放送法 第110条(放送番組の供給に関する協定の制限)
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基幹放送事業者は、特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む放送番組の供給に関する協定を締結してはならない。
この条文の基本情報
放送番組の供給に関する協定の制限とは何ですか?
定義放送番組の供給に関する協定の制限とは、放送法第110条に定められた規定で、「基幹放送事業者は、特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む放送番組の供給に関する協定を締結してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第110条(放送番組の供給に関する協定の制限)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第110条の条文原文は「基幹放送事業者は、特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む放送番組の供給に関する協定を締結してはならない。」で始まります。
- 放送法第110条は第二款 業務に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第110条の前の条は放送法第109条です。
- 放送法第110条の次の条は放送法第110条の2です。
- 放送法第110条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第110条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第110条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/110
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法110条は、基幹放送事業者が特定の者からのみ放送番組の供給を受ける条項を含む協定を締結することを禁じる。系列協定自体は禁止されない。
Q · 地方局はキー局の番組しか流してはいけない契約になっているの?
排他条項入りの協定は禁止で、系列協定自体は合法です
放送法110条により、基幹放送事業者は「特定の者からのみ」番組の供給を受けることとなる条項を含む協定を締結できません。キー局とのネットワーク協定そのものは禁止されていないため、系列局がキー局の番組を多く流すこと自体は合法です。ただし、供給元を一社に限定する排他条項は結べないので、地方局は他系列や独立系制作会社の番組を編成に入れる余地を法律上保持しています。実際の編成は資本関係や慣行の影響を受けます。
解説
夕方に地方局をつけると、東京のキー局と同じ番組が流れている。それを見て、地方局はキー局の番組しか流せない契約に縛られていると思っている人は多い。放送法110条はその逆を定めている。基幹放送事業者(電波を割り当てられた地上波・BS などの放送局)は、「特定の者からのみ」番組の供給を受けるという条項を含む協定を結んではならない。キー局とのネットワーク協定(系列局がキー局から番組を受け取る取り決め)そのものは禁止されていない。禁止されているのは「他からは一切受けない」という排他条項である。そのため法律上、地方局には系列外の番組、独立系制作会社の番組、他系列の番組を編成に入れる余地が残されている。クロスネット局(複数の系列に加盟する局)が存在できるのも、この余地があるからだ。ただし、法律が排他条項を禁じていても、実際の編成は資本関係や番組販売の慣行に大きく左右される。それでも制作会社が地方局に企画を持ち込むとき、「系列だから無理」と最初から引き下がる必要はない。契約上の門は法律で開けられている。
法的な位置づけ
放送法110条は番組供給協定の制限を定める規定であり、基幹放送事業者が特定の者からのみ放送番組の供給を受けることとなる条項を含む協定を締結することを禁止する。系列ネットワーク協定自体は許容しつつ、供給元を単一に固定する排他条項のみを排除し、放送局の編成上の選択の余地と番組供給源の多様性を確保する機能を持つ。
手順
- 1.協定・覚書・運用ルールを洗い出す 基幹放送事業者の法務・編成担当は、ネットワーク協定本体だけでなく、覚書、付属合意、社内運用ルールまで番組供給に関する文書をすべて一覧化する
- 2.排他的な文言を点検する 「唯一」「専ら」「他から受けない」「独占的に」など、供給元を特定の者に限定する表現がないかを確認し、該当箇所に印を付ける
- 3.運用上の実質的な排他性を確認する 文言上は排他条項がなくても、外部番組の受入を事実上禁じる運用になっていないかを、編成実績や社内決裁の記録から検証する
- 4.問題条項を協議で修正し記録を残す 排他的な条項や運用があれば、更新時期を待たずに相手方と協議して修正する。外部番組の受入実績を記録し、排他的運用でないことの説明材料として保管する
よくある質問 AI による整理
Q1放送法110条とは?
基幹放送事業者が、特定の者からのみ番組供給を受けるという条項を含む協定を結ぶことを禁じる規定です。系列協定そのものではなく排他条項が対象です。
Q2ネットワーク協定とは何ですか?
