弁護士法 第28条(係争権利の譲受の禁止)
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弁護士は、係争権利を譲り受けることができない。
この条文の基本情報
係争権利の譲受の禁止とは何ですか?
定義係争権利の譲受の禁止とは、弁護士法第28条に定められた規定で、「弁護士は、係争権利を譲り受けることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第28条(係争権利の譲受の禁止)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第28条の条文原文は「弁護士は、係争権利を譲り受けることができない。」で始まります。
- 弁護士法第28条は第四章 弁護士の権利及び義務に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第28条の前の条は弁護士法第27条です。
- 弁護士法第28条の次の条は弁護士法第29条です。
- 弁護士法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法28条は、弁護士が係争中の権利を譲り受けることを禁止する。代理人と依頼者の利益相反を防ぐ規定で、違反した譲渡は無効と解され、弁護士は懲戒の対象となる。
Q · 担当弁護士が「その揉めている債権、私が買い取ります」と言ってきたら、応じていいの?
原則できません。譲渡は無効で弁護士は懲戒対象です
弁護士法28条により、弁護士は依頼者の係争権利(訴訟中・紛争中の債権や請求権)を譲り受けることができません。報酬の名目でも同じです。違反した譲渡契約は無効と解され、その権利は依頼者に戻る余地があります。さらに弁護士は懲戒(弁護士法56条)の対象となり、業務停止や除名に至ることもあります。買取を持ちかけられた時点で警戒すべき相手は、その弁護士自身です。
解説
あなたの弁護士が「その揉めている貸金、いっそ私が買い取りましょう。あとは私が回収します」と持ちかけてきたら、その瞬間に弁護士法28条のレッドラインを踏んでいる。条文はわずか一行、「弁護士は、係争権利を譲り受けることができない」。なぜこんな短い禁止が置かれているのか。理由は、弁護士が依頼者の紛争を「自分の商売」に変えてしまう危険を断つためだ。係争中の権利、つまり訴訟や争いの渦中にある債権や請求権を弁護士が買い取れば、依頼者の利益より自分の取り分を優先する誘惑が生まれる。あなたが知っておくべきは、この禁止が依頼者であるあなたを守る盾だということ。弁護士があなたの係争権利を譲り受ける契約をしても、その譲渡は無効と解され、さらに弁護士は懲戒の対象になる。たった一行の条文が、あなたと代理人の利益が衝突しないよう、最初から防壁を築いている。
法的な位置づけ
弁護士法28条は、弁護士が係争権利を譲り受けることを禁止する規定である。係争権利とは、訴訟係属中または紛争が顕在化した債権・請求権を指す。代理人が依頼者の紛争を自己の取引対象とすることを入口で遮断し、依頼者保護と職務の公正を担保する。利益相反を扱う25条と並ぶ弁護士倫理の土台規定である。
手順
- 1.買取提案の内容を記録として保全する 弁護士から係争権利の買取を提案されたら、断る前にまず提案内容を書面・メール・録音で残す。「代理人自ら買取を提案した」という証拠が、後の契約無効や懲戒請求で決定打になる
- 2.委任契約を保留しセカンドオピニオンを取る その弁護士との委任は一旦保留し、別の弁護士に相談する。所属弁護士会の法律相談や市民窓口を使い、第三者の弁護士を立てるのが定石
- 3.既に譲渡してしまった場合は無効を主張する すでに譲渡契約を結んでしまった場合でも、28条違反の譲渡は無効と解されるのが一般的。契約書と経緯を持って法律相談へ行き、権利の取り戻しを検討する
- 4.悪質なら所属弁護士会へ懲戒請求する 悪質な場合、所属弁護士会に懲戒請求(弁護士法58条)を申し立てる。懲戒請求を並行させると、相手は是正に動きやすくなる。事由から3年の期間制限に注意
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士法28条とは何ですか?
弁護士が係争権利を譲り受けることを禁止する規定です。代理人が依頼者の紛争を自分の商売に変える危険を断ち、依頼者を守るための一行の禁止です。
Q2係争権利の譲受禁止に違反するとどうなりますか?
譲渡契約自体が無効と解され、権利は依頼者に戻る余地があります。さらに弁護士は懲戒(弁護士法56条)の対象となり、業務停止や除名に至ることもあります。
Q3弁護士法28条と利益相反の25条は何が違いますか?
