医療法 第93条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合においては、医療法人の理事、監事若しくは清算人又は地域医療連携推進法人の理事、監事若しくは清算人は、これを二十万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
- 一この法律に基づく政令の規定による登記をすることを怠つたとき。
- 二第四十六条第二項の規定による財産目録の備付けを怠り、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしたとき。
- 三第四十六条の三の六において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第四十七条の三第一項の規定に違反して、電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であつて、厚生労働省令で定めるものをいう。)をとらなかつたとき。
- 四第四十六条の三の六において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第五十七条第二項から第四項まで、第四十六条の四の七において準用する同法第百九十三条第二項から第四項まで若しくは第四十六条の七の二第一項において準用する同法第九十七条第一項から第三項までの規定による議事録の備付けを怠り、これに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又はこれらの規定による閲覧若しくは謄写を拒んだとき。
- 五第五十一条の三第一項(第七十条の十四において準用する場合を含む。)の規定による公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
- 六第五十一条の四第一項(同条第四項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第二項(同条第四項(第七十条の十四において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)及び第七十条の十四において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第三項(第五十一条の四第四項及び第七十条の十四において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による書類の備付けを怠り、その書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当の理由がないのに第五十一条の四第一項若しくは第二項の規定による閲覧を拒んだとき。
- 七第五十二条第一項(第七十条の十四において準用する場合を含む。)又は第五十四条の九第五項(第七十条の十八第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
- 八第五十四条(第七十条の十四において準用する場合を含む。)の規定に違反して剰余金の配当をしたとき。
- 九第五十五条第五項又は第五十六条の十第一項(これらの規定を第七十条の十五において準用する場合を含む。)の規定による破産手続開始の申立てを怠つたとき。
- 十第五十六条の八第一項又は第五十六条の十第一項(これらの規定を第七十条の十五において準用する場合を含む。)の規定による公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
- 十一第五十八条の三第二項(第五十九条の二において準用する場合を含む。)又は第六十条の四第二項(第六十一条の三において準用する場合を含む。)の規定による書類の備付けを怠り、その書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又はこれらの規定による閲覧を拒んだとき。
- 十二第五十八条の四第一項若しくは第三項(これらの規定を第五十九条の二において準用する場合を含む。)又は第六十条の五第一項若しくは第三項(これらの規定を第六十一条の三において準用する場合を含む。)の規定に違反して、吸収合併、新設合併、吸収分割又は新設分割をしたとき。
- 十三第六十三条第一項(第七十条の二十において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
- 十四第六十四条第二項(第七十条の二十において準用する場合を含む。)又は第六十四条の二第一項の規定による命令に違反して業務を行つたとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第93条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第93条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合においては、医療法人の理事、監事若しくは清算人又は地域医療連携推進法人の理事、監事若しくは清算人は、これを二十万円以下の過料に処…」で始まります。
- 医療法第93条は第九章に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第93条の前の条は医療法第92条です。
- 医療法第93条の次の条は医療法第94条です。
- 医療法第93条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第93条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第93条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/93
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法93条は、医療法人等の理事・監事・清算人が登記・届出・議事録備付け等の義務を怠ったとき、役員個人に二十万円以下の過料を科す規定。刑罰が科される場合は除かれる。
Q · 医療法人の登記や届出を忘れたら、誰がどんな制裁を受けるの?
理事・監事・清算人個人に二十万円以下の過料が科される
医療法93条により、医療法人・地域医療連携推進法人の理事、監事、清算人が、登記の懈怠、財産目録や議事録の備付け懈怠・虚偽記載、事業報告書等の届出懈怠、剰余金の配当、破産申立ての懈怠、報告徴収・検査の拒否、業務停止命令違反など14類型の義務違反をしたとき、役員個人に二十万円以下の過料が科されます。過料は行政上の秩序罰で前科にはなりませんが、法人ではなく役員本人が名宛人です。
解説
診療ミスも脱税もしていないのに、医療法人の理事長個人宛てに地方裁判所から「過料決定」の封書が届くことがある。原因は、毎年の「資産の総額」の変更登記を数年放置していた、というような事務の手落ちだ。医療法93条は、医療法人と地域医療連携推進法人の理事・監事・清算人が法人運営の裏方仕事を怠ったとき、その人個人に二十万円以下の過料(刑罰ではない行政上の制裁金)を科す。対象は広く、登記、財産目録、議事録、決算の公告、事業報告書等の都道府県への届出、剰余金の配当禁止、債務超過時の破産申立て、行政の報告徴収・検査への協力、業務停止命令の遵守まで含む。過料は前科にはならない。ただし払うのは法人ではなく、あなた個人である。また登記官は、過料を科すべき者がいると職務上知ったときは裁判所へ通知する仕組みになっている。本業の医療がどれほど完璧でも、書類仕事を事務長に任せきりにすれば、責任は理事の名前に残る。
法的な位置づけ
医療法93条は、医療法人および地域医療連携推進法人の理事・監事・清算人を名宛人とする過料規定である。登記、財産目録・議事録・計算書類の備付けと閲覧、公告、都道府県知事への届出、剰余金配当の禁止、破産手続開始の申立て、合併・分割手続、報告徴収・立入検査、業務停止命令の遵守という14類型の義務違反について、二十万円以下の過料を定める。刑罰が科される場合は適用が除外される。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法93条とは何ですか?
