医療法 第6条の17
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- 医療事故調査・支援センターは、医療事故が発生した病院等の管理者又は遺族から、当該医療事故について調査の依頼があつたときは、必要な調査を行うことができる。
- 2.医療事故調査・支援センターは、前項の調査について必要があると認めるときは、同項の管理者に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
- 3.第一項の管理者は、医療事故調査・支援センターから前項の規定による求めがあつたときは、これを拒んではならない。
- 4.医療事故調査・支援センターは、第一項の管理者が第二項の規定による求めを拒んだときは、その旨を公表することができる。
- 5.医療事故調査・支援センターは、第一項の調査を終了したときは、その調査の結果を同項の管理者及び遺族に報告しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第6条の17は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第6条の17の条文原文は「医療事故調査・支援センターは、医療事故が発生した病院等の管理者又は遺族から、当該医療事故について調査の依頼があつたときは、必要な調査を行うことができる。」で始まります。
- 医療法第6条の17は第二節 医療事故調査・支援センターに置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第6条の17の前の条は医療法第6条の16です。
- 医療法第6条の17の次の条は医療法第6条の18です。
- 医療法第6条の17には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の17 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の17(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/6_17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法6条の20は、医療事故調査・支援センターが病院管理者や遺族の依頼で調査を行い、管理者に説明・資料を求め、結果を管理者と遺族に報告すると定める。
Q · 病院で家族が亡くなって説明に納得できないとき、遺族は第三者に調査を頼めるの?
頼める。ただし病院が医療事故と報告した死亡事案が前提
医療法6条の20により、医療事故調査・支援センターは、病院等の管理者または遺族から依頼があれば必要な調査を行えます。センターは管理者に説明や資料の提出を求めることができ、管理者は拒めず、拒めばその旨が公表されえます。結果は遺族にも報告されます。ただし対象は医療に起因する予期しなかった死亡・死産に限られ、実務上は管理者がセンターに報告した事案が前提です。目的は再発防止であり、責任の認定ではありません。
解説
病院で家族が亡くなり、病院側の説明に納得できない。そのとき遺族が使える手段は、弁護士に頼んで訴えることだけではない。医療事故調査・支援センター(厚生労働大臣が指定した第三者機関。現在は一般社団法人日本医療安全調査機構)に調査を依頼するという道もある。本条により、センターは病院の管理者(院長など病院の責任者)に説明や資料の提出を求めることができる。管理者はこれを拒めず、拒めばセンターはその事実を公表できる。調査の結果は、病院だけでなく遺族にも報告されなければならない。ただし、知っておくべき限界が三つある。第一に、対象は患者の死亡と死産だけで、重い後遺障害は入らない。第二に、実務上この調査が動くのは、病院の管理者が「予期しなかった死亡」と判断してセンターに報告した事案に限られる。第三に、制度の目的は再発防止であって、誰に責任があるかを決めることではない。この三点を知らずに期待だけを膨らませると、報告書を受け取ったときに失望する。三点を知ったうえで使えば、訴訟より安く、病院の内部資料に近づく入口になる
法的な位置づけ
医療法6条の20は、医療事故調査・支援センターによる調査を定める規定である。センターは、医療事故が発生した病院等の管理者または遺族から依頼を受けて必要な調査を行い、管理者に説明や資料提出等の協力を求めることができる。管理者はこれを拒むことができず、拒否した場合はその旨が公表されうる。調査結果は管理者および遺族に報告される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.病院に医療事故報告の有無を書面で確認する 死亡の説明を受けたら、病院に対し、センターへの医療事故報告と院内調査を行うかを書面で問い合わせ、回答も書面で受け取る
- 2.報告されない場合はセンターの相談窓口に連絡する 病院が医療事故に当たらないと判断した場合は、センターの相談窓口に経緯を伝え、遺族の申出を管理者に伝えてもらう。予期していなかったと考える根拠(説明書に死亡リスクの記載がない等)を具体的に整理して伝える
- 3.診療録の開示請求で原資料を確保する 調査と並行して、診療録・看護記録・検査記録の開示を病院に請求する。改ざんや散逸が心配な場合は、弁護士を通じて裁判所の証拠保全を検討する
- 4.院内調査報告書を読み、センター調査を依頼するか判断する 院内調査の報告書を受け取ったら、経過の時刻、投薬の記録、説明の内容などの空白部分を洗い出し、具体的な疑問点を添えてセンター調査を依頼するかを決める
- 5.損害賠償請求の時効を管理する センター調査の結果を待つあいだも時効は進む。不法行為・債務不履行それぞれの起算点と期間を弁護士と確認し、必要なら請求や訴え提起で時効を止める
よくある質問 AI による整理
Q1医療事故調査制度とは?
