弁護士法 第71条(綱紀審査会の設置)
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- 日本弁護士連合会に綱紀審査会を置く。
- 2.綱紀審査会は、弁護士会が第五十八条第四項の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をし、かつ、日本弁護士連合会がこれに対する懲戒請求者による異議の申出を却下し、又は棄却する決定をした場合において、なお懲戒請求者からの申出があるときに、国民の意見を反映させて懲戒の手続の適正を確保するため必要な綱紀審査を行う。
この条文の基本情報
綱紀審査会の設置とは何ですか?
定義綱紀審査会の設置とは、弁護士法第71条に定められた規定で、「日本弁護士連合会に綱紀審査会を置く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第71条(綱紀審査会の設置)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第71条の条文原文は「日本弁護士連合会に綱紀審査会を置く。」で始まります。
- 弁護士法第71条は第五節 綱紀審査会に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第71条の前の条は弁護士法第70条の9です。
- 弁護士法第71条の次の条は弁護士法第71条の2です。
- 弁護士法第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法71条は、日本弁護士連合会に綱紀審査会を置き、弁護士会が懲戒せず日弁連も異議を却下・棄却した後に、国民の目で懲戒手続の適正を審査する制度を定める。
Q · 弁護士会も日弁連も「懲戒しない」と決めたら、もう打つ手はないの?
いいえ、市民で構成される綱紀審査会への申出が残っています
弁護士法71条により、弁護士会が懲戒しない決定をし、日弁連への異議も却下・棄却された後でも、なお懲戒請求者は綱紀審査会へ申し出ることができます。綱紀審査会は弁護士・裁判官・検察官・政府職員のいずれでもない国民で構成され、懲戒手続の適正を審査します。審査会自身は懲戒処分を下しませんが、「懲戒委員会の審査に付すのが相当」と議決すれば、事案は懲戒手続へ引き戻されます。閉じた弁護士自治に国民の目を差し込む最後の関門です。
解説
弁護士に不誠実な対応をされ、所属弁護士会に懲戒請求を出した。だが弁護士会は「懲戒しない」と決定し、日弁連への異議申出も却下された。ここで多くの人は「弁護士の世界は身内でかばい合う、もう打つ手はない」と諦めて去っていく。それが大きな誤解だ。弁護士法71条は、その先にもう一枚の扉を用意している。日弁連に置かれた綱紀審査会は、弁護士・裁判官・検察官・政府職員のいずれでもない、純粋な市民11人で構成される。あなたの懲戒請求が二度はねられた後でも、なお申し出れば、この市民たちが手続の適正をもう一度審査する。弁護士の自己規律という閉じた世界に、国民の目を一つだけ差し込む仕組み。それがこの条文の正体だ。
法的な位置づけ
弁護士法71条は綱紀審査会を定める規定であり、日本弁護士連合会に置かれる同会が、弁護士会の不懲戒決定および日弁連による異議の却下・棄却の後になお懲戒請求者の申出があるとき、国民の意見を反映して懲戒手続の適正を確保するための綱紀審査を行う旨を規定する。委員は弁護士以外の者で構成される。
よくある質問 AI による整理
Q1綱紀審査会とは何ですか?
弁護士の懲戒手続の適正を、弁護士でない国民の立場から審査するため日弁連に置かれる機関です。弁護士法71条が根拠で、弁護士会・日弁連が二度懲戒を見送った後の最終段階を担います。
Q2綱紀審査会の委員は誰がなるのですか?
弁護士・裁判官・検察官・政府職員のいずれでもない国民から選ばれた委員で構成されます。法曹の身内意識を物理的に断つため、専門家を排除した点が制度の核心です。
Q3綱紀審査の申出に期限はありますか?
あります。日弁連の異議却下・棄却の決定通知を受け取った日から起算した期間内に申し出る必要があり、通知を放置すると権利が消えます。最新の期間は通知書とe-Govでご確認ください。
Q4綱紀審査会と懲戒委員会はどう違いますか?
綱紀審査会は「懲戒委員会の審査に付すべきか」を国民の目で判断する入口の機関で、処分は下しません。実際の懲戒処分は差し戻された先の懲戒委員会で決まります。
Q5弁護士の懲戒請求はどこに出すのですか?
まず弁護士の所属する弁護士会に懲戒請求します(弁護士法58条)。不懲戒なら日弁連へ異議(64条)、それも却下なら綱紀審査会へ申出(71条)という三段階です。
Q6綱紀審査会が相当と議決したら弁護士は処分されますか?
直ちに処分されるわけではありません。事案が懲戒委員会へ差し戻され、そこで改めて懲戒の可否が判断されます。ただし市民議決が出た案件を握りつぶすことは事実上難しくなります。
Q7なぜ弁護士の懲戒は国の役所がやらないのですか?
弁護士は国家権力と対峙して依頼者を守る職業のため、行政官庁に懲戒を握らせると権力に不都合な弁護士を狙い撃ちできてしまうからです。これが弁護士自治の根拠です。
Q8綱紀審査会はいつ作られたのですか?
平成15年(2003年)の司法制度改革で弁護士法が改正され新設、平成16年(2004年)4月1日に施行されました。懲戒手続に国民が参加する仕組みを初めて導入しました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士会に懲戒請求したけど「問題なし」で終わりました。もう無理ですよね?
