医療法 第16条の2
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- 地域医療支援病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。
- 一当該病院の建物の全部若しくは一部、設備、器械又は器具を、当該病院に勤務しない医療従事者の診療、研究又は研修のために利用させること。
- 二救急医療を提供すること。
- 三地域におけるかかりつけ医機能の確保のための研修その他の地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせること。
- 四第二十二条第二号及び第三号に掲げる諸記録を体系的に管理すること。
- 五当該地域医療支援病院に患者を紹介しようとする医師その他厚生労働省令で定める者から第二十二条第二号又は第三号に掲げる諸記録の閲覧を求められたときは、正当の理由がある場合を除き、当該諸記録のうち患者の秘密を害するおそれのないものとして厚生労働省令で定めるものを閲覧させること。
- 六他の病院又は診療所から紹介された患者に対し、医療を提供すること。
- 七その他厚生労働省令で定める事項
- 2.地域医療支援病院の管理者は、居宅等における医療を提供する医療提供施設、介護保険法第八条第四項に規定する訪問看護を行う同法第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者その他の居宅等における医療を提供する者(以下この項において「居宅等医療提供施設等」という。)における連携の緊密化のための支援、医療を受ける者又は地域の医療提供施設に対する居宅等医療提供施設等に関する情報の提供その他の居宅等医療提供施設等による居宅等における医療の提供の推進に関し必要な支援を行わなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第16条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第16条の2の条文原文は「地域医療支援病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。」で始まります。
- 医療法第16条の2は第二節 管理に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第16条の2の前の条は医療法第16条です。
- 医療法第16条の2の次の条は医療法第16条の3です。
- 医療法第16条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第16条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第16条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/16_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法16条の2は、地域医療支援病院の管理者に、施設の共同利用、救急医療、研修、記録の管理と閲覧、紹介患者の診療、在宅医療の支援を義務付ける規定である。
Q · 地域医療支援病院は、院外の開業医に設備や記録を本当に使わせないといけないの?
法律上の義務で、正当な理由なく拒めない
医療法16条の2第1項により、地域医療支援病院の管理者は、院外の医療従事者に建物・設備・器械を診療や研修のために利用させ、紹介しようとする医師などから求められた場合は、正当の理由がない限り、患者の秘密を害するおそれのない記録として厚生労働省令で定めるものを閲覧させる義務を負います。義務を怠れば、都道府県知事による承認取消の対象になり得ます(医療法29条3項)。
解説
「地域医療支援病院」という看板は、病院が自分で名乗れるものではない。都道府県知事が承認し(医療法4条)、その代わりに管理者(院長)へ一式の義務を課す。それを定めているのが本条である。義務は大きく七つある。院外の医師にベッドや MRI を使わせる。救急医療を提供する。地域の医療従事者向けに研修を開く。カルテや管理記録を体系的に保管する。紹介元の医師から求められたら、患者の秘密を害さない範囲で記録を閲覧させる。紹介患者を診る。さらに第2項で、訪問看護ステーションなど在宅医療を担う事業者を支援する。つまりこの病院は、あなたのかかりつけ医の「延長線」として設計されている。病院の中だけで完結する施設とは位置付けが違う。あなたが近所のクリニックで紹介状を書いてもらうとき、その医師は紹介先の検査機器を自分で使い、紹介後の経過を記録で確認できる立場にある。これを知っている患者は「大病院に丸投げされた」とは考えない。かかりつけ医に、紹介先での検査結果をどう共有してもらうかを自分から相談する。
法的な位置づけ
医療法16条の2は、地域医療支援病院の管理者が行うべき事項を定める規定である。院外医療従事者への建物・設備の共同利用、救急医療の提供、地域の医療従事者の研修、診療に関する諸記録の体系的管理、紹介医師等への記録閲覧、紹介患者への医療提供を義務付け、第2項で居宅等医療提供施設等への支援義務を課す。
よくある質問 AI による整理
Q1地域医療支援病院とは?
