医療法 第4条の2
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- 病院であつて、次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働大臣の承認を得て特定機能病院と称することができる。
- 一高度の医療を提供する能力を有すること。
- 二高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。
- 三高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。
- 四医療の高度の安全を確保する能力を有すること。
- 五その診療科名中に、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働省令で定める診療科名を有すること。
- 六厚生労働省令で定める数以上の患者を入院させるための施設を有すること。
- 七その有する人員が第二十二条の二の規定に基づく厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。
- 八第二十一条第一項第二号から第八号まで及び第十号から第十二号まで並びに第二十二条の二第二号、第五号及び第六号に規定する施設を有すること。
- 九その施設の構造設備が第二十一条第一項及び第二十二条の二の規定に基づく厚生労働省令並びに同項の規定に基づく都道府県の条例で定める要件に適合するものであること。
- 2.厚生労働大臣は、前項の承認をするに当たつては、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければならない。
- 3.特定機能病院でないものは、これに特定機能病院又はこれに紛らわしい名称を付けてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第4条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第4条の2の条文原文は「病院であつて、次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働大臣の承認を得て特定機能病院と称することができる。」で始まります。
- 医療法第4条の2は第一章 総則に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第4条の2の前の条は医療法第4条です。
- 医療法第4条の2の次の条は医療法第4条の3です。
- 医療法第4条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第4条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第4条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/4_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法4条の2は、高度医療の提供・開発評価・研修・安全確保の能力等を備えた病院が、厚生労働大臣の承認を得て特定機能病院と称することができると定める。
Q · 特定機能病院って、普通の大きい病院と何が違うの?
国の承認を受けた高度医療の病院で、紹介状なしだと特別料金がかかる
医療法4条の2により、高度の医療の提供、医療技術の開発・評価、研修、医療の高度の安全確保の四つの能力と、診療科・病床数・人員・施設の基準を満たし、厚生労働大臣の承認を受けた病院だけが特定機能病院を名乗れます。承認前には社会保障審議会の意見を聴く必要があります。地域のクリニックからの紹介を前提とした「最後の砦」として設計されているため、紹介状なしで初診を受けると、健康保険制度上の特別料金(選定療養費)が別途かかります。
解説
大学病院の初診窓口で、会計が思ったより7,000円以上高かった経験はないか。ぼったくりではない。医療法4条の2が作った「特定機能病院」という仕組みから来る金額である。特定機能病院は、高度な医療の提供、新しい医療技術の開発と評価、専門研修、高度な医療安全の確保という四つの能力を持ち、厚生労働大臣の承認を受けた病院だけが名乗れる肩書だ。承認の前には社会保障審議会(厚生労働省に置かれた専門家の会議)の意見を聴く必要がある。つまり国が「最後の砦」として指定した病院であり、本来は、まず地域のクリニックに行き、そこで手に負えないと判断された患者が紹介状を持って来る場所として設計されている。この順番を知っているかどうかで、あなたの財布も、待ち時間も、受けられる医療の質も変わる。第3項により、承認のない病院が「特定機能病院」やそれと紛らわしい名称を使うことも禁止されている。この肩書は宣伝文句ではなく、国の審査を通ったことの証明なのである。
法的な位置づけ
特定機能病院とは、医療法4条の2に基づき、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び評価、高度の医療に関する研修、医療の高度の安全の確保の各能力を有し、診療科・病床数・人員・施設基準を満たす病院として、社会保障審議会の意見を聴いたうえで厚生労働大臣の承認を受けた病院をいう。承認のない病院による紛らわしい名称の使用は禁止される。
よくある質問 AI による整理
Q1特定機能病院とは何ですか?
医療法4条の2に基づき、高度医療の提供や研修などの能力を備え、厚生労働大臣の承認を受けた病院です。紹介患者を中心に受け入れる高度医療の拠点です。
Q2特定機能病院の承認要件は?
高度医療の提供・開発評価・研修・医療安全の四能力に加え、所定の診療科名、一定数以上の病床、人員基準、施設・構造設備基準を満たすことが必要です。
Q3紹介状なしだと再診でも特別料金がかかる?
特定機能病院が他の医療機関への逆紹介を申し出たのに、患者が引き続き受診を希望する場合、再診でも特別料金(医科3,000円以上)の対象になります。
Q4紹介状(診療情報提供書)の費用はいくら?
