弁護士法 第73条(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
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何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。
この条文の基本情報
譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止とは何ですか?
定義譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止とは、弁護士法第73条に定められた規定で、「何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第73条(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第73条の条文原文は「何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。」で始まります。
- 弁護士法第73条は第九章 法律事務の取扱いに関する取締りに置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第73条の前の条は弁護士法第72条です。
- 弁護士法第73条の次の条は弁護士法第74条です。
- 弁護士法第73条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第73条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第73条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/73
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法73条は、他人の権利を譲り受けて取り立てを業とすることを何人にも禁じる。弁護士または許可を受けたサービサー以外が行えば77条で処罰される。
Q · 「あなたの債権、買い取って回収します」という業者の話に乗っても大丈夫?
弁護士か許可を受けたサービサー以外は違法です
弁護士法73条により、何人も他人の権利を譲り受けて訴訟・調停・和解その他の手段でその権利の実行を業とすることはできません。つまり債権を買い取って取り立てを商売にできるのは、弁護士か法務大臣の許可を受けたサービサーだけです。無許可業者がこれを行えば77条で2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科され、債権を売る側も違法スキームに巻き込まれる恐れがあります。
解説
知人に貸した300万円が返ってこない。途方に暮れるあなたのもとへ、ある業者が「その債権、当社が額面の七割で買い取ります。回収は当社がやりますので、もう悩まなくて大丈夫」と持ちかけてくる。一見ありがたい救いの手だが、その業者が弁護士でも、法務大臣の許可を受けたサービサー(債権回収会社)でもないなら、この取引そのものが弁護士法73条違反の犯罪だ。条文はこう言う。何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟・調停・和解その他の手段によってその権利の実行を業とすることはできない。狙いは明快で、他人のもめ事を安く買い叩いて取り立てで儲ける「事件屋」を社会から締め出すことにある。あなたが知っておくべきは、この禁止が「弁護士でない者」だけでなく「何人も」に及ぶこと、そして違反すれば77条で2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されることだ。儲け話の裏で、売る側も買う側も犯罪の網に絡め取られる構造がここにある。
法的な位置づけ
弁護士法73条は、譲り受けた他人の権利を訴訟等の手段で実行することを業として行うのを禁じる規定である。弁護士でない者を含む「何人も」に適用され、紛争を安く買い取って取り立てで利益を得る事件屋を排除する目的をもつ。サービサー法による許可業者のみが例外として認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取り立てを受けたらサービサー許可番号を書面で確認 見知らぬ相手から「債権を譲り受けた」として取り立てを受けたら、支払う前に相手の身元、サービサーの許可番号、委任の根拠を書面で求める。許可業者は法務省サイトの一覧で照合できる
- 2.許可も委任もなければ支払いを保留し譲渡通知を確認 相手が許可も委任状も示せない無許可業者なら、その譲受け・取り立ては73条違反の疑いがある。支払いを保留し、債権譲渡の通知(民法467条)が本当に元の債権者から来ているかを確認する
- 3.自社の債権を売却する前に相手の資格を確認 自社の不良債権を売却する場面では、相手がサービサー許可業者か弁護士かを契約前に確認する。これだけで後日「73条違反で契約無効」と蒸し返されるリスクを根元から断てる
- 4.ファクタリング契約は買戻特約・償還請求権を点検 ファクタリングを使う場合は、買戻し特約や償還請求権の有無を見直し、貸し倒れリスクが本当に移転しているかを確認する。リスクが移転していない実質貸付型は73条と貸金業法の二重の壁にぶつかる
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士法73条とは何ですか?
他人の権利を譲り受けて取り立てを業とすることを禁じる規定です。弁護士か法務大臣の許可を受けたサービサーだけが例外として債権回収を業にできます。
Q2債権を買い取って取り立てるのは違法ですか?
弁護士でも許可サービサーでもない者が、債権を譲り受けて反復継続して取り立てを業とすれば73条違反です。単発・無償の手助けは射程外です。
Q3事件屋とは何ですか?
他人の紛争や債権を安く買い取り、取り立てや示談で利益を上げる無資格業者を指します。73条はこの事件屋を社会から締め出すための規定です。
Q4弁護士法73条に違反するとどうなりますか?
同法77条により2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されます。さらに譲受けや回収委託の契約自体が無効と判断される余地もあります。
Q5個人間の債権買取は違法ですか?
個人や一般の事業会社でも、債権を譲り受けて反復継続・報酬を得て取り立てれば73条違反です。主語は「何人も」で資格の有無を問いません。
Q6不良債権パッケージへの投資は大丈夫ですか?
