弁護士法 第71条の7(綱紀審査会の議決書)
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綱紀審査会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。
この条文の基本情報
綱紀審査会の議決書とは何ですか?
定義綱紀審査会の議決書とは、弁護士法第71条の7に定められた規定で、「綱紀審査会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第71条の7(綱紀審査会の議決書)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第71条の7の条文原文は「綱紀審査会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。」で始まります。
- 弁護士法第71条の7は第五節 綱紀審査会に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第71条の7の前の条は弁護士法第71条の6です。
- 弁護士法第71条の7の次の条は弁護士法第72条です。
- 弁護士法第71条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第71条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第71条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/71_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法71条の7は、綱紀審査会が議決をしたとき、速やかに理由を付した議決書を作成しなければならないと定める。市民委員の判断を書面で残し、弁護士懲戒の透明性を確保する。
Q · 弁護士に懲戒請求したのに弁護士会に退けられた。もう打つ手はないの?
綱紀審査会という市民が判断する最後のルートが残っている
弁護士会の綱紀委員会で不処分とされても終わりではありません。日弁連への異議、さらに弁護士でない市民が委員を務める綱紀審査会への申出という段階が残っています。弁護士法71条の7は、その綱紀審査会が議決をしたとき、速やかに理由を付した議決書を作成しなければならないと定めます。結論だけでなく理由が書面で残るため、申出人は判断の当否を検証でき、その後の民事責任追及の材料にもできます。
解説
弁護士に裏切られたと感じて懲戒請求を出したのに、弁護士会の身内審査であっさり退けられた。そこで多くの人は諦める。だが日弁連には、弁護士ではない一般市民で構成される綱紀審査会という最後の砦がある。71条の7は、その審査会が議決をしたとき、速やかに理由を付した議決書を作らなければならないと定める。一見すると役所内部の事務手続にしか見えない。しかしこの一条があるからこそ、市民は「なぜ自分の訴えが通ったのか、あるいはなぜ退けられたのか」を、口頭の言い訳ではなく書面の理由として手にできる。弁護士が弁護士を裁く密室を、外から覗き込む窓がここで開く。理由が書かれるということは、後で検証できるということ。検証できるということは、納得できない場合に次の手を打てるということだ。
法的な位置づけ
弁護士法71条の7は、綱紀審査会の議決書作成義務を定める規定である。日本弁護士連合会に置かれる綱紀審査会が懲戒に関する議決をした場合、速やかに理由を付した議決書を作成すべきことを求める。弁護士でない市民委員による判断を書面化し、弁護士懲戒手続の透明性と検証可能性を担保する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.綱紀委員会の決定通知を保管し、不処分なら日弁連へ異議 所属弁護士会の綱紀委員会から届いた決定通知を必ず保管する。不処分(懲戒不相当)の場合は、通知に記載された期限内に日弁連へ異議を申し立てる。最初の不処分で諦めないことが分水嶺
- 2.異議も棄却されたら期限内に綱紀審査を申し出る 日弁連の異議棄却通知を受け取ったら、記載された期限内に綱紀審査の申出をする。期間制限があり、一日でも過ぎると市民委員に訴えを届ける最後の窓が閉じる。期限は通知書と最新の改正状況を確認
- 3.申出書に具体的事実と証拠を時系列で並べる 感情的な非難ではなく、放置・利益相反・預り金の不適切処理など具体的事実を時系列で記載し、過去に懲戒相当とされた類似事案の構造を示す。市民委員は似た事案との並びで判断が動きやすい
- 4.議決書の理由欄を入手し次の責任追及に活用 綱紀審査会が議決すれば理由を付した議決書が作られる(71条の7)。理由欄の文言を入手し、弁護士に対する民事の損害賠償(民法709条・415条)における事実認定の援用材料として活用する
よくある質問 AI による整理
Q1綱紀審査会とは何ですか?
日本弁護士連合会に置かれ、弁護士でない一般市民が委員を務める審査機関です。弁護士会の懲戒不処分を市民の視点で再審査する、弁護士自治への外部統制の装置です。
Q2綱紀委員会と綱紀審査会の違いは何ですか?