かかりつけ医を支援し地域医療の中核を担う病院として、都道府県知事の承認を受けた病院です。承認要件は医療法4条、管理者の義務は16条の2が定めます。
Q2地域医療支援病院 一覧 どこで調べる?
各都道府県の医療政策担当課のウェブサイトで、承認済み病院の一覧が公表されていることが多いです。病院自身のサイトの「地域連携」欄でも確認できます。
Q3地域医療支援病院 承認取消 される?
されます。管理者が本条の義務を怠るなどした場合、都道府県知事は医療法29条3項に基づき承認を取り消すことができます。
Q4開放型病床とは?
病院の病床を院外の登録医にも開放し、紹介した患者の入院中に登録医が病院の医師と共同で診療に関われる仕組みです。本条1項1号の共同利用の一形態です。
Q5地域医療支援病院 救急 断られることはある?
本条は救急医療の提供を義務付けていますが、満床や専門外など個別の受入可否は病院の判断です。すべての救急患者の受入れを保証する規定ではありません。
Q6地域医療支援病院 研修 何をする?
地域のかかりつけ医機能を確保するための研修など、地域の医療従事者の資質向上を図る研修を行わせる義務があります(本条1項3号)。回数等は省令で定められます。
Q7訪問看護ステーション 病院 連携 義務?
地域医療支援病院には、訪問看護事業者など在宅医療を担う事業者との連携を支援し、情報提供などを行う義務があります(本条2項)。
Q8逆紹介とは?
病院での治療が一段落した患者を、紹介元や地域のかかりつけ医に戻すことです。紹介と逆紹介の循環は、地域医療支援病院の役割の前提とされています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1紹介状なしで大きい病院に行ったら、何千円も余分に取られたんですけど、違法じゃないの?
違法ではありません。一般病床200床以上の地域医療支援病院などには、紹介状なしの初診で7,000円以上の特別料金を取ることが健康保険のルールで義務付けられています(最新の改正状況をご確認ください)。救急で受診した場合などは対象外です。実務のポイント:かかりつけ医がいなくても、近所のクリニックで一度診てもらって紹介状を書いてもらえば、紹介状代を払ってもトータルでは安くなることが多い
Q2地域医療支援病院と普通の総合病院って、患者から見て何が違うんですか?
本条により、地域医療支援病院は救急医療の提供、紹介患者の受入れ、地域の医師との機器や記録の共有を義務付けられています。紹介状を書いた医師が、その後の経過を把握しやすい仕組みになっています。実務のポイント:開放型病床がある病院なら、入院中に紹介元のかかりつけ医が病院に来て、主治医と一緒に診療に関わることもできる。病院のウェブサイトで「開放型病床」「登録医」と検索すると分かる
Q3うちのクリニックの医者が紹介先の病院に問い合わせても、検査データを見せてもらえないらしい。なんで?
