弁護士法 第71条の6(綱紀審査会による陳述の要求等)
クイックジャンプ
- 綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、懲戒請求者、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。
- 2.綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等の所属弁護士会の綱紀委員会又は日本弁護士連合会の綱紀委員会に必要な調査を嘱託することができる。
この条文の基本情報
綱紀審査会による陳述の要求等とは何ですか?
定義綱紀審査会による陳述の要求等とは、弁護士法第71条の6に定められた規定で、「綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、懲戒請求者、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第71条の6(綱紀審査会による陳述の要求等)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第71条の6の条文原文は「綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、懲戒請求者、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。」で始まります。
- 弁護士法第71条の6は第五節 綱紀審査会に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第71条の6の前の条は弁護士法第71条の5です。
- 弁護士法第71条の6の次の条は弁護士法第71条の7です。
- 弁護士法第71条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第71条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第71条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/71_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法71条の6は、綱紀審査会が審査に必要なとき関係者や官公署に資料提出を求め、綱紀委員会に再調査を嘱託できる権限を定める。
Q · 弁護士への懲戒請求が握り潰されたら、もう打つ手はないの?
市民だけの綱紀審査会に資料要求と再調査嘱託の権限を与える規定です
弁護士法71条の6により、綱紀審査会は綱紀審査に必要があるとき、対象弁護士・懲戒請求者・関係人・官公署に対し陳述・説明・資料の提出を求めることができ(1項)、所属弁護士会または日弁連の綱紀委員会に必要な調査を嘱託することができます(2項)。弁護士を一人も含まない市民委員11人で構成される綱紀審査会に、止まった一次審査をやり直させる実効的な調査権を与えた規定です。
解説
依頼した弁護士に不誠実な対応をされ、懲戒請求を出した。だが審査するのは同じ弁護士たちで、結局「懲戒しない」と握り潰された。多くの人はここで諦める。だが制度はもう一段ある。日弁連に置かれる綱紀審査会は、弁護士が一人もいない、11人の素人(学識経験者、つまり法律家ではない一般市民の代表)だけで構成される最後の砦だ。そして弁護士法71条の6が、この素人たちに本物の牙を与えている。対象の弁護士、あなた(請求者)、関係人、さらに官公署にまで、陳述・説明・資料の提出を求められる。それだけではない。弁護士会や日弁連の綱紀委員会に「もう一度ちゃんと調べろ」と調査を嘱託(他の機関に正式に依頼して行わせること)できる。身内で済ませた一次審査を、素人がひっくり返して再調査させる権限が、この一条に詰まっている。
法的な位置づけ
弁護士法71条の6は、綱紀審査会の調査権限を定める規定である。同会は綱紀審査に必要があるとき、対象弁護士等・懲戒請求者・関係人・官公署に対し陳述・説明・資料の提出を求め、また所属弁護士会または日本弁護士連合会の綱紀委員会に必要な調査を嘱託することができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.日弁連の異議棄却通知で申出期間を確認 日弁連から異議申出の棄却決定通知が届いたら、机に放置せず、記載された綱紀審査の申出方法と申出期間をまず確認する。期間を過ぎると市民による最終審査の道が閉じる
- 2.申出書に「調べられていない点」を具体的に書く 漠然と「不当だ」と並べるのではなく、一次審査で何が調査されていないかを一点に絞って指摘する。論点が一目で分かる申出書ほど、再調査嘱託や懲戒相当の議決を引き出しやすい
- 3.71条の6で集められる資料を先回りして整理・添付 審査会が請求できる資料(委任契約書、メール、LINE、期日調書など)を自分で整理して添付し、職権発動を促す。関係人や官公署が持つ資料があれば、その所在と提出を求めるべき先を明記する
- 4.懲戒相当の議決後は懲戒委員会の審査を見据える 綱紀審査会が懲戒相当と議決すれば、所属弁護士会は事案を懲戒委員会に付す。次段階の審査に備え、提出済み資料と矛盾しない一貫した主張を維持する
よくある質問 AI による整理
Q1綱紀審査会とは何ですか?
