放送法 第106条(国内基幹放送等の放送番組の編集等)
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- 基幹放送事業者は、テレビジョン放送による国内基幹放送及び内外基幹放送(内外放送である基幹放送をいう。)(以下「国内基幹放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、特別な事業計画によるものを除くほか、教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない。
- 2.基幹放送事業者は、国内基幹放送等の教育番組の編集及び放送に当たつては、その放送の対象とする者が明確で、内容がその者に有益適切であり、組織的かつ継続的であるようにするとともに、その放送の計画及び内容をあらかじめ公衆が知ることができるようにしなければならない。この場合において、当該番組が学校向けのものであるときは、その内容が学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠するようにしなければならない。
この条文の基本情報
国内基幹放送等の放送番組の編集等とは何ですか?
定義国内基幹放送等の放送番組の編集等とは、放送法第106条に定められた規定で、「基幹放送事業者は、テレビジョン放送による国内基幹放送及び内外基幹放送(内外放送である基幹放送をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第106条(国内基幹放送等の放送番組の編集等)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第106条の条文原文は「基幹放送事業者は、テレビジョン放送による国内基幹放送及び内外基幹放送(内外放送である基幹放送をいう。」で始まります。
- 放送法第106条は第二款 業務に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第106条の前の条は放送法第105条の2です。
- 放送法第106条の次の条は放送法第107条です。
- 放送法第106条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第106条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第106条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/106
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法106条は、テレビの基幹放送事業者に教養・教育・報道・娯楽の番組を設け、相互の調和を保つよう義務づける。比率の数値基準はなく、専門編成は除外される。
Q · テレビ局は娯楽番組や通販番組ばかり流してもいいの?
通販自体は禁止ではないが、四種類の番組の調和は義務
放送法106条1項により、テレビの基幹放送事業者は、特別な事業計画による専門編成を除き、教養番組又は教育番組、報道番組、娯楽番組を設けて相互の調和を保たなければなりません。ただし何割必要かという数値基準は条文にありません。法的拘束力の強さについても学説が分かれています。視聴者が本条を根拠に局を訴えるのは難しく、実務上の窓口は局の放送番組審議機関(同法6条)と総務省です。
解説
夜のゴールデンタイムに地上波でチャンネルを回すと、バラエティ、ニュース、ドキュメンタリーが並んでいる。あの並びは偶然ではなく、視聴率だけで決まっているわけでもない。放送法106条は、テレビの基幹放送事業者(地上波や BS などで国の免許・認定を受けて放送する事業者)に、教養・教育・報道・娯楽の四種類の番組を設け、その間の「調和」を保つよう義務づけている。いわゆる番組調和原則である。教育番組にはさらに、誰に向けた番組かが明確であること、組織的かつ継続的に編成すること、放送計画を事前に公表することまで求めている。学校向けの番組なら学習指導要領に準拠しなければならない。ところが、何割あれば「調和」なのかは条文のどこにも数字がない。この空白を知っていれば、「なぜ通販番組がこんなに多いのか」「なぜ夕方の子ども番組が消えたのか」という不満を、単なる苦情ではなく制度の問題として正しい窓口に持ち込めるようになる。
法的な位置づけ
番組調和原則とは、放送法106条1項に基づき、テレビジョン放送の基幹放送事業者が、特別な事業計画による場合を除き、教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、番組相互の調和を保つべきとする原則をいう。同条2項は教育番組について、対象の明確性、内容の有益適切性、組織性・継続性、放送計画の事前公表、学校向け番組の教育課程基準への準拠を求める。
手順
- 1.番組種別ごとの放送時間を確認する 問題の局が公表している番組種別ごとの放送時間を開き、教養・教育・報道・娯楽と、広告・通販などその他の比率を前回改編期と比べて数字で押さえる
- 2.具体的な問題点を整理する 番組名、放送日時、どの種別がどれだけ減ったか、視聴者として何が困るのかを一枚にまとめる。感想ではなく数字と事実で書く
- 3.放送番組審議機関に意見を送る 改編期(4月・10月)の前に、局の放送番組審議機関あてに書面またはウェブフォームで意見を送る。審議機関は局に意見を述べる立場にあり(放送法6条)、議事概要は公表される
- 4.必要に応じて BPO・総務省に申し出る 放送倫理の問題であれば BPO に、制度運用の問題であれば総務省に申し出る。番組の検証を求める場合は、放送番組の保存期間(放送法10条、原則3か月)内に動く
よくある質問 AI による整理
Q1番組調和原則とは何ですか?
放送法106条1項が定める原則で、テレビ局に教養・教育・報道・娯楽の番組を設け、互いのバランスを保つよう求めるものです。比率の数値は定められていません。
Q2放送法106条に違反するとどうなる?
総務大臣には業務停止(放送法174条)や電波法76条の運用停止の権限がありますが、番組調和原則違反を理由に発動された公表例は見当たりません。
Q3教育番組と教養番組の違いは?