本条1項5号は、紹介元の医師などから求められたら、患者の秘密を害さない範囲の記録を閲覧させる義務を定めています。ただし「正当の理由」がある場合は拒めます。実務のポイント:多くの病院では地域連携室が窓口です。担当医に直接頼むより、連携室を通して書面で依頼したほうが通りやすい。患者本人が同意書を添えると手続が早く進むことも多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「地域医療支援病院=地域で一番大きい病院」と思われがちだが、承認の核心は規模ではなく機能にある。紹介率・逆紹介率、救急対応、共同利用の実績が問われ、施行規則上の基準を満たし続けなければならない。義務を怠れば承認取消の対象になる(医療法29条3項)
- 本条1項5号の閲覧規定を見て「患者も自分のカルテを見られる」と読むのは、問いの立て方が誤っている。閲覧を求められるのは紹介しようとする医師など、省令で定める者である。患者本人が自分の記録を得たいなら、個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求という別の扉を使う
- 病院から見れば、逆紹介は「患者を手放すこと」かもしれない。だが法律から見れば、紹介された患者を診て地域へ戻す循環こそ、承認の前提となる役割である。この落差に気付かない経営陣は、囲い込みで紹介率の指標を崩し、看板そのものを危うくする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 承認権者 | 地域医療支援病院:都道府県知事(医療法4条) | 特定機能病院:厚生労働大臣(医療法4条の2) |
| 管理者義務の中心 | 医療法16条の2:共同利用・救急・地域研修・紹介患者の診療・在宅医療支援 | 医療法16条の3:高度の医療の提供・開発・評価、高度の医療に関する研修 |
| 目指す役割 | かかりつけ医を支える地域完結型の拠点 | 高度・先端医療を担う全国レベルの拠点 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は病院の機能分担を主に健康保険の部分負担で誘導し、紹介なしで医学中心等を受診すると自己負担が加重される。日本の選定療養と発想が近い
ドイツの Belegarzt 制度は院外の開業医が病院の病床を使って自分の患者を診療する仕組みで、開放型病床に近い
フランスは地域単位の公立病院グループ(GHT)で医療資源の共有と連携を図る。個別病院への義務付けではなく組織統合型のアプローチ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 近所の内科で「精密検査は○○総合病院で」と言われた。紹介状なしで直接行くと、初診で7,000円以上の特別料金を取られる病院がある(最新の改正状況をご確認ください)。紹介状1通で、その負担はなくなる
- あなたは地域医療支援病院の事務長である。県の立入検査を来月に控え、昨年度の地域医療従事者向け研修が規定回数に届いていないことに気付いた。残りは3週間。記録の改ざんではなく、未達の理由と是正計画を整理しておかないと、承認取消の審査に進む口実を与えかねない
- 開業医として患者を紹介したのに、紹介先の病院は検査記録の閲覧を「院内規定で不可」と断ってきた。これは妥当なのか? 本条1項5号は、紹介元の医師から求められた場合、正当な理由がない限り、厚労省令で定める範囲の記録を閲覧させる義務を課している
- 訪問看護ステーションを立ち上げたが、急変時に受け入れてくれる病院がない。地域医療支援病院には、在宅医療を担う事業者を支援する義務がある(本条2項)。まず地域連携室に連絡を入れること
- 親が救急車で運ばれた先が地域医療支援病院だった。退院時に「かかりつけ医へお戻りください」と逆紹介状を渡され、見捨てられたように感じた。だが、それは制度が想定しているとおりの流れである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 患者の立場なら、大病院に行く前にかかりつけ医から紹介状をもらう。選定療養の特別料金を避けられ、検査結果も共有しやすくなる2. 紹介元の医師として記録の閲覧を拒まれたら、本条1項5号を根拠に書面で再請求する3. それでも解決しなければ、承認権者である都道府県の医療政策担当課に相談する4. 在宅医療事業者は、地域連携室に急変時の受入れ体制を文書で確認しておく
訴えられた側:1. 管理者は、医療法施行規則が定める研修回数、共同利用の実績、紹介率・逆紹介率を月次で追跡する2. 閲覧を拒む場合は「正当の理由」を記録に残し、場当たり的に断らない3. 立入検査や業務報告で未達を指摘されたら、隠さず是正計画を先に出す4. 承認取消(29条3項)の手続では弁明の機会が与えられるので、実績資料を整えて臨む
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。なお地域医療支援病院の開設者は毎年度、業務報告を都道府県知事に提出する義務を負う(医療法12条の2、提出期限は施行規則を要確認)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:第三次医療法改正により地域医療支援病院制度が創設され、その管理者の義務を定める規定として新設
- 医療法 第4条地域医療支援病院の定義と知事承認
- 医療法 第22条必要施設と諸記録の備置義務
- 医療法 第29条義務違反時の承認取消(現行効力を要確認)
- 医療法 第12条の2開設者の年次業務報告義務
- 医療法 第16条の3特定機能病院管理者の義務との対比
- 介護保険法 第8条訪問看護等居宅サービスの定義
- 個人情報の保護に関する法律 第27条診療記録の第三者提供制限との調整
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