系列局がキー局から番組の供給を受け、ニュース取材や広告販売で協力する取り決めです。協定自体は合法ですが、排他条項を含めることは放送法110条で禁じられます。
Q3クロスネット局とは?
複数の系列ネットワークに同時に加盟し、それぞれから番組を受ける地方局です。供給元を一社に限る協定が禁じられているため、こうした形態が法律上成り立ちます。
Q4地方局が他系列の番組を放送するのは違法?
違法ではありません。放送法110条は供給元を一社に縛る協定を禁じており、他系列の番組を受け入れる余地は法律上残されています。編成判断は各局の自主性に委ねられます。
Q5番組供給協定の排他条項は無効になる?
110条は締結を禁じる規定ですが、私法上当然に無効となるかは条文に明記がなく、解釈に委ねられます。行政上の問題となりうるため、締結前に削除するのが安全です。
Q6基幹放送事業者とは?
放送法2条で定義される、地上波・BS・東経110度CS など基幹放送を行う事業者です。電波法の免許または放送法93条の認定を受けた者が該当します。
Q7放送法110条違反はどこに相談できる?
放送行政を所管する総務省が窓口です。排他的取引による競争制限が疑われる場合は、独占禁止法に基づき公正取引委員会への申告も検討できます。
Q8キー局からの番組購入(番販)は110条違反?
違反ではありません。キー局から番組を購入・受け入れること自体は自由です。問題になるのは「その者からのみ受ける」という排他的な条項を協定に入れる場合です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1系列局って、キー局以外の番組を流したら怒られるんですか?
法律上、怒られる筋合いはない。放送法110条は、特定の者からのみ番組を受けるという協定を禁じており、系列局が他から番組を受け入れる自由は保障されている。実務のポイント:実際の制約は契約よりも、ゴールデンタイムの同時ネット編成、番組販売の価格、キー局との人事・資本関係といった「空気」から来ることが多い。交渉で突くべきは法律ではなく、空いている時間帯と予算である
Q2この条文に違反すると、罰金とかあるんですか?
110条自体に直接の罰則規定はない。ただし放送法に違反した放送事業者に対しては、総務大臣が期間を定めて業務停止を命じうる規定がある(放送法174条、適用範囲は条文で要確認)。実務のポイント:この種の規律は、刑罰より、再免許・認定更新の審査や行政指導の場面で効いてくる。局の法務担当者が気にしているのは罰金ではなく、総務省との関係である
Q3ネット配信会社が地方局と独占契約を結ぶのも同じ規制ですか?
110条の名宛人は基幹放送事業者である。そのため、放送局が「この配信会社からのみ番組を受ける」協定を結べば、相手が放送局でなくても局側が抵触しうる。一方、配信事業そのものへの番組供給契約は110条の対象外である。実務のポイント:同じコンテンツでも「放送用」か「配信用」かで契約を分けておけば、規制の網を避けつつ独占的な関係を作れる。逆に、契約を一本化すると局側のリスクになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「系列局はキー局の番組しか流せない」と思われているが、法律上は逆である。110条は「特定の者からのみ」受けるという協定を禁じている。地方局が他系列の番組や独立系の番組を流すのは、例外ではなく、法律が想定している自由の行使である
- ネットワーク協定は違法な独占だという批判がある。だが、そもそもの問いの立て方がずれている。110条が問題にしているのは系列化そのものではない。供給元を一つに縛る排他条項だけである。系列関係、資本関係、番組販売の慣行は、それぞれ別の規律(マスメディア集中排除原則、独占禁止法など)の土俵で評価される
- 排他条項を書いていなければ問題ないと考える実務家もいる。しかし、契約書の文言には「唯一」とないのに、覚書や運用ルールで実質的に他からの受入を禁じている場合、それを「特定の者からのみ受ける条項」と評価できるかどうかは問題になりうる。この点の解釈は確立しておらず、実務上の議論の余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 放送法110条:番組供給協定に含まれる排他条項 | 放送法3条:外部からの番組編集への干渉 放送法93条:地上基幹放送の業務の認定要件 |
| 守ろうとするもの | 番組供給源の多様性と編成上の選択の余地 | 放送番組編集の自由 放送の多元性・地域性(集中排除の基盤) |
