医療法 第88条
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- 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした医療事故調査・支援センターの役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
- 一第六条の二十の許可を受けないで、調査等業務の全部を廃止したとき。
- 二第六条の二十三の規定による帳簿の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
- 三第六条の二十四第一項の規定による報告を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第88条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第88条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした医療事故調査・支援センターの役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 医療法第88条は第九章に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第88条の前の条は医療法第87条の2です。
- 医療法第88条の次の条は医療法第89条です。
- 医療法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法88条は、医療事故調査・支援センターの役員・職員が無許可の業務廃止、帳簿の虚偽記載や不保存、報告・検査の拒否をした場合に30万円以下の罰金を科す規定。
Q · 医療法88条で罰せられるのは病院ですか?
病院ではなく、調査するセンターの役員・職員個人です
医療法88条の対象は、医療事故調査・支援センターの役員又は職員です。許可なく調査等業務の全部を廃止したとき(6条の20)、帳簿の不記載・虚偽記載・不保存(6条の23)、厚生労働大臣への報告の懈怠・虚偽報告や検査の拒否・妨害・忌避(6条の24第1項)があった場合、違反行為をした個人が30万円以下の罰金に処されます。病院管理者の医療事故報告義務(6条の10)の違反は本条の対象外です。
解説
医療事故で家族を亡くした遺族が最後に頼る場所がある。医療事故調査・支援センター(厚生労働大臣が指定した民間の法人で、現在は一般社団法人日本医療安全調査機構)である。病院の内部調査に納得できないとき、遺族はこのセンターに調査を依頼できる(医療法6条の17)。そのセンターの記録が改ざんされたら、どうなるのか。医療法88条は、その答えを刑事罰の形で用意している。対象は三つ。厚生労働大臣の許可を得ずに調査業務を丸ごとやめること。帳簿(業務の記録簿)を付けない、偽りを書く、保存しないこと。大臣の報告命令を無視したり偽りの報告をしたり、立入検査を拒んだり妨げたりすること。違反した役員・職員個人が30万円以下の罰金に処される。罰せられるのは法人ではなく、実際に手を動かした個人である。センターの報告書の重みは、この条文が支えている。
法的な位置づけ
医療法第88条は、医療事故調査・支援センターの業務の継続性と記録の真正性を担保するための罰則規定である。許可を受けない調査等業務の全部廃止、帳簿の不記載・虚偽記載・不保存、報告の懈怠・虚偽報告、検査の拒否・妨害・忌避を処罰対象とし、違反行為をした役員又は職員に三十万円以下の罰金を科す。
よくある質問 AI による整理
Q1医療事故調査・支援センターとは何ですか?
厚生労働大臣が指定する民間法人で、医療事故の調査や医療機関の院内調査の支援、報告の整理・分析を担います。現在は一般社団法人日本医療安全調査機構が指定されています。
Q2医療法88条の罰則はいくらですか?
30万円以下の罰金です。懲役・禁錮(拘禁刑)の定めはなく、違反行為をした役員又は職員個人に科されます。
Q3医療事故を報告しない病院に罰則はありますか?
病院管理者のセンターへの報告義務(医療法6条の10)には、直接の刑事罰規定が置かれていません。本条の対象は調査する側のセンターです。
Q4センターの帳簿の虚偽記載は犯罪になりますか?
なります。6条の23の帳簿の記載をしない、虚偽の記載をする、保存しないのいずれも、医療法88条2号により罰金刑の対象です。
Q5厚生労働省の立入検査を拒否するとどうなる?
センターの役員・職員が6条の24第1項の検査を拒み、妨げ、忌避した場合、医療法88条3号により30万円以下の罰金に処されます。
Q6センターが調査業務をやめることはできますか?
調査等業務の全部を廃止するには6条の20の厚生労働大臣の許可が必要です。許可なく全部を廃止すると本条1号の罰則対象になります。
Q7医療法88条違反の時効はいつまで?
罰金のみが定められた罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為が終わった時から起算します。
Q8上司の指示で帳簿を書き換えても処罰される?
本条は「違反行為をした」役員・職員を罰するため、実際に書き換えた職員も処罰対象になりえます。指示の記録を残すことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1センターの調査がずさんだった場合、この条文で職員を訴えられますか?
本条は刑事罰の規定であり、調査の中身が「ずさん」なこと自体を罰するものではない。対象は許可のない廃止、帳簿の不記載・虚偽記載・不保存、報告や検査への妨害に限られる(医療法88条)。実務のポイント:中身への不満を争点にしても前に進みにくい。記録の日付や経過の矛盾という形式面を指摘する方が、監督官庁は動きやすい
Q2センターの報告書は、病院を訴える裁判で証拠に使えますか?
