弁護士法 第64条の7(懲戒の手続に関する通知)
クイックジャンプ
- 弁護士会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。
- 一綱紀委員会に事案の調査をさせたとき又は懲戒委員会に事案の審査を求めたとき1その旨及び事案の内容2
- 二対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき1その旨及びその理由2
- 三懲戒委員会又はその部会が、同一の事由について刑事訴訟が係属していることにより懲戒の手続を中止したとき又はその手続を再開したとき1その旨2
- 四懲戒の手続に付された弁護士が死亡したこと又は弁護士でなくなつたことにより懲戒の手続が終了したとき1その旨及びその理由2
- 2.日本弁護士連合会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者及び対象弁護士等の所属弁護士会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。
- 一綱紀委員会に事案の調査をさせたとき又は懲戒委員会に事案の審査を求めたとき1その旨及び事案の内容2
- 二対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき1その旨及びその理由2
- 三綱紀委員会に異議の審査を求めたとき、綱紀審査会に綱紀審査を求めたとき又は懲戒委員会に異議の審査を求めたとき1その旨2
- 四第六十四条の二第二項又は第六十四条の四第二項の規定により原弁護士会に事案を送付したとき1その旨及びその理由2
- 五原弁護士会に対し、速やかに懲戒の手続を進め、対象弁護士等を懲戒し、又は懲戒しない旨の決定をするよう命じたとき1その旨及びその理由2
- 六異議の申出を却下し、又は棄却する決定をしたとき1その旨及びその理由2
- 七綱紀審査の申出を却下し、又は棄却する決定をしたとき1その旨及びその理由2
- 八懲戒委員会又はその部会が、同一の事由について刑事訴訟が係属していることにより懲戒の手続を中止したとき又はその手続を再開したとき1その旨2
- 九懲戒の手続に付された弁護士が死亡したこと又は弁護士でなくなつたことにより懲戒の手続が終了したとき1その旨及びその理由2
この条文の基本情報
懲戒の手続に関する通知とは何ですか?
定義懲戒の手続に関する通知とは、弁護士法第64条の7に定められた規定で、「弁護士会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会及び日本弁護士連…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第64条の7(懲戒の手続に関する通知)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第64条の7の条文原文は「弁護士会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会及び日本弁護士連…」で始まります。
- 弁護士法第64条の7は第二節 懲戒請求者による異議の申出等に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第64条の7の前の条は弁護士法第64条の6です。
- 弁護士法第64条の7の次の条は弁護士法第65条です。
- 弁護士法第64条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第64条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第64条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/64_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法64条の7は、弁護士会と日弁連が懲戒手続の節目ごとに当事者へ書面通知する義務を定める。「懲戒しない」決定の通知日は、60日の異議申出期間の起算点になる。
Q · 弁護士会に懲戒請求したあと、結果や途中経過は教えてもらえるの?
はい、節目ごとに書面で通知されます
弁護士法64条の7により、弁護士会と日弁連は懲戒手続の節目ごとに書面で通知する義務を負います。具体的には、綱紀委員会への調査開始・懲戒委員会への審査付託(その旨と事案の内容)、「懲戒しない」決定(その旨と理由)、刑事訴訟係属による中止・再開、対象弁護士の死亡・資格喪失による終了です。重要なのは、「懲戒しない」通知を受けた日の翌日から60日が、日弁連への異議申出の起算点になる点です(弁護士法64条)。
解説
