放送法 第10条(放送番組の保存)
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放送事業者は、当該放送番組の放送後三箇月間(前条第一項の規定による訂正又は取消しの放送の請求があつた放送について、その請求に係る事案が三箇月を超えて継続する場合は、六箇月を超えない範囲内において当該事案が継続する期間)は、政令で定めるところにより、放送番組の内容を放送後において審議機関又は同条の規定による訂正若しくは取消しの放送の関係者が視聴その他の方法により確認することができるように放送番組を保存しなければならない。
この条文の基本情報
放送番組の保存とは何ですか?
定義放送番組の保存とは、放送法第10条に定められた規定で、「放送事業者は、当該放送番組の放送後三箇月間(前条第一項の規定による訂正又は取消しの放送の請求があつた放送について、その請求に係る事案が三箇月を超えて継続する場合…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第10条(放送番組の保存)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第10条の条文原文は「放送事業者は、当該放送番組の放送後三箇月間(前条第一項の規定による訂正又は取消しの放送の請求があつた放送について、その請求に係る事案が三箇月を超えて継続する場合…」で始まります。
- 放送法第10条は第二章 放送番組の編集等に関する通則に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第10条の前の条は放送法第9条です。
- 放送法第10条の次の条は放送法第11条です。
- 放送法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法10条は、放送事業者に放送番組を放送後3か月間保存する義務を課す。訂正放送の請求があり事案が続く場合は、最長6か月まで保存期間が延長される。
Q · テレビ局は放送した番組をいつまで保存しなければならないの?
原則3か月、訂正請求で事案が続けば最長6か月
放送法10条により、放送事業者は放送番組を放送後3か月間保存しなければなりません。保存の目的は、放送番組審議機関や、9条に基づき訂正放送を請求した関係者が、視聴などの方法で内容を確認できるようにすることです。訂正放送の請求があり、その事案が3か月を超えて続く場合は、事案が続く期間、最長で放送後6か月まで保存義務が延長されます。一般の視聴者には、映像の確認を求める法的権利はありません。
解説
テレビ局の倉庫には、放送した番組がすべて永久保存されていると思われがちだ。しかし法律が局に課している保存義務は、放送後わずか3か月である。放送法10条は、放送事業者に対し、番組を放送後3か月間保存するよう義務づける。保存の目的は、放送番組審議機関(局の内部に置かれる番組チェックのための委員会)や、訂正放送を請求した関係者が、視聴などの方法で内容を確認できるようにすることだ。この期間を延ばす鍵は前条の9条にある。訂正放送または取消し放送の請求をした事案が3か月を超えて続けば、保存期間は事案が続く間、最長で放送後6か月まで伸びる。つまり、事実と違う報道をされた人が黙って様子を見ている間に、証拠になる映像は法律上は消去してよい状態になる。逆に、3か月以内に訂正放送を請求すれば、事案が続く間、局は映像を消せなくなる。そしてあなたは「関係者」として内容を確認できる立場を得る。その時計は、放送された日から動き始めている。
法的な位置づけ
放送法10条は放送番組の保存義務を定める規定であり、放送事業者に対し、放送番組を放送後3か月間、政令の定めに従って保存することを義務づける。保存の目的は、放送番組審議機関および9条の訂正・取消し放送の関係者が内容を確認できるようにすることにある。訂正等の請求に係る事案が継続する場合、保存期間は最長6か月まで延長される。
手順
- 1.放送内容を当日中に記録する 放送日、番組名、放送時間帯、問題となった発言や映像の内容をメモし、録画があれば保管する。保存期間の起算日となる放送日を正確に特定する
- 2.3か月以内に訂正放送を書面で請求する 放送法9条に基づき、放送日から3か月以内に、訂正または取消しの放送を求める書面を放送事業者に送る。同じ書面で、関係者として番組内容の確認を申し出る
- 3.保存期間の満了日を管理する 原則の満了日(放送後3か月)と最長の満了日(放送後6か月)をカレンダーに記録し、局からの回答状況とあわせて追跡する
- 4.必要に応じて証拠保全を申し立てる 局の対応が不十分で訴訟を視野に入れる場合、保存期間が切れる前に民事訴訟法234条の証拠保全を裁判所に申し立て、放送映像を確保する
よくある質問 AI による整理
Q1テレビ番組の保存期間はいつまで?
放送法10条により放送後3か月間です。訂正放送の請求があり事案が3か月を超えて続く場合は、最長で放送後6か月まで延長されます。
Q2訂正放送の請求はいつまでできる?
