弁護士は、係争権利を譲り受けることができない。
要点弁護士法 28 条は、弁護士が係争中の権利を譲り受けることを禁止する。代理人と依頼者の利益相反を防ぐ規定で、違反した譲渡は無効と解され、弁護士は懲戒の対象となる。
Q · 担当弁護士が「その揉めている債権、私が買い取ります」と言ってきたら、応じていいの?
原則できません。譲渡は無効で弁護士は懲戒対象です
弁護士法 28 条により、弁護士は依頼者の係争権利(訴訟中・紛争中の債権や請求権)を譲り受けることができません。報酬の名目でも同じです。違反した譲渡契約は無効と解され、その権利は依頼者に戻る余地があります。さらに弁護士は懲戒(弁護士法 56 条)の対象となり、業務停止や除名に至ることもあります。買取を持ちかけられた時点で警戒すべき相手は、その弁護士自身です。
あなたの弁護士が「その揉めている貸金、いっそ私が買い取りましょう。あとは私が回収します」と持ちかけてきたら、その瞬間に弁護士法 28 条のレッドラインを踏んでいる。条文はわずか一行、「弁護士は、係争権利を譲り受けることができない」。なぜこんな短い禁止が置かれているのか。理由は、弁護士が依頼者の紛争を「自分の商売」に変えてしまう危険を断つためだ。係争中の権利、つまり訴訟や争いの渦中にある債権や請求権を弁護士が買い取れば、依頼者の利益より自分の取り分を優先する誘惑が生まれる。あなたが知っておくべきは、この禁止が依頼者であるあなたを守る盾だということ。弁護士があなたの係争権利を譲り受ける契約をしても、その譲渡は無効と解され、さらに弁護士は懲戒の対象になる。たった一行の条文が、あなたと代理人の利益が衝突しないよう、最初から防壁を築いている。
弁護士法 28 条は、弁護士が係争権利を譲り受けることを禁止する規定である。係争権利とは、訴訟係属中または紛争が顕在化した債権・請求権を指す。代理人が依頼者の紛争を自己の取引対象とすることを入口で遮断し、依頼者保護と職務の公正を担保する。利益相反を扱う 25 条と並ぶ弁護士倫理の土台規定である。
弁護士が係争権利を譲り受けることを禁止する規定です。代理人が依頼者の紛争を自分の商売に変える危険を断ち、依頼者を守るための一行の禁止です。
譲渡契約自体が無効と解され、権利は依頼者に戻る余地があります。さらに弁護士は懲戒(弁護士法 56 条)の対象となり、業務停止や除名に至ることもあります。
25 条は受任そのものを制限する利益相反規定、28 条は係争権利の譲受という具体的行為の禁止です。両者は重畳適用され得ます。
買い手が弁護士で、対象が訴訟係属中の権利だと 28 条に抵触し得ます。一般の債権回収業と弁護士個人の譲受は線引きが異なります。
違反固有の時効はありません。譲渡無効の主張に期間制限はなく、懲戒は事由から 3 年で手続開始できなくなります(弁護士法 63 条)。
報酬の名目でも、係争中の権利を弁護士が譲り受ける形なら 28 条に触れ得ます。成功報酬は金銭での約定に留めるのが筋です。
他人の紛争を引き受けて商売の道具にする行為への警戒という同根の思想です。28 条はその弁護士版の防壁といえます。
所属弁護士会に懲戒請求(弁護士法 58 条)を申し立てます。懲戒請求は依頼者に限らず誰でも申立て可能です。
原則ダメです。報酬の形が現金でも債権譲渡でも、係争中の権利を弁護士が譲り受けること自体が 28 条で禁じられています。成功報酬は金銭での約定に留めるのが筋です。業界裏話ヒント:弁護士が「着手金を抑える代わりに回収できた債権の一部をもらう」という変則報酬を提案してきたら、それが係争権利の譲受に当たらないか要注意。良心的な弁護士ほど、この線引きを自分から説明する。説明なしに踏み込んでくる相手は警戒対象だ
明確な訴訟係属だけでなく、権利の存否や範囲について当事者間で争いが顕在化していれば「係争」と評価され得ます。訴訟前でも紛争が現実化していれば対象です。業界裏話ヒント:「まだ訴えてないからセーフ」は危険な思い込み。内容証明のやり取りや交渉決裂など、争いが表面化した段階で係争性が認められる場面がある。グレーゾーンを突く買取提案ほど、後で無効や懲戒のリスクを抱え込む
取り戻せる可能性があります。28 条違反の譲渡は無効と解されるのが一般的で、無効であれば権利はあなたに戻ります。契約書と経緯を持って、別の弁護士に相談してください。業界裏話ヒント:この種の無効主張は、法律のプロである弁護士を相手にした交渉になる。だからこそ所属弁護士会の法律相談や市民窓口を使い、第三者の弁護士を立てるのが定石。さらに懲戒請求(弁護士法 58 条)を並行させると、相手は是正に動きやすくなる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制対象 | 28 条:係争権利の譲受という具体的行為 | — |
| 趣旨 | 代理人が依頼者の紛争を自己の取引対象にすることの防止 | — |
| 主な効果 | 譲渡は無効と解され得る + 懲戒(56 条) | — |
| 典型場面 | 代理人が係争中の債権を買い取る提案 | — |
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