弁護士に懲戒請求を出したことがあるだろうか。あるいは、これから出そうとしているか。弁護士法64条の7は、その手続の途中であなたの身に何が起きているかを、弁護士会が書面で知らせる義務を定めている。事案が綱紀委員会の調査に回ったとき、懲戒委員会の審査にかかったとき、刑事裁判の係属で手続が中止・再開したとき、そして「懲戒しない」決定が出たとき、弁護士会はあなたに書面で通知しなければならない。ここが急所だ。「懲戒しない」という通知には必ず理由が付く。そしてその通知を受け取った日が、あなたが日弁連へ異議を申し出る期限の起算点になる。この一通を引き出しにしまい込めば、たとえ弁護士会の判断に穴があっても、あなたの不服申立ての道は静かに閉じていく。通知の意味を知る者と知らない者は、同じ封筒を受け取って正反対の行動をとる。
法的な位置づけ
弁護士法64条の7は、弁護士会および日本弁護士連合会が懲戒手続の進行段階に応じて、対象弁護士等・懲戒請求者・関係する弁護士会に対し、所定の事項を書面により通知すべき義務を定める規定である。調査開始、審査付託、刑事訴訟係属による中止・再開、手続終了、および懲戒しない旨の決定がその対象であり、懲戒手続の透明性と不服申立ての起算点を担保する手続規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.懲戒請求を弁護士会へ書面で提出 対象弁護士の非行を、具体的な事実と裏付け証拠で特定して弁護士会に書面で提出する(弁護士法58条)。最初の請求書に証拠を詰め込めたかで結論はほぼ決まるため、ここに全力を注ぐ
- 2.調査開始通知で『事案の内容』を把握 64条の7により綱紀委員会への調査開始・懲戒委員会への審査付託の通知が届く。示された『事案の内容』を読めば、弁護士会が何を争点と捉えたかが分かるので、補充資料の方向性を定める
- 3.『懲戒しない』通知の日付を確認し期限を記入 「懲戒しない」通知を開封したその日に、翌日起算で60日後の異議申出期限をカレンダーへ書き込む。感情で即返すより、理由書の論理の穴を突く準備時間を確保するほうが異議は通りやすい
- 4.60日以内に日弁連へ異議を申し出る 通知の理由書を精読し、論理の穴・証拠評価の誤りを特定したうえで、翌日から60日以内に日本弁護士連合会へ異議を申し出る(弁護士法64条)。期限経過で救済の道は完全に閉じる
- 5.棄却されたら綱紀審査会へ綱紀審査を申し出る 日弁連が異議を却下・棄却した場合、市民が参加する綱紀審査会への綱紀審査を申し出る二段目の救済を検討する。こちらにも期間制限があるため、棄却通知の日付を再び起点として管理する
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士法64条の7とはどんな規定ですか?
弁護士会と日弁連が、懲戒手続の節目(調査開始・審査付託・中止再開・終了・懲戒しない決定)ごとに、対象弁護士・懲戒請求者へ書面で通知する義務を定めた規定です。
Q2懲戒しない決定の通知はいつ届きますか?
弁護士会が「懲戒しない」と決定したとき、速やかにその旨と理由が書面で通知されます。この通知の到達日が、異議申出期間の起算点になるため日付が重要です。
Q3弁護士懲戒の異議申出の期限は何日ですか?
懲戒しない旨の通知を受けた日の翌日から起算して60日以内です(弁護士法64条)。1日でも過ぎると日弁連への異議申出はできなくなります。
Q4綱紀委員会と懲戒委員会の違いは何ですか?
綱紀委員会は懲戒に付すべきか否かを調査する入口の機関、懲戒委員会は実際に懲戒処分の当否を審査する機関です。多くの請求は綱紀委員会段階で終わります。
Q5弁護士への懲戒請求は依頼者でなくてもできますか?
できます。弁護士法58条により懲戒請求は「何人も」可能で、裁判の相手方や第三者も請求できます。64条の7の通知を受ける懲戒請求者にこれらの人も含まれます。
Q6綱紀審査会とは何ですか?
市民で構成され、日弁連が異議を認めなかった場合に、なお懲戒相当か否かを審査する機関です。弁護士自治への市民参加を担保する二段目の救済ルートです。
Q7刑事裁判が進行中だと懲戒手続はどうなりますか?
同一の事由で刑事訴訟が係属している場合、懲戒委員会は懲戒手続を中止できます。中止・再開のいずれもその旨が書面で通知されます(64条の7第1項3号)。
Q8弁護士が廃業したら懲戒手続はどうなりますか?
対象弁護士が死亡し、または弁護士でなくなった場合、懲戒手続は終了します。その旨と理由が書面で通知されます(64条の7第1項4号)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に懲戒請求したのに、ずっと連絡がないんですが、放置されてるんですか?
放置でない可能性が高いです。弁護士法64条の7は、綱紀委員会の調査に回した時点で「その旨及び事案の内容」を書面通知する義務を弁護士会に課しています。通知が来ないなら、まだ受理・割当て段階か書面の行き違いも考えられるので、弁護士会に進捗照会を。実務のポイント:懲戒請求の大多数は綱紀委員会の段階で「懲戒委員会に審査を求めない(=懲戒しない)」で終わります。だからこそ届く『懲戒しない』理由書をどう崩すかが本番で、最初の請求書に証拠を詰め込めたかで勝負はほぼ決まっている
Q2「懲戒しない」って通知が来ました。もう打つ手はないんでしょうか?