複数の債権を譲り受け回収益を分配するスキームは73条が禁じる類型の中心です。出資した時点で共犯側に立たされる可能性があります。
Q7弁護士法72条と73条はどう違いますか?
72条は無資格者の法律事務取扱い全般の禁止、73条は権利を譲り受けて取り立てを業とする行為に絞った禁止で、非弁規制の二本柱です。
Q8債権譲渡の通知が来たらどう対応すべきですか?
支払う前に相手の身元とサービサー許可番号・委任の根拠を書面で求め、通知が本当に元の債権者からか(民法467条)を確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ファクタリングって違法じゃないんですか? よく広告で見ますけど
買取型で業者が貸し倒れリスクを引き受ける真正な債権売買なら、原則として73条違反にはなりません。問題は、買戻し特約や償還請求権が付いて実質が貸付の「偽装ファクタリング」です。これは取り立て目的の譲受けと評価されうえ、貸金業法・出資法の金利規制も絡みます。実務のポイント:適法と違法を分けるのは「リスクが本当に移転しているか」です。契約書に売主の買戻義務や保証が書かれていたら要注意。弁護士は契約書のこの一点をまず確認します
Q2サービサーって何ですか? ふつうの債権回収会社と違うんですか?
サービサーは債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)に基づき法務大臣の許可を受けた債権回収会社で、73条の唯一の正面突破口です。資本金5億円以上、取締役に弁護士が必須など参入要件が極めて厳しく、許可業者は法務省サイトで一覧公開されています。実務のポイント:取り立ての電話が来たら「御社の許可番号は」と聞くだけで本物か偽物かがほぼ判別できます。無許可業者はこの一言で態度が変わるか、連絡を絶ちます
Q3友人に頼まれて、代わりに借金を取り立ててあげるのもダメなんですか?
一回限りの無償の手助けなら『業とする』に当たらず、73条の処罰対象外です。違法になるのは、債権を譲り受けたうえで反復継続して報酬を得る営業性が認められる場合です。実務のポイント:『業とする』の判断は、回数・反復意思・報酬の有無を総合します。最初は善意でも、二件三件と手数料を取って引き受け始めた瞬間に線を越えます。SNS で『債権回収お手伝いします』と募集をかけた時点で、反復意思ありと見られやすい点に注意
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士でない自分には関係ない規定だ」と思い込む人が多いが、条文の主語は『何人も』である。資格の有無を問わず、債権を譲り受けて取り立てを業とすれば、一般の個人や事業会社でも処罰対象になる。「素人だから許される」という発想そのものが、73条の射程を読み違えている
- ファクタリングは合法だと一括りに信じている人がいるが、危ういのは深刻度の見落としだ。業者が貸し倒れリスクを負う真正な債権売買なら適法でも、買戻し特約付きで実質は貸付という偽装型は、73条に加え貸金業法・出資法の金利規制まで重なって違法性が跳ね上がる。同じ「ファクタリング」の看板でも、契約構造次第で適法と犯罪に分かれる。実務上、どこからが違法かは解釈が分かれており、判例の蓄積で線引きが動いている
- 「一回だけ友人の債権を代わりに取り立てるのも違法」と過剰に怖がる人がいるが、問われているのは『業とする』、つまり反復継続して報酬を得る営業性である。無償・単発の助力は73条の射程外。問いの立て方を『この行為は違法か』ではなく『これは業として反復しているか』に変えれば、自分がどちら側にいるかが見えてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 禁止される行為 | 73条:他人の権利を譲り受けて取り立て等を業とすること | 72条:無資格者が報酬目的で法律事務全般を取り扱うこと 74条:非弁護士が弁護士等の標示・宣伝をすること |
| 前提となる行為 | 債権など権利の譲受け(買取)があること | 譲受け不要、訴訟・示談など法律事務の取扱い自体 譲受け不要、肩書きの表示・広告 |
| 罰則 | 77条:2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 | 77条:2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 74条違反は別途の罰則・過料 |
| 例外・適法化の道 | 弁護士、または許可を受けたサービサー(サービサー法3条) | 弁護士、または法律で認められた隣接士業の業務範囲内 弁護士登録による正規の標示 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は専業の取立業を直接規律する単独条文より、律師法の非律師規制と業務管理で抑制する構造。債権譲渡自体は民法で自由
韓国も弁護士法に非弁護士の権利譲受・取立禁止に類する規定を置き、日本法と近い規制構造をとる
ドイツは債権回収(Inkasso)を法的サービスと位置づけ、登録した取立業者にのみ許容する登録制で規律する
