医療法 第89条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
- 一第三条、第四条第三項、第四条の二第三項、第四条の三第三項、第八条、第八条の二第二項、第九条、第十条、第十一条、第十二条、第十六条、第十八条、第十九条第一項若しくは第二項、第二十一条第一項第二号から第十一号まで若しくは第二項第二号、第二十二条第一号若しくは第四号から第八号まで、第二十二条の二第二号若しくは第五号、第二十二条の三第二号若しくは第五号又は第二十七条の規定に違反したとき。
- 二第五条第二項、第六条の八第一項若しくは第二十五条第一項から第四項までの規定による報告若しくは提出を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は第六条の八第一項若しくは第二十五条第一項から第三項までの規定による当該職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
- 三第十四条の二第一項又は第二項の規定による掲示を怠り、又は虚偽の掲示をしたとき。
- 四第三十八条第一項又は第三十八条の二第一項の規定による指示に違反して、届出をしなかつたとき。
- 五第三十八条第三項又は第三十八条の二第三項の規定に違反して、届出をしなかつたとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第89条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第89条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 医療法第89条は第九章に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第89条の前の条は医療法第88条です。
- 医療法第89条の次の条は医療法第90条です。
- 医療法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第89条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/89
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法89条は、名称使用制限・開設届・院内掲示・立入検査などの義務に違反した者を20万円以下の罰金に処すると定める。この罰金は刑事罰であり、前科になる。
Q · 診療所の開設届を出し忘れたら、罰金になるの?
対象になる。20万円以下の罰金は刑事罰で、前科になる
医療法8条は、診療所を開設した日から10日以内の届出を義務付けています。これを怠れば、医療法89条により20万円以下の罰金の対象になります。実務では、まず保健所の指導と提出の促しで終わることが多いものの、罰金は刑事罰です。確定すれば前科となり、医師であれば医師法4条・7条に基づく行政処分の検討対象にもなりえます。
解説
罰金の上限は二十万円。交通違反の反則金と大差ない金額に見えるため、開業医や事務長の多くは本条を「軽い条文」として素通りする。そこに落とし穴がある。反則金は行政上の制裁(役所が科す金銭的なペナルティ)にすぎないが、本条の罰金は刑事罰であり、科されれば前科になる。本条が罰則を付けているのは、次のような「うっかり」の範囲だ。医療機関でない施設が「病院」「診療所」やまぎらわしい名称を使うこと(3条)、診療所を開設したのに10日以内に届け出ないこと(8条)、休止・廃止の届出漏れ(8条の2、9条)、院内掲示の怠り(14条の2)、立入検査の拒否や虚偽報告(25条など)、病院の構造設備を使用前検査なしで使うこと(27条)。医師であるあなたに罰金刑が確定すると、医師法上の行政処分(医業停止など)の検討対象になりうる。事務手続の抜け漏れが、医師免許の審査の場まで一本の線でつながっている。この線が見えているかどうかで、開業準備のチェックリストの重みは変わる
法的な位置づけ
医療法89条は、医療法上の行政的義務の違反に刑事罰を科す罰則規定である。名称使用制限(3条)、開設・休止・廃止の届出(8条・8条の2・9条)、院内掲示(14条の2)、報告徴収・立入検査への協力(25条等)、構造設備の使用前検査(27条)などに違反した行為者を、20万円以下の罰金に処する。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法89条とは?
医療法の届出・掲示・名称・検査対応などの義務違反について、違反行為をした者を20万円以下の罰金に処する罰則規定です。
Q2医療法違反の罰金は前科になる?
なります。医療法89条の罰金は行政上の反則金ではなく刑事罰で、確定すれば前科として扱われます。
Q3診療所開設届はいつまでに出す?
医療法8条により、診療所を開設した日から10日以内に、所在地の都道府県知事(保健所を設置する市は市長等)へ届け出ます。
Q4保健所の立入検査は拒否できる?
できません。医療法25条に基づく検査を拒む、妨げる、忌避する行為は、それ自体が89条の罰金の対象です。
Q5診療所の休止届・廃止届を出さないとどうなる?
医療法8条の2・9条の届出義務違反となり、89条により20万円以下の罰金の対象になります。期限は休止・廃止から10日以内です。
Q6医療法89条で処罰されるのは誰?
条文上は「その違反行為をした者」です。院長・開設者に限らず、実際に違反行為をした事務長などが対象になることもあります。
Q7使用前検査の前に病室を使ったら違法?
違法です。医療法27条は検査を受け許可を得るまで構造設備の使用を禁じており、違反すれば89条の罰金の対象になります。
Q8院内掲示は何を掲示する義務がある?
医療法14条の2により、管理者の氏名、診療に従事する医師等の氏名、診療日・診療時間などを院内の見やすい場所に掲示します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1開設届、ちょっと遅れただけで本当に罰金になるんですか?
8条の届出を怠れば、89条により20万円以下の罰金の対象になります。ただ実務では、軽い遅れならまず保健所の指導と提出の促しで終わることがほとんどです。実務のポイント:処罰に進むかどうかを分けるのは、多くの場合、遅れた日数よりも指摘を受けてからの対応の早さと誠実さです。指摘の前に自分から提出した記録が、いちばん強い防御材料になります
Q2罰金を払えば、医師免許には関係ないですよね?
関係することがあります。医師法4条は罰金以上の刑に処せられた者を欠格事由に挙げており、同法7条にもとづいて戒告、医業停止、免許取消しの対象になりえます。89条の罰金も例外ではありません。実務のポイント:略式命令は手続が早い反面、「争わずに罰金を受け入れた」結果が確定します。その場で応じる前に、免許への影響を弁護士と確認しておくのが実務の定石です
Q3整体院の名前に「クリニック」って付けるのはダメなんですか?