綱紀委員会は弁護士会が置く弁護士中心の審査機関で、綱紀審査会は日弁連に置かれ弁護士でない市民が委員を務めます。後者は不処分への最終的な市民統制の段階です。
Q3綱紀審査の申出に期限はありますか?
日弁連の異議棄却通知を受けた日から起算する期間制限があります。具体的日数は通知書の記載と最新の改正状況を必ず確認してください。期限を過ぎると申出できません。
Q4綱紀審査会の委員は誰がなりますか?
弁護士でない一般市民から選ばれます。検察審査会と同じく、専門家の自治に素人である市民の判断を差し込む仕組みで、議決書はその市民判断の公的記録になります。
Q5懲戒審査相当の議決が出るとどうなりますか?
綱紀審査会が懲戒審査相当を議決すると、理由を付した議決書とともに懲戒委員会へ送られ、対象弁護士は正式な懲戒手続の被審査人になります。
Q6議決書には何が書かれますか?
議決の結論に加え、その判断に至った理由が記載されます。弁護士法71条の7が理由の明示を義務づけるため、結論だけ告げられて泣き寝入りする構図を防ぎます。
Q7弁護士の懲戒請求は誰でもできますか?
弁護士法58条により、何人でも懲戒の請求ができます。依頼者でなくても、弁護士に懲戒事由があると思料する者は、その弁護士の所属弁護士会に請求できます。
Q8綱紀審査の結果に不満なら裁判で争えますか?
弁護士会の懲戒処分には処分性が認められ、行政事件訴訟法による取消訴訟で争う道があります。一方、不処分自体を直接覆す訴訟は限定的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に苦情を言いたいけど、結局弁護士仲間が審査するなら無駄じゃないですか?
最初の綱紀委員会は確かに弁護士中心です。しかし日弁連への異議、さらに綱紀審査会という段階があり、綱紀審査会の委員は弁護士でない一般市民から選ばれます。議決には理由を付した議決書が必須です(弁護士法71条の7)。実務のポイント:弁護士は「綱紀審査まで行く人は少ない」ことを経験的に知っており、多くの懲戒請求は最初の段階で諦められます。だが市民委員が動く最終段階まで粘ると構図が変わる。最初の不処分で諦めるかどうかが分水嶺です。
Q2綱紀審査会の議決書って、私ももらえるんですか?
綱紀審査の結果は申出人に通知され、理由を付した議決書がその根拠になります(弁護士法71条の7)。結論だけでなく「なぜそう判断したか」が書面で残るのが肝心な点です。実務のポイント:この理由欄の文言は、その後あなたが弁護士に対して民事の損害賠償(民法709条、415条)を起こすとき、事実認定の援用材料になりうる。懲戒手続で問題視された事実を別の裁判に持ち込めるという発想を持つ人は少ない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士への苦情は弁護士会に言えば終わり」と思っている人が多いが、問いの立て方が違う。弁護士会の綱紀委員会で退けられても、そこは終点ではなく中継点。日弁連への異議、さらに市民が判断する綱紀審査と、二段階の上訴ルートが残っている。
- 綱紀審査会の存在を知っている人でも、その委員が「弁護士ではない一般市民」だという深刻な意味までは知らない。検察審査会と同じく、専門家自治に市民統制を差し込む装置であり、議決書はその市民判断の公的記録になる。
- 「議決書なんて形式的な紙」と思われがちだが、逆だ。理由を付した議決書があるからこそ、結論だけ告げられて泣き寝入りする構図が崩れる。理由が書面化されれば、不当性を具体的に指摘して争う足場ができる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 設置主体と委員構成 | 71条の7:綱紀審査会(日弁連、委員は弁護士でない市民)の議決書作成義務 | 71条:日弁連に綱紀審査会を置く設置根拠 58条:何人もできる懲戒請求(弁護士会の綱紀委員会が起点) |
| 段階上の位置づけ | 不処分への最終的な市民統制の段階で生じる書面化義務 | 綱紀審査会という制度そのものの土台 懲戒手続の入口(請求権) |
| 市民にとっての効果 | 判断の理由が書面で残り検証・転用が可能になる | 市民が再審査に関与できる回路の存在 誰でも端緒を持ち込める |
