医療法 第16条の3
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- 特定機能病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。
- 一高度の医療を提供すること。
- 二高度の医療技術の開発及び評価を行うこと。
- 三高度の医療に関する研修を行わせること。
- 四医療の高度の安全を確保すること。
- 五第二十二条の二第三号及び第四号に掲げる諸記録を体系的に管理すること。
- 六当該特定機能病院に患者を紹介しようとする医師その他厚生労働省令で定める者から第二十二条の二第三号又は第四号に掲げる諸記録の閲覧を求められたときは、正当の理由がある場合を除き、当該諸記録のうち患者の秘密を害するおそれのないものとして厚生労働省令で定めるものを閲覧させること。
- 七他の病院又は診療所から紹介された患者に対し、医療を提供すること。
- 八その他厚生労働省令で定める事項
- 2.特定機能病院の管理者は、特定機能病院の管理及び運営に関する事項のうち重要なものとして厚生労働省令で定めるものを行う場合には、厚生労働省令で定めるところにより、当該管理者並びに当該特定機能病院に勤務する医師、歯科医師、薬剤師及び看護師その他の者をもつて構成する合議体の決議に基づいて行わなければならない。
- 3.特定機能病院の管理者は、第三十条の四第二項第二号に規定する医療連携体制が適切に構築されるように配慮しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第16条の3は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第16条の3の条文原文は「特定機能病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。」で始まります。
- 医療法第16条の3は第二節 管理に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第16条の3の前の条は医療法第16条の2です。
- 医療法第16条の3の次の条は医療法第16条の4です。
- 医療法第16条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第16条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第16条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/16_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法16条の3は、特定機能病院の管理者に高度医療の提供、技術開発、研修、安全確保、紹介患者の受入れを義務づけ、重要な運営事項は合議体の決議によると定める。
Q · 紹介状なしでいきなり大学病院に行くのは損なの?
損になりやすい。紹介患者の診療が本来の役割だから
医療法16条の3第1項は、特定機能病院の管理者に「他の病院又は診療所から紹介された患者に対し、医療を提供すること」を義務づけています。大学病院の多くは特定機能病院であり、紹介を受けた難しい症例を診ることを前提に設計されています。そのため紹介状なしの初診では、健康保険制度上の選定療養として追加負担(初診7,000円以上)が求められ、待ち時間も長くなりがちです。まずかかりつけ医で紹介状をもらうのが費用面でも時間面でも合理的です。
解説
大学病院の初診窓口で、紹介状を持っていないと7,000円以上の追加負担を求められる。多くの人はこれを病院の「ぼったくり」だと感じる。だが仕組みを遡ると、医療法16条の3にたどり着く。特定機能病院(厚生労働大臣が承認した高度医療の拠点で、全国に90前後。大半は大学病院)の管理者には、高度の医療の提供、新しい医療技術の開発と評価、研修、高度の安全確保に加え、「他の病院又は診療所から紹介された患者に対し、医療を提供すること」が義務として課されている。つまり、この病院は最初から「紹介を受けて難しい症例を診る場所」として設計されている。さらに第2項では、重要な運営事項を院長一人で決めることが禁じられ、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などで構成する合議体の決議が必要とされる。背景には、大学病院で相次いだ死亡事故がある。最初に行く病院の選び方を変えるだけで、あなたの待ち時間、費用、治療の質はまるで違ってくる
法的な位置づけ
医療法16条の3は、厚生労働大臣の承認を受けた特定機能病院の管理者の義務を定める規定である。高度の医療の提供、医療技術の開発・評価、研修、高度の安全確保、診療に関する諸記録の体系的管理と紹介医への閲覧、紹介患者への医療提供を課し、重要な管理運営事項は合議体の決議に基づくこと、地域の医療連携体制の構築に配慮することを求める。
よくある質問 AI による整理
Q1特定機能病院とは何ですか?
高度の医療の提供・開発・研修を担う病院として厚生労働大臣の承認を受けた病院です(医療法4条の2)。多くは大学病院で、管理者の義務は16条の3が定めます。
Q2特定機能病院 一覧 どこで調べられる?
厚生労働省が承認済みの特定機能病院の一覧を公表しています。受診前に、行こうとしている病院が該当するかを確認しておくと選定療養費の有無を判断できます。
Q3選定療養費 免除される人は?