医療法3条は、病院・診療所でない施設が、それらとまぎらわしい名称を付けることを禁じています。違反すれば89条で罰金の対象になります。実務のポイント:保健所はネット広告や Google マップの登録名もチェックしています。看板だけ直してウェブ上の名称を放置していると、指導が繰り返されることがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金二十万円なら払えば終わり」と考えがちだが、これは刑事罰であり、確定すれば前科として残る。医師であれば、罰金以上の刑は医師法上の行政処分(厚生労働大臣による戒告、医業停止、免許取消し)の検討対象になる。金額の小ささで深刻度を測ると判断を誤る
- 「医師が足りないと本条で処罰される」と思われることがあるが、本条が罰則の対象として挙げているのは21条1項のうち2号から11号(施設・設備の基準)で、1号の人員配置は含まれていない。人員不足は刑事罰ではなく、増員命令などの行政措置(医療法23条の2)で扱われる。怖がる場所がずれていると、本当に処罰される事務の漏れを見落とす
- 院長から見れば、立入検査は「日程が合わなければ断れる行政のお願い」に映る。法律から見れば、25条の検査は拒むこと、妨げること、忌避すること自体が犯罪の構成要件(処罰される行為の条件)になっている。行政指導(強制力のない役所からの要請)の感覚で対応すると、その認識の落差が処罰につながる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 医療法89条:違反に対する罰則(20万円以下の罰金) | 医療法3条:名称使用の禁止(義務規定) 医療法25条:報告徴収・立入検査の権限(行政権限規定) |
| 典型的な違反行為 | 各義務規定の違反をまとめて処罰対象にする | 医療機関でない施設が「病院」「診療所」やまぎらわしい名称を使う 報告を怠る、虚偽報告をする、検査を拒む・妨げる・忌避する |
| 単独で罰則があるか | 本条自体が罰則 | なし。罰則は89条1号を通じて生じる なし。罰則は89条2号を通じて生じる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では開業登記や名称使用等の違反は主に行政罰(罰鍰)で対応され、日本のように刑事罰の罰金とする構造とは異なる
韓国は刑事罰と過怠料を違反類型ごとに使い分けている。細目は条文ごとに確認が必要
ドイツでは私立病院の営業許可違反は主に秩序違反(Ordnungswidrigkeit、過料)として処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- エステサロンを開業し、看板に「○○スキンクリニック」と入れようとしている。医師はいない。保健所から名称変更を求められる可能性が高く、従わなければ3条違反として本条の罰金の射程に入る。「クリニック」は英語だから大丈夫、という理屈は行政実務では通りにくい
- 開業から3週間、内装業者との精算に追われて診療所開設届をまだ出していないことに気付いた。8条の期限は開設後10日以内で、すでに過ぎている。今日中に保健所へ連絡して提出し、遅れた経緯を説明できるように記録を残しておく必要がある
- もし保健所の立入検査の日に、院長が「今日は忙しいから帰ってくれ」と追い返したらどうなる? 25条の検査を拒んだことになり、それ自体が本条で罰金の対象になる。検査で何も見つからなかったとしても、拒否した事実だけで処罰されうる
- あなたは病院の事務長。病棟の改修工事が終わり、師長から「明日から新しい病室を使いたい」と急かされている。ただ、27条の使用前検査がまだ済んでいない。先に患者を入れてしまえば、その判断の責任はあなたにかかってくる
- 院内掲示の医師名が、半年前に退職した医師のまま残っていた。些細な貼り紙でも、14条の2の掲示義務との関係では「虚偽の掲示」と評価される余地がある
取るべき行動
被害を受けた側:患者や近隣住民の立場で、医療機関でない施設が「クリニック」などと名乗っている、あるいは病院に必要な掲示がないと気付いた場合:1. 看板・ウェブサイト・掲示の写真を日付入りで保存する2. 管轄の保健所の医事担当に情報提供する(匿名でもよい)3. 施術で健康被害が出ていれば、医療法の問題とは別に民法709条による損害賠償を検討し、消費生活センターにも相談する
訴えられた側:1. 届出漏れや掲示漏れに気付いたら、直ちに提出・是正し、提出日と経緯を記録に残す2. 保健所の行政指導には、是正報告書を期限内に提出する3. 警察や検察から連絡が来た段階で、医療法に詳しい弁護士に相談する。略式命令(書面審理だけで罰金を科す簡易な手続)に応じるかどうかは、医師法上の処分への影響も含めて判断する4. 医師免許を持つ場合は、確定後の厚生労働省への対応も想定しておく
時効(請求できる期限):罰金刑にあたる罪の公訴時効(起訴できる期限)は、違反行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。届出義務の起算点は、診療所開設届が開設後10日以内、休止・廃止届が休止・廃止後10日以内(医療法8条、8条の2、9条)。届出をしない状態が続く場合の時効の起算点は、実務上争いがありうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政刑法論):医療法89条は行政上の義務違反に刑罰を科す行政刑罰の典型である。軽微な形式違反であっても過料ではなく罰金とされているため、刑事手続で科され、前科や資格制限といった付随的な効果を伴う点に注意を要する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医療法(昭和23年法律第205号)の制定とともに罰則規定が置かれた。現行の号構成・引用条文は、その後の累次改正を経たものである(各改正の時期は e-Gov で要確認)。
- 医療法 第3条名称使用制限、本条第1号の対象
- 医療法 第8条診療所開設の届出義務
- 医療法 第14条の2院内掲示義務、本条第3号の対象
- 医療法 第25条報告徴収・立入検査の根拠
- 医療法 第27条病院等の構造設備の使用前検査
- 医師法 第7条罰金刑確定後の医師への行政処分
- 刑事訴訟法 第461条略式命令による罰金の手続
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