医療法 第6条の12
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病院等の管理者は、前二条に規定するもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院等における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第6条の12は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第6条の12の条文原文は「病院等の管理者は、前二条に規定するもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院等…」で始まります。
- 医療法第6条の12は第一節 医療の安全の確保のための措置に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第6条の12の前の条は医療法第6条の11です。
- 医療法第6条の12の次の条は医療法第6条の13です。
- 医療法第6条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/6_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法第6条の15は、病院・診療所・助産所の管理者に、医療安全の指針策定と従業者研修などの安全確保措置を義務づける。具体的な内容は医療法施行規則1条の11が定める。
Q · 小さなクリニックや美容クリニックにも、医療安全の義務はあるの?
ある。規模や保険診療かどうかは関係ない
医療法第6条の15により、病院・診療所・助産所の管理者は、厚生労働省令に従って医療安全の指針の策定、従業者研修の実施などの安全確保措置を講じなければなりません。具体的な内容は医療法施行規則1条の11が定めます。自由診療の美容クリニックや無床の歯科医院にも適用されます。入院施設のない診療所には安全管理委員会の設置は求められませんが、指針の整備と研修、事故報告にもとづく改善策は必要です。
解説
医療事故のニュースでは、医師個人の腕が問われることが多い。だが医療法は、別の人にも義務を課している。病院、診療所、助産所の「管理者」(院長など、施設の運営に責任を負う人)である。本条により、管理者は厚生労働省令に従って、医療安全の指針を作り、職員に研修を行い、そのほかの安全対策をとらなければならない。この義務の範囲は、患者が予期せず亡くなった場合の医療事故調査(6条の10、6条の11)より広く、ヒヤリハットや投薬ミス、院内感染、医療機器の管理といった日々の安全も含む。具体的な中身は医療法施行規則1条の11に書かれており、入院施設のある施設には安全管理委員会の設置も求められる。この規定は保険診療かどうかに関係なく、自由診療の美容クリニックや町の歯科医院にも同じように適用される。医療事故の被害を受けたとき、「担当医が悪かったのか」だけで考えていると、相手にできるのは医師1人にとどまる。本条を知っていれば、「この病院には事故を防ぐ仕組みがあったのか、それは実際に機能していたのか」という、施設そのものの問題に目を向けられる。
法的な位置づけ
医療法第6条の15は、病院、診療所および助産所の管理者に医療安全確保措置を義務づける規定である。管理者は厚生労働省令の定めに従い、医療安全の指針の策定、従業者に対する研修の実施、その他当該施設における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。具体的な措置の内容は医療法施行規則1条の11に委ねられている。
手順
- 1.施設の区分を確認する 自院が病院か、有床診療所か、無床診療所か、助産所かを確認する。入院施設の有無によって、医療安全管理委員会の設置義務の有無が変わる
- 2.医療安全管理指針を自院の実態に合わせて作り直す 開業時のひな形のままにせず、自院で実際に行う診療、投薬、麻酔、医療機器の使用を前提に、事故報告の手順、ダブルチェックの方法、患者への説明方針を具体的に書く
- 3.職員研修を実施して記録を残す 全職員を対象に研修を行い、日時、参加者、内容、使用資料を記録する。朝礼などの短い時間での共有も、記録を残せば研修実績として示しやすい
- 4.インシデント報告を分析して改善につなげる 報告された事例を定期的に集計・分析し、改善策を決めて記録する。有床施設では委員会で検討し、議事録を毎回残す。報告件数の急な減少は、報告しにくい空気の兆しとして点検する
- 5.立入検査に備えて書類と実態を点検する 保健所などの立入検査(医療法25条)では、書類の有無だけでなく、職員が手順を知っているか、改善が実際に行われているかも見られる。平常時から定期的に自己点検する
よくある質問 AI による整理
Q1医療安全管理指針とは何ですか?
医療事故を防ぐための施設内の基本方針です。医療法第6条の15と施行規則1条の11により、病院・診療所・助産所の管理者に策定が義務づけられています。
Q2医療安全研修は年に何回必要ですか?
通知上、病院では年2回程度の実施が目安とされています。実施した日時・参加者・内容の記録を残しておくことが立入検査で重視されます。
Q3医療安全管理委員会の設置は義務ですか?
入院施設のある病院・診療所には、医療法施行規則1条の11により設置が求められます。無床の診療所では委員会の設置までは求められません。
Q4美容クリニックにも医療安全の義務はありますか?
