医療法 第46条の7
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- 理事会は、全ての理事で組織する。
- 2.理事会は、次に掲げる職務を行う。
- 一医療法人の業務執行の決定
- 二理事の職務の執行の監督
- 三理事長の選出及び解職
- 3.理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。
- 一重要な資産の処分及び譲受け
- 二多額の借財
- 三重要な役割を担う職員の選任及び解任
- 四従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
- 五社団たる医療法人にあつては、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第四十七条第一項の責任の免除
- 六財団たる医療法人にあつては、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による寄附行為の定めに基づく第四十七条第四項において準用する同条第一項の責任の免除
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第46条の7は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第46条の7の条文原文は「理事会は、全ての理事で組織する。」で始まります。
- 医療法第46条の7は第六款に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第46条の7の前の条は医療法第46条の6の4です。
- 医療法第46条の7の次の条は医療法第46条の7の2です。
- 医療法第46条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第46条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第46条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/46_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法46条の24は、医療法人の理事会が業務執行の決定、理事の監督、理事長の選出・解職を行うと定める。重要資産の処分や多額の借財は理事に委任できない。
Q · 医療法人の理事長が、理事会にかけずに土地を買ったり大きな借入れをしたりしてもいいの?
だめ。重要資産の譲受けや多額の借財は理事会の専決事項
医療法46条の24第3項により、重要な資産の処分及び譲受け、多額の借財、重要な役割を担う職員の選任・解任、従たる事務所など重要な組織の設置・変更・廃止は、理事会が自ら決めなければならず、理事長など特定の理事に委任できません。決議を欠いた取引の効力については、株式会社の判例(相手方が決議のないことを知り、または知り得た場合に限り無効)が参考にされますが、医療法人についての判例の蓄積は多くありません。
解説
院長として看板に名前が出ていても、医療法人のすべてを一人で決められるわけではない。医療法人には法律上の「理事会」が置かれ、理事全員で構成される。理事会の仕事は、業務執行の決定、理事の職務の監督、そして理事長の選出と解職の三つである。さらに、重要な資産の処分や譲受け、多額の借入れ、事務長クラスなど重要な職員の選任・解任、分院など重要な組織の設置・変更・廃止、役員責任の一部免除は、理事会自身が決めなければならない。特定の理事に任せること(委任)はできない。したがって、理事長が一人で銀行と数億円の融資契約を結んだり、土地や高額な医療機器を買ったりすれば、手続に欠陥(瑕疵)が残る。親族として名前を貸しているだけの理事でも、理事会の一員として理事長を監督する立場にある。法律上、「名目だけの理事」という逃げ道は用意されていない。
法的な位置づけ
医療法第46条の24は、医療法人の理事会の構成と職務を定める規定である。理事会は全ての理事で組織され、業務執行の決定、理事の職務執行の監督、理事長の選出及び解職を行う。重要な資産の処分及び譲受け、多額の借財、重要な職員の選任・解任、重要な組織の設置等、定款等に基づく役員責任の免除は理事会の専決事項とされ、理事への委任が禁じられる。
手順
- 1.取引が理事会専決事項に当たるか判定する 契約の前に、資産の売買・借入れ・重要人事・分院設置・責任免除のいずれかに当たるかを確認する。金額の一律基準はないため、総資産や年間収益に占める割合、目的、従来の取扱いから判断し、迷えば理事会にかける
- 2.定款の招集手続と書面決議の可否を確認する 定款に定める招集通知期間と、決議の省略(書面決議)の定めの有無を確認し、決議期限から逆算して理事全員の日程または同意書を確保する
- 3.理事会を開催し、特別利害関係に注意して決議する 定足数を満たしたうえで審議・決議する。議題と特別の利害関係を有する理事は議決に加わらない扱いとし、その旨も記録する
- 4.議事録を作成し、異議を明記して署名押印する 決議内容・賛否・異議を正確に記載した議事録を作成し、出席理事が内容を読んだうえで署名押印する。融資や監査に備えて写しを保管する
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の理事会とは何ですか?
医療法46条の24に基づき全ての理事で組織される機関です。業務執行の決定、理事の職務執行の監督、理事長の選出・解職を担います。
Q2医療法人の理事会で決めなければならない事項は?
重要な資産の処分・譲受け、多額の借財、重要な職員の選任・解任、分院など重要な組織の設置・変更・廃止、定款等に基づく役員責任の免除です。
Q3医療法人の理事長は理事会で解職できる?