医療法人と地域医療連携推進法人の理事・監事・清算人が、登記や届出などの事務的義務を怠ったとき、個人に二十万円以下の過料を科す規定です。
Q2医療法人の過料はいくらですか?
医療法93条の上限は二十万円です。実際の金額は、懈怠の期間や態様を考慮して裁判所が非訟事件手続で決めます。
Q3医療法人の変更登記はいつまでにしなければなりませんか?
組合等登記令により、原則として変更が生じた日から2週間以内です。資産の総額の変更登記は事業年度末日から3か月以内とされています。
Q4医療法人の事業報告書の提出期限はいつまで?
医療法52条1項により、会計年度終了後3月以内に都道府県知事へ届け出ます。届出をしない場合や虚偽の届出は93条の過料対象です。
Q5医療法人の理事長の重任登記を忘れたらどうなる?
政令に基づく登記の懈怠として93条1号の過料対象になります。気付いた時点ですぐ登記することが、懈怠期間を延ばさない唯一の対策です。
Q6医療法人の過料は誰に通知が来ますか?
義務を怠った役員個人です。登記の懈怠では、登記申請義務を負う代表者の理事長に科されるのが通常で、法人宛てではありません。
Q7医療法人の過料は経費にできる?
名宛人は役員個人のため、法人が負担すると役員への経済的利益と扱われるおそれがあります。過料は法人税法上、損金にも算入されません。
Q8医療法人の立入検査を拒否したら違法?
医療法63条1項の報告を怠る、虚偽の報告をする、検査を拒み・妨げ・忌避することは93条13号の過料事由です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所から過料の通知が来たんですが、これって前科になるんですか?
なりません。医療法93条の過料は行政上の秩序罰で、刑法の罰金や科料とは別物です。前科にはならず、医師免許への直接の影響も通常は想定されません。ただし但書のとおり、同じ行為が刑罰の対象になる場合は刑罰が優先されます。実務のポイント:過料事件の多くは、登記官から裁判所への通知で始まります。登記を怠った期間が長いほど金額が上がる傾向があるとされ、「気付いた日にすぐ登記する」ことが最大の減額策です
Q2登記とかは全部事務長に任せてたんですけど、それでも私が払うんですか?
原則として払うのは理事です。93条は過料の名宛人を「理事、監事若しくは清算人」と定めており、法律上の義務者は役員で、事務長ではありません。代表者として登記申請の義務を負う理事長に科されるのが通常です。実務のポイント:事務長や顧問税理士との委託契約に登記・届出の期限管理を明記しておけば、懈怠が起きたとき契約上の責任を問う余地が生まれます。多くの医療法人はこの一行を入れていません
Q3黒字が貯まってるんですが、出資者に分配したらダメなんですか?
剰余金の配当はできません。医療法54条が医療法人の剰余金配当を禁止しており、違反すれば93条で理事個人が過料の対象になります。名目を変えて、不相当に高い役員報酬や関係者への不当な取引で実質的に分配するのも配当とみなされるおそれがあります。実務のポイント:都道府県の立入検査では、MS 法人(医療法人の関連会社)との取引価格が相場より高すぎないかがよく見られます。実質配当と疑われると、過料だけでなく改善命令(64条)の対象にもなりえます
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料は法人に来るもので、経費で落とせばいい」と考える人が多い。実際の名宛人は、義務を怠った理事・監事・清算人個人である。法人が肩代わりすれば役員への経済的利益の供与として扱われうるし、そもそも過料は税務上損金にならない(法人税法の損金不算入規定。最新の改正状況をご確認ください)
- 過料の金額が小さいから問題ないと考えるのは早い。怖いのは二十万円ではなく、その背後で届出漏れ・公告漏れ・議事録不備が見つかったという事実だ。都道府県は報告徴収や立入検査(63条)、改善命令・業務停止命令(64条)へと段階的に動ける。過料は、より重い行政措置へつながる入口の警報である
- 「うちは小さなクリニックの一人医師医療法人だから、登記や公告なんて大病院の話」という前提がそもそも誤っている。決算公告(51条の3)は一定規模以上の法人に限られるが、変更登記、財産目録や議事録の備付け、事業報告書等の届出は、規模に関係なくすべての医療法人の義務である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁・措置の性質 | 医療法93条:二十万円以下の過料(秩序罰) | 医療法63条:知事による報告徴収・立入検査(調査権限) 医療法64条:改善命令・業務停止命令(行政処分) |
| 名宛人 | 理事・監事・清算人の個人 | 医療法人(報告・検査の相手方) 医療法人 |
| 手続の主体 | 裁判所が非訟事件手続法に基づき決定 | 都道府県知事 都道府県知事 |
他国ではどう定めているか 3 か国
許可を受けて設立された法人の董事・監察人が主管機関の監督命令に従わず、または検査を妨げたとき罰鍰を科す。役員個人を名宛人とする点で本条と共通する
