弁護士法 第64条の6(懲戒の処分の通知及び公告)
クイックジャンプ
- 弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒するときは、対象弁護士等に懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。
- 2.弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒したときは、速やかに、弁護士会にあつては懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に、日本弁護士連合会にあつては懲戒請求者及び対象弁護士等の所属弁護士会に、懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。
- 3.日本弁護士連合会は、弁護士会又は日本弁護士連合会が対象弁護士等を懲戒したときは、遅滞なく、懲戒の処分の内容を官報をもつて公告しなければならない。
この条文の基本情報
懲戒の処分の通知及び公告とは何ですか?
定義懲戒の処分の通知及び公告とは、弁護士法第64条の6に定められた規定で、「弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒するときは、対象弁護士等に懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第64条の6(懲戒の処分の通知及び公告)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第64条の6の条文原文は「弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒するときは、対象弁護士等に懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。」で始まります。
- 弁護士法第64条の6は第二節 懲戒請求者による異議の申出等に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第64条の6の前の条は弁護士法第64条の5です。
- 弁護士法第64条の6の次の条は弁護士法第64条の7です。
- 弁護士法第64条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第64条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第64条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/64_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法64条の6は、懲戒した弁護士会又は日弁連が対象弁護士本人と懲戒請求者へ処分の内容と理由を書面で通知し、日弁連が処分の内容を官報で公告すべきことを定める。
Q · 弁護士を懲戒請求したら、結果はどう知らされるの?官報にも載る?
本人と請求者へ書面で通知され、処分は官報で公告されます
弁護士法64条の6により、弁護士会や日弁連が弁護士を懲戒すると、対象弁護士本人と懲戒請求者の双方へ、処分の内容と理由が書面で通知されます。さらに日弁連は処分の内容を官報で公告します。これは戒告など最も軽い処分でも同じです。書面通知が届いた日は、対象弁護士の審査請求(64条)や請求者の異議申出(64条の2)の起算点になるため、到達日を必ず記録してください。
解説
弁護士に泣かされた経験がある人なら、一度は「この弁護士を懲戒できないか」と考えたことがあるだろう。懲戒請求を出して数か月、弁護士会から一通の書面が届く。それが64条の6の保障する通知だ。本条は三つの場面を定める。第一に、懲戒された弁護士本人へ、処分の内容と理由が書面で通知される。第二に、懲戒を請求したあなたにも、結果と理由が書面で届く。第三に、日弁連は処分の内容を官報で公告する。この三段構えには、あなたが見落としがちな武器が二つ隠れている。理由が書面で示されるということは、その理由が薄ければ争えるということ。そして官報公告は、戒告ひとつでも永久に残る。弁護士を雇う前に相手の懲戒歴を調べたいなら、その入口はここにある。
法的な位置づけ
弁護士法64条の6は、弁護士に対する懲戒処分の通知および公告の手続を定める規定である。懲戒した弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象弁護士本人と懲戒請求者へ処分の内容及び理由を書面で通知し、日本弁護士連合会は処分の内容を官報により公告する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の到達日と封筒を保全 弁護士会・日弁連から処分の通知書が届いたら、到達日をメモし、消印のある封筒や配達記録も保管する。後で起算点が争いになったとき、到達日を裏づける証拠になる
- 2.処分の内容と理由を精読 通知書の処分の種類(戒告・業務停止・退会命令・除名)と理由欄を精読し、自分が請求した事実が判断されているか、認定事実と適用条文が具体的かを確認する
- 3.不服なら期間内に審査請求・異議申出 対象弁護士は処分に不服なら到達日から所定期間内に日弁連へ審査請求(64条)、懲戒請求者は結果や不処分に不服なら異議申出(64条の2)・綱紀審査申出(64条の3)を行う
- 4.懲戒歴の確認・損害回復は別ルート 依頼前の懲戒歴は日弁連の懲戒処分検索システムで確認する。失った金銭の回復は懲戒とは別物であり、弁護士に対する損害賠償請求(民法709条・415条)を別途検討する
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士の懲戒処分の種類は?
戒告・業務停止・退会命令・除名の4種があり(弁護士法57条)、いずれも64条の6第3項により官報で公告されます。最も軽い戒告でも記録は残ります。
Q2弁護士の懲戒歴はどこで調べられる?
日弁連の懲戒処分検索システムで確認できます。64条の6第3項の官報公告が情報源で、契約前のデューデリジェンスにも使えます。
Q3懲戒請求の結果はいつ届く?
懲戒した場合は速やかに、請求者へ処分の内容と理由が書面で通知されます(64条の6第2項)。その到達日が異議申出の起算点になります。
Q4弁護士の審査請求はいつまでにできる?
処分の通知が到達した日から所定期間内に日弁連へ審査請求します(64条)。起算点は到達日なので、封筒や配達記録の保管が重要です。
Q5弁護士法64条の6とは何ですか?
懲戒処分の本人・請求者への書面通知と、日弁連による官報公告を義務づける規定です。書面通知は不服申立ての起算点になります。
Q6戒告を受けた弁護士に依頼しても大丈夫?
戒告は最も軽い処分ですが、過去歴は官報と日弁連の懲戒処分検索で確認できます。通知理由を読み、判断材料にすることができます。
Q7懲戒の理由は書面でもらえますか?
もらえます。64条の6第1項・2項は処分の内容だけでなく理由も書面で通知すると定めます。理由が抽象的なら争う手がかりになります。
Q8弁護士の懲戒と損害賠償は同じですか?
違います。懲戒は弁護士への制裁であり、被害の回復には別途、損害賠償請求(民法709条等)という別の手続が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1戒告って一番軽い処分ですよね? それでも官報に載るんですか?