できます。理事長の選出と解職は医療法46条の24第2項が定める理事会の職務です。解職されても理事の地位は当然には失いません。
Q4医療法人 理事会決議なし 借入れ 有効?
法律に明文はなく、株式会社の判例に倣い、相手方が決議の欠如を知り、または知り得た場合に無効を主張できるとする考え方が参考にされます。
Q5医療法人の事務長の人事は理事会決議が必要?
事務長など重要な役割を担う職員の選任・解任は理事会の専決事項です。理事長の独断で行うと手続上の瑕疵が残ります。
Q6医療法人の分院開設に理事会決議はいる?
従たる事務所その他の重要な組織の設置は理事会の専決事項であり、理事長や特定の理事に委任できません。定款変更手続も別途確認が必要です。
Q7医療法人の理事会は書面決議できる?
定款に決議の省略の定めがあれば、理事全員の同意の意思表示による書面決議が可能とされます。定めがなければ実際に理事会を開催します。
Q8医療法人の理事会議事録は何に使われる?
金融機関の融資審査や都道府県の指導監査で確認されることがあります。重要事項の決議の有無を示す証拠として機能します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは院長一人でやってる小さな医療法人なんですけど、理事会って本当に開かなきゃダメなんですか?
開く必要がある。医療法人は原則として理事を3人以上置き(都道府県知事の認可を受ければ1人または2人でもよい)、理事会を設置しなければならない。本条3項に並ぶ事項は、理事会でしか決められない。実務のポイント:都道府県による医療法人の指導監査では、理事会議事録の有無や内容が確認される。形式的に作った議事録は、日付や出席者の矛盾から見抜かれやすい
Q2理事長を辞めさせたいとき、社員総会じゃなくて理事会で決めていいんですか?
よい。理事長の選出と解職は、本条2項が定める理事会の職務である。社員総会が決めるのは理事そのものの選任・解任であり、理事長を解職されても理事の地位は残る。実務のポイント:理事長本人が自分の解職決議で議決権を使えるかは、特別利害関係の問題として争点になる。株式会社では、解職される代表取締役は特別利害関係人とされた判例がある(最判昭和44.3.28)。医療法人でも同じように扱う見解があるが、実務上、解釈が分かれている
Q3多額の借財って、具体的にいくらから理事会にかけなきゃいけないんですか?
一律の金額はない。法人の総資産や年間収益に対する割合、借入れの目的、返済期間などから個別に判断される。本条3項は、この判断を理事一人に任せることを禁じている。実務のポイント:理事会規程で「○○万円以上の借入れは理事会決議を要する」と自主基準を設ける法人が多い。ただし、法律上「多額」に当たる借入れを自主基準で理事会の外に出すことはできない。基準は低めに設定しておくのが安全である
間違えやすい点 AI による整理
- 「出資しているのも経営しているのも理事長なのだから、最後は理事長が決める」と思われがちだが、法律の構造は逆である。理事長の地位は理事会が選び、理事会が解職できる。出資持分がどれだけ大きくても、理事長の座は理事会の多数決で決まる
- 名前だけの理事でも、何かあれば責任を問われうる。そこまでは薄々分かっていても、どこまで深刻かは知られていない。理事会に出席せず、問題のある取引を黙って見過ごせば、任務懈怠(役員として果たすべき務めを怠ったこと)として医療法47条の損害賠償責任を問われうる。さらに、準用される一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の規定により、決議に参加したのに議事録に異議を残さなかった理事は、決議に賛成したものと推定されうる(準用関係は最新の改正状況をご確認ください)
- 「多額の借財は何円からか」と金額の基準を探す人が多いが、その問い自体が的外れである。法律に一律の金額はなく、法人の総資産や収益の規模、借入れの目的などから個別に判断される。そのため実務では、定款や理事会規程で基準を自分たちで定めておくことが重要になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 理事会:業務執行の決定、理事の監督、理事長の選出・解職 | 社員総会:理事・監事の選任・解任、定款変更など法人の基本事項 理事長:法人を代表し、理事会の決定に基づき業務を執行 |
| 構成 | 全ての理事(原則3人以上) | 社団たる医療法人の社員 理事の中から理事会が選出(原則として医師または歯科医師) |
| 重要資産・多額の借財 | 理事会が自ら決定(委任不可) | 定款で定めた事項を除き、原則として関与しない 理事会決議に基づき契約を締結する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の医療法人は財団法人・社団法人に分かれ、董事会が意思決定機関となる。重要財産の処分に主管機関の許可を要する点に特徴がある
韓国の医療法人は民法の財団法人規定が基本となり、理事の事務執行は過半数で決する