あります。その通知の翌日から60日以内なら、日本弁護士連合会に異議を申し出られます(弁護士法64条)。異議も認められなければ、市民で構成される綱紀審査会への綱紀審査の申出という二段目の救済も残っています。実務のポイント:多くの請求者はこの通知を『単なる不受理の連絡』と誤解して諦めますが、これは理由が書面に残る正式な決定です。その理由の論理の穴を突いて異議で覆すのが定石で、期限を1日でも過ぎれば道は完全に閉じる(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「懲戒請求は弁護士会が勝手に進めて、結果だけ後から通知される」と思われがちだが、64条の7は調査開始・審査付託・中止再開・終了まで、段階ごとの書面通知を義務づけている。途中経過が見える設計になっている
- 「懲戒しない通知が来たら終わり」と知っている人は多いが、その通知が60日の異議申出期間の起算点だという深刻さまで知る人は少ない。読み流した数日が、不服申立ての権利そのものを溶かしていく
- 「自分は依頼者じゃないから懲戒請求なんてできない」という前提そのものが誤り。懲戒請求は何人もできる(弁護士法58条)。だからこの通知を受け取る『懲戒請求者』には、裁判の相手方や第三者も含まれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 64条の7:手続の節目を当事者へ書面通知 | 58条:懲戒請求の提出と調査の起点 64条:懲戒しない決定への異議申出 |
| 誰のための規定か | 懲戒請求者・対象弁護士の両方(情報保障) | 懲戒請求者(請求の入口) 懲戒請求者(不服申立ての救済) |
| 起算点との関係 | 「懲戒しない」通知日が異議の起算点を生む | 懲戒事由から3年で開始不可(63条) 通知の翌日から60日以内に申出 |
| 次の一手 | 通知を読み解き異議・綱紀審査へ接続 | 綱紀委員会の調査開始へ 棄却なら綱紀審査会へ(64条の3) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師懲戒委員会の決定を当事者へ通知し、不服があれば覆審を請求できる構造をとる。市民参加型の二段目救済という設計思想は日本の綱紀審査会と問題意識が近い。
韓国も弁護士に対する懲戒手続と決定の通知・異議の仕組みを置く。懲戒委員会と不服申立ての二層構造である点が共通する。
ドイツの弁護士懲戒は弁護士裁判所(Anwaltsgericht)による裁判的手続で、決定の送達と上訴の仕組みが整備されている。日本より司法手続化が進んでいる点が対照的。
米国は州ごとの弁護士会・州最高裁が懲戒を担い、苦情申立人への手続進行の通知や不服の取扱いを各州規則で定める。連邦統一ルールはなく州ごとに差がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 弁護士会の『懲戒しない』通知が届いたとき、それで一巻の終わりだと思っていないか。理由に納得できなければ、通知の翌日から60日以内に日弁連へ異議を申し出られる。封筒に押された日付こそ、あなたの不服申立ての賞味期限だ(最新の改正状況をご確認ください)
- あなたが弁護士で、身に覚えのない懲戒請求をかけられた。綱紀委員会の調査開始通知には、事案の内容まで書面で示される。何を問題視されているかが明文で分かるからこそ、ここから防御の組み立てが始められる
- 同じ事件で刑事裁判が進行中だと、懲戒手続はいったん中止される。その旨も書面で届く。沈黙は放置ではなく、法律上の中止だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 懲戒請求は弁護士会に書面で提出(弁護士法58条)、相手の非行を具体的事実と証拠で特定する2. 64条の7により調査開始・審査付託の通知が届くので、示された『事案の内容』で弁護士会の争点を把握3. 『懲戒しない』通知が来たら理由を精読し、通知の翌日から60日以内に日弁連へ異議を申し出る4. 異議も棄却されたら、市民で構成される綱紀審査会への綱紀審査を申し出る二段目の道がある(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 調査開始通知に示された『事案の内容』を熟読し、何を問題視されたか正確に把握2. 綱紀委員会の調査段階で、事実関係の弁明と裏付け資料を早期に提出する3. 同一事由で刑事訴訟が係属していれば懲戒手続の中止を視野に入れる4. 弁護士会の処分に不服なら日弁連への審査請求、さらに東京高裁での取消訴訟まで争える。懲戒は資格に直結するので、法曹倫理・懲戒事件に強い代理人を立てる
時効(請求できる期限):懲戒請求者の異議申出は、懲戒しない旨の通知を受けた日の翌日から起算して60日以内(弁護士法64条)。綱紀審査の申出にも同様の期間制限がある。懲戒の手続自体には、懲戒事由があったときから3年で開始できなくなる期間制限がある(弁護士法63条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:64条の7の書面通知義務は、弁護士自治に基づく密行的な懲戒手続に対し、当事者への情報保障と不服申立ての起算点の明確化という適正手続的要請を組み込んだ手続規定であると理解されている。とくに『懲戒しない』決定への理由付記は、後の異議審査における説明責任を担保するものと位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年) 弁護士懲戒制度改革(平成15年法律第128号)で新設。市民が参加する綱紀審査会の創設とあわせ、懲戒手続の節目を当事者へ書面通知する透明化規定として導入された
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:弁護士懲戒制度改革(平成15年法律第128号)により新設。市民が参加する綱紀審査会の創設とあわせ、懲戒手続の各段階を当事者へ書面通知する透明化規定として導入された。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める