日弁連に置かれる、弁護士を一人も含まない学識経験者11人で構成される懲戒手続の最終審査機関です。弁護士法71条の6が資料提出要求と再調査嘱託の権限を与えています。
Q2綱紀審査会はどんな調査ができますか?
対象弁護士・懲戒請求者・関係人・官公署に陳述や資料提出を求め(71条の6第1項)、弁護士会や日弁連の綱紀委員会に再調査を嘱託できます(同2項)。
Q3綱紀審査の申出はどこにすればいいですか?
日弁連が異議申出を棄却した後、日弁連に対して綱紀審査の申出を行います。決定通知に申出の方法と期間が記載されています。
Q4綱紀審査会が懲戒相当と議決したらどうなりますか?
その議決があると、対象弁護士の所属弁護士会は事案を懲戒委員会の審査に付さなければなりません。止まった懲戒手続が再び動き出します。
Q5綱紀委員会と綱紀審査会の違いは何ですか?
綱紀委員会は弁護士中心で懲戒の要否を一次・二次審査します。綱紀審査会は弁護士を含まない市民委員のみで、その判断を外部から見直す最終段階です。
Q6官公署にも資料提出を求められるのですか?
求められます。71条の6第1項は対象弁護士や請求者だけでなく、関係人や官公署その他に対しても陳述・説明・資料の提出を求めることを認めています。
Q7綱紀審査会の調査に協力しないとどうなりますか?
本条の求めは協力を促すもので刑事罰の直接規定はありませんが、対象弁護士が不誠実に対応すれば、再調査嘱託や懲戒相当の議決につながり得ます。
Q8懲戒請求の濫用にも71条の6は関係しますか?
関係します。資料要求権は事案の実態を見抜く方向にも働き、根拠の乏しい大量請求かどうかを綱紀審査会が見極める材料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に苦情を出しても、どうせ弁護士同士でかばい合うんですよね?
一次(弁護士会の綱紀委員会)と二次(日弁連の綱紀委員会)はたしかに弁護士中心です。だがその先に、弁護士が一人もいない素人11人だけの綱紀審査会があり、71条の6で資料要求と再調査嘱託の権限を持ちます。実務のポイント:多くの人はこの第三段階の存在を知らず、二段階目で諦めて泣き寝入りする。知っている人だけが、身内審査の壁の先まで進める
Q2綱紀審査会に出したら、証拠は向こうが集めてくれるんですか?
71条の6で審査会は対象弁護士・関係人・官公署に資料提出を求め、綱紀委員会に再調査を嘱託できます。ただし職権で動ける建前でも、申出人が論点と資料を整理して出した案件ほど動きやすいのが実情です。実務のポイント:双子の制度である検察審査会と同じで、「何をどう調べてほしいか」を一点に絞って示した申出ほど、再調査や懲戒相当の議決につながりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士を懲戒できるかどうかは弁護士会が決めること」と思い込み、綱紀委員会に蹴られた時点で問いが終わってしまう。だが問いの立て方が違う。最終判断のもう一段上には、弁護士を排した綱紀審査会がいる。そこに持ち込めるかどうかを考えるべきだった
- 綱紀審査会の存在は知っていても、それを「お飾りの諮問機関」だと思っている人が多い。実際は71条の6で資料提出要求と再調査嘱託の権限を握り、その議決があれば弁護士会は事件を懲戒委員会に付さねばならない。お飾りどころか、止まった制度を再び回す実権を持つ
- あなたから見れば「素人に弁護士の当否が判断できるのか」と不安になる。だが法律から見れば、その素人性こそが狙いだ。専門家の論理で握り潰された案件を市民感覚で洗い直すための装置であり、71条の2項で綱紀委員会に再調査まで命じられる。この落差を知らないと、勝てる最終審を自分から放棄する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 71条の6:綱紀審査会の調査権 | 56条:懲戒請求(手続の起点) 71条:綱紀審査会の設置根拠 |
| 担い手 | 弁護士を含まない学識経験者11人(市民委員) | 何人でも請求できる(請求者) 綱紀審査会という機関そのもの |
| 権限の中身 | 陳述・資料提出要求+綱紀委員会への再調査嘱託 | 懲戒事由の存在を理由に審査を求める 審査の主体・組織を定めるのみ |
