放送法 第142条(電気通信紛争処理委員会によるあつせん及び仲裁)
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- 有線電気通信設備を用いてテレビジョン放送の業務を行う一般放送事業者(登録一般放送事業者については、指定再放送事業者に限る。)が、地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者に対し、その地上基幹放送を受信してする再放送に係る第十一条の同意(以下この節において単に「同意」という。)について協議を申し入れたにもかかわらず、当該基幹放送事業者が協議に応じず、又は協議が調わないときは、当事者は、電気通信紛争処理委員会(以下「紛争処理委員会」という。)に対し、あつせんを申請することができる。ただし、当事者が第三項の規定による仲裁の申請をし、又は当該一般放送事業者が第百四十四条第一項の規定による裁定の申請をした後は、この限りでない。
- 2.電気通信事業法第百五十四条第二項から第六項までの規定は、前項のあつせんについて準用する。この場合において、同条第六項中「第三十五条第一項若しくは第二項の申立て、同条第三項の規定による裁定の申請又は次条第一項の規定による仲裁の申請」とあるのは、「放送法第百四十二条第三項の規定による仲裁の申請をし、又は同条第一項の一般放送事業者が同法第百四十四条第一項の規定による裁定の申請」と読み替えるものとする。
- 3.第一項の規定による協議が調わないときは、当事者の双方は、紛争処理委員会に対し、仲裁を申請することができる。ただし、同項の一般放送事業者が第百四十四条第一項の規定による裁定の申請をした後は、この限りでない。
- 4.電気通信事業法第百五十五条第二項から第四項までの規定は、前項の仲裁について準用する。
- 5.第一項又は第三項の規定により紛争処理委員会に対してするあつせん又は仲裁の申請は、総務大臣を経由してしなければならない。
この条文の基本情報
電気通信紛争処理委員会によるあつせん及び仲裁とは何ですか?
定義電気通信紛争処理委員会によるあつせん及び仲裁とは、放送法第142条に定められた規定で、「有線電気通信設備を用いてテレビジョン放送の業務を行う一般放送事業者(登録一般放送事業者については、指定再放送事業者に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第142条(電気通信紛争処理委員会によるあつせん及び仲裁)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第142条の条文原文は「有線電気通信設備を用いてテレビジョン放送の業務を行う一般放送事業者(登録一般放送事業者については、指定再放送事業者に限る。」で始まります。
- 放送法第142条は第二節 業務に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第142条の前の条は放送法第141条です。
- 放送法第142条の次の条は放送法第143条です。
- 放送法第142条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第142条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第142条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/142
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法142条は、再放送同意の協議が不調のとき、電気通信紛争処理委員会にあっせん・仲裁を申請できると定める。仲裁には双方の申請が必要で、大臣裁定を申請した後はどちらも使えない。
Q · 地上波局が再放送の同意交渉に応じないとき、ケーブル局は何ができる?