米国は取立行為そのものを FDCPA で行為規制し、無資格の法律実務は各州の UPL(Unauthorized Practice of Law)規制で抑える
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 売掛金500万円が焦げ付き、資金繰りに困ったあなたに「債権を買い取って回収まで請け負う」というファクタリング業者が現れる。買取型で業者が貸し倒れリスクを負う純粋な売買なら原則セーフだが、実質は貸金で取り立て目的の譲受けと認定されれば、73条と貸金業法の二重の壁にぶつかる。契約書のどの一行で線が引かれるかを知らずにサインすると、後で全体が無効になりかねない
- あなたが投資好きで、SNS で「不良債権パッケージを買って回収益で年利15パーセント」という案件に誘われた。複数の貸付債権を譲り受け、回収を業として行うスキームは、まさに73条が禁じる行為類型のど真ん中。出資した瞬間、あなたは被害者ではなく共犯側に立たされる可能性がある
- もし、あなたが営む会社が取引先から「うちの売掛債権を全部引き取って、相手から取り立ててくれ」と頼まれたら? 一回限りの善意ならまだしも、これを反復継続して報酬を取れば「業とする」に該当する。あと一件、二件と引き受けるたびに、無償の助け合いが犯罪へとスライドしていく
- 知らない業者から突然「あなたの○○に対する借金、債権者から当社が買い取りました。今日中に全額払え」と督促の電話が来る。相手がサービサー許可を持たない者なら、その譲受けと取り立て自体が違法。あなたは払う前に、相手が誰で、どの権限で取り立てているのかを問い詰める立場にある
- 起業仲間が「個人間の貸し借りトラブルを買い取って解決する新サービス」を立ち上げると言い出した。一見スマートなフィンテックに見えるが、サービサー法の許可なしでこれをやれば73条直撃。許可業者は資本金5億円以上・取締役に弁護士必須という高いハードルがあり、思いつきで参入できる領域ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 見知らぬ相手から「債権を譲り受けた」として取り立てを受けたら、支払う前に相手の身元とサービサー許可番号・委任の根拠を書面で求める2. 相手が許可も委任状も示せない無許可業者なら、その譲受け・取り立ては73条違反の疑いがある。支払いを保留し、債権譲渡の通知(民法467条)が本当に元の債権者から来ているかを確認3. しつこい取り立てや恐喝的な言動があれば、証拠を録音・保存のうえ警察と弁護士会の法律相談へ。違法な譲受けが立証されれば、取り立て自体に応じる義務はない
訴えられた側:1. 自社の事業が「他人の権利を譲り受けて取り立てを業とする」類型に該当しないか、契約構造を弁護士と精査する。鍵は譲受けの目的が取り立て自体にあるか、リスク移転を伴う真正な売買かの区別2. 該当する恐れがあれば、サービサー法の許可取得か、弁護士への業務委託スキームへの組み換えを検討3. ファクタリングなら買戻し特約や償還請求権の有無を見直し、実質貸付と評価されない設計に。すでに刑事の嫌疑が向いているなら、早期に弁護人を選任し供述方針を固める
時効(請求できる期限):73条違反は弁護士法77条により2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(2025年6月施行の拘禁刑統合後。最新の改正状況をご確認ください)。長期5年未満の罪のため公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為の終了時で、反復継続する営業形態では最後の取り立て行為が基準になる
学説
通説・実務:73条の「業とする」は反復継続の意思をもって報酬を得て行うことを指し、回数・反復意思・報酬の有無を総合して判断される。単発・無償の助力は射程外とされる。ファクタリングの適法性は、貸し倒れリスクが真に移転する真正な売買か、買戻特約付きの実質貸付かによって分かれると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行弁護士法(昭和24年法律第205号)の制定により、非弁護士による法律事務の取扱い規制の一環として、譲受権利の取立業務を禁止する規定が置かれた。
- 2.平成10年(1998年) 改正:債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)の制定により、法務大臣の許可を受けた債権回収会社が73条の例外として位置づけられ、不良債権処理の正規ルートが整備された。
- 弁護士法 第72条非弁護士による法律事務取扱いの禁止、本条と並ぶ非弁規制の柱
- 弁護士法 第74条非弁護士の標示・宣伝の禁止、規制の周辺整備
- 弁護士法 第77条73条違反に対する罰則(2年以下の拘禁刑等)
- 債権管理回収業に関する特別措置法 第3条許可を受けたサービサーに本条の例外を認める特別法(通称 サービサー法)
- 信託法 第10条訴訟行為を主たる目的とする信託の禁止、取り立て目的の権利移転規制で趣旨を共有
- 民法 第466条債権譲渡の自由の原則、本条が制限する対象の前提規定
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