要点弁護士法 31 条は、弁護士会が弁護士の品位保持と監督を担う独立の法人であることを定める。監督権を国家ではなく弁護士会に置くことで弁護士自治を支える。
Q · 弁護士に不満があるとき、苦情はどこに言えばいいの?
役所ではなく、その弁護士の所属弁護士会に申し立てます
弁護士法 31 条は、弁護士会が弁護士及び弁護士法人の品位を保持し事務の改善を図るため、その指導・連絡・監督を行う団体であり、かつ独立した法人であると定めます。重要なのは監督の主体です。弁護士を懲戒できるのは法務省でも裁判所でもなく、所属する弁護士会です(弁護士法 56 条)。そのため弁護士の対応に不満があるときの苦情も、役所ではなく弁護士会の市民窓口に申し立てます。さらに弁護士会は強制加入であり(同法 8 条)、全員が同じ自治組織に属することで、政府を介さない監督と独立性が成り立っています。
弁護士に頼んで国や大企業と戦ってもらうとき、その弁護士が「お上ににらまれたら資格を取り上げられる」と怯えていたら、まともに戦えるはずがない。弁護士法 31 条は、その心配を制度で消している。弁護士及び弁護士法人を指導し、連絡し、監督する事務を担うのは法務省でも裁判所でもなく「弁護士会」であり、しかも弁護士会は独立した法人だと定める。つまり弁護士を裁けるのは弁護士たち自身であって、役所ではない。これを弁護士自治と呼ぶ。あなたが弁護士に何かを依頼するとき、この一見地味な条文が、その弁護士が権力に忖度せずあなたの側に立てる理由を支えている。逆にあなたが弁護士の対応に不満を持ったとき、苦情を申し立てる先も役所ではなく、この弁護士会になる。
弁護士法 31 条は弁護士会の目的及び法人格を定める規定である。弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の品位を保持し事務の改善進歩を図るため、その指導・連絡・監督に関する事務を行うことを目的とし、かつ独立した法人とされる。弁護士自治の組織的基礎をなす規定である。
弁護士を指導・監督するのを国家ではなく弁護士会自身が行う仕組みです。弁護士法 31 条が弁護士会に自治と法人格を与え、弁護士が権力から独立して職務を行う土台になっています。
弁護士及び弁護士法人の品位保持と事務改善を目的に、指導・連絡・監督を行います(弁護士法 31 条)。登録、懲戒、市民向けの苦情対応もその役割に含まれます。
弁護士会は地方裁判所の管轄区域ごとに設立される自治組織で、日本弁護士連合会(日弁連)は全国の弁護士会を束ねる頂点組織です(弁護士法 45 条)。
調べられます。弁護士は必ずいずれかの弁護士会に所属し日弁連に登録しているため、各弁護士会や日弁連の検索で所属や懲戒歴を確認できます。
戒告、2 年以内の業務停止、退会命令、除名の 4 種類です(弁護士法 57 条)。除名は弁護士資格そのものを失う最も重い処分です。
監督権を政府が握ると、政府に不都合な弁護士を資格剝奪で黙らせられるからです。弁護士法 31 条は監督を弁護士会に委ね、国家からの独立を保障しています。
受けます。弁護士法 31 条は指導・連絡・監督の対象に「弁護士法人」を明記しており、個人弁護士だけでなく法人も自治組織の監督下に置かれます。
昭和 24 年(1949 年)の弁護士法全部改正で確立しました。戦前は司法大臣(政府)が弁護士を監督していた反省から、自治制度が導入されました。
動きます。誰でもその弁護士の所属弁護士会に懲戒請求ができ、弁護士会は綱紀委員会で調査する義務を負います(弁護士法 56 条、58 条)。業界裏話ヒント:懲戒請求と並行して「紛議調停」(弁護士法 41 条)という制度もあり、こちらは処分ではなく着手金返還などの金銭解決を目指す。懲戒は相手を罰するだけでお金は戻らないことが多いので、返金が目的なら紛議調停の方が実利がある
強制加入です。弁護士として活動するには、いずれかの弁護士会に入会し、日本弁護士連合会に登録しなければなりません(弁護士法 8 条)。登録しなければ「弁護士」を名乗れず、法律事務もできません。業界裏話ヒント:この強制加入こそが弁護士自治の前提です。全員が同じ自治組織に属するから、政府を介さず同業者間で品位保持と監督ができる。税理士会や行政書士会なども同様の強制加入制で、士業の独立性を支える共通の仕組みになっている
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| 規定する内容 | 弁護士法 31 条:弁護士会の目的と法人格(自治の基礎) | — |
| 果たす機能 | 監督主体を国家から切り離す土台 | — |
| 依頼者との接点 | 弁護士が権力に屈しない理由の根拠 | — |
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