まだ終わりではありません。弁護士会の不懲戒決定(58条4項)には日弁連へ異議申出(64条)ができ、それも却下・棄却されたら綱紀審査会への申出(71条)が残ります。弁護士でない市民11人が手続の適正を審査します。実務のポイント:弁護士はこの三段階目を依頼者に積極的には説明しません。多くの人が二段階目の却下で諦めて去るからこそ、通知書に小さく書かれた「綱紀審査の申出ができる」の一行を見逃さない人だけが、最後のカードを使えます
Q2綱紀審査会が「けしからん」と認めたら、その弁護士はすぐ処分されるんですか?
直接処分されるわけではありません。綱紀審査会が「懲戒委員会の審査に付すのが相当」と議決すると(71条およびその関連条文)、日弁連を通じて所属弁護士会に事案の審査が命じられ、そこで改めて懲戒の可否が決まります。実務のポイント:綱紀審査会の議決は最終処分ではなく「門を開ける」効果。ただし市民11人が相当と判断した案件を、その後の懲戒委員会が簡単に握りつぶすことは外聞上も難しくなる。市民の議決が出た時点で、流れは大きく変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士を懲戒できるのは弁護士会だけで、市民は口を出せない」と思われているが、71条はまさにその逆を制度化している。弁護士会と日弁連が二度「懲戒しない」と判断しても、弁護士でない市民11人がその判断を覆して懲戒手続に引き戻すことができる
- 「綱紀審査会に申し出れば、その弁護士を直接処分してもらえる」と考える人がいるが、問いの立て方がずれている。綱紀審査会自身は懲戒処分を下さない。審査会ができるのは「この件は懲戒委員会で本格審査すべきだ」という議決まで。処分そのものは差し戻された先の手続で決まる
- 綱紀審査会の存在は知っていても、その委員が弁護士ゼロで構成されている重みを理解している人は少ない。弁護士・裁判官・検察官・政府職員を全て排除したのは、法曹の身内意識を物理的に断つため。この一点が、ただの形式的な再審査と本質的に違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続段階 | 71条:綱紀審査会(最終段階・市民審査) | 58条:弁護士会への懲戒請求(起点) 64条:日弁連への異議申出(中間段階) |
| 判断主体 | 弁護士でない国民の委員 | 所属弁護士会の綱紀委員会・懲戒委員会 日弁連の機関 |
| 効果 | 懲戒委員会の審査に付すのが相当かを議決(処分はしない) | 懲戒するか否かの決定 弁護士会の決定への異議を認容・却下・棄却 |
| 前提 | 弁護士会の不懲戒 + 日弁連の異議却下・棄却 | 懲戒事由(56条)の存在 弁護士会の不懲戒決定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は律師懲戒委員會に裁判官・検察官・学者・律師等を組み入れ、覆審委員會を二審として置く。市民のみの審査会という形ではないが、外部者を加えて身内化を防ぐ点で問題意識は共通。
韓国は大韓弁護士協会と法務部に징계위원회を置き、非弁護士委員を含める。懲戒手続への外部関与という点で日本の綱紀審査会と方向性が近い。
ドイツは弁護士懲戒を独立の弁護士裁判所(Anwaltsgericht)が裁判手続で扱う。日本のような市民再審査会ではなく司法化された懲戒制度を採る。
米国は州ごとに州最高裁の監督下で懲戒委員会が運営され、多くの州が公衆(lay)委員を加える。市民参加で弁護士の身内化を防ぐ発想は日本の綱紀審査会と通じる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼した弁護士が着手金だけ取って一年連絡をよこさず、懲戒請求も弁護士会に握りつぶされた。日弁連への異議申出も棄却。もう泣き寝入りしかないと思った? 弁護士でない市民11人による綱紀審査会への申出が、最後のカードとして残っている
- 相手方についた弁護士に明らかな利益相反があったのに、弁護士会はこれを不問にした。その判断を、法曹の身内でない市民11人がもう一度見直す。内輪の論理が通じない最後の関門だ
- 綱紀審査の申出には期限がある。日弁連の異議却下・棄却の決定通知を受け取った日から動ける日数は限られている。通知書を机に放置した数週間が、最後の救済の機会を静かに消していく
学説
通説:弁護士法71条の綱紀審査会は、弁護士自治の独立を維持しつつ身内擁護への歯止めをかけるため、懲戒権限の所在は弁護士会に残したまま、最終段階にのみ非法曹の国民を関与させる制度と理解される。検察審査会と同様の国民参加型審査の系譜に位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)公布、平成16年(2004年)4月1日施行 司法制度改革の一環として弁護士法を改正し、綱紀審査会を新設。それまで弁護士会・日弁連の内部で完結していた懲戒手続に、弁護士でない国民が参加して再審査する仕組みを初めて導入した
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:司法制度改革の一環として弁護士法を改正し綱紀審査会を新設。弁護士会・日弁連の内部で完結していた懲戒手続に、弁護士でない国民が参加して再審査する仕組みを初めて導入した。
- 2.平成16年(2004年) 改正:改正法が4月1日に施行され、綱紀審査会が実際に稼働を開始した。
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