医療法 第38条の5
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厚生労働大臣は、供給確保医薬品等について、製造販売業者又は製造業者その他厚生労働省令で定める者に対し、安定供給確保指針に即して、当該供給確保医薬品等の供給不足の発生を未然に防止するために必要な協力を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第38条の5は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第38条の5の条文原文は「厚生労働大臣は、供給確保医薬品等について、製造販売業者又は製造業者その他厚生労働省令で定める者に対し、安定供給確保指針に即して、当該供給確保医薬品等の供給不足の…」で始まります。
- 医療法第38条の5は第五章 医療提供体制の確保に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第38条の5の前の条は医療法第38条の4です。
- 医療法第38条の5の次の条は医療法第38条の6です。
- 医療法第38条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第38条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第38条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/38_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法38条の5は、厚生労働大臣が供給確保医薬品等について製造販売業者等に対し、供給不足を未然に防ぐ協力を求められると定める。命令ではなく罰則もない。
Q · 厚生労働大臣から薬の供給協力を求められたら、メーカーは断れないの?
断れます。本条は協力要請にとどまり、命令も罰則もありません
医療法38条の5は、厚生労働大臣が供給確保医薬品等について、製造販売業者や製造業者などに供給不足を未然に防ぐための協力を「求めることができる」と定めるにとどまります。強制力のない行政指導と理解される性格の規定で、行政指導であれば、応じなかったことを理由とする不利益な取扱いは行政手続法32条2項で禁じられています。実務上は、協力できる範囲と制約を数字で示して回答するのが一般的です。
解説
薬局で「その咳止めは入荷未定です」と言われた経験はないだろうか。2020年ごろからジェネリック医薬品メーカーで品質不正と業務停止が相次ぎ、薬の供給不足が数年続いた。本条はその教訓から置かれた仕組みの一つである。厚生労働大臣は、国が「供給確保医薬品等」と位置づけた薬について、製造販売業者や製造業者などに協力を求めることができる。求める中身は、安定供給確保指針に沿って、供給不足を「起きる前に」防ぐための協力である。ただし、条文の言葉は「求めることができる」にとどまる。命令ではなく、本条に罰則もない。一般に行政指導(役所からの「お願い」で、法的な強制力はないもの)と理解される性格の規定である。この性格を知っているかどうかで、メーカー側の交渉の立ち位置も、患者や医療機関が国に何を期待できるかという見立ても変わってくる。
法的な位置づけ
医療法38条の5は、供給確保医薬品等の供給不足を未然に防止するため、厚生労働大臣が製造販売業者、製造業者その他厚生労働省令で定める者に対し、安定供給確保指針に即した協力を求めることができる旨を定める規定である。法的強制力を伴わない協力要請であり、行政指導としての性格を有すると解される。
よくある質問 AI による整理
Q1供給確保医薬品等とは何ですか?
国が供給不足を未然に防ぐ必要があると位置づけた医薬品等を指します。医療法38条の5は、これらの品目について大臣がメーカー等に協力を求める根拠規定です。
Q2安定供給確保指針とは何ですか?
供給確保医薬品等の安定供給を確保するための国の基準です。医療法38条の5の協力要請は、この指針に即して行われることが条文上の条件となっています。
Q3医療法38条の5の協力要請に罰則はありますか?
本条自体に罰則はありません。条文は協力を「求めることができる」と定めるだけで、命令や処分の根拠にはなっていません。
Q4協力要請の対象になるのは誰ですか?
製造販売業者、製造業者、その他厚生労働省令で定める者です。元売りのメーカーだけでなく、受託製造を担う工場も対象に含まれえます。
Q5薬の供給不足はなぜ起きるのですか?
品質不正による業務停止、低い薬価、原薬の海外依存、多数社が少量を薄利で作る業界構造などが重なって起きるとされます。単一の原因ではありません。
Q6処方薬が入荷未定のとき患者はどうすればいい?
自己判断で服薬を中断せず、主治医や薬剤師に同成分の他社品や同効薬への切り替えを相談します。複数の薬局に在庫を問い合わせるのも有効です。
Q7行政指導に従わないと不利益を受けますか?
行政手続法32条2項により、行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いは禁じられています。要請の根拠を書面で求めることもできます(同法35条)。
Q8医薬品の供給状況はどこで確認できますか?
厚生労働省が医療用医薬品の供給状況に関する情報を公表しています。医療機関は定期的に確認し、該当品目の在庫方針を先に決めておくことが推奨されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国の協力要請って、断ったら業務停止とかになるんですか?
本条は協力を「求めることができる」とだけ定めていて、命令も罰則もありません。行政指導であれば、応じなかったことを理由に不利益に扱うことは行政手続法32条2項で禁じられています。実務のポイント:実務では、断るかどうかより、どこまでなら協力できるかを数字で示すほうが当局との関係を保ちやすい。回答書は記録に残るので、あとで説明を求められたときの材料になります
Q2薬が足りないのに、国はどうしてもっと強く命令しないんですか?
