弁護士法 第70条の8(綱紀委員会の議決書)
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綱紀委員会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。
この条文の基本情報
綱紀委員会の議決書とは何ですか?
定義綱紀委員会の議決書とは、弁護士法第70条の8に定められた規定で、「綱紀委員会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第70条の8(綱紀委員会の議決書)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第70条の8の条文原文は「綱紀委員会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。」で始まります。
- 弁護士法第70条の8は第四節 綱紀委員会に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第70条の8の前の条は弁護士法第70条の7です。
- 弁護士法第70条の8の次の条は弁護士法第70条の9です。
- 弁護士法第70条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第70条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第70条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/70_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法70条の8は、綱紀委員会が懲戒請求の議決をしたとき、速やかに理由を付した議決書を作成する義務を定める。この理由欄が日弁連への異議申出の検証材料となる。
Q · 弁護士を懲戒請求したけど却下された。理由書って必ずもらえるの?
はい、綱紀委員会は理由付きの議決書を作る義務があります
弁護士法70条の8により、弁護士会の綱紀委員会は懲戒請求について議決をしたとき、速やかに理由を付した議決書を作成しなければなりません。したがって「懲戒しない」との却下であっても、なぜそう判断したかの理由が文書で残されます。この理由欄は、結論に納得できない請求者が日弁連へ異議を申し出る際(弁護士法64条)の検証材料となり、理由の論理に欠落や矛盾があれば、それを突いて上級機関の再審査を促す手がかりになります。
解説
依頼した弁護士が、着手金だけ受け取って事件を放置した。あるいは、相手方とこっそり通じていた気配がある。そう確信して弁護士会に懲戒請求を出したのに、綱紀委員会から届いたのは「懲戒しない」という一枚の通知。多くの人はここで膝を折る。だが弁護士法70条の8は、綱紀委員会に対し、議決をしたら速やかに「理由を付した議決書」(なぜそう判断したのかを文章で説明した正式文書)を作ることを義務づけている。つまり、却下の根拠を彼らは言葉にして残さなければならない。この理由欄こそが、あなたが日弁連へ異議を申し出るときの攻撃目標になる。理由の論理に穴があれば、そこを突いて上の機関に判断をひっくり返させる。結論の一行だけ見て封筒をしまう人と、理由欄を一文ずつ読み込む人とでは、その後の一手がまるで違う。
法的な位置づけ
弁護士法70条の8は、弁護士会の綱紀委員会が懲戒請求事案について議決をした場合に、速やかに理由を付した議決書を作成すべき義務を定める規定である。議決書には結論のみならず判断の理由を記載することが求められ、懲戒する旨・懲戒しない旨いずれの議決についても適用される。理由付記は綱紀委員会の判断を外部から検証可能にし、不服申立て制度の前提を支える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.議決書は結論ではなく理由欄から読む 却下の議決書が届いたら、感情のまま封筒をしまわず、まず理由欄を構造で読む。自分が出した事実・論点ごとに「触れられた/黙殺された」を線で仕分けする
- 2.黙殺された論点と論理の穴を抽出する 理由欄が核心の主張に触れていない箇所、事実認定の誤り、論理の飛躍を箇条書きで抜き出す。この「判断の素通り」が異議申出の最大の攻め口になる
- 3.理由付記の不備を名指しして日弁連へ異議申出 「結論が不当」と叫ぶより、「主張したこの論点に理由欄が答えていない」と70条の8の理由付記義務が尽くされていないことを具体的に指摘して、日弁連へ異議を申し出る(64条)
- 4.締切と次段(綱紀審査会)を先に押さえる 異議申出には期間制限があるため、議決書到達日を起点に締切を真っ先に確認する。異議も退けられた場合は、市民委員が加わる綱紀審査会への審査申出を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1綱紀委員会とは何ですか?
各弁護士会と日弁連に置かれ、懲戒請求事案を調査して懲戒委員会の審査に付すかどうかを議決する機関です。弁護士法70条以下が根拠で、いわば懲戒手続の入口の審査を担います。
Q2弁護士への懲戒請求の流れは?
懲戒請求は所属弁護士会に対して行い(58条)、まず綱紀委員会が調査・議決します。懲戒相当なら懲戒委員会の本格審査へ、却下なら日弁連への異議申出(64条)に進みます。
Q3議決書はいつ届きますか?
70条の8は議決後「速やかに」理由を付した議決書を作成すると定めます。具体的な送達時期は事案や各会の運用によりますが、結論だけでなく理由が記載された文書が交付されます。
Q4懲戒請求が却下されたあと異議申出の期限は?
綱紀委員会の却下に不服があれば日弁連へ異議を申し出られますが(64条)、期間制限があります。議決書の到達日を起点に締切を最初に確認することが重要です。
Q5弁護士の懲戒請求に費用はかかりますか?
懲戒請求自体に手数料は原則かかりません。ただし主張を裏づける資料収集や、異議申出書を弁護士に依頼する場合の費用は別途生じる可能性があります。
Q6懲戒請求は匿名でできますか?
懲戒請求は請求者を特定して所属弁護士会に対して行う必要があり、匿名では受理されないのが原則です。事実と理由を具体的に記載することが求められます。
Q7議決書の理由欄には何が書かれますか?
請求者の主張した事実・論点に対する綱紀委員会の認定と評価、懲戒する・しないの結論に至った判断過程が記載されます。70条の8がこの理由付記を義務づけています。
Q8弁護士の懲戒の種類にはどんなものがありますか?
戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名の4種類があります(57条)。綱紀委員会が懲戒相当と議決した場合、懲戒委員会が審査のうえ処分の種類を決めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1懲戒請求が却下されたら、もう打つ手はないんですか?