25条は受任そのものを制限する利益相反規定、28条は係争権利の譲受という具体的行為の禁止です。両者は重畳適用され得ます。
Q4債権回収ビジネスやリーガルテックで係争債権を買うのは違法ですか?
買い手が弁護士で、対象が訴訟係属中の権利だと28条に抵触し得ます。一般の債権回収業と弁護士個人の譲受は線引きが異なります。
Q5係争権利の譲受禁止に固有の時効はありますか?
違反固有の時効はありません。譲渡無効の主張に期間制限はなく、懲戒は事由から3年で手続開始できなくなります(弁護士法63条)。
Q6弁護士が成功報酬として債権をもらうのも禁止ですか?
報酬の名目でも、係争中の権利を弁護士が譲り受ける形なら28条に触れ得ます。成功報酬は金銭での約定に留めるのが筋です。
Q7訴訟信託の禁止(信託法10条)と弁護士法28条はどう関係しますか?
他人の紛争を引き受けて商売の道具にする行為への警戒という同根の思想です。28条はその弁護士版の防壁といえます。
Q8弁護士に懲戒請求はどうやってしますか?
所属弁護士会に懲戒請求(弁護士法58条)を申し立てます。懲戒請求は依頼者に限らず誰でも申立て可能です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士が成功報酬の代わりに「揉めてる債権をもらう」のもダメなんですか?
原則ダメです。報酬の形が現金でも債権譲渡でも、係争中の権利を弁護士が譲り受けること自体が28条で禁じられています。成功報酬は金銭での約定に留めるのが筋です。実務のポイント:弁護士が「着手金を抑える代わりに回収できた債権の一部をもらう」という変則報酬を提案してきたら、それが係争権利の譲受に当たらないか要注意。良心的な弁護士ほど、この線引きを自分から説明する。説明なしに踏み込んでくる相手は警戒対象だ
Q2そもそも「係争権利」ってどこからが係争中なんですか? 訴訟になってないとセーフ?
明確な訴訟係属だけでなく、権利の存否や範囲について当事者間で争いが顕在化していれば「係争」と評価され得ます。訴訟前でも紛争が現実化していれば対象です。実務のポイント:「まだ訴えてないからセーフ」は危険な思い込み。内容証明のやり取りや交渉決裂など、争いが表面化した段階で係争性が認められる場面がある。グレーゾーンを突く買取提案ほど、後で無効や懲戒のリスクを抱え込む
Q3もう弁護士に係争中の権利を譲ってしまいました。取り戻せますか?
取り戻せる可能性があります。28条違反の譲渡は無効と解されるのが一般的で、無効であれば権利はあなたに戻ります。契約書と経緯を持って、別の弁護士に相談してください。実務のポイント:この種の無効主張は、法律のプロである弁護士を相手にした交渉になる。だからこそ所属弁護士会の法律相談や市民窓口を使い、第三者の弁護士を立てるのが定石。さらに懲戒請求(弁護士法58条)を並行させると、相手は是正に動きやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士なら依頼者の権利を有利な条件で買い取ってくれて助かる」と考える人がいるが、その問いの立て方自体が罠だ。弁護士はそもそもあなたの係争権利を買い取れない。買い取りを持ちかけられた時点で、あなたが警戒すべき相手は、ほかならぬその弁護士自身になる
- 「禁止されているのは知っているが、せいぜい倫理違反でしょ」と軽く見られがちだが、深刻さの桁が違う。譲渡契約そのものが無効になり得るうえ、弁護士は懲戒(弁護士法56条)によって業務停止や除名にまで至ることがある。一行の禁止の裏に、職業生命を絶つ重さが潜んでいる
- あなたから見れば「困っている自分を助けるための債権買取」でも、法律から見れば「代理人が依頼者の紛争で私腹を肥やす利益相反」だ。この見え方の落差が、あなたを気付かぬうちに不利な契約へ縛りつける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象 | 28条:係争権利の譲受という具体的行為 | 25条:職務を行い得ない事件の受任(利益相反) 27条:非弁護士との提携 |
| 趣旨 | 代理人が依頼者の紛争を自己の取引対象にすることの防止 | 依頼者との信頼関係・地位の利用防止 紛争の商品化・非弁活動への加担防止 |
| 主な効果 | 譲渡は無効と解され得る + 懲戒(56条) | 当該事件の職務遂行不可 + 懲戒 違反行為の制限 + 懲戒・罰則 |
