医療法 第29条
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- 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、病院、診療所若しくは助産所の開設の許可を取り消し、又はその開設者若しくはオンライン診療受診施設の設置者に対し、期間を定めて、その閉鎖を命ずることができる。
- 一開設の許可を受けた後、正当な理由がなく、六月以上その業務を開始しないとき。
- 二病院、診療所(第八条第一項の届出をして開設したものを除く。)、助産所(同項の届出をして開設したものを除く。)又はオンライン診療受診施設が、休止した後、正当な理由がなく、一年以上業務を再開しないとき。
- 三開設者が第六条の三第八項、第二十四条第一項又は前条の規定に基づく命令又は処分に違反したとき。
- 四開設者又は設置者が第二十四条の二第二項の規定に基づく命令に違反したとき。
- 五開設者又は設置者に犯罪又は医事に関する不正の行為があつたとき。
- 2.都道府県知事は、第七条第二項又は第三項の規定による許可を受けた後、正当な理由がなく、六月以上当該許可に係る業務を開始しないときは、当該許可を取り消すことができる。
- 3.都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、地域医療支援病院の承認を取り消すことができる。
- 一地域医療支援病院が第四条第一項各号に掲げる要件を欠くに至つたとき。
- 二地域医療支援病院の開設者が第十二条の二第一項の規定に違反したとき。
- 三地域医療支援病院の開設者が第二十四条第一項、第三十条の十三第五項、第三十条の十八の二第二項又は第三十条の十八の四第六項の規定に基づく命令に違反したとき。
- 四地域医療支援病院の管理者が第十六条の二第一項の規定に違反したとき。
- 五地域医療支援病院の管理者が第三十条の十二の六第九項の指示に従わなかつたとき。
- 六地域医療支援病院の開設者又は管理者が第七条の二第三項、第二十七条の二第二項又は第三十条の十五第六項の規定に基づく命令に違反したとき。
- 七地域医療支援病院の開設者又は管理者が第三十条の十二第二項又は第三十条の十七の規定に基づく勧告に従わなかつたとき。
- 八地域医療支援病院の開設者又は管理者が第三十条の十六第一項の規定に基づく指示に従わなかつたとき。
- 九地域医療支援病院の管理者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第三十六条の四第一項又は第三項の指示に従わなかつたとき。
- 4.厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、特定機能病院の承認を取り消すことができる。
- 一特定機能病院が第四条の二第一項各号に掲げる要件を欠くに至つたとき。
- 二特定機能病院の開設者が第十条の二、第十二条の三第一項又は第十九条の二の規定に違反したとき。
- 三特定機能病院の開設者が第二十四条第二項、第三十条の十三第五項、第三十条の十八の二第二項又は第三十条の十八の四第六項の規定に基づく命令に違反したとき。
- 四特定機能病院の管理者が第十六条の三第一項又は第二項の規定に違反したとき。
- 五特定機能病院の管理者が第三十条の十二の六第九項の指示に従わなかつたとき。
- 六特定機能病院の開設者又は管理者が第七条の二第三項、第二十七条の二第二項又は第三十条の十五第六項の規定に基づく命令に違反したとき。
- 七特定機能病院の開設者又は管理者が第三十条の十二第二項又は第三十条の十七の規定に基づく勧告に従わなかつたとき。
- 八特定機能病院の開設者又は管理者が第三十条の十六第一項の規定に基づく指示に従わなかつたとき。
- 九特定機能病院の管理者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第三十六条の四第一項又は第三項の指示に従わなかつたとき。
- 5.厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、臨床研究中核病院の承認を取り消すことができる。
- 一臨床研究中核病院が第四条の三第一項各号に掲げる要件を欠くに至つたとき。
- 二臨床研究中核病院の開設者が第十二条の四第一項の規定に違反したとき。
- 三臨床研究中核病院の開設者が第二十四条第二項の規定に基づく命令に違反したとき。
- 四臨床研究中核病院の管理者が第十六条の四の規定に違反したとき。
- 6.都道府県知事は、第三項の規定により地域医療支援病院の承認を取り消すに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
- 7.厚生労働大臣は、第四項又は第五項の規定により特定機能病院等の承認を取り消すに当たつては、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第29条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第29条の条文原文は「都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、病院、診療所若しくは助産所の開設の許可を取り消し、又はその開設者若しくはオンライン診療受診施設の設置…」で始まります。
- 医療法第29条は第四章 病院、診療所及び助産所に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第29条の前の条は医療法第28条です。
- 医療法第29条の次の条は医療法第29条の2です。
- 医療法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
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- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法29条は、正当な理由なく開設許可後6か月以上業務を始めない場合や命令違反・不正行為がある場合に、都道府県知事が病院等の開設許可を取り消し又は閉鎖を命じられると定める。
Q · 病院を休止して1年たったら、開設許可は自動的に失効するの?