放送法9条1項により、放送のあった日から3か月以内に請求する必要があります。保存義務の原則期間と同じ長さなので、期限は同時に切れます。
Q3放送番組審議機関とは?
放送法6条に基づき各放送事業者が設置する、番組の適正を審議する機関です。10条の保存義務により、放送済み番組を視聴して審議できます。
Q4訂正放送の請求方法は?
放送日・番組名・問題の箇所・訂正を求める理由を書面にまとめ、内容証明郵便で放送事業者に送るのが実務上確実です。法律上の様式はありません。
Q5放送局が保存期間内に映像を消したら違法?
法定期間内の消去は10条違反となり、放送法186条の罰則(50万円以下の罰金)の対象になりえます。罰則の現行内容は最新条文で確認してください。
Q6報道被害を受けたらまず何をすべき?
放送日と内容を記録し、3か月以内に訂正放送を請求します。これで関係者として内容を確認できる立場を得て、保存期間の延長も期待できます。
Q7BPOに申し立てれば映像は保存される?
BPOは業界の自主的な第三者機関であり、申立てに10条の保存期間を延長する法的効果はありません。延長効果があるのは9条の訂正放送請求です。
Q8放送映像を裁判の証拠にする方法は?
保存期間内に民事訴訟法234条の証拠保全を申し立てるのが確実です。期間経過後でも、文書提出命令(民訴220条)を検討する余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1テレビに勝手に映された映像、局に「見せて」って頼めるんですか?
頼むことはできるが、局に応じる義務はない。放送法10条が確認の手段を保障しているのは、放送番組審議機関と、9条の訂正放送を請求した関係者だけである。実務のポイント:先に訂正放送を請求して「関係者」になると、局の対応が目に見えて変わる。請求があった番組は削除が止められ、局内で法務の案件として扱われるからだ
Q2訂正放送を断られたら、裁判で無理やりやらせられますか?
最高裁は、9条(旧4条)は訂正放送を求める私法上の請求権を被害者に与えたものではないとしている(最判平成16.11.25)。そのため、この条文だけを根拠に訂正放送を強制することはできない。実務のポイント:強制したいなら、民法723条の名誉回復処分として、謝罪放送や訂正広告を求める訴えを立てる。9条の請求は、保存期間を延ばして証拠を確保するための前段の手続と位置づけるのが実務的である
Q33か月過ぎて局が映像を消しちゃったら、もう証拠はゼロですか?
局の保存義務は終わっているので、消去が直ちに10条違反になるわけではない。ただし実際には、局が自社の判断で長く保存している番組も多い。実務のポイント:保存義務が切れていても、民事訴訟法220条の文書提出命令の申立てで、録画媒体の提出を求める余地がある。また、モニタリング会社が報道を記録している場合もある。あきらめる前に、誰が記録を持っていそうかを洗い出すとよい
間違えやすい点 AI による整理
- 「局に放送映像を見せてもらう権利はあるのか」と考えがちだが、この問いの立て方自体がずれている。10条が確認の手段を保障している相手は、放送番組審議機関と、9条の訂正放送を請求した関係者に限られる。一般の視聴者が「見せてほしい」と頼んでも、局に応じる法的義務はない。最初に訂正放送を請求して「関係者」になることで、初めて確認への道が開ける
- あなたから見れば、苦情はBPO(放送倫理・番組向上機構)に送ればよいと思える。しかし法律上の構図は違う。10条にいう「審議機関」は、各局が6条に基づいて置く放送番組審議機関であり、BPOは放送業界が自主的に設けた第三者機関である。BPOへの申立てには、局の保存義務を延長する効果が条文上はない。延長の効果があるのは9条の訂正放送請求だけで、この違いを知らないと映像が消えていく
- 訂正放送を請求できることは知っていても、その請求に「裁判で強制する力」がないことまで知っている人は少ない。最高裁は、旧放送法4条(現9条)は被害者に訂正放送を求める私法上の請求権を与えたものではないと判断した(最判平成16.11.25)。それでも請求には意味がある。局に調査と保存を義務づけ、違反には罰則がある。強制力ではなく、証拠を残す仕組みとして使う条文なのである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 放送法10条:放送番組の保存義務 | 放送法9条:訂正・取消し放送の請求と実施 放送法6条:放送番組審議機関の設置 |
| 期間 | 放送後3か月(事案継続時は最長6か月) | 請求は放送日から3か月以内 期間の定めなし(常設機関) |
| 利益を受ける者 | 審議機関と訂正放送の関係者 | 放送により権利を侵害された本人・直接関係人 視聴者一般(番組の適正確保を通じて) |
| 相互関係 | 9条の請求と6条の審議機関の確認手段を担保 | 請求により10条の保存期間を延長させる起点 10条により保存された番組を視聴して審議 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も放送事業者に錯誤報導の更正義務と番組の録音・録画保存義務を課す仕組みを持つ。条番号・保存期間は原典で要確認
