医療法 第51条の3
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- 医療法人(その事業活動の規模その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者に限る。次項において同じ。)は、厚生労働省令で定めるところにより、前条第三項の承認をした社員総会又は同条第五項において読み替えて準用する同条第三項の承認をした評議員会の終結後遅滞なく、同項(同条第五項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認を受けた事業報告書等(貸借対照表及び損益計算書に限る。)を公告しなければならない。
- 2.前項の規定にかかわらず、その公告方法が厚生労働省令で定める方法である医療法人は、同項に規定する事業報告書等の要旨を公告することで足りる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第51条の3は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第51条の3の条文原文は「医療法人(その事業活動の規模その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者に限る。」で始まります。
- 医療法第51条の3は第四節に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第51条の3の前の条は医療法第51条の2です。
- 医療法第51条の3の次の条は医療法第51条の4です。
- 医療法第51条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第51条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第51条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/51_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法51条の3により、負債50億円以上または事業収益70億円以上等の医療法人は、決算承認後遅滞なく貸借対照表と損益計算書を公告しなければならない。
Q · 医療法人の決算書って、外部の人でも見られるの?
一定規模以上の医療法人は決算公告の義務があり、誰でも閲覧できる
医療法51条の3により、厚生労働省令の基準(一般の医療法人は負債50億円以上または事業収益70億円以上、社会医療法人はより低い基準)に該当する医療法人は、決算を承認した社員総会または評議員会の終結後、遅滞なく貸借対照表と損益計算書を公告しなければなりません。官報または日刊新聞紙で公告する場合は要旨で足りますが、電子公告では全文の掲載が必要です。基準未満の法人でも、都道府県に届け出た事業報告書等は閲覧請求の対象となります(52条)。
解説
病院の決算は外に出ない。医療法人は株式会社ではないから、そう思われがちである。しかし、医療法51条の3はその前提を崩す。一定規模以上の医療法人は、社員総会(出資者や構成員の会議)または評議員会で決算を承認した後、遅滞なく貸借対照表と損益計算書を公告しなければならない。公告とは、誰でも見られる形で公に知らせることである。対象の基準は、負債50億円以上または事業収益70億円以上の医療法人である。社会医療法人の場合は、負債20億円以上または事業収益10億円以上か、社会医療法人債を発行していれば対象になる(医療法施行規則、最新の改正状況をご確認ください)。公告方法が官報または日刊新聞紙であれば「要旨」だけでよい。一方、電子公告を選んだ場合は全文を載せる必要がある。ここから言えるのは、あなたが勤める病院、転職先の候補、取引先、買収を検討している病院グループの損益が、大規模法人であれば公開情報として手に入るということだ。交渉の席で、相手の数字を知っている側に立てるかどうかは、この条文を知っているかどうかで決まる。
法的な位置づけ
医療法第51条の3は、医療法人の決算公告義務を定める規定である。厚生労働省令で定める基準(負債額・事業収益額等)に該当する医療法人は、決算承認後遅滞なく貸借対照表および損益計算書を公告しなければならず、公告方法が官報または日刊新聞紙である場合は要旨の公告で足りる。
手順
- 1.公告義務の対象かを毎年判定する 最終会計年度の負債額と事業収益額を、医療法施行規則の基準(一般の医療法人:負債50億円以上または事業収益70億円以上、社会医療法人:負債20億円以上または事業収益10億円以上、または社会医療法人債の発行)と照合する
- 2.定款の公告方法を確認・整備する 定款に公告方法(官報・日刊新聞紙・電子公告)が定められているか確認する。定めがない、または変更したい場合は、決算期末より前に都道府県知事の認可を得て定款を変更する
- 3.公告方法に応じて掲載内容を決める 官報または日刊新聞紙なら貸借対照表・損益計算書の要旨で足りる。電子公告を選ぶ場合は全文掲載が必要になるため、開示範囲とコストを比べて判断する
- 4.総会日程に合わせて掲載を前もって手配する 決算承認の社員総会または評議員会の日程が決まった段階で、官報・新聞社への掲載申込みや自社サイトの掲載準備を進め、総会終結後すぐに公告できる状態にしておく
- 5.公告の実施と記録を残す 公告を実施し、掲載日・掲載媒体の記録(官報の号数、新聞の掲載面、電子公告の URL)を保存する。都道府県からの指導や立入検査で公告の事実を示せるようにする
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の決算公告とは?