自動失効ではなく、知事の裁量で聴聞を経て取り消される
医療法29条1項2号は、病院等が休止後、正当な理由なく1年以上業務を再開しないとき、都道府県知事が開設許可を「取り消すことができる」と定めます。取消は裁量処分であり自動失効ではありません。処分の前には原則として行政手続法13条の聴聞が行われ、建替工事や人員確保の遅れなど「正当な理由」を主張する機会があります。なお、8条の届出により開設した診療所・助産所は2号の対象外です。
解説
病院の開設許可は、一度取れば永久に手元に残る財産ではない。医療法29条は、都道府県知事が許可を取り消し、または期間を定めて施設の閉鎖を命じられる場面を定めている。対象は二種類ある。一つは「動かない」施設で、許可後6か月以上正当な理由なく業務を始めない場合や、休止後1年以上再開しない場合がこれに当たる。もう一つは「言うことを聞かない、または不正をした」開設者で、構造設備の使用制限命令(24条1項)や管理者変更命令(28条)などに違反した場合、あるいは開設者に犯罪や医事に関する不正行為があった場合である。さらに地域医療支援病院・特定機能病院・臨床研究中核病院という「格付け」の承認も、要件を欠いたり命令に違反したりすれば取り消される。押さえておくべきは、条文が「取り消すことができる」と書いている点だ。自動的に失効するのではなく、行政の裁量で判断される。だから処分の前には聴聞(役所が処分を決める前に、あなたの言い分を正式に聞く手続)が入り、そこで事情を記録に残せるかどうかが勝負を分ける
法的な位置づけ
医療法29条は、病院・診療所・助産所およびオンライン診療受診施設に対する行政上の監督処分を定める規定である。都道府県知事による開設許可の取消・期間を定めた閉鎖命令、都道府県知事による地域医療支援病院の承認取消、厚生労働大臣による特定機能病院・臨床研究中核病院の承認取消の要件を列挙し、承認取消に先立つ審議会への意見聴取を義務付ける。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法29条とは何ですか?
病院・診療所・助産所の開設許可の取消や閉鎖命令、地域医療支援病院・特定機能病院・臨床研究中核病院の承認取消の要件を定めた条文です。
Q2病院の開設許可が取り消されるのはどんな場合?
許可後6か月以上正当な理由なく業務を始めない、休止後1年以上再開しない、構造設備の使用制限命令などに違反した、開設者に犯罪や医事に関する不正行為があった場合などです。
Q3クリニックの閉鎖命令 期間はどれくらい?
条文は「期間を定めて」とするのみで上限日数は定めていません。違反の程度や改善状況を踏まえ、都道府県知事が個別に期間を決めます。
Q4開設許可後 開業しない いつまで大丈夫?
許可後、正当な理由なく6か月以上業務を開始しないと取消事由になります(29条1項1号)。工事遅延などの事情があれば記録を残しておくことが重要です。
Q5届出で開いた診療所も閉鎖命令を受けることはある?
あります。休止1年の規定(2号)からは除外されますが、命令違反や開設者の不正行為を理由とする閉鎖命令の対象にはなりえます。
Q6特定機能病院の承認取消は誰が決める?
厚生労働大臣です(29条4項)。取消に先立ち、社会保障審議会の意見を聴かなければなりません(同条7項)。
Q7地域医療支援病院の承認は取り消される?