| 発動の前提 | 綱紀審査の申出(64条の3)を経て審査中であること | 懲戒事由があると思料すること 日弁連に同会が置かれていること |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も懲戒と覆審の二段階を持つが、覆審は弁護士・裁判官等で構成され、日本のような『弁護士を一切含まない市民のみ』の機関ではない点が異なる
韓国は変護士懲戒委員会が懲戒を担う。委員に弁護士以外も加わるが、日本の綱紀審査会ほど市民専属の最終審査層は明確でない
ドイツは弁護士懲戒を弁護士裁判所(Anwaltsgericht)という司法的手続で行う。職業裁判官と弁護士が関与し、市民専属の審査会方式とは構造が異なる
米国は州ごとに弁護士懲戒委員会を置き、委員に非弁護士(lay member)を加える運用が広い。市民参加の発想は近いが、最終層を市民専属にする日本の設計とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼した弁護士が期日を無断で欠席し、あなたの訴訟は不利になった。懲戒請求したが綱紀委員会は「業務上の判断の範囲」として懲戒しないと決定。ここで諦める人がほとんどだが、71条の6の権限を持つ綱紀審査会に持ち込めば、関係資料の提出を改めて求めさせ、再調査を嘱託させる道が残っている
- 日弁連からの異議棄却の通知が届いた。封筒の中に「綱紀審査を申し出ることができる」と小さく書いてある。残された申出期間はわずか。ここで動かなければ、素人11人による最後の審査を受ける権利は永遠に消える。あなたはこの通知を、読まずに机に放置していないか?
- あなたが弁護士で、逆恨みの懲戒請求を綱紀委員会で退けた。終わったと思っていたら、綱紀審査会から資料提出と陳述の要求が届く。素人委員相手だからと軽く扱えば、再調査の嘱託や懲戒相当の議決を招きかねない。一次審査の勝利は、まだ最終ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 綱紀委員会・日弁連で「懲戒しない」とされても、そこで終わりにしない。日弁連の決定通知に記載された綱紀審査の申出期間と方法をまず確認する2. 申出書には「何が問題か」だけでなく「どの点が調べられていないか」を具体的に書く3. 71条の6で審査会が請求できる資料(契約書、メール、LINE、期日調書など)を自分で整理し添付、職権発動を促す4. 関係人や官公署が持つ資料があれば、その所在と提出を求めるべき先を明記する
訴えられた側:1. 一次審査で退けても油断しない。綱紀審査会からの陳述・説明・資料提出の要求には、素人委員相手でも誠実かつ的確に対応する2. 業務判断の合理性を、専門知識のない委員にも分かる言葉で説明できるよう準備3. 再調査嘱託(71条の6第2項)が出れば綱紀委員会が改めて動くため、当初の説明と矛盾しない一貫した資料を整える4. 懲戒相当の議決が出れば懲戒委員会の審査に付されるため、その段階を見据えた防御を早めに組む
時効(請求できる期限):71条の6の調査権自体に期限はない。ただしこの権限を発動させる前提となる綱紀審査の申出には期間制限があり、日弁連が異議を棄却する決定の通知を受けた日から原則として一定期間内に申し出る必要がある(具体的日数は最新の弁護士法・会規をご確認ください)。この期間を過ぎると、素人による最終審査の道が閉じる
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)弁護士法改正 綱紀審査会制度を新設し、本条を含む第8章第5節を創設。平成16年(2004年)4月1日施行。市民参加による懲戒手続の外部統制を導入し、弁護士でない委員に資料要求権・再調査嘱託権を付与した
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:弁護士法改正により綱紀審査会制度を新設し、本条を含む規定を創設。平成16年(2004年)4月1日施行。弁護士でない委員に資料要求権・再調査嘱託権を付与し、市民参加による懲戒手続の外部統制を導入した
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