放送法 第108条(災害の場合の放送)
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基幹放送事業者は、国内基幹放送等を行うに当たり、暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をするようにしなければならない。
この条文の基本情報
災害の場合の放送とは何ですか?
定義災害の場合の放送とは、放送法第108条に定められた規定で、「基幹放送事業者は、国内基幹放送等を行うに当たり、暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第108条(災害の場合の放送)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第108条の条文原文は「基幹放送事業者は、国内基幹放送等を行うに当たり、暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し…」で始まります。
- 放送法第108条は第二款 業務に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第108条の前の条は放送法第107条です。
- 放送法第108条の次の条は放送法第109条です。
- 放送法第108条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第108条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第108条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/108
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法108条は、災害が発生し又は発生するおそれがある場合、民放を含む全ての基幹放送事業者に、防災・減災に役立つ放送を義務付ける。内容は各局の判断に委ねられる。
Q · 災害のときに防災情報を流す義務があるのは、NHKだけなの?
いいえ。民放やコミュニティFMも義務の対象です
放送法108条の名宛人は「基幹放送事業者」であり、NHKのほか民放のテレビとラジオ、衛星放送、コミュニティFMも含まれます。災害が発生した場合だけでなく、発生するおそれがある段階から、予防や被害の軽減に役立つ放送をする責務を負います。ただし、何をどれだけ放送するかは条文に定めがなく、番組編集の自由(同法3条)のもとで各局が判断します。NHKには、これに加えて気象業務法15条にもとづく警報放送の義務があります。
解説
震度5強の揺れから数十秒後、民放のバラエティ番組が報道フロアの映像に切り替わる。あれを各局の善意や視聴率の判断だと思っていたなら、半分しか当たっていない。放送法108条は、NHKだけでなく、民放のテレビとラジオ、衛星放送、地域のコミュニティFMまで、すべての基幹放送事業者(国から電波の割当てを受けて放送する事業者)に対し、災害の予防や被害の軽減に役立つ放送をするよう求めている。義務が生じるのは災害が起きた後だけではない。条文は「発生するおそれがある場合」と書いている。台風が上陸する前から、すでに義務の対象になっているのである。一方で、何をどの順番で何分流すかは、条文のどこにも書かれていない。放送番組編集の自由(3条)があるからだ。そのため、字幕の出し方も避難情報の細かさも、局によってまったく違う。あなたがやるべきことは、自分の地域の情報を最も細かく出す局を平時に見つけておくことである。停電でテレビが消えたとき、最後に頼れるのは電池式ラジオから流れる町のコミュニティFMかもしれない。
法的な位置づけ
放送法108条は災害時の放送に関する規定であり、基幹放送事業者が国内基幹放送等を行うに当たり、災害が発生し又は発生するおそれがある場合に、その発生の予防又は被害の軽減に役立つ放送をするようにしなければならない旨の責務を定める。放送の内容、時間、方法についての具体的な定めはなく、同法3条の番組編集の自由と併存する。
よくある質問 AI による整理
Q1基幹放送事業者とは何ですか?
国から電波の割当てを受け、地上波テレビ・ラジオや衛星放送などの基幹放送を行う事業者です。NHK、民放、コミュニティFMなどが該当します。
Q2放送法108条に違反すると罰則はありますか?
本条に違反したことを直接の理由とする罰則規定はありません。放送事業者の公的な責務を定めた規定と一般に理解されています。
Q3災害放送の義務はいつから始まりますか?
条文は「発生するおそれがある場合」も対象としているため、災害が起きる前の段階から義務が生じます。実務上は、警報や特別警報の発表が目安になります。
Q4緊急警報放送とは何ですか?
特殊な信号を送って、対応する受信機の電源を自動で入れ、災害の発生を知らせる放送です。夜間や睡眠中の住民に警報を届けるために使われます。
Q5L字放送とは何ですか?
通常の番組映像を縮小し、画面の右と下にL字型に避難情報や気象情報を表示する方式です。法律で定められた形式ではなく、各局の工夫によるものです。
Q6臨時災害放送局とは何ですか?
大規模災害の際に、市町村などが電波法にもとづく免許を受けて臨時に開設するFM放送局です。避難所や給水などの地域情報を伝えます。
Q7自治体は放送局に避難情報の放送を頼めますか?
災害対策基本法57条にもとづき、自治体は放送事業者に放送を求めることができます。平時に放送協定を結んでおくと、発災時の対応が速くなります。
Q8ネット配信にも放送法108条は適用されますか?
本条は基幹放送事業者が行う放送を対象としています。インターネット配信そのものは放送ではないため、本条の直接の対象ではないと考えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地震のときにCMがなくなるのって、法律で決まってるんですか?
直接決まっているわけではない。放送法108条が求めているのは防災に役立つ放送をすることであり、CMを禁止する文言はない。CMを外すかどうか、いつ通常の番組に戻すかは、各局の編集判断(放送法3条の番組編集の自由)に任されている。実務のポイント:大規模災害のとき、CMを差し替える期間や通常編成に戻る時期は局によってかなり違う。その違いを見れば、各局がどんな基準で判断しているかが見えてくる
Q2災害放送ってNHKだけの仕事じゃないの?
違う。本条の対象は基幹放送事業者全体であり、民放のテレビとラジオ、衛星放送、コミュニティFMも含まれる。ただしNHKには上乗せの義務があり、気象業務法15条にもとづいて気象庁から警報の通知を受けた場合、直ちに放送しなければならない。実務のポイント:民放の中にも、都道府県の地域防災計画で指定地方公共機関に指定されている局がある。そうした局は、自治体の防災計画の中で具体的な役割を担っている
Q3災害のときにちゃんと放送しなかった局を訴えることはできますか?