| 争う手段との接続 | 議決書の理由が民事責任追及や懲戒手続の防御の土台になる | — 56条の懲戒事由該当性が審査の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の律師懲戒委員会は委員に学者・社会公正人士を含み、専門家以外の参加という点で綱紀審査会と発想が近い。ただし「市民のみで構成する再審査会」という独立段階は日本に特徴的。
韓国も大韓弁護士協会・地方会による懲戒制度を持ち、징계위원회に外部委員が加わる。不処分への市民再審査の独立機関という形は日本ほど明確ではない。
ドイツは弁護士懲戒を独立した弁護士裁判所(Anwaltsgericht)で審理し、職業裁判官と弁護士が関与する司法型。市民委員による再審査という日本型とは構造が異なる。
米国は州ごとに弁護士懲戒機関を置き、多くの州で非法曹委員(public member)が参加する。最終的な権限は州最高裁にあり、運用は州により分かれる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼した弁護士が着手金だけ受け取って一年も放置したらどうなる。弁護士会に懲戒請求しても綱紀委員会が「懲戒不相当」とすることはある。納得できないあなたが日弁連に異議を申し立て、それも退けられたとき、最後に残るのが綱紀審査だ。市民委員が動けば、議決書の理由欄にあなたの訴えの当否が刻まれる。
- あなたが弁護士で、元依頼者から逆恨み同然の懲戒請求を受けたとする。綱紀審査会が「懲戒審査相当」の議決をすれば、その理由を付した議決書が懲戒委員会へ送られ、あなたは正式な懲戒手続の被審査人になる。理由書に書かれた事実認定が、その後の防御の出発点になる。
- 日弁連からの異議棄却の通知を受け取った日から、綱紀審査の申出には期間制限がある。一日でも過ぎれば、弁護士でない市民にあなたの訴えを届ける最後の窓は閉じる(具体的な日数は最新の改正状況をご確認ください)。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護士会の綱紀委員会の決定通知を保管、不処分なら日弁連へ異議を申し立てる2. 異議も棄却されたら、期限内に綱紀審査を申し出る(期間は通知書の記載を確認、最新の改正状況をご確認ください) 3. 申出書には感情論でなく、放置・利益相反・預り金の不適切処理など具体的事実と証拠を時系列で並べる4. 綱紀審査会が議決すれば理由を付した議決書が作られる、その理由が次の民事責任追及の土台になる
訴えられた側:1. 綱紀審査の対象になった通知を受けたら、すぐ弁明の準備に入る、放置は最悪手2. 綱紀審査会が「懲戒審査相当」を議決すると議決書とともに懲戒委員会へ送られ、そこからが本番3. 議決書の理由欄で問題視された事実を一つずつ反証、客観資料(メール・記録・送金履歴)で固める4. 不当な懲戒処分には行政訴訟で取消しを争う道がある(弁護士会の懲戒処分には処分性が認められる)
時効(請求できる期限):綱紀審査の申出には期間制限がある(日弁連の異議棄却通知を受けた日から起算、具体的日数は最新の改正状況をご確認ください)。議決後の議決書作成自体に法定の日数はなく「速やかに」と定められるのみ
学説
通説:綱紀審査会は、検察審査会に範を取り、弁護士自治に市民統制を補完的に組み込む制度と理解される。71条の7の議決書作成・理由明示義務は、市民判断の透明性と検証可能性を担保し、自治の正統性を支える要と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正、平成16年(2004年)施行 司法制度改革の一環として、弁護士懲戒手続に市民参加を導入する綱紀審査会制度が新設され、本条もこのとき議決書作成義務として新設された。専門家自治への外部統制を組み込む立法(新設か改正かの確信が十分でない部分は要人的検証)
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:司法制度改革の一環として、弁護士懲戒手続に市民参加を導入する綱紀審査会制度が新設され、その議決書作成義務として本条が設けられた(平成16年施行)。
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