ドイツでは医療機関の多くが GmbH 等の会社形態をとり、医療法人という独自の法人類型は存在しない
米国の非営利病院は州の非営利法人法に基づき、board of directors が法人の権限を行使・監督する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 理事長である父が、副院長で理事のあなたに相談せず、隣の土地を2億円で買う契約を結んできた。この契約は有効なのか? 重要な資産の譲受けは、理事会でしか決められない事項である。株式会社については、取締役会の決議がないことを相手方が知っていた、または知ることができた場合に限って無効を主張できるとする判例がある(最判昭和40.9.22)。医療法人にも同じ考え方が参考にされるが、医療法人についての判例の蓄積は多くない
- 理事長のあなたが、長年の事務長を独断で外し、知人を新しい事務長として連れてきた。重要な役割を担う職員の選任・解任は、理事会の専決事項である。雇用契約として有効かどうか(労働契約法16条の解雇権濫用の問題)とは別に、手続を無視したことが、他の理事に理事長解職の動議を出す口実を与えてしまった
- 開業医の配偶者として理事に名を連ねている。理事会は一度も開かれず、議事録だけが毎年郵送されてくる。その議事録に判を押すたびに、あなたは監督義務を果たしたことにされている
- 銀行の担当者から「融資の実行は来週金曜です。それまでに理事会議事録の写しをお願いします」と言われた。定款に書面決議(決議の省略)の定めがあれば、理事全員の同意書で間に合う。定めがなければ、定款の招集通知期間から逆算して、今日中に理事全員の日程を押さえなければならない
- 理事長だった父が急死した。後継の理事長を選ぶのは、相続人の話し合いではなく理事会である。理事長は原則として医師または歯科医師の理事から選ぶ必要がある。医師の理事が一人もいなければ、都道府県知事の認可という別の手続が必要になり、その間、法人の意思決定が止まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 理事会決議が必要だったのに決議を経ていない取引(資産の売買、借入れ、重要な人事、分院)を洗い出し、議事録の有無を確認する。2. 決議がなければ、他の理事と連名で理事会の招集を求め、問題の取引を議題に載せる。3. 法人に損害が出ていれば、理事長の任務懈怠責任(医療法47条)の追及を検討する。社員が責任追及の訴えを起こせるかは、準用規定を含めて弁護士に確認する。4. 都道府県の医療法人担当課への相談も選択肢になる
訴えられた側:1. 過去の重要な取引を棚卸しし、理事会決議がないものは速やかに理事会にかけて事後承認を取り、経緯を議事録に残す。2. 解職の動議が出されたら、招集手続、定足数、特別利害関係のある理事の議決参加の三点に瑕疵がないかを確認する。3. 名目理事の立場であれば、今後は理事会に出席し、反対意見は必ず議事録に残す。4. 役員賠償責任保険に加入しているか、補償の範囲はどこまでかを確認する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。理事の法人に対する損害賠償責任(医療法47条)にも特別な時効の定めはなく、一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用されると解される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条3項の専決事項は会社法362条4項と同型であり、その解釈(重要性の総合判断、決議を欠く取引の相対的無効など)が医療法人にも参照されるとの理解が一般的である。
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正、平成28年(2016年)9月施行 医療法人のガバナンス強化の一環として、理事会の構成・職務・専決事項が法律上明文化された。条番号の変遷、および新設か既存規定の整理かは人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 改正:医療法人のガバナンス強化の一環として、理事会の構成・職務・専決事項が法律上明文化された(平成28年(2016年)9月施行)。条番号の変遷は要確認。
- 医療法 第46条の5理事3人以上等の役員員数(現行効力を要確認)
- 医療法 第46条の6理事長の医師要件と代表権(現行効力を要確認)
- 医療法 第47条役員の法人に対する任務懈怠責任
- 医療法 第47条の2一般法人法の責任免除規定の準用
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第114条定款に基づく理事会決議による責任一部免除
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第95条理事会決議方法と議事録異議の推定(現行効力を要確認)
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