医療法 第54条の9
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- 社団たる医療法人が定款を変更するには、社員総会の決議によらなければならない。
- 2.財団たる医療法人が寄附行為を変更するには、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならない。
- 3.定款又は寄附行為の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 4.都道府県知事は、前項の規定による認可の申請があつた場合には、第四十五条第一項に規定する事項及び定款又は寄附行為の変更の手続が法令又は定款若しくは寄附行為に違反していないかどうかを審査した上で、その認可を決定しなければならない。
- 5.医療法人は、第三項の厚生労働省令で定める事項に係る定款又は寄附行為の変更をしたときは、遅滞なく、その変更した定款又は寄附行為を都道府県知事に届け出なければならない。
- 6.第四十四条第五項の規定は、定款又は寄附行為の変更により、残余財産の帰属すべき者に関する規定を設け、又は変更する場合について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第54条の9は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第54条の9の条文原文は「社団たる医療法人が定款を変更するには、社員総会の決議によらなければならない。」で始まります。
- 医療法第54条の9は第六節に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第54条の9の前の条は医療法第54条の8です。
- 医療法第54条の9の次の条は医療法第55条です。
- 医療法第54条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第54条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第54条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/54_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法54条の10は、医療法人の定款・寄附行為の変更は都道府県知事の認可を受けなければ効力を生じないと定める。ただし厚生労働省令で定める事項の変更は事後の届出で足りる。
Q · 医療法人の定款変更は、社員総会で可決した時点で効力が生じるの?
原則は知事の認可が出るまで効力なし。軽微な事項だけ事後届出
医療法第54条の10第3項により、医療法人の定款・寄附行為の変更は、厚生労働省令で定める事項を除き、都道府県知事の認可を受けなければ効力を生じません。社員総会の決議(社団)や評議員会の意見聴取(財団)は前提手続にすぎません。知事は第45条第1項の事項と変更手続の適法性を審査して認可を決定します。省令で定める事項に係る変更は、変更後に遅滞なく届け出れば足ります(同条第5項)。
解説
クリニックを法人化した院長の多くは、定款を「設立時に行政書士が作ってくれた書類」くらいに思っている。だが医療法人の定款(財団なら寄附行為)には、開設する病院・診療所の名称と所在地が書き込まれている。つまり分院を出す、移転する、目的に介護事業を加える、といった経営判断のたびに定款変更が必要になる。社団なら社員総会の決議、財団なら評議員会の意見聴取が先に要る。さらに第3項が効いてくる。都道府県知事の認可(役所が「その変更を法的に有効と認める」と下す決定)を受けるまで、変更は効力を生じない。総会で可決しても、知事の認可が出るまでは法的には何も変わっていない。新しい診療所の開設手続も前に進まない。例外は厚生労働省令で定める軽微な事項だけで、これは変更後に遅滞なく届け出れば足りる。自分の変更が「認可」側か「届出」側かを最初に見分けられるかどうかで、開業スケジュールが数か月ずれる。
法的な位置づけ
医療法第54条の10は、医療法人の定款・寄附行為の変更手続を定める規定である。社団たる医療法人は社員総会の決議、財団たる医療法人は評議員会の事前意見聴取を要し、厚生労働省令で定める事項を除く変更は都道府県知事の認可によって効力を生じる。省令事項の変更は事後の届出で足り、残余財産の帰属者に関する規定の新設・変更には第44条第5項が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.変更内容が「認可」か「届出」かを区分する 予定している変更が厚生労働省令で定める届出事項に当たるか、それ以外の認可事項かを確認する。診療所の所在地と法人事務所の所在地など、似た記載事項の取り違えに注意する
- 2.都道府県の担当窓口に事前相談する 認可事項であれば、都道府県の医療法人担当窓口で事前審査の有無、受付時期、必要書類、標準処理期間を確認する。テナント契約や機器リースはこの時点では確定させない
- 3.社員総会の決議または評議員会の意見聴取を行う 社団は社員総会で定款変更を決議し(議決権は原則社員一人一個)、財団は変更前に評議員会の意見を聴く。定款所定の招集手続と定足数を守り、議事録を作成する
- 4.認可申請書を提出し、補正に対応する 定款変更認可申請書に新旧対照表、議事録、変更理由書等を添えて提出する。補正指示は書面で受け取り、指摘項目を一つずつ解消する
- 5.認可後の変更登記と開設手続に進む 認可書を受領した日が効力発生日となる。登記事項の変更があれば変更登記を申請し、分院開設などの後続手続(診療所開設届等)に進む
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の定款変更認可とは何ですか?