薬の製造は民間企業の事業で、増産を強制すれば設備投資や採算の負担を一方的に負わせることになります。そのため本条は、不足が起きる前に協力を求める仕組みにとどめています(医療法38条の5)。実務のポイント:不足の根っこには、薬価の低さや原薬の海外依存といった構造の問題があります。協力要請の運用だけでなく、薬価改定の議論も合わせて追うと、品薄がいつごろ解消に向かうかが読みやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「大臣が要請したのだから、メーカーは断れない」と思われがちだが、条文上は協力を「求める」にとどまる。命令や罰則は本条にない。行政指導であれば、応じなかったことを理由に不利益に扱うことは行政手続法32条で禁じられている
- 薬不足は「メーカーがさぼっている」せいだと見られがちだが、それは問題の立て方が違う。ギリギリまで下がった薬価、特定の国に偏った原薬調達、少ない品目を多数のメーカーが薄利で製造する業界構造が重なっている。任意の協力要請だけで解消できる問題ではない。本条は万能の解決策ではなく、不足を早めに見つける仕組みの一部と位置づけるのが正確である
- 患者から見れば「国が薬を確保してくれる」と感じるかもしれない。しかし法律上、国は協力を求める立場にとどまり、自ら製造するわけではない。この差を見落とすと、国の対応を待つだけになり、主治医と代替薬を相談するタイミングを逃してしまう
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は必要薬品の供給停止について製造・輸入業者に事前通報義務を課す方式をとり、日本の任意の協力要請より義務的色彩が強い
ドイツは製造販売承認保有者等に適切かつ継続的な供給確保の義務を法律上定めており、日本の協力要請型と対照的である
米国は一定の医薬品について製造中止・供給中断の FDA への事前通知を製造業者に義務づけ、不足の早期把握を図る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- かかりつけ医から「いつもの抗菌薬が手に入らないので別の薬にします」と言われた。国はこの状況に何ができて、何ができないのか? 本条の射程を知っていれば、答えが見える
- 中堅後発医薬品メーカーの薬事担当として、厚労省から増産体制の協力要請が届いた。応じるには新ラインへの投資が要る。任意だと分かっていても、断ったあとの規制当局との関係が頭をよぎる。回答期限は来週。社内決裁を今週中に通す必要がある
- 病院の薬剤部長が、院内の採用品目のどれが供給確保医薬品等に当たるか洗い出している。該当品目は国が不足を先回りして監視する対象である。代替薬の準備を優先する品目を決める材料になる
- 原薬の多くを海外からの輸入に頼る製造業者が、原料調達の見通しについて協力を求められた。条文は製造販売業者だけでなく製造業者も名指ししているので、下請けの製造工場でも当事者になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処方薬が手に入らないときは、自己判断で服薬を中断しない。主治医や薬剤師に代替薬(同じ成分の他社品、同じ薬効の別の薬)を相談する2. 複数の薬局に在庫を問い合わせる3. 医療機関であれば、厚生労働省が公表している供給状況の情報を定期的に確認し、該当する品目の院内在庫と切り替えの方針を先に決めておく4. 不足が長引く場合は、地域の薬剤師会や行政窓口に情報提供を求める
訴えられた側:1. 協力要請を受けたら、要請の趣旨・内容・法的根拠を書面で確認する(行政手続法35条) 2. 安定供給確保指針との対応関係を整理し、自社で協力できる範囲(増産、在庫の積み増し、情報提供)と制約(設備、原薬、採算)を数字で示す3. 応じられない部分は理由を記録に残して回答する。行政指導であれば、応じなかったことを理由とする不利益な取扱いは禁じられている(同法32条) 4. 後で振り返れるよう、当局とのやりとりはすべて記録に残す
時効(請求できる期限):本条に特定の時効や法定の期限はない。協力要請への回答期限は、要請ごとに個別に設定されるのが通常である。要請に関連して取引上の金銭債権が生じた場合は、一般の消滅時効(民法166条、債権は5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政法):「協力を求めることができる」との文言は相手方に法的義務を課すものではなく、行政指導の根拠規定と解される。行政手続法の行政指導に関する規律(32条から36条)が及び、任意性の確保と根拠の明示が求められる
- 医療法 第1条良質かつ適切な医療の提供体制確保という目的
- 医療法 第30条の3医療提供体制確保の基本方針
- 医療法 第38条の4供給確保医薬品等・指針の前提規定(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第32条行政指導の任意性と不利益取扱い禁止
- 行政手続法 第35条行政指導の根拠明示と書面交付
- 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律 第7条特定重要物資の指定と供給確保(通称 経済安全保障推進法)
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