教育番組は対象者が明確で組織的・継続的に編成され、計画の事前公表が必要です。教養番組は一般向けに知識や文化を広げる番組で、2項の厳格な要件はかかりません。
Q4BS の専門チャンネルは番組調和原則の対象?
「特別な事業計画によるもの」に当たれば、四種類の番組をそろえる義務から外れます。専門編成の設計は業務認定の申請段階で固めておくのが実務です。
Q5ラジオにも番組調和原則は適用される?
現行106条1項の対象は「テレビジョン放送による国内基幹放送等」に限られています。ラジオは本条1項の直接の対象ではありません。
Q6学校向け番組は学習指導要領に従う必要がある?
あります。放送法106条2項後段により、学校向け教育番組は学校教育に関する法令が定める教育課程の基準、つまり学習指導要領に準拠しなければなりません。
Q7教育番組の年間放送計画はどこで分かる?
放送法106条2項が放送計画と内容の事前公表を義務づけているため、各局が年度初めに公表する番組紹介や年間計画で確認できます。
Q8番組種別ごとの放送時間はどこで確認できる?
テレビの基幹放送事業者は番組種別ごとの放送時間を公表しており、各局のウェブサイトで閲覧できます。分類基準は局ごとに異なる点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地上波で通販番組ばっかり流すのって、法律的にアリなの?
禁止はされていない。本条(放送法106条1項)は、教養・教育・報道・娯楽の番組を設けて調和を保つよう求めるだけで、比率の数字は決めていない。通販枠は番組種別の公表で、広告やその他として四種別とは別に表示されることが多い。実務のポイント:どの番組をどの種別に入れるかは各局の自己申告で、情報ワイドショーを報道と教養のどちらに入れるかも局によって違う。他局の数字とそのまま比べると読み違える
Q2好きだった教育番組が終わっちゃった。局に「戻せ」って法的に言える?
法的に強制する手段はほとんどない。最高裁(最判平成16.11.25)は、放送法の訂正放送の規定は被害者に私法上の請求権を与えたものではないと判断した。本条も、視聴者の権利を定めた条文とは一般に解されていない。実務のポイント:効果があるのは、番組審議機関への具体的な意見である。議事概要に載れば局の公式記録になり、次の改編を決めるときに無視しにくくなる
Q3学校向けの番組って、教科書みたいに国がチェックしてるの?
教科書のような検定制度はない。本条2項は、学校向け番組の内容を学校教育に関する法令の定める教育課程の基準、つまり学習指導要領に準拠させる義務を、放送事業者自身に負わせている。国の事前審査ではなく、局の自己責任型の仕組みである。実務のポイント:学習指導要領の改訂期には、番組の大規模な作り直しが発生する。改訂直後の年度は、教員の側でも内容が新しい課程に合っているかを確認しておきたい
間違えやすい点 AI による整理
- 番組の中身に国は口を出せない、と思われがちである。しかし放送法3条の番組編集の自由には、「法律に定める権限に基づく場合」という例外がある。本条はまさにその「法律」の一つであり、番組の種類の組み合わせという形で、局の編集に外枠をはめている
- 番組調和原則という言葉を知っている人でも、それが法的に強制できる規範なのか、倫理的な努力目標にとどまるのかについて、学説が大きく割れていることまでは知らない。総務大臣には放送法違反を理由とする業務停止(放送法174条)や、電波法76条による無線局の運用停止という権限がある。しかし番組調和原則の違反を理由にこれらが発動された公表例は見当たらず、実務上、解釈が分かれている
- 「視聴者はなぜ局を訴えて番組を元に戻させられないのか」という問いの立て方そのものがずれている。最高裁(最判平成16.11.25)は、放送法の訂正放送の規定について、被害者に私法上の請求権(裁判で直接求められる個人の権利)を与えたものではないと判断した。本条も、視聴者個人に権利を与える条文とは一般に解されていない。動かすべき相手は裁判所ではなく、番組審議機関と総務省である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 放送法106条:番組の種類の組み合わせ(四種類の調和) | 放送法4条:個々の番組の内容(政治的公平・報道の真実性等) 放送法3条:番組編集の自由そのもの |
| 適用範囲 | テレビジョン放送による国内基幹放送等(専門編成は除外) | 放送事業者の国内放送等の放送番組全般 すべての放送番組 |
| 数値・具体的基準 | 比率の数値なし。教育番組は2項で計画公表・指導要領準拠を要求 | 数値なし。準則の解釈は事業者と行政で争いがある 法律に定める権限に基づく場合を除き干渉を禁止 |
| 視聴者の救済手段 | 私法上の請求権は一般に否定。番組審議機関・総務省への申し出 | 私法上の請求権は一般に否定。BPO・番組審議機関への申し出 ―(局の編集権を保障する規定) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は節目を四類に分け、各類の放送時間比率を法令で定める点で、数値を持たない日本の106条より規律が具体的
韓国も総合編成の放送事業者に報道・教養・娯楽の調和を求め、施行令で編成比率を定める