一定規模以上の医療法人が、決算承認後に貸借対照表と損益計算書を公に知らせる義務です。医療法51条の3が根拠で、官報・新聞・電子公告のいずれかで行います。
Q2社会医療法人の決算公告の基準は?
社会医療法人は、負債20億円以上または事業収益10億円以上か、社会医療法人債を発行していれば対象です(医療法施行規則)。一般の医療法人より基準が低く設定されています。
Q3医療法人の決算公告はいつまでに行う?
決算を承認した社員総会または評議員会の終結後「遅滞なく」です。具体的な日数の定めはなく、知事への届出期限(会計年度終了後3か月以内)と並行して進めるのが実務です。
Q4医療法人の決算公告はどこで見られる?
官報、日刊新聞紙、または法人のウェブサイト(電子公告)です。どの方法を取るかは各法人の定款で定められているため、まず定款または法人サイトを確認します。
Q5小規模な医療法人の決算書は見られない?
公告義務はありませんが、事業報告書等は都道府県知事に届け出られ(52条)、閲覧請求の対象となります。公告より手間はかかるものの、外部から確認する手段はあります。
Q6医療法人の決算公告で公告する書類は?
社員総会等で承認を受けた事業報告書等のうち、貸借対照表と損益計算書に限られます。財産目録や事業報告書そのものは公告の対象外です。
Q7決算公告の対象法人は外部監査も必要?
公告義務の対象となる規模の医療法人は、医療法51条により公認会計士または監査法人による外部監査も求められる仕組みです。公告と監査はセットで理解するのが実務的です。
Q8医療法人の定款に公告方法がないとどうなる?
公告の手段が決まらず、「遅滞なく」の公告に間に合わないおそれがあります。定款変更には原則として都道府県知事の認可が必要なため、決算期末より前に手当てしておく必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの医療法人も決算を公告しなきゃいけないんですか?
すべての医療法人が対象ではない。医療法51条の3に基づき、施行規則が定める基準に当たる法人だけである。一般の医療法人なら負債50億円以上または事業収益70億円以上、社会医療法人ならより低い基準が適用される。実務のポイント:判定は最終会計年度の数字で毎年行う。増床や借入れで一度基準を超えると、その年から義務が生じる。顧問税理士が医療法の公告義務まで確認していないケースは珍しくない
Q2官報に載せるのと、ホームページに載せるの、どっちが得ですか?
官報または日刊新聞紙なら、51条の3第2項により要旨の公告で足りる。電子公告を選ぶと、貸借対照表と損益計算書の全文が必要になる。実務のポイント:掲載料が無料に近いという理由で電子公告を選ぶと、損益計算書の費用内訳まで誰でも閲覧できる状態が続く。競合病院や買収を狙う側に見せたくない情報が多い法人ほど、あえて官報の要旨公告を選ぶ
Q3公告を忘れていたらどうなります?罰金ですか?
刑事罰の罰金ではなく、行政上の秩序罰である過料が問題になる。医療法93条は、公告を怠った理事等を20万円以下の過料の対象としている(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:対象は法人ではなく理事個人である。金額よりも問題なのは、都道府県による立入検査や指導の際に、ガバナンスが機能していない法人と見なされることだ。その評価が、補助金申請や社会医療法人の認定維持に響く
間違えやすい点 AI による整理
- 「医療法人は非上場だから、決算は外部に出ない」と考えられがちだが、基準を超える大規模医療法人には公告義務がある。また、規模にかかわらず、事業報告書等は都道府県知事に届け出る(52条)。その後、閲覧請求の対象となる仕組みもある。医療法人の決算は、思っているよりもずっと外から見えている
- 「要旨を公告すれば足りる」ことは知っていても、その条件までは知られていない。要旨で済むのは、公告方法が官報または日刊新聞紙の場合に限られる。コスト削減のつもりで定款を電子公告に切り替えると、かえって貸借対照表と損益計算書の全文を掲載しなければならなくなる。安く済ませようとした結果、開示範囲が広がるという逆転が起きる
- 経営陣から見れば、公告は毎年の事務負担にすぎない。しかし法律の立場から見れば、剰余金の配当を禁じられ、税制や補助金で公益性を前提とされる医療法人が、その地位の対価として負う説明責任である。「手間だから後回し」という感覚と、法が想定する重みとのずれが、過料や行政からの指摘につながる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 医療法51条の3:貸借対照表・損益計算書の公告 | 医療法52条:事業報告書等の都道府県知事への届出 医療法51条の4:事業報告書等の備置きと閲覧 |