医療法人が定款や寄附行為を変更する際に、都道府県知事から受ける認可です。医療法54条の10第3項により、認可を受けるまで変更は効力を生じません。
Q2医療法人の定款変更 認可申請の期間はどれくらい?
都道府県ごとに審査期間や事前審査の受付時期が異なります。申請先の都道府県が公表する標準処理期間と受付スケジュールを事前に確認するのが確実です。
Q3医療法人の定款変更 届出で済むのはどんな場合?
厚生労働省令で定める事項に係る変更は、認可ではなく変更後の届出で足ります(54条の10第5項)。法人事務所の所在地の変更などが典型例です。
Q4財団医療法人の寄附行為変更の手続は?
財団たる医療法人は、寄附行為の変更前に評議員会の意見を聴く必要があります(54条の10第2項)。そのうえで原則として知事の認可を受けます。
Q5医療法人の分院開設に定款変更は必要?
定款には開設する病院・診療所の名称と所在地が記載されるため、分院の追加は原則として定款変更認可の対象となります。開設手続より前に認可が必要です。
Q6定款変更認可の審査では何を見られる?
知事は、第45条第1項に規定する事項と、変更手続が法令・定款・寄附行為に違反していないかを審査して認可を決定します(54条の10第4項)。
Q7定款変更の認可が下りなかったらどうする?
不認可は行政処分であり、審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)や取消訴訟(6か月以内)で争えます。まず不認可理由の提示を確認します。
Q8定款変更の認可後に登記は必要?
登記事項に関わる変更であれば、組合等登記令に基づく変更登記が必要です。認可の日から期限内に手続する必要があるため、登記申請の準備も並行して進めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1クリニックの住所を隣のビルに移すだけでも、知事の認可が要るんですか?
定款には開設する診療所の所在地が記載されているため(医療法第44条第2項)、移転は原則として定款変更認可の対象になります。一方、法人の事務所の所在地など、厚生労働省令で定める事項だけの変更なら事後の届出で足ります(第54条の10第5項)。実務のポイント:同じ住所でも「診療所の所在地」と「法人事務所の所在地」は別の記載事項です。窓口では、どちらの欄が変わるのかを先に伝えると話が一気に早くなります
Q2総会で可決した日から新しい定款を使っていいですよね?
認可事項については使えません。第54条の10第3項は、認可を受けなければ効力を生じないと定めています。総会決議の日ではなく、認可の日が効力発生日です。実務のポイント:自治体によっては認可申請の前に事前審査があり、その受付を年に数回に限っているところもあります。総会の日程は、この受付締切から逆算して組むのが実務のやり方です
Q3持分なしの医療法人に変えたら、あとで持分ありに戻せますか?
戻せません。持分なしの医療法人が持分ありへ移行することは認められていません。残余財産の帰属先規定の変更には第44条第5項が準用されるため、帰属先は国・地方公共団体・他の医療法人などに限られます。実務のポイント:移行時には医療法人に贈与税が課される場合があります。認定医療法人制度を使えば非課税の道がありますが、認定には期限があるため、移行を検討するなら早めに確認してください(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「社員総会で可決すれば定款は変わる」と思われがちだが、認可事項については総会決議は出発点にすぎない。知事の認可を受けるまで効力は生じない(第3項)。株式会社の感覚で動くと、存在しない定款に基づいて事業を始めることになる
- 出資比率で発言権が決まると思い込んでいる院長は多い。だが社団医療法人の社員は、出資額にかかわらず一人一個の議決権が原則(医療法第46条の3の3)。親族や元勤務医を安易に社員に入れていると、定款変更の場面で理事長の意向が否決されうる。問うべきは「何割出資しているか」ではなく「社員名簿に誰がいるか」である
- 定款変更をただの事務手続と見ていると、持分なし医療法人への移行の重さを見誤る。残余財産の帰属先の変更は第44条第5項の制限を受け、税務上も医療法人側に贈与税が課される場合がある(相続税法第66条第4項)。書類一枚の変更が、一族の財産構造を不可逆的に組み替える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の場面 | 医療法54条の10:設立後の定款・寄附行為の変更 | 医療法44条:設立時の定款記載事項と設立認可 医療法45条:設立認可の審査事項 |