あります。医療法第6条の15は保険診療かどうかを区別していません。自由診療だけの美容クリニックの院長も、指針の策定と研修の実施が必要です。
Q5インシデント報告は法律上の義務ですか?
施設内で事故報告などを行い改善策を講じる仕組みの整備が、施行規則1条の11で求められています。職員が報告しやすい体制づくりも管理者の責任です。
Q6院内感染対策も医療安全に含まれますか?
含まれます。施行規則は院内感染対策、医薬品・医療機器の安全管理なども安全確保措置として定めており、それぞれ責任者を置く仕組みになっています。
Q7医療安全の義務違反で病院は罰せられますか?
本条の違反そのものに直接の罰則はありません。保健所などの立入検査(医療法25条)で体制が確認され、不備があれば指導を受けます。
Q8医療事故調査制度と医療安全管理の違いは?
事故調査制度は予期しない死亡・死産が対象です。医療安全管理はヒヤリハットや投薬ミスなど、日々の診療全体の事故予防を対象とします。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは入院ベッドのない小さなクリニックなんですけど、それでも医療安全の委員会って作らないといけないんですか?
入院施設のない診療所には、委員会の設置は求められていない。ただし、医療安全の指針の整備、職員研修、事故報告などの改善策は、医療法施行規則1条の11により必要である。実務のポイント:小規模なクリニックの立入検査でよく指摘されるのは、指針がないことよりも、研修の記録がないことである。朝礼で10分話した内容を記録しておくだけでも、評価は変わる
Q2病院に「事故報告書を見せて」って言ったら断られました。これって違法じゃないんですか?
院内のインシデント報告書は、再発防止のための内部資料という位置づけで、患者本人の求めでも開示されないことが多い。本条は報告の仕組みを作ることを求めているが、それを患者に開示する義務までは定めていない。実務のポイント:報告書そのものではなく、「この件が院内でどのように検討され、どんな改善策が決まったか」の説明を求めると、応じてもらえる可能性が高まる
Q3医療安全の義務を守っていなかった病院って、何か罰を受けるんですか?
本条の違反に直接の罰則はない。都道府県知事などが立入検査(医療法25条)で体制を確認し、指導を行うのが基本的な仕組みである。実務のポイント:本条が本当に効いてくるのは民事の場面である。医療訴訟では、安全管理体制が不十分だったことが、施設としての過失を裏づける事情として主張されることがあり、病院側にとっては刑罰よりこちらのほうが重い
間違えやすい点 AI による整理
- 「医療事故の調査は、死亡事故のときだけ行われるもの」と考えられがちである。たしかに6条の10の医療事故調査制度の対象は、予期しなかった死亡・死産に限られる。だが本条の安全管理義務は、死亡に至らなかった事故やヒヤリハットも含め、日々の診療全体にかかっている。「調査制度の対象外」と言われても、それは「安全管理の義務がなかった」という意味ではない
- 指針があり研修もしているから大丈夫、と考える院長は多い。だが保健所の立入検査で見られるのは、書類があるかだけではなく、研修の記録、インシデント報告を分析して改善につなげているか、職員がその手順を知っているかといった実態である。書類だけ整っていて実際には動いていない状態は、事故が起きたときに「対策を知っていながら実行していなかった」という不利な証拠になりうる
- 患者の側からは、医療ミスは担当医個人の問題に見える。だが法律上は、施設としての体制が整っていたかも問われる。医療訴訟では、医師個人の過失とあわせて、病院の組織としての過失や使用者責任(民法715条)が主張されることがある。医師1人だけを相手にしていると、この視点が抜け落ちる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる出来事 | 医療法第6条の15:日々の診療全体(ヒヤリハット、投薬ミス、院内感染なども含む) | 医療法6条の10:予期しなかった死亡・死産 医療法6条の11:6条の10で報告した医療事故 |
| 管理者に求められる行動 | 指針の策定、従業者研修、その他の安全確保措置を平常時から講じる | 医療事故調査・支援センターへの報告 医療事故の原因を明らかにするための調査の実施 |
| 性質 | 事故を防ぐための事前の体制整備 | 事故発生後の報告 事故発生後の検証 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は医療事故の予防と紛争処理を一つの法律で定め、医療機関に病人安全管理の体制整備を求める。日本は予防体制を医療法、紛争は民事手続に分けている
韓国は患者安全を独立の法律で定め、一定規模以上の医療機関に患者安全委員会や専任人員を置かせる。日本は医療法と施行規則で同様の体制を求める
ドイツは公的医療保険の枠組みで、医療機関に施設内の品質管理とリスク管理を義務づける。日本は保険診療かどうかを問わず医療法で義務を課す