制度の目的は再発防止であり、責任追及を目的としないとされている(6条の11以下の趣旨)。ただ、報告書を民事訴訟で証拠として使えるかについては明文の禁止規定がなく、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:報告書の結論そのものより、そこに記された事実経過の方が、証拠保全やカルテ開示の請求で狙いを定める地図として役立つことが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「医療事故を報告しない病院が罰金を払う条文だ」と読まれがちだが、対象は病院ではない。罰せられるのは医療事故調査・支援センターの役員・職員である。病院管理者の報告義務(6条の10)の違反には、直接の刑事罰規定がない
- 30万円以下の罰金なら軽いと思うかもしれない。しかし罰金刑でも前科として検察庁の記録に残り、医療・公益法人の職員としての経歴に長く影を落とす。額が小さいことと、個人が負う重さは別の話である
- 「民間の社団法人の内部書類に国が口を出すのか」という疑問は、見方がずれている。センターは大臣の指定を受けて公的な役割を担う存在であり、帳簿は内部資料ではなく、監督を受ける公的な記録として扱われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 医療法88条:医療事故調査・支援センターの役員・職員 | 医療法6条の10:病院等の管理者 医療法6条の24:センター(大臣の監督を受ける側) |
| 規定の性質 | 罰則規定(30万円以下の罰金) | 医療事故の報告義務(直接の刑事罰なし) 報告徴収・立入検査の権限規定 |
| 違反した場合 | 行為者個人が罰金刑、前科として記録 | 本条のような刑事罰の適用なし 報告懈怠・検査拒否は医療法88条3号で処罰 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は医療機関内の事故関懐と調解を中心に制度化しており、日本のような指定第三者調査機関の職員個人に対する帳簿罰則とは設計が異なる
韓国は医療紛争調停仲裁院が鑑定・調停を担う。再発防止よりも被害救済と紛争解決に重心がある
中国は医療紛争の予防・処理を行政法規で定め、医療事故技術鑑定と人民調解を組み合わせる
フランスは地域の CCI と ONIAM により無過失補償を含む救済制度を持ち、調査と補償が一体化している点で日本と異なる
米国は PSO への任意報告と報告内容の秘匿特権で学習文化を促す。調査機関職員への刑事罰よりも情報保護に重点
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼したセンター調査の報告書が、病院の説明とほぼ同じ文面だった。調べる手がかりはないのか? センターには帳簿の記載・保存義務(6条の23)があり、厚生労働大臣は報告を求め、検査できる(6条の24)。遺族が直接帳簿を見る権利までは本条からは出てこないが、監督官庁に情報提供する道はある
- あなたがセンターの事務職員だとする。上司から、受付日を実際より後の日付で帳簿に書くよう言われた。虚偽記載は、指示した上司だけでなく、書いたあなた自身も罰金刑の対象になりうる
- 厚生労働省の立入検査が明日の朝に来る。今夜、都合の悪いファイルを別のサーバーに移しておこうという話が出た。これは検査の「忌避」「妨害」に当たりうる。あと十数時間で決まるのは、組織を守れるかではなく、あなたの前科の有無である
- 調査の途中で、センターが業務の全面撤退を検討しているという噂が出た。許可なく全部を廃止すれば、担当役員個人が処罰の対象になる。遺族の調査を途中で放り出すことに、法は刑事罰で歯止めをかけている
取るべき行動
被害を受けた側:1. センター調査報告書と、病院から受け取った院内調査結果を並べ、日付・経過・関係者の記載のずれを一覧にする2. 納得できない点は、まずセンターに書面で照会する3. 記録の不自然さが具体的に指摘できるなら、厚生労働省医政局へ情報提供し、6条の24による監督を促す4. 損害賠償は別の手続(民法709条・415条)で扱う。時効を意識して、並行して弁護士に相談する
訴えられた側:1. 帳簿の訂正は、元の記載を残したまま訂正履歴として行い、消したり上書きしたりしない2. 上からの不当な指示は日時・内容を記録し、コンプライアンス窓口や公益通報の窓口に回す3. 立入検査への対応は組織の窓口を一本化し、資料の移動・削除は一切しない4. 捜査対象になったら、早めに刑事弁護人を付け、指示系統を示す証拠を整理する
時効(請求できる期限):罰金のみが定められた罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、違反行為が終わった時から起算する。帳簿を保存しなかった場合など、行為がいつ終わったかの判断は事案によって分かれうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律により医療事故調査制度が創設され、医療事故調査・支援センターに関する規定とその罰則が設けられた(制度は2015年10月施行)
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