要点弁護士法 42 条は、弁護士会が日弁連の諮問に答申する義務を負い、司法事務に関して官公署に建議できることを定める。訴訟によらない制度的な意見表明の回路である。
Q · 弁護士会って、役所に正式に意見を言えるんですか?
はい、建議という形で官公署に正式に意見できます
弁護士法 42 条 2 項により、弁護士会は弁護士・弁護士法人の事務その他の司法事務に関して、官公署に建議し、又はその諮問に答申できます。建議とは『こうすべきだ』と正式に意見を述べることです。1 項では、日弁連からの諮問・協議に対する答申が義務とされます。建議に法的拘束力はありませんが、人権救済申立を通じた官公署への勧告・建議は公的記録に残り、行政が無視しづらい圧力となります。
弁護士会と聞いて思い浮かぶのは、弁護士の登録を管理し、不祥事を起こした弁護士を懲戒する組織、その程度ではないか。だがこの条文は、弁護士会のもう一つの顔を映し出す。国家に向かって物を言う顔だ。第一項は、日本弁護士連合会(日弁連)から諮問や協議を受けたとき、弁護士会は答申しなければならないと定める。これは内部の義務。問題は第二項だ。弁護士会は、弁護士や弁護士法人の事務、その他の司法事務について、官公署(国や地方自治体などの役所)に建議できる。建議とは、こうすべきだと正式に意見を述べること。つまり弁護士会は、訴訟という武器を使わずとも、制度として役所に直接物申す権限を持つ。そしてあなたにとっての接点はここだ。留置場の処遇、入管の対応、行政の不作為、訴訟にするには重すぎる理不尽が、弁護士会の人権擁護の回路を通じて、この建議という公的な形に化けることがある。
弁護士法 42 条は、弁護士会の答申義務及び建議権を定める規定である。第一項は日本弁護士連合会からの諮問・協議事項に対する答申義務を、第二項は弁護士及び弁護士法人の事務その他の司法事務に関する官公署への建議権及び諮問への答申権を規律する。職能団体が公権力に意見を表明する制度的基盤として機能する。
弁護士会の答申義務と建議権を定めた条文です。1 項は日弁連の諮問への答申義務、2 項は司法事務について官公署に建議し諮問に答申できる権限を規律します。
各地の弁護士で構成される自治組織で、弁護士の登録・指導監督に加え、人権擁護や官公署への建議も担います。弁護士法 31 条に目的が定められています。
弁護士会に置かれ、人権救済の申立てを調査する委員会です。調査の結果、官公署への勧告や建議(42 条 2 項が支える機能)につながることがあります。
弁護士会は各地域の団体、日弁連はそれらを束ねる全国組織です。42 条 1 項では、弁護士会が日弁連からの諮問に答申する義務を負います。
官公署、つまり国や地方自治体などの役所に対して行われます。司法事務に関する意見を、訴訟によらず制度的に届ける回路です。
裁判・捜査・矯正・行刑など司法に関わる事務全般を指します。留置場の処遇や入管の対応など、司法に関連する行政運用も対象になり得ます。
日弁連から諮問又は協議を受けたときに生じます(42 条 1 項)。これは弁護士会の応答義務であり、自由な発信である 2 項の建議とは性質が異なります。
地元弁護士会の人権擁護委員会へ人権救済を申し立てる方法があります。費用は基本かからず、調査を経て官公署への勧告・建議につながる可能性があります。
条件次第で、その回路はある。弁護士会の人権擁護委員会に人権救済を申し立てると、調査の上で官公署への建議や勧告(弁護士法42条2項が支える機能)につながりうる。費用は基本かからず、申立てに弁護士をつける必要もない。業界裏話ヒント:勧告に法的強制力はないが、公表されることが多く、行政側は無視しづらい。報道される事例もあり、訴訟より軽い負担で公的な圧力を生める
確かに法的拘束力はない。だが意味は別のところにある。建議や意見書は立法事実として記録され、後の訴訟で参照され、世論形成の起点になる(弁護士法42条2項の建議、弁護士法1条の使命と連動)。業界裏話ヒント:重要法案では、弁護士会の意見書が国会審議や裁判所の判断で実際に引用されることがある。すぐ効かなくても、数年単位で効いてくる遅効性の手だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機能 | 42 条:国家・官公署への意見表明(答申・建議) | — |
| 方向 | 弁護士会 → 官公署(外向きの発信) | — |
| 拘束力 | 建議に法的拘束力はない(公的記録としての圧力) | — |
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