要点弁護士法 64 条の 4 は、市民で構成する綱紀審査会が出席委員の 3 分の 2 以上で審査相当と議決すれば、日弁連の不処分決定を取り消し事案を懲戒委員会へ差し戻すと定める。
Q · 弁護士会に懲戒請求しても「処分しない」とされたら、もう本当に終わりですか?
いいえ、市民の綱紀審査会が覆せます
弁護士法 64 条の 4 により、市民で構成する綱紀審査会が「懲戒委員会で審査すべき」と出席委員の 3 分の 2 以上で議決すれば、日本弁護士連合会の不処分・棄却決定は取り消され、事案は原弁護士会の懲戒委員会へ強制的に差し戻されます。ただし議決自体に懲戒処分を下す力はなく、できるのは決定の取消しと差し戻しまでです。なお綱紀審査の申出には前段階として異議の申出(64 条)を経ている必要があります。
信頼して着手金まで払った弁護士に連絡を絶たれ、金も仕事も返ってこない。弁護士会に懲戒請求をしたが、届いたのは「懲戒しない」の一通。日弁連に異議を申し出ても棄却。ここで諦める人が大半だ。だが弁護士法64条の4は、その先にもう一枚の扉を残している。綱紀審査会、つまり弁護士でも裁判官でもない一般市民11人で構成される委員会が、その身内に甘く見える決定を審査する。委員の3分の2以上が「やはり懲戒手続にかけるべきだ」と議決すれば、日弁連の決定は取り消され、案件は強制的に元の弁護士会の懲戒委員会へ差し戻される。資格者集団の自浄作用に、外部の市民が直接メスを入れられる、日本でも数少ない制度だ。検察審査会が検察の不起訴を覆すのと、同じ発想がここに埋め込まれている。
弁護士法 64 条の 4 は綱紀審査会の議決の効果を定める規定であり、綱紀審査会が懲戒委員会への審査を相当と認める場合は出席委員の 3 分の 2 以上で議決し、これに基づき日本弁護士連合会の不処分・棄却決定が取り消され、事案が原弁護士会へ差し戻される手続を規律する。不適法な申出の却下、議決不成立による棄却の各効果も併せて定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
弁護士・裁判官・検察官・政府職員を除いた一般市民 11 人で構成され、弁護士懲戒の最終段階を審査する委員会です(弁護士法 71 条の 2)。専門家自治の最後の歯止めとして設計されています。
日弁連の異議却下・棄却通知を受けた日の翌日から 30 日の不変期間内です(弁護士法 64 条の 3 第 2 項)。不変期間のため延長は原則認められません。
弁護士・裁判官・検察官・政府職員を除く一般市民から日弁連が委嘱します。専門家を点検するのが専門家でない点が制度の核心です。
審査相当の議決は出席した委員の 3 分の 2 以上の多数が必要です(弁護士法 64 条の 4 第 1 項)。過半数ではなく特別多数が求められます。
日弁連が不処分・棄却決定を取り消し、事案を原弁護士会へ送付します。原弁護士会は懲戒委員会へ審査を求めなければなりません(同条 2 項・3 項)。
懲戒請求をして弁護士会・日弁連に退けられた請求者本人です。前提として異議の申出(64 条)を経ている必要があります。
どちらも市民が専門家集団の判断を覆す制度ですが、検察審査会は検察の不起訴を、綱紀審査会は弁護士の不処分決定を対象とします。発想は同じです。
まず日弁連へ異議の申出(64 条)、さらに棄却されたら 30 日以内に綱紀審査の申出(64 条の 3)です。多くの人が一段目で諦めます。
いいえ、二段階の救済が残っています。まず日弁連に異議を申し出(64条)、それも棄却されたら綱紀審査の申出(64条の3)です。綱紀審査会が委員の3分の2以上で審査相当と議決すれば、案件は懲戒委員会へ差し戻されます。業界裏話ヒント:弁護士の多くは、依頼者がこの異議から綱紀審査への二段ロケットを最後まで使い切らないことを経験的に知っている。一段目の棄却で大半が諦めるからだ。期限内に二段目まで進む請求者は、それだけで本気度が伝わる。
そこが誤解の核心です。綱紀審査会の委員11人は、弁護士・裁判官・検察官・政府職員を除いた一般市民から日弁連が委嘱します(弁護士法71条の2)。専門家を審査するのは専門家ではなく市民です。業界裏話ヒント:この構造は検察審査会と同じで、専門家集団の判断を素人の常識で点検させる狙いがある。だから申出書は法律論を競うより、何をされてどう困ったかを生活者の言葉で書く方が、委員の共感を得やすい。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の段階 | 64 条の 4:綱紀審査会の議決とその効果(最終段階) | — |
| 判断の主体 | 一般市民 11 人の綱紀審査会 | — |
| 必要な要件・多数 | 審査相当は出席委員の 3 分の 2 以上の多数 | — |
| 効果 | 決定を取消し原弁護士会へ差し戻し(懲戒委員会で再審査) | — |
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