載ります。弁護士法64条の6第3項により、日弁連は処分の種類を問わず官報で公告します。戒告は最も軽い処分(弁護士法57条)ですが、官報公告と日弁連の懲戒処分検索システムへの掲載は同じ扱いです。実務のポイント:官報公告は消えず、ネット上の二次サイトにも転載されるため、一度載れば実務上ほぼ消せません。だからこそ弁護士にとっては、確定する前の段階での解決が死活的に重要になります。
Q2懲戒請求を出したのに「不処分」の通知が来ました。もう打つ手なしですか?
まだあります。不処分(懲戒しない決定)に不服があれば、日弁連への異議の申出、さらに綱紀審査会への綱紀審査の申出(弁護士法64条の3)という手続が用意されています。実務のポイント:綱紀審査会は法律家以外の市民で構成され、弁護士会の身内判断を覆せる数少ない仕組みです。請求者がこの存在を知っているかどうかで、そこで諦めるか戦い続けるかが分かれます。
間違えやすい点 AI による整理
- 「懲戒されたら弁護士資格は剥奪される」と思われがちだが、懲戒には戒告、業務停止、退会命令、除名の四種があり(弁護士法57条)、最も軽い戒告では資格は失われない。ただし官報公告はどの処分でも等しく行われる。軽い処分でも記録は永久に残る
- 懲戒請求者なら結果通知が来ること自体は知っていても、その通知が「異議の申出」の起算点だと知らない人が多い。通知を手にして結果に安心し、引き出しにしまった瞬間、不服を申し立てる窓口が時間切れで閉じていく。知っていることと、期限を握っていることは別物だ
- 「弁護士を懲戒できれば、自分の損害も取り戻せる」と考える人がいるが、問いの立て方そのものが誤っている。懲戒は弁護士への制裁であって、あなたへの賠償ではない。失った金銭を取り戻すには、別途、損害賠償請求(民法709条、415条)という別の戦場が要る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 64条の6:懲戒の本人・請求者への書面通知と官報公告 | 64条:対象弁護士の審査請求 64条の2:懲戒請求者の異議申出 |
| 誰のための手続か | 弁護士会・日弁連に課された通知・公告義務 | 処分を受けた対象弁護士の不服申立て 懲戒を求めた請求者の不服申立て |
| 64条の6との関係 | 起算点となる書面通知そのものを定める | 64条の6の通知到達日が審査請求の起算点 64条の6の通知到達日が異議申出の起算点 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師懲戒委員会の懲戒決議を当事者へ送達し、懲戒処分を公告する仕組みを持つ。弁護士自治と透明性の調整という構造は日本と類似する
韓国も大韓弁護士協会による징계처분を当事者へ通지し公고する。不服申立て手続が用意されている点も日本に近い
ドイツは弁護士の懲戒を職業裁判所(anwaltliche Berufsgerichtsbarkeit)が扱い、決定は当事者へ通知される。司法的手続として組成される点が日本と異なる
米国は州ごとの bar が懲戒を運営し、公開処分は一般に公示される。州により公開範囲と手続が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼した弁護士が着手金だけ取って動かない。懲戒請求を出して半年、ようやく「戒告」の通知書が届いた。だが理由を読むと納得いかない。あなたが不服を申し立てられる期間は、その通知が届いた日から動き出す。放置すれば異議の道は静かに閉じる
- あなたが弁護士で、業務停止三か月の通知を受け取ったとする。残された時間は数か月。この期間内に日弁連へ審査請求しなければ処分は確定し、官報に名前が載る。通知書の「理由」欄こそ、反論を組み立てる設計図だ。今夜から読み込む
- もし、これから高額な顧問契約を結ぶ弁護士に過去の懲戒歴があったとしたら? 官報公告と日弁連の懲戒処分検索で、契約前に確認できる。知らずに任せて同じ轍を踏むのは、あなた自身だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護士会から処分の通知書が届いたら、到達日を記録し封筒も保管2. 処分の内容(戒告か業務停止か等)と理由を精読し、自分が請求した事実が判断されているか確認3. 結果に不服なら所定の期間内に日弁連へ異議の申出(弁護士法64条の2)、不処分には綱紀審査の申出(同64条の3)という市民関与の道もある4. 失った金銭の回復は懲戒とは別物、弁護士に対する損害賠償請求を別途検討
訴えられた側:1. 通知書を受け取ったら理由欄を最優先で精査し、認定された事実と適用条文を特定2. 理由の記載が抽象的で具体性を欠くなら、理由不備を主張できる3. 処分に不服なら通知到達日から所定期間内に日弁連へ審査請求(弁護士法64条)、その裁決にも不服なら取消訴訟へ4. 業務停止等は確定後に官報公告される、確定前の和解的解決の余地も弁護人と詰める
時効(請求できる期限):審査請求も異議の申出も、処分の通知が到達した日が起算点。日弁連への審査請求は到達日から3か月以内が原則(行政不服審査法の例による)。1日でも過ぎれば不服申立ての道は閉じる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の書面通知は懲戒処分の効力発生や不服申立ての起算点を画する手続上の要件であり、理由の提示は適正手続の要請に基づく。理由の記載が認定事実を欠き抽象的な場合は理由不備として処分の適法性を争いうる、と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 改正:弁護士懲戒制度の抜本改革(平成15年法律第128号)に伴い、懲戒の通知・公告および綱紀審査会等の手続が整備された。対象弁護士本人・懲戒請求者への書面通知と官報公告の枠組みが明確化された。
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