4条1項の要件を欠いた場合や命令・指示違反などで、都道府県知事が取り消せます。あらかじめ都道府県医療審議会の意見聴取が必要です(29条3項・6項)。
Q8開設許可の取消処分に不服があるときはどうする?
審査請求(行政不服審査法)または取消訴訟(行政事件訴訟法)で争えます。閉鎖が経営に致命的なら執行停止の申立ても並行して検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院を一時休止してるんですが、1年経ったら自動的に許可が消えるんですか?
自動的には消えない。29条1項2号は、正当な理由なく1年以上再開しないときに知事が「取り消すことができる」と定めているだけで、取消には処分と聴聞などの手続が必要になる。建替工事や人員確保の遅れといった事情は「正当な理由」として主張できる余地がある。実務のポイント:休止届を出したきりにせず、再開計画を定期的に保健所へ伝えて記録に残しておくと、いざ取消が検討されたときに「正当な理由」を裏付ける最も強い証拠になる
Q2名義だけ開設者になってって頼まれたんですけど、経営はしないしリスクないですよね?
リスクはある。29条1項5号は開設者の犯罪や医事に関する不正行為を処分の理由としており、行政が見るのは名義上の開設者である。実際の経営者の不正が開設者の責任として扱われれば、閉鎖命令の当事者はあなたになる。さらに医師法7条による医師免許の処分に波及する可能性もある。実務のポイント:経営の実権がない開設者を置くこと自体が、医療法人でない営利目的の運営とみなされて問題視されやすい。名義貸しの事実は、摘発された時点であなたに不利な事情として働く
Q3特定機能病院の承認が取り消されると、何が困るんですか?
特定機能病院としての診療報酬上の評価(入院基本料など)がなくなり、高度医療を担う病院という位置付けも失われる。取消は厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聴いたうえで行う(29条4項・7項)。実務のポイント:過去に大学病院で重大な医療事故が起きた際、医療安全体制の不備を理由に承認取消が実際に行われた例がある。形式上の要件(4条の2)を満たしていても、管理者の安全管理義務(16条の3)の運用実態が見られる
間違えやすい点 AI による整理
- 医療法29条の処分が最も重いと思われがちだが、クリニックの経営を実際に止めるのは健康保険法80条の保険医療機関の指定取消であることが多い。開設許可が残っていても、保険診療ができなければ一般的なクリニックの収入はほぼなくなる。二つの処分は別々の手続で進むので、片方を切り抜けたから安心とはいえない
- 「犯罪」と書かれているから刑事事件で有罪にならなければ大丈夫、と考えるのは甘い。5号は「医事に関する不正の行為」も並べて挙げており、刑事責任とは切り離して、診療報酬の不正請求や無資格者への医療行為のさせ方などが問題とされうる。どこまでが「不正の行為」に含まれるかは実務上解釈が分かれるが、有罪判決を待たずに行政が動く余地はある
- 医師が個人で開いた診療所は届出制(8条)なので、そもそも取り消される「許可」がない。だから29条とは無関係と思われがちだが、条文は許可の取消と並んで「閉鎖命令」を定めている。届出で開いた診療所も、命令違反や開設者の不正があれば閉鎖命令の対象になりうる。休止後1年の規定(2号)から外れているだけである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の内容 | 医療法29条:開設許可の取消・期間を定めた閉鎖命令・承認取消 | 医療法24条:構造設備の使用制限・禁止・修繕等の命令 医療法28条:管理者の変更命令 |
| 処分の対象 | 施設そのものの存続(許可・承認)と開設者・設置者 | 施設の構造設備(清潔保持・衛生上有害・保安上危険な状態等) 管理者個人(病院等の管理者の適格性) |
| 位置付け | 最終段階の処分。24条・28条の命令違反が取消事由になる | 是正段階の処分。違反すれば29条の取消・閉鎖に進みうる 人的な是正処分。違反すれば29条の取消・閉鎖に進みうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は罰鍰と併せて停業処分や開業執照の廃止を段階的に科す構造で、行政罰の体系に組み込まれている点が日本の監督処分型と異なる
韓国は開設許可取消・閉鎖命令に加え、一定期間の業務停止を明文で用意しており、日本より段階的な処分メニューが詳細
ドイツは私立病院の営業許可をGewOで規律し、撤回は行政手続法の一般規定による。医療法単独で取消事由を列挙する日本とは構造が異なる
米国は州の免許取消と連邦Medicareの提供者契約終了が別系統で進む。日本の医療法29条と健康保険法80条の二重構造に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 病床を確保するために休眠状態の病院を買収した。前オーナーは2年前から入院受入れを止めている。この「1年以上再開しない」状態が、買収後の許可取消リスクとしてそのまま残っているとしたら、デューデリジェンスで見抜けていただろうか
- 自費診療の美容クリニックで雇われ院長をしている。開設者として名前を貸したのはあなた、実際に経営しているのは医師でない経営者。その経営者が脱税や無資格者による施術で摘発されたとき、「開設者の不正」として処分を受ける立場にあるのは誰か?