韓国は言論仲裁委員会を通じた訂正報道請求制度を備え、日本の9条より被害者の請求権が制度化されている
ドイツは反論掲載権(Gegendarstellung)が州法レベルで整備され、放送の記録保存義務も各州法に置かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地元の夕方ニュースで、あなたの店が「産地偽装の疑い」として店名入りで報じられた。ところが、実際に問題を起こしたのは隣町の同じ名前の店だったとしたら、どう動くか。最初の一手は、放送日から3か月以内に、局へ書面で訂正放送を請求することだ。請求した事案が続くかぎり、局は映像を最長6か月まで消せない。あなたは関係者として、自分がどう報じられたかを確認できる
- あなたはローカル局の編成部で働いている。サーバー容量が逼迫したため、放送から2か月の情報番組をまとめて削除しようとした。しかし、その中に視聴者から訂正請求が届いている回が含まれていた。法定の保存期間内に映像を消せば10条違反になり、罰則(50万円以下の罰金、放送法186条)の対象になりうる。削除する前に、法務部門の確認を必ず通すべき場面である
- 放送から89日目。訂正放送を請求できる期限も、映像の保存義務も、あと1日で同時に切れる
- 友人がバラエティ番組の街頭インタビューに答えたところ、発言の前後を切られて、まるで差別発言をしたように編集された。SNSで炎上してから、友人はあなたに相談してきた。友人自身は放送を録画していない。局に保存義務がある3か月のうちに訂正放送を請求すれば、編集前ではなく放送された内容そのものを確認する道が開ける
- あなたは地方局の放送番組審議会の委員に選ばれた。視聴者から苦情が出た番組を審議するとき、局に放送済みの映像を見せてもらえるのは、10条の保存義務があるからだ。苦情が届いてから審議日程を組むまでに時間がかかりすぎると、法定の保存期間が過ぎてしまうおそれがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 放送日、番組名、放送時間、問題の発言や映像の内容を、その日のうちに記録する。録画が残っていれば保管する2. 放送から3か月以内に、9条に基づく訂正放送の請求書を内容証明郵便で局に送る。同じ書面で、関係者として内容を確認したいと申し出る3. 局の対応が不十分であれば、保存期間内に証拠保全(民事訴訟法234条)を検討する4. 損害賠償(民法709条)や名誉回復処分(民法723条)は、訂正放送とは別の手続として請求する
訴えられた側:1. 放送局の側であれば、訂正請求が届いた番組には即時に削除禁止のフラグを立て、自動削除の対象から外す2. 9条に基づき、請求から2日以内に調査を始める。真実でないと分かった場合は、分かった日から2日以内に訂正放送をする3. 放送番組審議機関が確認を求めてきたときにすぐ視聴できるよう、保存の形式と保管場所を文書にしておく4. 保存期間の満了日を一件ごとに管理し、満了前に削除しない仕組みを作る
時効(請求できる期限):保存義務は放送後3か月。9条の訂正放送請求が出され、その事案が3か月を超えて続く場合は、事案が続く期間、最長で放送後6か月まで延びる。訂正放送の請求自体も、放送のあった日から3か月以内にしなければならない(9条1項)。名誉毀損による損害賠償請求権の消滅時効は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)。刑事告訴の期間は、犯人を知った日から6か月(刑事訴訟法235条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:10条の保存義務は、9条の訂正放送制度と6条の番組審議機関を実効化するための手段的規定であり、保存の範囲・期間・確認者を限定することで、放送の自由と被害救済の調整を図っている
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)放送法改正(要検証) 放送法の全面的な再編に伴い、番組保存の規定が旧5条から現行10条へ移ったとみられる。訂正放送の規定も旧4条から9条へ移った。保存期間や文言の変遷は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 改正:放送法の大規模改正に伴う条番号の整理により、訂正放送の規定が旧4条から9条へ、番組保存の規定が現行10条へ移ったとされる。文言の変遷は原典で要確認
- 放送法 第9条訂正放送請求、保存期間延長の起点
- 放送法 第6条放送番組審議機関の設置
- 放送法 第4条番組編集準則、審議の基準
- 放送法 第186条保存義務違反の罰則(現行効力を要確認)
- 民法 第723条名誉回復処分、訂正放送を強制する別の道
- 民事訴訟法 第234条証拠保全、保存期間内の映像確保
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