| 知事の関与 | 原則認可(省令事項は事後届出) | 設立そのものに知事の認可が必要 資産要件・法令適合性を審査して認可を決定 |
| 法人内部の意思決定 | 社団は社員総会決議、財団は評議員会の意見聴取 | 設立者による定款・寄附行為の作成 (内部手続は規定しない) |
| 残余財産の帰属 | 帰属者規定の新設・変更に44条5項を準用 | 44条5項:帰属先は国・地方公共団体・医療法人等に限定 54条(関連):剰余金配当の禁止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも医療法人の章程変更には主管機關の許可が必要とされ、公益性を理由に行政の事前関与を置く点で日本と共通する
韓国の医療法人も非営利法人として位置づけられ、定款変更に行政の許可を要する構造は日本と類似する
ドイツでは医療法人に相当する制度はないが、財団の定款変更に州の財団監督官庁の承認を要する点が財団たる医療法人の寄附行為変更に近い
米国の非営利法人は州法に基づき定款変更を届け出るのが一般的で、日本のような事前認可制は原則としてとらない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 駅前の好立地テナントが空き、来月には契約したい。ところが分院を開くには、まず定款に新しい診療所を書き加える変更認可が要る。認可が出るまで数か月かかることもあり、都道府県によっては受付時期が限られている。大家は待ってくれない
- 社員総会で定款変更を可決し、議事録も作った。事務長は「これで完了」と思って新しい事業を始めてしまった。認可を受けていない以上、その変更は効力を生じていない(医療法第54条の10第3項)
- もし出資額の9割を持つ理事長が反対し、出資ゼロの社員3人が賛成したら、定款変更はどうなる? 社員の議決権は出資額にかかわらず一人一個が原則であり、理事長の「大株主」意識は通用しない
- あなたは持分ありの医療法人で、後継者への承継対策として持分なしへの定款変更を勧められた。残余財産の帰属先を定める規定の変更には第44条第5項が準用され、帰属先は国・地方公共団体・他の医療法人などに限られる。一度移行すると元に戻れない選択だ
- 事務所の所在地を同じ市内で移しただけなのに、認可申請の書類を一式そろえ始めていた。厚生労働省令で定める事項に当たる変更なら、変更後に届け出れば足りる。区分を確認しなかったことで、無駄な手間と時間が生じる
取るべき行動
被害を受けた側:認可が下りない、または不当に遅れている場合:1. 申請先の都道府県が公表している審査基準と標準処理期間を確認する(行政手続法第5条、第6条) 2. 補正指示は書面で受け取り、指摘項目を一つずつ潰す3. 不認可の決定を受けたら、理由の提示を確認したうえで審査請求または取消訴訟を検討する4. 並行して、物件や設備の契約に認可取得を条件とする条項を入れ、損失を抑える
訴えられた側:認可を受けずに定款変更後の内容で運営していたことが指導監査で指摘された場合:1. どの変更が認可事項だったかを直ちに特定する2. 変更認可申請を速やかに出し直し、社員総会議事録などの手続書類を整える3. 登記の変更が必要な事項は、認可後2週間以内の変更登記を忘れない(組合等登記令第3条) 4. 経緯と再発防止策を文書化し、改善報告として提出できるようにしておく
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。届出事項は変更後「遅滞なく」届け出る。不認可に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法第18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法第14条)。変更登記は認可後2週間以内(組合等登記令第3条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政法上の認可論:本条の認可は、法人の定款変更という私法上の行為を補充して効力を完成させる行政行為と位置づけられる。認可を欠く変更は無効であり、法人内部の決議のみでは対外的にも対内的にも効力を生じない
- 医療法 第44条定款記載事項と残余財産帰属の制限
- 医療法 第45条認可審査事項の準拠元
- 医療法 第46条の3の3社員一人一個の議決権(現行効力を要確認)
- 医療法 第54条剰余金配当の禁止、非営利性の核
- 行政手続法 第5条認可審査基準の設定・公表義務
- 相続税法 第66条持分なし移行時の法人への贈与税課税
- 行政不服審査法 第18条不認可に対する審査請求期間
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