- 保健所の立入検査で、構造設備が基準を満たしていないとして一部病室の使用制限命令を受けた。忙しさにかまけて命令を無視して患者を入れ続けたら、次に届くのは閉鎖命令の予告になりうる
- 聴聞通知書が届いた。期日まであと10日。言い分をまとめ、改善計画と証拠書類をそろえる時間はそれだけしかない
- 特定機能病院の管理者として、医療安全に関する義務(16条の3)を形骸化させてきた。死亡事故をきっかけに厚生労働大臣が承認取消を検討し、社会保障審議会に諮問するという報道が出た。診療報酬上の加算も、大学病院としての看板も、この一件で揺らぐ
取るべき行動
被害を受けた側:閉院や承認取消で、通っていた病院が使えなくなった患者の立場なら:1. 診療録(カルテ)は閉院後も保存義務があるので、開示請求の窓口を開設者または保健所に確認する2. 継続治療が必要なら紹介状と検査データの写しを早めに受け取る3. 開設者の不正で被害を受けた場合は、処分の有無とは別に民法709条・415条で損害賠償を請求できる。保健所への情報提供は処分を動かすきっかけにもなる
訴えられた側:1. 通知書の根拠条文と号を特定し、取消か閉鎖命令かを見極める2. 取消は原則として聴聞の対象(行政手続法13条)。期日までに違反状態の解消と再発防止策を書面と証拠で示す3. 処分が出たら審査請求または取消訴訟を検討し、閉鎖が経営に致命的な場合は執行停止の申立て(行政事件訴訟法25条)を同時に準備する4. 保険医療機関の指定取消(健康保険法80条)が並行して進んでいないか、地方厚生局の動きも確認する
時効(請求できる期限):実体面:開設許可後6か月以上業務を始めない、または休止後1年以上再開しない場合が取消事由(1項1号・2号)。争う期限:審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、処分の日から1年以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内、処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。いずれも最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:29条の「取消」は、適法に成立した許可を後発的事由により将来に向かって失わせる講学上の「撤回」に当たる。裁量処分であるため、比例原則に照らして閉鎖命令や行政指導で足りる場合には取消の選択が裁量権の逸脱・濫用と評価されうる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医療法制定とともに、開設許可の取消および閉鎖命令の規定として設けられた
- 2.平成4年(1992年) 改正:第二次医療法改正で特定機能病院制度が創設され、その承認取消に関する規定が整備された
- 3.平成9年(1997年) 改正:第三次医療法改正で地域医療支援病院制度が創設され、都道府県知事による承認取消の規定が加わった
- 4.平成26年(2014年) 改正:臨床研究中核病院制度の創設に伴い、厚生労働大臣による承認取消の規定が加わった
- 医療法 第7条開設許可の根拠、取消対象の許可
- 医療法 第8条届出制診療所、1項2号の適用除外
- 医療法 第24条使用制限・修繕命令、違反が取消事由
- 医療法 第28条管理者変更命令、違反が取消事由
- 医療法 第4条の2特定機能病院の承認要件、4項1号の前提
- 健康保険法 第80条保険医療機関指定取消、別系統の処分
- 行政手続法 第13条許可取消前の聴聞手続
- 医師法 第7条開設者たる医師個人の免許処分
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