米国はメディケア参加条件として、病院に品質評価と改善のプログラムを求める。連邦の公的保険との結びつきが強い点で日本と構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 点滴の取り違えで家族が一時意識を失った。病院からは「担当看護師の確認不足でした」と謝罪があった。だが、本当に看護師1人の問題なのか。ダブルチェックの手順が指針に書かれていたか、研修が実際に行われていたかを確かめると、個人のミスが施設の仕組みの欠陥に変わることがある
- あなたは開業3年目の美容クリニックの院長である。保健所の立入検査(医療法25条)の通知が来て、検査まであと10日。医療安全の指針は開業時のひな形のまま、研修の記録はゼロである。今から研修を行い、記録を整えるしかない
- 歯科医院で抜歯のあとに麻酔のトラブルがあった場合、「小さな医院だから安全管理の義務はない」と考えてよいのだろうか。入院施設がなければ委員会の設置は求められないが、指針の整備と研修は歯科医院にも必要である
- 医療安全担当として働く看護師のあなたは、インシデント報告の件数が減っていることに気づいた。ミスが減ったのではなく、報告すると責められる空気のせいで誰も書かなくなっているのかもしれない。安全の仕組みが外見だけになりつつある兆しである
- 友人の父親が手術後に亡くなり、病院は「医療事故には当たらない」と説明した。友人から「もう何もできないの?」と聞かれた。事故調査制度の対象外だからといって、病院の安全管理体制が問われなくなるわけではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 病院の説明を録音するか、要点をその場でメモする(録音するときは相手に一言伝えるのが無難)。2. カルテの開示を求めるとともに、医療安全の指針とこの件の院内での検討状況の説明を求める。3. 病院の対応に納得できなければ、都道府県などが設置する医療安全支援センター(医療法6条の13)に相談する。中立の立場で相談に応じてくれる。4. 記録が改ざんされるおそれがあれば、医療事件に詳しい弁護士に証拠保全を相談する
訴えられた側:1. 事故の直後に、事実経過を記録に残す。カルテを後から書き換えることは絶対にしない。2. 院内のインシデント報告と委員会での検討を、決められた手順どおりに進め、その経過を記録する。3. 患者が予期せず死亡した場合は、医療事故調査制度(6条の10)で報告が必要な事案に当たるかを判断する。4. 医師賠償責任保険の保険会社や顧問弁護士に早めに連絡し、患者への説明内容をそろえる
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。ただし医療事故で損害賠償を請求する場合、人の生命・身体の侵害にあたるため、不法行為なら損害と加害者を知った時から5年(民法724条の2)、債務不履行なら権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から20年(民法166条、167条)で時効になる。研修の実施頻度は、通知上、病院は年2回程度が目安とされている(最新の改正状況をご確認ください)
学説
組織過失論:医療事故の責任を医療者個人に限らず、指針・研修・報告体制などの施設の安全管理体制の不備から捉え、施設の組織としての過失を問う考え方
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)第5次医療法改正 病院等の管理者に医療安全確保措置を義務づける規定が、当時の6条の10として新設されたとされる(人的検証要)
- 平成26年(2014年)医療介護総合確保推進法による改正 医療事故調査制度(現6条の10、6条の11)の創設に伴い、条文番号が現行の6条の12へ移動し、「前二条に規定するもののほか」の文言が入ったとされる。平成27年(2015年)10月施行(人的検証要)
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:第5次医療法改正により、病院等の管理者に医療安全確保措置を義務づける規定が設けられた
- 2.平成26年(2014年) 改正:医療介護総合確保推進法により医療事故調査制度が創設され、それに伴い本規定の条文位置と文言が整理された。平成27年(2015年)10月施行
- 医療法 第6条の10予期しない死亡の医療事故報告義務
- 医療法 第6条の11医療事故調査の実施義務
- 医療法 第6条の13医療安全支援センターによる患者相談
- 医療法 第15条管理者の従業者監督義務
- 医療法 第25条立入検査による安全体制の確認
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条の10副作用等報告で医療安全を補完
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