医療に起因する予期しなかった死亡・死産について、病院の院内調査と第三者機関(医療事故調査・支援センター)の調査で原因を分析し、再発防止につなげる制度です。平成27年10月に始まりました。
Q2センター調査は誰が依頼できる?
医療事故が発生した病院等の管理者、または遺族が依頼できます(医療法6条の20第1項)。実務上は、管理者がセンターに医療事故として報告した事案が対象になります。
Q3重い後遺障害でもセンター調査を頼める?
頼めません。医療法上の医療事故は死亡と死産に限られ、重い後遺障害は対象外です。後遺障害の場合は、カルテ開示や医療ADR、民事請求など別の手段を検討します。
Q4死産もセンター調査の対象になる?
なります。医療に起因する、または起因すると疑われる死産で、管理者が予期しなかったものは医療事故に含まれ、センター調査の対象になりえます。
Q5病院がセンターへの資料提出を拒んだらどうなる?
管理者は求めを拒めません(6条の20第3項)。拒んだ場合、センターはその旨を公表できます(同第4項)。罰金などの刑事罰はありませんが、病院の信頼に直接響きます。
Q6センター調査の依頼に費用はかかる?
遺族が依頼する場合にも手数料の負担があります。金額は改定されることがあるため、依頼前に日本医療安全調査機構の最新の案内で確認してください。
Q7センター調査の結果はいつ出る?
法律上の期限はなく、事案によっては長期化します。結果を待つあいだも損害賠償請求の時効は進むため、並行して時効の管理を行う必要があります。
Q8医療事故調査制度で医師は処罰される?
本制度は再発防止が目的で、医師の処罰や責任認定はしません。刑事責任は警察・検察の捜査、民事責任は損害賠償請求という別の手続で扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院が医療事故じゃないって言ってるんですけど、遺族から直接センターに調べてもらえないんですか?
医療法上の「医療事故」に当たるかは、第一次的に管理者が判断する仕組みで(医療法6条の10参照)、実務上、センター調査の対象は報告済みの事案です。ただし遺族はセンターに相談でき、センターは遺族の申出を管理者に伝えられます。実務のポイント:相談するときは「予期していなかった根拠」を具体的に書き出して伝える。手術前の説明書に死亡リスクの記載がなかった、といった事実は、管理者の判断を揺さぶる材料になる
Q2センターの報告書って裁判で使えるんですか?
本制度の目的は再発防止で、責任追及ではないと位置づけられています。ただ、遺族に報告された結果を民事訴訟で証拠として出すこと自体を法律が明文で禁じているわけではありません。どう扱うかは実務上、見解が分かれています。実務のポイント:報告書だけに頼らず、診療録の開示請求や証拠保全で原資料を別に確保しておく。裁判で最終的に効くのは報告書の評価よりも、カルテの時刻や投薬の記録そのものだ
間違えやすい点 AI による整理
- センター調査を「病院の過失を認定してくれる制度」と考えるのは誤りだ。本制度は医療安全と再発防止のための仕組みで、責任追及を目的としていない。報告書は「誰が悪いか」を書く文書ではない。これを損害賠償の判決の代わりに期待すると、的外れになる
- 「遺族も依頼できる」と条文に書いてあるので、どんな死亡でも遺族が調査を始められると思いがちだ。しかし医療法上の「医療事故」は、医療に起因する(または起因が疑われる)死亡・死産のうち、管理者が予期しなかったものに限られる。実務上、センター調査が動くのは管理者がセンターに報告した事案だ。問いを「調査を頼めるか」から「病院に医療事故として報告させられるか」に切り替えなければ、最初の一歩でつまずく
- 病院側から見れば「協力を拒んでも罰則がない」のは気楽に見える。しかし4項の公表は、患者からの信頼や地域医療連携に直接響く。罰金より重い評判リスクになりうる。「罰則なし」を「影響なし」と読み違えると、病院経営が傷つく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 医療法6条の20:センターによる第三者調査と結果報告 | 医療法6条の10:管理者によるセンターへの医療事故報告 医療法6条の11:病院自身による院内調査 |
| 手続を始める人 | 管理者または遺族の依頼 | 管理者(医療事故に当たるかを第一次的に判断) 管理者(医療事故報告後に実施) |