救急搬送された患者や公費負担医療の対象者など、一定の場合は徴収されないことがあります。該当するかは受付で確認でき、制度改定もあるため最新の告示を確認してください。
Q4大学病院 逆紹介 断れる?
逆紹介は病状が安定した患者を地域の医療機関へ戻す仕組みで、本人の希望は相談できます。ただし特定機能病院は地域連携への配慮義務(16条の3第3項)を負うため、継続は限定的です。
Q5特定機能病院の承認 取り消されるとどうなる?
医療法29条に基づき承認が取り消されると、特定機能病院としての名称を使えなくなり、診療報酬上の評価も失われます。医療安全の不備が取消しの原因になった例があります。
Q6特定機能病院 合議体とは?
管理者と勤務する医師・歯科医師・薬剤師・看護師等で構成する会議体です。厚生労働省令で定める重要な管理運営事項は、この決議に基づいて行う必要があります(16条の3第2項)。
Q7紹介状 有効期限はある?
法律上の一律の期限はありませんが、病状は変わるため、発行から時間が経つと受診先で再発行を求められることがあります。受診予定が決まってから依頼するのが無難です。
Q8特定機能病院と地域医療支援病院の違いは?
特定機能病院は高度医療の提供・開発・研修を担い(16条の3)、地域医療支援病院は紹介患者の受入れや地域の医療機関への支援を担います(16条の2)。役割の軸が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1紹介状なしで大学病院に行ったら、なんで7,000円も余分に取られるんですか?
特定機能病院は、医療法16条の3第1項第7号によって、紹介された患者を診ることを役割としています。そのため、紹介状を持たない初診には、健康保険制度上の選定療養として初診時7,000円以上(歯科は5,000円以上)の徴収が義務づけられています(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:救急搬送や公費負担医療の対象者など、徴収が免除される場合があります。窓口で免除事由に当たるかを確認する価値はあります
Q2大学病院の手術がうまくいかなかったんですが、カルテって見せてもらえますか?
見られます。16条の3第1項第6号の閲覧は紹介元の医師のための規定ですが、患者本人は個人情報保護法33条に基づいて開示を請求できます。実務のポイント:特定機能病院は記録を体系的に管理することが義務づけられており、手術記録や画像がまとまって保存されているのが通常です。本人開示と並行して紹介元の医師に照会してもらうと、医学的な読み解きまで一度に進められます
Q3病院長ってトップなのに、なんで勝手に決められないんですか?
2017年の改正で16条の3第2項が設けられ、厚生労働省令で定める重要な運営事項については、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などで構成する合議体の決議が必要になりました。院長一人に権限が集中し、危険な手術を止められなかった大学病院の事故が背景にあります。実務のポイント:院内の力関係よりも、議事録に残る決議の方が医療監視(行政の立入検査)では重く見られます。記録がなければ、決議がなかったものとして扱われます
間違えやすい点 AI による整理
- 「大学病院が一番いい病院だから、最初から行くのが正解」と考えがちだが、特定機能病院の役割は、紹介を受けた難しい症例に対応することにある。軽い症状で直接行くと、追加負担と長い待ち時間を払って、結局は地域の医療機関へ戻されることが多い
- 大学病院の医療事故は、ニュースで見て知っているかもしれない。だが見落とされがちなのは、その結果として法律の構造そのものが書き換えられたことである。院長一人の判断に頼る体制が事故を止められなかった反省から、第2項の合議体による決議や外部監査の仕組みが導入された。安全管理の失敗は、承認取消しに直結しうる経営リスクになった
- 患者から見れば「紹介状は形式的な書類」である。だが法律から見れば、紹介状は特定機能病院が本来の機能を果たすための入口そのものであり、紹介率や逆紹介率は承認を維持するための指標になっている。紹介状を軽く見る患者と、紹介状を承認の生命線と見る病院。この認識のずれが、窓口でのトラブルの正体である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 医療法16条の3:特定機能病院の管理者の義務(高度医療・開発・研修・安全・紹介患者) | 医療法16条の2:地域医療支援病院の管理者の義務(紹介患者・地域支援) 医療法4条の2:特定機能病院の承認要件 |
| 中心となる役割 | 高度の医療の提供と医療技術の開発・評価、高度の安全確保 | 地域のかかりつけ医を支える二次医療の拠点 承認を受けるための入口(施設・人員・体制) |
