要点弁護士法 64 条の 2 は、弁護士会の不処分決定に対する異議を日弁連の綱紀委員会が審査し、相当と認めれば決定を取り消して事案を原弁護士会に差し戻すことを定める。
Q · 弁護士会に「処分しない」と言われたら、もう懲戒は諦めるしかないの?
いいえ、日弁連に異議を申し出れば再審査されます
弁護士法 64 条の 2 により、原弁護士会が不処分とした決定や手続を遅延させたことに対し、懲戒請求者は日弁連に異議を申し出ることができ、日弁連の綱紀委員会が審査します。相当と認められれば不処分決定が取り消され、事案が原弁護士会に差し戻されて懲戒委員会で再審査されます(同条 2 項・3 項)。遅延の場合は速やかに手続を進めるよう命じられます(同条 4 項)。一枚の不処分通知は終着点ではありません。
信頼して大金を預けた弁護士が、約束した仕事をせず、連絡もよこさない。腹を立てて弁護士会に懲戒請求を出した。数か月後に届いたのは「懲戒しないことに決めました」という一枚の通知だった。多くの人はここで諦める。身内が身内をかばう世界に、素人が一人で挑んでも無駄だと感じるからだ。だが弁護士法64条の2は、その通知が終着点ではないと定めている。あなたは日本弁護士連合会(日弁連、全国の弁護士会の親組織)に異議を申し出ることができ、日弁連の綱紀委員会(こうきいいんかい、懲戒に値するか入口で振り分ける審査機関)がその異議を審査する。重要なのは、この委員会が「地元の弁護士会の判断は不当だ」と認めれば、不処分の決定そのものを取り消し、事案を地元に差し戻して、もう一度懲戒委員会で本格審査させられる点だ。弁護士会が手続を引き延ばしているだけのときも、速やかに進めろと命じられる。あなたが突き返された一枚の紙は、ひっくり返せる。
弁護士法 64 条の 2 は、原弁護士会の不処分決定又は懲戒手続の遅延に対する異議の申出について、日本弁護士連合会の綱紀委員会が審査する手続を定める規定である。審査の結果、相当と認めるときは不処分決定を取り消して事案を原弁護士会に差し戻し、又は速やかな手続進行を命じ、理由がなければ却下又は棄却の議決をする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
弁護士に非行があると考える者が、その弁護士の所属弁護士会に懲戒を求める制度です。誰でも請求でき、弁護士会が調査のうえ処分の要否を判断します(弁護士法 58 条)。
日本弁護士連合会に置かれ、懲戒手続の入口で事案を審査・振り分ける機関です。異議の申出を審査し、原弁護士会の不処分を取り消すかどうかを議決します(弁護士法 64 条の 2)。
原弁護士会ではなく、日本弁護士連合会(日弁連)に提出します。受理されると日弁連の綱紀委員会の審査に回されます(弁護士法 64 条の 2 第 1 項)。
弁護士法 64 条に法定の期間制限があります。不処分を知った後の一定期間内に申し出る必要があり、期限を過ぎると不適法として却下されます。通知書の教示欄と最新条文を必ず確認してください。
原弁護士会の不処分決定が取り消され、事案が原弁護士会に送付されます。原弁護士会はその懲戒委員会に審査を求めなければならず、本格的な懲戒審査が始まります(64 条の 2 第 2 項・3 項)。
相当の期間内に手続を終えないことへの異議を日弁連に申し出られます。理由ありと認められれば、日弁連が原弁護士会に速やかに手続を進めるよう命じます(64 条の 2 第 4 項)。
綱紀委員会は日弁連が異議を審査する機関、綱紀審査会は市民(学識経験者)が加わり、綱紀委員会の棄却後にさらに審査する機関です(弁護士法 64 条の 3)。
代理人を立てずに本人で申し出ることもできます。ただし手続要件の指摘が結果を左右するため、書面の作成段階で弁護士に相談すると差し戻しの確度が上がります。
諦めるのは早い。弁護士法64条の2に基づき、日弁連に異議を申し出れば、日弁連の綱紀委員会が地元会の不処分判断を審査し直す。理由ありと認められれば不処分決定が取り消され、地元会に差し戻されてもう一度懲戒委員会の審査にかかる。業界裏話ヒント:多くの人が最初の不処分通知で引き下がるため、この異議ルートは存在自体があまり知られていない。期限内に出すかどうかだけで、再審査に進めるか永久に閉じるかが決まる
その懸念に制度自体が答えている。日弁連の綱紀委員会には弁護士以外の外部委員も加わる。さらにそこでも棄却された場合、64条の3の綱紀審査会という市民(学識経験者)で構成される審査体に綱紀審査を申し出る道が残る。業界裏話ヒント:この市民パネルは、まさに「身内が身内をかばう」批判への歯止めとして設けられた仕組み。弁護士だけの判断を、外部の目で覆せる最後のルートが用意されていることを知っている人は少ない
取れない。懲戒は弁護士を制裁し業界の規律を守る制度で、あなたの金銭的損害を回復する制度ではない。預けたお金や被った損害を取り戻すには、別途、民法709条(不法行為)や415条(債務不履行)による損害賠償請求を起こす必要がある。業界裏話ヒント:懲戒手続で集まった事実関係や、懲戒で認定された事実は、後の損害賠償訴訟で有力な証拠材料として使える。懲戒と賠償を別物と切り分けつつ、懲戒の結果を民事の武器に転用するのが実務の組み立て方
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機関の役割 | 64 条の 2:日弁連の綱紀委員会による異議の審査・差し戻し | — |
| 発動の起点 | 原弁護士会の不処分・手続遅延に対する異議の申出 | — |
| 判断の効果 | 不処分決定の取消・差し戻し、又は速やかな手続進行命令 | — |
| 委員の構成 | 弁護士に加え外部委員が参加 | — |
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