診療情報提供料は保険診療として算定され、3割負担なら数百円程度が目安です。紹介状なし受診の特別料金より大幅に安く済むのが一般的です。
Q5特定機能病院の一覧はどこで確認できる?
厚生労働省が承認を受けた病院のリストを公表しています。大学病院でも承認のない病院はあり、逆に大学病院以外の承認病院もあるため、リストで確認するのが確実です。
Q6特定機能病院を勝手に名乗るのは違法?
違法です。医療法4条の2第3項は、承認のない病院が特定機能病院またはこれに紛らわしい名称を付けることを禁じています。広告表現にも注意が必要です。
Q7特定機能病院の承認は誰が決める?
厚生労働大臣が承認します。承認の前には、社会保障審議会の意見をあらかじめ聴かなければならないと第2項で定められています。
Q8特定機能病院にずっと通い続けられる?
受診は禁止されませんが、病状が安定すると地域の病院への逆紹介が勧められます。それでも通い続けると、再診時の特別料金がかかる場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大学病院で初診料とは別に7,000円取られたんですけど、払わなきゃダメなんですか?
紹介状なしで特定機能病院を初診で受診した場合、医科では7,000円以上の特別料金の徴収が制度上求められている(最新の改正状況をご確認ください)。これは医療法4条の2が定める「最後の砦」としての役割を守るための仕組みだ。実務のポイント:救急搬送、公費負担医療の対象者、災害被災者などは徴収されないことがある。支払う前に、例外に当たらないか窓口で確認する価値はある
Q2特定機能病院って、普通の病院より治療のレベルが高いんですか?
高度な医療を提供する能力、医療技術の開発と評価の能力、研修の能力、高度な医療安全の能力が承認要件になっており(本条第1項)、難病や複雑な手術に強い体制がそろっているのは事実だ。実務のポイント:病状が安定した患者はむしろ地域の病院に戻す「逆紹介」が求められている。同じ医師に長く診てもらいたい慢性疾患なら、地域の中核病院の方が合っていることも多い
Q3承認が取り消されるなんて、実際にあるんですか?
ある。2015年(平成27年)、東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院が、医療安全体制の問題を理由に承認を取り消された。承認は一度もらえば永久に続く称号ではない。実務のポイント:病院を選ぶときは、承認の有無に加えて、その病院が公表している医療安全の取り組みや事故報告も確認すると、看板の中身を見抜ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「特定機能病院なら医療事故は起きない」と思われがちだが、承認は取り消されることがある。2015年(平成27年)には大学病院2施設が医療安全上の問題で承認を取り消され、2017年(平成29年)の医療法改正で、医療安全の確保に関する要件と病院管理者の選任手続がさらに厳しくなった。肩書は今の状態を国が審査した証明であり、未来の安全を約束するものではない
- 特定機能病院にかかると追加料金を取られることは知っていても、その理由までは知られていない。これは病院の値上げではなく、健康保険制度の「選定療養」(患者が自分で選んだ追加サービスとして、保険外の費用負担を認める仕組み)として設計された、紹介状なしで高度医療機関に直行する受診を抑えるための料金である。救急搬送など緊急の場合は徴収されないのが原則だ(最新の改正状況をご確認ください)
- 「いちばん良い病院はどこか」という問い方がそもそもずれている。特定機能病院は研究と高度医療に向けて設計されており、風邪や慢性疾患の日常管理では、待ち時間が長く担当医が交代しやすいというデメリットの方が大きくなる。問うべきは「自分の病状に合う段の病院はどこか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 医療法4条の2:特定機能病院 | 医療法4条:地域医療支援病院 医療法4条の3:臨床研究中核病院 |
| 承認権者 | 厚生労働大臣(社会保障審議会の意見を聴取) | 都道府県知事 厚生労働大臣 |
| 中心的な役割 | 高度医療の提供・開発評価・研修・高度な医療安全 | 地域のかかりつけ医の支援、紹介患者への医療提供 国際水準の臨床研究・治験の中核 |
| 名称の独占 | 承認なしの「特定機能病院」及び紛らわしい名称を禁止 | 承認なしの「地域医療支援病院」及び紛らわしい名称を禁止 承認なしの「臨床研究中核病院」及び紛らわしい名称を禁止 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は法律上の承認制ではなく、衛生福利部の医院評鑑で「醫學中心」などの等級を評定する方式。紹介なし受診の部分負担額を高くして大病院集中を抑える点は日本と発想が近い