現実的には難しい。本条は放送事業者の公的な責務を定めた規定であり、視聴者個人に具体的な放送を求める権利を与えるものではないと一般に解されている。本条に違反した場合の直接の罰則もない。実務のポイント:実際に効果のある声の届け方は、局の放送番組審議機関(放送法6条)への意見である。審議の概要は公表されるので、そこで取り上げられれば、局は公式に対応せざるを得なくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 災害放送はNHKの仕事だと思われがちだが、本条の対象は民放やコミュニティFMを含むすべての基幹放送事業者である。NHKにはそれに加えて、気象業務法15条にもとづき、気象庁から通知された警報を直ちに放送する義務がある。つまり「NHKだけ」なのではなく、「NHKにはさらに上乗せの義務がある」というのが正しい
- 視聴者から見れば、災害時にCMやバラエティを流すことは不謹慎どころか違法に見えるかもしれない。しかし法律の側から見ると、本条はCMや通常番組を禁止していない。求めているのは防災に役立つ放送をすることであり、そのやり方は局の編集判断に任されている。この認識のずれを放置すると、怒りをぶつける先を間違えることになる
- 「災害報道が不十分だった局を訴えられるか」という問い自体が、そもそも成り立ちにくい。本条は放送事業者の公的な責務を定めた規定であり、視聴者個人に特定の放送を求める権利を与えるものではないと一般に解されている。不満を届けるべき先は裁判所ではなく、局の番組審議会やBPOである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の中身 | 放送法108条:災害時に防災・減災に役立つ放送をする責務 | 放送法3条:放送番組の編集の自由 放送法4条:番組編集準則(報道は事実をまげない等) |
| 適用される場面 | 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に限る | 平時・非常時を問わず常に適用 国内放送等の番組編集全般に常に適用 |
| 具体的な放送内容の決め方 | 方向性のみ示し、内容・時間・方法は各局の判断に委ねる | 法律に定める権限によらなければ干渉・規律されない 準則に沿って各局が自主的に編集する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも災害時の放送事業者の協力が法令で位置づけられているが、具体的な規律の仕方は日本と異なる
韓国は災害放送を独立した条文で定め、放送事業者に災害放送を行う義務を課している。日本より行政の関与が明確とされる
米国は連邦規則で放送事業者に緊急警報システムへの参加を求める。警報信号の中継を中心とする技術的な仕組みである
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風の上陸まであと12時間。地方局の編成担当であるあなたは、夜のドラマを予定どおり流すか、L字画面で避難情報を重ねるかを今決めなければならない。本条は「おそれ」の段階から防災に役立つ放送を求めている。後で「なぜ流さなかったのか」と問われたときに説明できるよう、判断の基準と記録を残しておく必要がある
- もし大地震で停電し、スマホの電池も残り10%になったら、何を頼りにする? 電池式ラジオで聞く地元のコミュニティFMも基幹放送事業者であり、本条の対象である。市町村単位の避難所情報を最も細かく流すのは、全国ネットではなくこうした小さな局であることが多い
- 深夜、枕元のラジオがひとりでに電源を入れ、甲高い信号音を鳴らした。緊急警報放送に対応した受信機の機能である。被害を軽減するための放送は、眠っているあなたを起こすところから始まっている
- 市役所の防災担当であるあなたは避難指示を出したが、住民に届いている手応えがない。災害対策基本法57条に基づき、自治体は放送事業者に放送を求めることができる。平時に地元局と災害時の放送協定を結んでいれば、当日は電話一本で字幕を出してもらえる。協定がなければ、まず担当者の連絡先探しから始まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 平時のうちに、地元の放送局(コミュニティFMを含む)の周波数と、テレビのデータ放送の地域設定を確認しておく2. 災害時は全国ネットの映像だけに頼らず、データ放送(dボタン)で市町村単位の避難情報を確認する3. 情報が明らかに不足していたり誤っていたりした場合は、日時と内容を具体的に添えて、局の視聴者窓口や番組審議会、BPOに意見を送る。訴訟よりも改善につながりやすい
訴えられた側:1. 「おそれ」の段階で編成を切り替える基準(警報の種類、震度など)を、社内マニュアルに明記しておく2. 自治体や気象台との連絡体制、災害時の放送協定を平時に整備しておく3. 発災時に、いつ何を放送したかの判断記録を残し、事後の検証や番組審議会での説明に備える4. 停電や送信所の被災に備え、予備電源と代わりの送信手段を点検しておく
時効(請求できる期限):本条自体に期限や時効の定めはない。義務は災害が「発生するおそれがある」時点で生じるため、実務上は気象庁が警報や特別警報を発表した時点が起点となる。放送局に損害賠償を求める場合は、一般の不法行為の時効(民法724条により知った時から3年、生命・身体の侵害は724条の2により5年、行為時から20年)が適用される。ただし、本条違反だけを理由とする請求が認められる見込みは低い
学説
一般的理解:本条は基幹放送事業者の公的責務を定める規定であり、直接の罰則はない。視聴者個人に特定の放送を求める具体的な請求権を与えるものではないと一般に解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 改正:放送法の大改正により放送の区分が再編され、旧6条の2に置かれていた災害の場合の放送の規定が、基幹放送事業者を名宛人とする108条に移された
- 放送法 第2条基幹放送事業者等の定義、名宛人の範囲
- 放送法 第3条番組編集の自由、放送内容の裁量の根拠
- 放送法 第4条番組編集準則、報道の正確性の要請
- 放送法 第6条番組審議機関、災害放送の事後検証の場
- 気象業務法 第15条警報のNHKへの通知と放送義務
- 災害対策基本法 第57条自治体による放送事業者への放送要請
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