要点弁護士法 71 条は、日本弁護士連合会に綱紀審査会を置き、弁護士会が懲戒せず日弁連も異議を却下・棄却した後に、国民の目で懲戒手続の適正を審査する制度を定める。
Q · 弁護士会も日弁連も「懲戒しない」と決めたら、もう打つ手はないの?
いいえ、市民で構成される綱紀審査会への申出が残っています
弁護士法 71 条により、弁護士会が懲戒しない決定をし、日弁連への異議も却下・棄却された後でも、なお懲戒請求者は綱紀審査会へ申し出ることができます。綱紀審査会は弁護士・裁判官・検察官・政府職員のいずれでもない国民で構成され、懲戒手続の適正を審査します。審査会自身は懲戒処分を下しませんが、「懲戒委員会の審査に付すのが相当」と議決すれば、事案は懲戒手続へ引き戻されます。閉じた弁護士自治に国民の目を差し込む最後の関門です。
弁護士に不誠実な対応をされ、所属弁護士会に懲戒請求を出した。だが弁護士会は「懲戒しない」と決定し、日弁連への異議申出も却下された。ここで多くの人は「弁護士の世界は身内でかばい合う、もう打つ手はない」と諦めて去っていく。それが大きな誤解だ。弁護士法71条は、その先にもう一枚の扉を用意している。日弁連に置かれた綱紀審査会は、弁護士・裁判官・検察官・政府職員のいずれでもない、純粋な市民11人で構成される。あなたの懲戒請求が二度はねられた後でも、なお申し出れば、この市民たちが手続の適正をもう一度審査する。弁護士の自己規律という閉じた世界に、国民の目を一つだけ差し込む仕組み。それがこの条文の正体だ。
弁護士法 71 条は綱紀審査会を定める規定であり、日本弁護士連合会に置かれる同会が、弁護士会の不懲戒決定および日弁連による異議の却下・棄却の後になお懲戒請求者の申出があるとき、国民の意見を反映して懲戒手続の適正を確保するための綱紀審査を行う旨を規定する。委員は弁護士以外の者で構成される。
弁護士の懲戒手続の適正を、弁護士でない国民の立場から審査するため日弁連に置かれる機関です。弁護士法 71 条が根拠で、弁護士会・日弁連が二度懲戒を見送った後の最終段階を担います。
弁護士・裁判官・検察官・政府職員のいずれでもない国民から選ばれた委員で構成されます。法曹の身内意識を物理的に断つため、専門家を排除した点が制度の核心です。
あります。日弁連の異議却下・棄却の決定通知を受け取った日から起算した期間内に申し出る必要があり、通知を放置すると権利が消えます。最新の期間は通知書とe-Govでご確認ください。
綱紀審査会は「懲戒委員会の審査に付すべきか」を国民の目で判断する入口の機関で、処分は下しません。実際の懲戒処分は差し戻された先の懲戒委員会で決まります。
まず弁護士の所属する弁護士会に懲戒請求します(弁護士法 58 条)。不懲戒なら日弁連へ異議(64 条)、それも却下なら綱紀審査会へ申出(71 条)という三段階です。
直ちに処分されるわけではありません。事案が懲戒委員会へ差し戻され、そこで改めて懲戒の可否が判断されます。ただし市民議決が出た案件を握りつぶすことは事実上難しくなります。
弁護士は国家権力と対峙して依頼者を守る職業のため、行政官庁に懲戒を握らせると権力に不都合な弁護士を狙い撃ちできてしまうからです。これが弁護士自治の根拠です。
平成 15 年(2003 年)の司法制度改革で弁護士法が改正され新設、平成 16 年(2004 年)4 月 1 日に施行されました。懲戒手続に国民が参加する仕組みを初めて導入しました。
まだ終わりではありません。弁護士会の不懲戒決定(58条4項)には日弁連へ異議申出(64条)ができ、それも却下・棄却されたら綱紀審査会への申出(71条)が残ります。弁護士でない市民11人が手続の適正を審査します。業界裏話ヒント:弁護士はこの三段階目を依頼者に積極的には説明しません。多くの人が二段階目の却下で諦めて去るからこそ、通知書に小さく書かれた「綱紀審査の申出ができる」の一行を見逃さない人だけが、最後のカードを使えます
直接処分されるわけではありません。綱紀審査会が「懲戒委員会の審査に付すのが相当」と議決すると(71条およびその関連条文)、日弁連を通じて所属弁護士会に事案の審査が命じられ、そこで改めて懲戒の可否が決まります。業界裏話ヒント:綱紀審査会の議決は最終処分ではなく「門を開ける」効果。ただし市民11人が相当と判断した案件を、その後の懲戒委員会が簡単に握りつぶすことは外聞上も難しくなる。市民の議決が出た時点で、流れは大きく変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続段階 | 71 条:綱紀審査会(最終段階・市民審査) | — |
| 判断主体 | 弁護士でない国民の委員 | — |
| 効果 | 懲戒委員会の審査に付すのが相当かを議決(処分はしない) | — |
| 前提 | 弁護士会の不懲戒 + 日弁連の異議却下・棄却 | — |
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