ドイツは公共放送の任務として情報・教育・助言・娯楽の提供を定める。民間放送にはより緩やかな多様性確保の規律がかかる
米国は番組種別の調和義務を持たないが、子ども向け教育番組について FCC が一定の放送を求める仕組みがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地元局が平日夕方の子ども向け教育番組を打ち切り、その枠を通販番組に替えたら、視聴者に打つ手はあるのか? 本条を根拠に局を訴えて番組を復活させるのは難しい。それでも、局の放送番組審議機関(放送法6条)に意見を送る、総務省に申し出る、局が公表している番組種別ごとの放送時間で偏りを数字で示す、という三つの経路は残っている
- あなたは地方局の編成担当である。広告収入が落ち込み、深夜から早朝を通販番組で埋める案が出てきた。通販枠は番組種別の公表で広告やその他として扱われることが多い。改編後に教養・教育・報道・娯楽の比率がどう見えるかを先に試算しておかないと、番組審議会や総務省から説明を求められたときに答えに詰まる
- 学校向け番組の制作会社に、改訂された学習指導要領に合わせて台本を直す仕事が来た。放送開始まであと3週間しかない。準拠していない単元が一つでも残れば、本条2項の要件を満たせなくなる。
- 教員の友人から「授業でテレビ番組を使いたいけど、年間の放送予定っていつ分かるの?」と聞かれた。本条2項は、教育番組の放送計画と内容をあらかじめ公衆が知ることができるようにする義務を定めている。年度初めに公表される番組の紹介や年間計画を探せば、授業の単元計画に最初から組み込める
- BS でアニメ専門の新チャンネルを立ち上げる企画が進んでいる。総合編成にするか専門編成にするかで、本条の「特別な事業計画」に当たるかどうかが変わる。衛星基幹放送の業務認定(放送法93条)の申請段階で専門編成として設計しておけば、四種類の番組をそろえる義務から外れる余地がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 問題の局が公表している番組種別ごとの放送時間を確認し、比率の偏りを数字で押さえる2. 局の放送番組審議機関あてに、番組名・放送日時・具体的な問題点を書面で送る(審議機関は局に意見を述べる立場にある、放送法6条) 3. 放送倫理の問題なら BPO、制度の運用の問題なら総務省に申し出る4. 本条を根拠に局を訴えて番組を復活させるのは、現状では難しいと理解しておく
訴えられた側:1. 改編案ごとに四種別の放送時間を試算し、公表する数値の推移を説明できるように記録しておく2. 種別の分類基準を社内で文書化し、ワイドショーや通販枠の扱いを都合よく変えない3. 教育番組は対象者・ねらい・年間計画を事前に公表し、学校向け番組は学習指導要領が改訂されるたびに点検する4. 大きな改編は番組審議機関に事前に報告し、受けた指摘と対応を議事概要に残す
時効(請求できる期限):本条に特定の時効や期限はない。視聴者に金銭請求権を与える条文でもないため、一般消滅時効(民法166条)が問題になる場面も通常はない。実務上の期限として押さえるべきなのは、放送番組の保存義務が放送後3か月間(訂正放送の請求などがあった場合は6か月間、放送法10条)であること。問題のある番組の検証を求めるなら、この期間内に動く(最新の改正状況をご確認ください)
学説
法規範説:番組調和原則は放送法に明記された法的義務であり、違反が明白な場合には総務大臣の監督権限の対象となり得るとする立場。
倫理規範説:放送法3条の番組編集の自由と憲法21条に照らし、本条は放送事業者の自律に委ねられた倫理的な努力目標にとどまり、行政処分の根拠とすべきではないとする立場。
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年)改正 番組調和原則と教育番組の編集基準が旧放送法に導入されたとされる(旧3条の2等)。導入時期と条項番号は人による検証が必要
- 平成22年(2010年)改正(2011年施行) 放送法制の大改正で基幹放送の概念が導入され、旧規定が現行106条に再編された。対象が「テレビジョン放送による国内基幹放送等」に整理された。細かな文言の変更は要検証
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:放送法制定。この時点では番組調和原則の明文規定はなかったとされる。
- 2.昭和34年(1959年) 改正:番組調和原則と教育番組の編集基準が旧放送法に導入されたとされる。条項番号は要検証。
- 3.平成22年(2010年) 改正:放送法制の大改正で基幹放送の概念が導入され、旧規定が現行106条に再編された。対象は「テレビジョン放送による国内基幹放送等」に整理された(2011年施行)。
- 放送法 第3条番組編集の自由、本条はその法定例外
- 放送法 第4条番組編集準則、政治的公平等の並列規律
- 放送法 第6条放送番組審議機関、編成の点検窓口
- 放送法 第107条番組種別の公表義務(現行効力を要確認)
- 放送法 第174条法違反時の業務停止命令(現行効力を要確認)
- 学校教育法 第33条小学校教育課程を文部科学大臣が定める
- 電波法 第76条無線局の運用停止、地上波への監督手段
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