韓国の「上級総合病院」は保健福祉部長官が一定期間ごとに指定する制度で、日本の特定機能病院に最も近い。診療依頼書(紹介状)なしの受診は保険上不利になる
フランスの CHU(大学病院センター)は診療・教育・研究を一体で担う公立病院で、機能面では特定機能病院に近いが、個別承認制ではなく大学との協定を基礎とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 近所の内科で「念のため大きい病院で」と言われたのに、紹介状をもらわずに大学病院へ直行した。受付で初診時の特別料金(選定療養費)を求められ、保険診療分とは別に7,000円以上かかった。紹介状の作成料は通常数千円なので、先に紹介状をもらっておけば安く済んだはずだ
- もし、手術を受けた特定機能病院で医療事故が続いていたと後から報道されたらどうなる? 2015年(平成27年)には、東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院が、医療安全体制の不備を理由に特定機能病院の承認を取り消された。「大学病院だから安全」という思い込みには、国がすでに取消しという形で「例外」を示している
- あなたは地方の中核病院の広報担当で、新しいパンフレットに「特定機能病院レベルの高度医療」と書こうとしている。承認を受けていない病院が紛らわしい名称を使うことは第3項違反になりうる。印刷の入稿まであと3日しかない。コピーを直すなら今しかない
- 親の難病がなかなか診断されない。近所の病院では原因が分からない。こういうときに行くのが特定機能病院である
- がんと診断され、主治医から「治療は特定機能病院で、術後の経過観察は地元の病院で」と説明された。見捨てられたように感じるかもしれないが、制度はもともとそういう役割分担で設計されている。病状が安定した患者を地域の病院へ戻す「逆紹介」は、特定機能病院の本来の働き方である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受診予定の病院が特定機能病院かどうかを、厚生労働省の公表リストで確認する2. 紹介状なしで特別料金を請求された場合、救急搬送など緊急性があったのなら、徴収が妥当か会計窓口に確認する3. 特定機能病院で医療事故に遭ったと感じたら、診療録(カルテ)の開示請求を早めに行い、病院内の医療安全管理部門の窓口にも相談する4. 病院と直接交渉しづらい場合は、都道府県などの医療安全支援センターに相談する。賠償請求は医療事件に詳しい弁護士へ
訴えられた側:1. 承認を受けていない病院なら、広告、ウェブサイト、院内掲示に「特定機能病院」やそれと紛らわしい表現がないか点検する(第3項) 2. 承認を受けている病院なら、医療安全、人員、施設の要件を満たし続けているかを定期的に自己点検する。要件を満たさなくなると承認取消しの対象になる3. 医療広告ガイドラインに照らして、高度医療を示唆する表現を法務と一緒に見直す4. 指摘を受けたら、すぐに是正して記録を残す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。特定機能病院での医療過誤で生命や身体を害された場合の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から5年(不法行為は民法724条の2、債務不履行は民法167条により長期は20年)が目安。最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 平成4年(1992年)第二次医療法改正 特定機能病院制度を新設し、高度医療を担う病院を厚生労働大臣(当時は厚生大臣)の承認制とした
- 平成29年(2017年)医療法改正 大学病院での重大医療事故と承認取消しを受け、医療の高度の安全を確保する能力を承認要件として明確化したとされる。改正の範囲と施行日は要確認
改正の年表
- 1.平成4年(1992年) 新設:第二次医療法改正により特定機能病院制度を創設。高度医療を担う病院を厚生大臣(当時)の承認制とし、名称の使用を承認病院に限定した
- 2.平成29年(2017年) 改正:大学病院での医療安全上の問題と承認取消しを受けた医療法改正で、医療の高度の安全を確保する能力が承認要件として明確化されたとされる。改正範囲と施行日は要確認
- 医療法 第4条地域医療支援病院、同じ承認型病院類型
- 医療法 第4条の3臨床研究中核病院、並立する承認類型
- 医療法 第16条の3特定機能病院の管理者の義務
- 医療法 第22条の2特定機能病院の人員・施設基準
- 医療法 第29条特定機能病院の承認取消し(現行効力を要確認)
- 健康保険法 第86条保険外併用療養費、紹介状なし受診の特別料金の根拠
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