| 対象法人 | 省令の規模基準に該当する医療法人のみ | 原則としてすべての医療法人 原則としてすべての医療法人 |
| 情報の受け手 | 不特定多数(官報・新聞・ウェブで誰でも見られる) | 都道府県知事(届出後は閲覧請求の対象) 社員・評議員・債権者など法定の請求権者 |
| 期限・時期 | 決算承認の総会・評議員会終結後遅滞なく | 会計年度終了後3か月以内 法定の備置き期間中 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では医療財団法人の会計制度と一定規模以上の財務報告の会計師査核が規律されている。公開の方式は日本の公告制度と同一ではないため、個別に確認が必要
ドイツでは病院の多くが GmbH 等の会社形態で運営され、商法上の決算開示義務が及ぶ。医療法人固有の制度ではなく会社形態に着目した規律
米国では非課税の非営利病院が Form 990を提出し、公開閲覧の対象となる。税制優遇の対価としての説明責任という点で日本の医療法人と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 年収交渉を控えた勤務医が、転職先の病院グループの経営状態を知りたいとする。その医療法人が基準を超える規模であれば、官報か法人のウェブサイトに損益計算書が載っているはずである。「赤字だから昇給は無理」という説明が本当かどうか、面談の前に確かめられる
- あなたは地方の大規模医療法人で事務長をしている。定時社員総会は先週終わった。ところが、定款に公告方法が書かれておらず、どこに載せるか誰も決めていない。総会終結後「遅滞なく」の猶予は長くない。定款の手当てと官報の掲載手続を今週中に並行して進めなければならない
- 取引銀行から融資の条件見直しを持ちかけられたら、どうなるか。公告された貸借対照表は、競合する金融機関も見ている。借り換えの提案を他行から引き出す材料は、実はすでに公開されている
- 介護施設を運営する事業者が、病院グループへの事業譲渡を打診された。デューデリジェンス(買収前の詳細調査)の前に、相手方の公告済み決算を三期分並べてみる。負債の増え方を見れば、相手がなぜ今買いたがっているのかが透けて見える
- 医療法人が公告を怠った。調べられたのは法人ではなく、理事個人の過料だった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の医療法人の規模が基準を超えていそうなら、官報、日刊新聞紙、法人のウェブサイトで決算公告を探す2. 見つからなければ、所轄の都道府県で事業報告書等の閲覧を請求する(52条) 3. 負債の増減、事業収益の推移、利益率を三期分並べ、交渉や与信判断の根拠として書面にまとめる4. 公告すべき法人が公告していない疑いがあれば、所轄の都道府県の医療法人担当課に情報提供する。これは相手の法令遵守体制を測る材料にもなる
訴えられた側:1. 自法人が施行規則の基準に当たるか、最終会計年度の負債額と事業収益額で毎年判定する2. 定款に公告方法が書かれているか確認し、なければ知事の認可を得て定款を変更する3. 要旨で足りる官報・新聞と、全文が必要な電子公告の違いを踏まえて、方法を選ぶ4. 総会の日程に合わせて、官報掲載の申込みを前もって手配する5. 公告を怠ると理事個人が過料の対象になりうるので、担当理事と期限を決めておく
時効(請求できる期限):特定の時効はない。公告は、決算を承認した社員総会または評議員会の終結後「遅滞なく」行う必要がある。事業報告書等の都道府県知事への届出は、会計年度終了後3か月以内である(医療法52条)。このため実務では、決算期末から3か月前後が公告の目安になる。公告を怠った理事等に対する過料は20万円以下である(医療法93条。最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)医療法改正、平成29年(2017年)4月2日施行 医療法人の経営の透明性を確保するため、一定規模以上の医療法人に外部監査と貸借対照表・損益計算書の公告を義務づける規定を新設したとされる。その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 新設:医療法人の経営の透明性確保を目的とする医療法改正により、一定規模以上の医療法人に貸借対照表・損益計算書の公告義務を新設(平成29年4月施行とされる。以後の改正状況は要確認)
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