| 名宛人 | 基幹放送事業者 | 放送事業者以外の何人も(干渉の禁止) 認定を申請する者 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では放送分野に特化した同旨の規定ではなく、競争法上の排他的取引規制で同種の問題を扱う
韓国も競争法の不公正取引行為(排他条件付取引)で規律するのが基本
米国 FCC のネットワーク規則は、系列局が他ネットワークの番組を放送することを妨げる契約を禁じており、本条と問題意識が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方の独立系制作会社にいるあなたが、地元局に紀行番組を売り込んだ。担当者は「うちは系列なので」と言葉を濁す。系列協定に排他条項を入れることは110条で禁じられている。断られたとしても、それは法律上の制約ではなく編成上の判断である。その違いが分かれば、次の交渉で何を詰めればよいかが変わる
- もし、キー局が系列局との協定更新の際に「他系列および外部からの番組購入を禁ずる」という一文を入れてきたら、どうなる? その条項を含む協定を結ぶこと自体が、系列局側の110条違反になる。サインする側も法律上の当事者である
- 系列局の編成部で、協定更新の決裁があと三日に迫っている。新しい協定案に「番組供給は甲を唯一の供給元とする」という表現が紛れ込んでいた。法務に回すかどうかで迷う時間はない
- 大学のメディア論ゼミで、友人から「日本のテレビってキー局の独占でしょ、法律は何もしてないの?」と聞かれた。系列化は合法だが、排他条項は違法。その線引きを一分で説明できれば、議論の質が一段上がる
- 配信大手が地方局に独占コンテンツの供給を持ちかけた。条件は「他社からの番組受入を制限すること」。相手が放送局ではなくても、その条項を含む協定を結べば、基幹放送事業者である地方局側が110条に抵触しうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 外部制作者や系列外の供給者として排除された場合、断られた理由を書面かメールで残す。2. 理由が協定上の排他条項なら、110条違反の可能性を指摘し、編成の判断なのか契約上の制約なのかを相手に明確にさせる。3. 優越的地位の濫用や取引拒絶の疑いがあれば、独占禁止法に基づき公正取引委員会への申告を検討する。4. 放送行政の所管は総務省であり、情報提供の窓口になる。
訴えられた側:1. 基幹放送事業者の法務・編成担当者は、系列協定、覚書、運用ルールを横断的に洗い出し、「唯一」「専ら」「他から受けない」といった文言がないか点検する。2. 文言がなくても、運用で実質的な排他になっていないかを確認する。3. 問題があれば、次回の更新を待たずに協議して修正する。放送法違反は、総務大臣による業務停止命令(174条)の対象になりうる。4. 外部番組を受け入れた実績を記録しておくと、排他的運用ではないことの説明材料になる。
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。協定に起因する損害賠償を不法行為として請求する場合は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。協定の更新時期が、排他条項を是正する実務上の期限になる。
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)放送法改正(要検証) 旧放送法52条の3(一般放送事業者の番組供給協定の制限)の内容が、放送関連四法の統合に伴い、基幹放送事業者を名宛人とする現行110条へ移されたとみられる。改正年と文言変更の詳細は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 改正:放送法の大改正(平成22年法律第65号)により、旧規定の番組供給協定の制限が基幹放送事業者を名宛人とする現行110条に整理されたとみられる。旧条番号と文言の異同は原典での確認を要する
- 放送法 第1条放送の不偏不党・健全な民主主義への寄与という目的
- 放送法 第3条放送番組編集の自由、外部干渉の排除
- 放送法 第93条地上基幹放送の業務の認定要件、集中排除の基盤
- 放送法 第174条法令違反時の業務停止命令(適用範囲は要確認)
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条不公正な取引方法の禁止、排他条件付取引の規律(通称 独占禁止法)
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