・妨害は罰金(89条) | 施設の一部が使えなくなる、改修費用が発生する 診療の継続そのものができなくなる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は医療機構側の義務として、報告の提出と、人員配置・構造・設備・診療記録等に対する主管機関の検査の受忍を定める。規律の書き方は義務側からだが、検査対象の範囲は日本とよく似ている
韓国も保健福祉部長官や市長・郡守・区庁長に、医療機関への報告命令と所属公務員による立入検査の権限を与えており、日本と同じ行政監督型の構造である
ドイツは医療機関を包括的に監督する単一の法律がなく、感染症予防法による衛生監督や州の病院法などに分散している点で日本と異なる
米国は連邦の Medicare・Medicaid 参加要件に基づく州機関の調査と、州の施設免許法による監督の二本立てである
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 美容クリニックで施術を受けたら、麻酔の説明もなく看護師が一人もいなかった。消費生活センターに行くべきか、保健所に行くべきか? 人員配置や院内体制の問題なら、25条の立入検査を動かせる窓口は保健所の方である
- あなたは開業3年目の診療所の院長。保健所から「来月、立入検査を実施します」という通知が届いた。あと30日で、清潔区域の管理記録、医療安全の研修記録、従業者名簿を揃えなければならない。書類が揃っていない項目は、そのまま指摘事項として文書に残る
- 元職員が「無資格者に点滴をさせていた」と保健所に通報した。数日後、2項に基づいてカルテの提出命令が届き、法人本部の事務所にまで職員が来た
- 事務長が「院長が不在なので、今日の検査はお断りします」と言ってしまった。善意の時間稼ぎのつもりでも、検査の拒否・妨害・忌避と評価されれば罰金の対象になる。しかも、その記録が次の指導の起点になる
- オンライン診療を受ける場所として、自社の健康相談ブースを貸していた企業。その場所がオンライン診療受診施設にあたるなら、設置者として報告命令や立入検査の対象になりうる。医療機関でなくても、この条文の射程に入る時代になった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受診した日時、担当者、不衛生や人員不足の具体的な状況をその日のうちにメモし、写真や領収書と一緒に保管する2. 医療機関の所在地を管轄する保健所か、医療安全支援センターに書面で相談する。「疑い」の根拠となる事実を具体的に書く3. 損害の賠償は別の道。必要なら弁護士に相談し、民法上の請求を並行して検討する4. 自分のカルテは個人情報保護法に基づく開示請求で先に確保しておく
訴えられた側:1. 立入検査の当日は、職員の身分証を確認したうえで協力する。拒否や引き延ばしは罰金の対象となり、心証も悪くなる2. カルテや帳簿を後から書き足さない。改ざんの疑いは、元の不備より重く見られる3. 指摘事項は文書で受け取り、期限内に改善計画と実施記録を提出する4. 事実と違う指摘には、根拠資料を添えて書面で反論する。処分に進む段階では弁明の機会(行政手続法)も意識する
時効(請求できる期限):本条の報告命令・立入検査の権限に行使期限はない。いつでも実施されうる前提で備える必要がある。カルテの保存期間は5年(医師法24条2項)で、その期間内の記録は検査対象になると考えておく。検査を拒んだ場合の罰則(89条)は、刑事事件として公訴時効(刑事訴訟法250条)に服する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政調査論):医療法25条の立入検査は、行政処分の前提となる事実を確認するための行政調査であり、拒否に罰則を設けて受忍を求める間接強制型の調査と位置づけられる。実力で抵抗を排除して立ち入ることまでは認められないと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成期の改正(年次要確認) 違反の疑いがある場合の提出命令と、開設者の事務所等への立入りを定める2項、特定機能病院等に対する厚生労働大臣の権限を定める3項・4項が整備された。改正年と新設・改正の区別は人的検証が必要
- 令和期の改正(年次要確認) オンライン診療受診施設の設置者が報告命令・立入検査の対象に加えられた。施行日を含め人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医療法の制定とともに、病院・診療所・助産所に対する都道府県知事等の報告徴収・立入検査の規定として設けられた。その後の改正の年次と内容は要確認
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