ありません、ではありません。綱紀委員会の却下に納得できなければ、日弁連に対して異議を申し出られます(弁護士法64条)。それも退けられれば、さらに綱紀審査会への審査申出という道が残っています。実務のポイント:この綱紀審査会には弁護士でない一般市民の委員が加わっており、身内びいきを外から牽制する設計になっています。弁護士同士の判断に納得できないときこそ、この市民が関与する最終段まで諦めずに進む価値がある
Q2理由書の中身が薄すぎて納得できません。もっと詳しく書かせることはできますか?
綱紀委員会に「書き直せ」と直接命じることはできません。しかし、理由付記が不十分なこと自体を異議申出の理由にできます。70条の8が理由を付すことを義務づけている以上、その義務が形だけで尽くされていなければ、手続上の弱点として上の機関に指摘できます。実務のポイント:異議書では「結論が不当」と感情で訴えるより、「主張したこの論点に理由欄が一切答えていない」と具体的に欠落を名指しする方が、審査する側は素通りできず、再検討に入りやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「綱紀委員会に却下されたら、もう万事休す」と思い込んで諦める人が大半だが、却下の上には日弁連への異議申出、さらに一般市民が加わる綱紀審査会という二段階の救済路が用意されている。議決書はその救済を動かすための燃料であって、終止符ではない
- 多くの人は「どうすれば懲戒請求に勝てるか」を問うが、この段階で立てるべき問いはそこではない。正しい問いは「この理由書は、私が挙げた事実と論点にきちんと答えているか」だ。答えていない箇所を見つけることが、勝ち筋そのものになる
- 「異議は出せると知っている」人でも、その異議の成否を左右する最重要証拠がこの議決書の理由欄だと気づいていないことが多い。手元にある一枚を読み飛ばしたまま感情論で異議を書くと、論点がかみ合わず、また却下される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判断する機関 | 単位弁護士会の綱紀委員会(70条の8で理由付記義務) | 日弁連(64条 異議申出の審査) 綱紀審査会(市民委員が参加) |
| 請求者が起こせる次の一手 | 議決書の理由欄を分析する | 日弁連へ異議を申し出る 綱紀審査会へ審査を申し出る |
| 理由付記義務 | あり(70条の8で明文) | あり あり |
| 市民の関与 | 原則なし(弁護士中心の判断) | 原則なし あり(一般市民の委員が加わる) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も弁護士懲戒を律師懲戒委員會が担い、決定書に理由を記載する。律師懲戒覆審委員會への不服申立て制度がある
韓国も弁護士会の懲戒委員会が징계결정を行い理由を記載する。法務部の징계위원회への이의신청が可能
ドイツは弁護士懲戒を弁護士裁判所(Anwaltsgericht)が担い、その判断には理由付記が求められる
米国は州ごとの弁護士会懲戒委員会が書面決定を出し理由を付す。多くの州で州最高裁への不服申立てが可能
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼した弁護士の対応に納得できず懲戒請求を出したが、綱紀委員会は却下した。議決書が届いた今、日弁連へ異議を申し出られる期間は刻一刻と減っている。理由欄のどの一文に反論を集中させるかで、上の機関での逆転の可否が決まる。あと数十日、机に放り込んでいる時間はない
- もし届いた議決書の理由欄が、あなたが必死に主張した核心にまったく触れていなかったとしたら? その「判断の素通り」自体が、異議申出における有力な攻め口になる
- あなたが懲戒請求を受けた側の弁護士だとする。綱紀委員会が「懲戒しない」と理由付きで議決すれば、その議決書はあなたの潔白を裏づける公式記録として残る。逆に懲戒相当の議決が出れば、次は懲戒委員会の本格審査が待っており、理由欄は相手方の主張の設計図になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 議決書が届いたら結論ではなく理由欄を精読し、自分が出した事実・論点ごとに「触れられた/黙殺された」を仕分けする2. 黙殺された論点、事実認定の誤り、論理の飛躍を箇条書きで抽出する3. それを根拠に日弁連へ異議を申し出る(弁護士法64条)。期間制限があるので、議決書到達日を起点に締切を真っ先に確認する4. 異議も退けられたら、市民が加わる綱紀審査会への審査申出を検討する。各段階で議決書の理由欄が一貫した攻撃材料になる
訴えられた側:1. 「懲戒しない」議決が理由付きで出たら、その議決書を潔白の公式記録として保管する2. 懲戒相当の議決なら、理由欄に書かれた認定事実と評価を逐条で分析し、次の懲戒委員会の審査に向けて反証と弁明を組み立てる3. 早い段階で弁護士会の懲戒手続に明るい弁護士に相談し、理由欄の論点ごとに防御方針を立てる4. 議決書の理由は相手方の主張の骨格でもあるため、どこが弱点かを先回りして潰す
時効(請求できる期限):70条の8自体に期限の定めはない。ただし却下の議決の通知を受けた後、日弁連への異議申出には期間制限がある(弁護士法64条。具体的な期間は最新の条文をご確認ください)。期間を過ぎると、理由欄に穴があっても争えなくなるため、議決書到達日を起点に締切を最初に押さえること
学説
通説:理由付記義務の趣旨は、綱紀委員会の判断過程を明示して恣意を抑制するとともに、請求者・被請求者の不服申立ての便宜を図る点にあると解される。行政処分の理由付記論と同様、理由の程度は結論の合理性を外部から検証できる程度を要すると考えられている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 改正:司法制度改革の一環として弁護士懲戒手続が整備され、一般市民が委員に加わる綱紀審査会の制度が創設された。綱紀委員会の手続規定もこの前後の改正で再編された(個別の施行時期は最新の条文沿革をご確認ください)
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