| 典型場面 | 代理人が係争中の債権を買い取る提案 | 相手方を以前代理していた事件の受任 事件屋・整理屋との連携 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も弁護士の利益衝突回避を倫理規範で定め、当事者の係争目的物の譲受を制限する。条文構成は日本ほど一行明快ではなく倫理規範に分散する
韓国は日本とほぼ同一の条文を持ち「弁護士は係争権利を譲り受けてはならない」と規定。東アジアでの規範受容を象徴する
ドイツは一行の譲受禁止ではなく、利益相反の禁止と独立性保持義務という形で BRAO に規定。職務行為規範(BORA)が補完する
米国は弁護士が訴訟対象に財産的利益を取得することを原則禁止(成功報酬・先取特権等の例外あり)。champerty・maintenance 法理も背景にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの代理人弁護士が「この訴訟は長引いて費用倒れになる。いっそ私がその債権を買い取って、あなたには今すぐ半額を現金で渡す」と提案してきたら? 一見親切だが、これは28条違反。あなたは目先の現金と引き換えに、本来取れたはずの全額を手放すことになる
- あなたが弁護士で、回収困難な依頼者の売掛債権を「どうせ取れないなら」と安く買い取った。数年後その相手が資力を回復し全額回収できた。差益はあなたのものだが、依頼者から「あの債権は私のものだった」と懲戒請求される。28条と利益相反(25条)の二重の問題に直面する
- 知人の弁護士が「その揉めてる土地の権利、僕が引き取るよ」と軽く言った。あなたは助かったと思った。だが、それは弁護士が買ってはいけない権利だった
- 友人が「係争中の慰謝料請求権を、担当弁護士に買い取ってもらった」と話してきた。あなたはその譲渡契約が無効になりうると知っている。友人にどう伝えるか、そして友人がまだ取り戻せるのか、整理して説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護士から係争権利の買取を提案されたら、提案内容を書面・メール・録音で保全する2. その弁護士との委任契約は一旦保留し、別の弁護士にセカンドオピニオンを求める3. すでに譲渡契約を結んでしまった場合、その譲渡は無効と主張できる余地があるため、契約書と経緯を持って法律相談へ4. 悪質なら所属弁護士会に懲戒請求(弁護士法58条)を申し立てる。懲戒請求は誰でも申立て可能
訴えられた側:1. 譲り受けた権利が「係争権利」に当たるか(訴訟係属中か、紛争が顕在化しているか)をまず精査する2. 該当する場合、譲渡契約は無効となり得るため、速やかに原状回復を検討する3. 利益相反(弁護士法25条)との重複適用も視野に、所属弁護士会の倫理に関する委員会へ相談する4. 懲戒手続が始まったら、弁明の機会で経緯と自主的な是正措置を具体的に示す
時効(請求できる期限):本条違反に固有の時効はない。譲渡契約の無効主張に期間制限はないが、懲戒は事由があった時から3年を経過すると手続を開始できない(弁護士法63条)。不当利得返還や損害賠償の請求には民法の消滅時効(民法166条等)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:弁護士法28条は依頼者保護を目的とする強行規定であり、これに違反して弁護士が係争権利を譲り受けても、その譲渡は無効と解される。無効であれば権利は依頼者に復帰する。利益相反規定(25条)および懲戒規定(56条)と相まって弁護士倫理の根幹をなすとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行弁護士法(昭和24年法律第205号)の制定に伴い、弁護士自治の確立とともに係争権利の譲受禁止を明文化。代理人と依頼者の利益相反防止を弁護士倫理として位置づけた
- 弁護士法 第25条職務を行い得ない事件、利益相反の中核規定
- 弁護士法 第27条非弁護士との提携の禁止、紛争の商品化防止という近接趣旨
- 弁護士法 第56条懲戒事由、本条違反に対する制裁の受け皿
- 民法 第466条債権譲渡自由の原則に対する職業倫理上の制限
- 信託法 第10条訴訟信託の禁止、他人の紛争を商売化する行為への同根の規制
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