| 調査する主体 | 第三者機関である医療事故調査・支援センター | 調査はしない(報告の義務) 当該病院(外部の支援を求めることがある) |
| 遺族への関わり | 調査結果が遺族にも報告される(5項) | 報告にあたり遺族への説明が求められる 院内調査の結果が遺族に説明される |
他国ではどう定めているか 4 か国
医療機関による事故の原因分析と、訴訟前の医療争議調解を制度化。日本と同様に再発防止と紛争処理を分けて考える発想をとる
韓国医療紛争調停仲裁院が鑑定と調停を担い、被害救済に重心がある点で、再発防止目的の日本のセンター調査とは性格が異なる
医療機関に損害の状況を患者・遺族へ説明する義務を課し、CCI と ONIAM による和解・補償の仕組みを持つ。補償まで一体で扱う点が日本と異なる
患者安全組織への報告情報に秘匿特権を与え、非懲罰的な報告を促す。遺族への調査結果の報告を法定する日本とは設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 手術の翌日に父が急変して亡くなった。主治医は「合併症です」とだけ言い、院内調査を行う予定もないという。遺族としてセンターに何を相談できるのか? 病院が医療事故として報告していなければ、まず相談窓口に連絡する。センターは遺族の申出を病院の管理者に伝えられる。報告するかどうかを最終的に判断するのは管理者だ
- あなたは地方病院の院長だ。センターから診療録と看護記録の提出を求める文書が届いた。本条3項により、この求めは拒めない。拒めば病院名とともに「協力を拒んだ」事実が公表されうる。罰金よりも、地域での評判のほうがはるかに痛い
- 院内調査の報告書を受け取ったが、中身は再発防止策ばかりで、何が起きたかがぼやけている。あなたはセンター調査の依頼を検討している。一方で、民事の損害賠償請求の時効も静かに進んでいる。センター調査の結果を待つあいだに時効の管理を忘れるのが、いちばん危ない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 病院に対し、センターへの医療事故報告と院内調査を行うかを書面で確認する2. 病院が報告しない場合は、センターの相談窓口に経緯を伝え、申出を管理者に伝えてもらう3. 報告された事案では、院内調査の報告書を待ってからセンター調査の依頼を検討する(遺族にも手数料の負担あり。最新の改正状況をご確認ください) 4. 並行して、診療録の開示請求や証拠保全で記録を確保し、民事の時効を管理する
訴えられた側:1. 管理者は、予期しなかった死亡・死産に当たるかどうかを、組織として判断した記録を残す2. センターから説明や資料の求めがあれば、拒否はできず、拒めば公表されうる。期限内に整理して提出する3. 遺族への説明は、院内調査とセンター調査の目的(再発防止)を明確にしたうえで、誠実に行う4. 損害賠償の対応は保険会社や弁護士と別の手続として進め、調査協力と混同しない
時効(請求できる期限):本条の調査依頼に法定の期限はない。ただし並行して検討する損害賠償請求には時効がある。不法行為(民法724条・724条の2)は、損害と加害者を知った時から5年(生命・身体の侵害)、不法行為の時から20年。診療契約上の債務不履行(民法166条・167条)は、権利を行使できると知った時から5年、権利を行使できる時から20年。センター調査の結果を待つあいだも時効は止まらない
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)医療介護総合確保推進法 医療事故調査制度の創設に伴い、センターによる調査の規定が整備された(平成27年10月1日施行)。条番号はもともと第六条の十七として置かれたとみられ、その後の移動の経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律により、医療事故調査制度とセンターによる調査の規定が設けられた(平成27年10月1日施行)。現行の条番号に至る経緯は要確認
- 医療法 第6条の10管理者の医療事故報告義務(現行効力を要確認)
- 医療法 第6条の11院内調査の実施と結果報告(現行効力を要確認)
- 医療法 第6条の15センターの指定(現行効力を要確認)
- 医師法 第21条異状死の警察届出、別系統の並行手続
- 民法 第709条医療過誤の損害賠償、責任追及の別ルート
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