法人の理事・監事・清算人が登記懈怠、財産目録不備、検査妨害などをしたとき過料を科す。日本の旧民法84条系の規定を継受した構造で、本条と発想が近い
登記裁判所が社団の理事に対し、登記申請義務の履行を強制するため強制金を科す。事後の制裁ではなく履行強制である点が日本の過料と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 開業医が医療法人化して五年。理事長の重任登記も資産総額の変更登記も一度もしていなかった。ある朝、自宅に裁判所の封筒が届き、中身は数万円の過料決定。診療所の誰も、何の話なのか分からない
- 妻を名目上の理事、義父を監事にして書類上だけ整えた医療法人。都道府県の立入検査で事業報告書等の届出漏れと議事録の不備が見つかった。「名前を貸しただけ」の家族も、役員として責任を問われうる立場にある
- 医療法人の決算で黒字が続き、理事長が「出資者に配当して還元したい」と税理士に相談した。もし実行したらどうなる? 医療法54条は医療法人の剰余金配当を禁止しており、配当した時点で93条の過料対象になる。都道府県の指導対象にもなる
- 都道府県の医療法人担当から報告を求める文書が届き、回答期限まで残り十日。事務長は退職済みで資料がどこにあるか分からない。放置したり、取り繕った虚偽の数字を出したりすれば、報告懈怠または虚偽報告として過料の対象になる
- 病院グループが債務超過に陥り、理事会は「もう少し様子を見よう」と破産申立てを先延ばしにした。医療法55条5項などが定める破産申立ての懈怠は、理事・清算人個人の過料事由になる
取るべき行動
被害を受けた側:医療法人の社員や債権者として、財産目録や議事録、事業報告書等の閲覧を正当な理由なく拒まれた場合:1. 閲覧請求は日付と対象書類を明記した書面で出し、拒否の回答も書面で残す2. 所轄の都道府県の医療法人担当課に事情を伝え、指導や報告徴収(63条)を促す3. 拒否が続く場合、過料事件は裁判所の職権で始まる手続なので、管轄の地方裁判所へ事実を知らせる選択肢もある4. 背後に配当禁止違反や財産流出の疑いがあれば、弁護士に相談して理事の責任追及を検討する
訴えられた側:1. 過料決定や意見照会が届いたら、まず決定書で懈怠とされた事実(登記の種類、期間)を確認する2. 懈怠を解消していなければ、ただちに司法書士に依頼して登記・届出を済ませる。放置すると別の懈怠が重なる3. 陳述を聴かずに出された略式の過料裁判には異議を申し立てられる。天災や入院など、期限を守れなかった合理的事情があれば書面で示す4. 過料は理事個人の負担として処理し、法人経費での安易な肩代わりは避ける5. 再発防止として登記・届出・議事録の年間カレンダーを作り、担当者と司法書士を固定する
時効(請求できる期限):変更登記は原則として変更が生じた日から2週間以内、資産の総額の変更登記は事業年度末日から3か月以内(組合等登記令。最新の改正状況をご確認ください)。事業報告書等の都道府県への届出は会計年度終了後3月以内(医療法52条1項)。陳述を聴かずにされた略式の過料裁判への異議は、告知を受けた日から1週間以内(非訟事件手続法122条)。過料の制裁自体の時効については明文規定がなく、実務上、解釈が分かれている
学説
通説:過料は行政上の秩序罰であり、刑法総則の適用はなく、故意・過失の要否や手続は非訟事件手続法による。本条但書は、同一行為について刑罰と過料の二重の制裁を避ける趣旨と解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正(要検証) 地域医療連携推進法人制度の創設および医療法人のガバナンス・会計規定の整備に伴い、過料の名宛人に地域医療連携推進法人の役員が加わり、公告・書類備付け関係の号が整備されたとみられる。改正年と条文変更の範囲は人的検証が必要
- 令和元年(2019年)会社法等改正関連(要検証) 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の電子提供措置の導入に連動し、電子提供措置を怠った場合の号が追加されたとみられる。施行時期は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医療法制定。
- 2.昭和25年(1950年) 改正:医療法人制度の創設。医療法人役員に対する監督・制裁規定が整備される。
- 3.平成27年(2015年) 改正:地域医療連携推進法人制度の創設および医療法人の経営透明性・ガバナンス強化。本条の名宛人・号の具体的な変更範囲は要検証。
- 医療法 第52条事業報告書等の知事への届出義務
- 医療法 第54条剰余金配当の禁止、2号過料の前提
- 医療法 第51条の3一定規模法人の貸借対照表等の公告
- 医療法 第63条知事の報告徴収・立入検査権限
- 医療法 第64条改善命令・業務停止命令の根拠
- 非訟事件手続法 第120条過料についての裁判の手続
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第57条準用される社員総会議事録の備置義務
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