| 違反・不備の帰結 | 医療監視での指摘、承認取消しの原因となりうる(医療法29条) | 地域医療支援病院の承認取消しの原因となりうる(医療法29条) 要件を満たさなければそもそも承認されない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法律で病院を直接承認する方式ではなく、医院評鑑で医学中心等に格付けし、未転診で上位病院を受診すると健保の自己負担割合が上がる仕組みで分級医療を誘導する
韓国は保健福祉部長官が上級総合病院を指定する制度を持ち、日本の特定機能病院承認と構造が近い。指定は一定期間ごとに見直される
ドイツでは大学病院の外来(Hochschulambulanz)が研究・教育に必要な範囲や紹介に基づく患者の診療を担う。病院の機能分化は主に州法と保険法で規律される
フランスの CHU は大学と病院の協定に基づき診療・教育・研究を一体で担う。日本の特定機能病院と機能は近いが、承認ではなく大学との協定が軸となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 近所の内科で「精密検査が必要」と言われたが、紹介状を待たずに直接大学病院へ行った。受付で選定療養費7,000円以上を求められ、さらに半日待たされる。紹介状があれば、この上乗せは原則かからなかった
- がん治療を大学病院で終えたら、主治医から「次からは地域のクリニックで経過観察を」と言われた。見捨てられたのではない。特定機能病院には逆紹介(病状の安定した患者を地域の医療機関に戻すこと)の実績が求められており、あなたを地元に戻すのも病院の仕事のうちである
- あなたが大学病院の診療科長で、新しい術式をすぐ導入したいとしたらどうなるか。院内の審査手続を通さずに進めれば、手続違反になるだけではない。事故が起きたとき、病院全体の特定機能病院の承認が危うくなる
- 町医者のあなたは、紹介した患者の入院中の経過を確かめたい。第1項第6号によって、特定機能病院の管理者は紹介元の医師から記録の閲覧を求められたとき、正当な理由がない限り、患者の秘密を害するおそれのない範囲で応じなければならない
- 来週、医療監視(保健所などによる立入検査)が入る。安全管理委員会の議事録と、合議体で決議した記録が揃っていない。残り5日で書類を整えられなければ、指摘事項は病院の評価に直結する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 特定機能病院での治療結果に疑問がある場合は、個人情報保護法33条に基づき、自分の診療記録(カルテ、検査画像など)の開示を請求する2. 予期しない死亡事故であれば、病院に医療事故調査制度(医療法6条の10)の対象として報告したかを確認する3. 各都道府県などに置かれている医療安全支援センターに相談する4. 損害賠償を検討するなら、医療訴訟の経験がある弁護士に記録を見せ、協力してくれる医師の意見が得られるかを早い段階で確かめる
訴えられた側:1. 病院側は、医療法施行規則に定める安全管理体制(医療安全管理責任者、院内の報告制度、高難度新規医療技術の審査など)が実際に機能していた記録を整える2. 重要な運営事項が第2項の合議体の決議を経ていたかを、議事録で証明できるようにしておく3. 紹介元の医師から閲覧を求められたときに断るなら、「正当の理由」を文書で残す4. 行政の指導には、改善計画を早めに示して対応する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。医療過誤で生命・身体を害された場合の損害賠償請求は、債務不履行構成では権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から20年(民法166条、167条)。不法行為構成では損害と加害者を知った時から5年、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)改正(要確認) 大学病院の医療事故を受け、特定機能病院のガバナンス強化の一環として、重要な運営事項を合議体の決議に基づいて行う規定(第2項)が加えられたとされる。改正の範囲と経緯は、人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成4年(1992年) 新設:第二次医療法改正により特定機能病院制度が創設され、その管理者の義務を定める規定として本条が設けられた
- 2.平成29年(2017年) 改正:大学病院での医療事故を受けた特定機能病院のガバナンス強化の一環として、重要な管理運営事項を合議体の決議に基づいて行う旨の規定が加えられたとされる(改正範囲は要確認)
- 医療法 第4条の2特定機能病院の承認要件
- 医療法 第22条の2特定機能病院の施設・記録の具備
- 医療法 第29条特定機能病院承認の取消し
- 医療法 第16条の2地域医療支援病院管理者の義務との対比
- 医療法 第30条の4医療計画と医療連携体制(第3項の配慮先)
- 健康保険法 第86条保険外併用療養費、紹介状なし初診の選定療養
- 個人情報の保護に関する法律 第33条患者本人による診療記録開示請求
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