仲裁は相手の合意が必要。一方だけならあっせんか大臣裁定
放送法142条1項により、協議に応じない、または協議が調わないときは、当事者の一方だけで電気通信紛争処理委員会にあっせんを申請できます。仲裁は当事者の双方による申請が必要です(同3項)。いずれも総務大臣を経由して申請します(同5項)。ケーブル局が144条1項の大臣裁定を申請した後は、あっせんも仲裁も申請できなくなるため、手続の順番が重要です。
解説
隣の県の民放が自宅のケーブルテレビで映らない。その裏には、ケーブル局と地上波局の間で決裂した「再放送同意」(地上波の番組をケーブルで流してよいという許可)の交渉があることが多い。放送法11条により、ケーブル局は地上波局の同意なしに再放送できない。交渉が行き詰まったときの出口を定めたのが本条である。出口は二つある。一つ目は「あっせん」(中立の第三者が間に入って話し合いをまとめる手続)で、当事者のどちらか一方だけで申請できる。二つ目は「仲裁」(第三者が拘束力のある判断を下す手続)で、双方がそろって申請しなければ始まらない。さらに、ケーブル局が144条の総務大臣裁定を申請すると、あっせんも仲裁も使えなくなる。どの順番で扉を開けるかによって、使える武器が変わる。申請はすべて総務大臣を経由して電気通信紛争処理委員会に出す。交渉担当者が知るべきなのは条文の中身よりも、この順番の設計である。
法的な位置づけ
放送法142条は、有線電気通信設備でテレビジョン放送を行う一般放送事業者と地上基幹放送事業者との間で、地上基幹放送の再放送に係る同意(同法11条)の協議が不調となった場合の紛争処理手続を定める規定である。電気通信紛争処理委員会に対し、当事者の一方によるあっせん申請と当事者双方による仲裁申請を認め、申請は総務大臣を経由して行う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.協議の申入れと記録化 地上波局に再放送同意の協議を書面で申し入れ、申入日、相手の回答、拒否の理由をメールや書面で記録する。142条1項の「協議に応じず、又は協議が調わない」ことを示す前提資料になる
- 2.あっせんを単独で申請 協議が不調になったら、総務大臣を経由して電気通信紛争処理委員会にあっせんを申請する。相手の合意は要らない。大臣裁定はまだ申請しない
- 3.仲裁に進むかを双方で判断 相手も第三者の判断に委ねることに合意するなら、双方で仲裁を申請する。仲裁判断には確定判決と同一の効力がある(仲裁法45条)ため、受け入れ可能な最低ラインを事前に社内で決めておく
- 4.最後の手段として大臣裁定を申請 あっせんも仲裁も機能しない場合に、144条1項の大臣裁定を申請する。申請後はあっせん・仲裁が使えなくなるため、それまでの交渉記録を整理し、拒否に正当な理由がないことを示す材料をそろえておく
よくある質問 AI による整理
Q1区域外再放送とは何ですか?
地上波局の放送対象地域の外で、ケーブルテレビ局がその地上波放送を受信して再放送することです。地上波局の同意(放送法11条)が必要です。
Q2再放送同意のあっせんはどこに申請しますか?
電気通信紛争処理委員会に申請します。ただし直接ではなく、総務大臣を経由して提出する必要があります(放送法142条5項)。
Q3電気通信紛争処理委員会とは?
総務省に置かれた紛争処理機関で、通信事業者間の紛争のほか、放送法142条に基づく再放送同意をめぐるあっせん・仲裁も扱います。
Q4再放送のあっせんに拘束力はありますか?
ありません。あっせんは委員が解決案を示す手続で、受け入れるかどうかは当事者が決めます。拘束力を求めるなら仲裁か大臣裁定になります。
Q5再放送同意のあっせん申請に期限はある?
条文上の期間制限はありません。ただしケーブル局が144条の大臣裁定を申請すると、それ以降はあっせんを申請できなくなります。
Q6地上波局の側からあっせんを申請できる?
できます。142条1項の申請主体は「当事者」なので、ケーブル局だけでなく地上波局からも申請できます。
Q7視聴者が再放送のあっせんを申し立てられる?
できません。申請できるのはケーブル局と地上波局という交渉の当事者だけです。視聴者は自治体や議会を通じて働きかけることになります。
Q8ケーブルテレビで隣県の局が映らないのは違法?
違法ではありません。区域外再放送には地上波局の同意が必要で、同意が得られなければ再放送できないのが法律上の原則です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手の地上波局がまったく相手にしてくれません。仲裁で決着をつけられますか?
相手が応じなければ仲裁はできない。放送法142条3項は、仲裁の申請に当事者の双方を要件としているからである。一方だけで申請できるのは、あっせん(同1項)と、144条の総務大臣による裁定である。実務のポイント:いきなり裁定を申請せず、先にあっせんを申し立てて相手の対応を記録に残しておくと、裁定の段階で拒否に正当な理由があるかを判断する材料が増える。
Q2あっせんと大臣裁定、どちらが早く確実ですか?
あっせんは電気通信事業法154条の準用により委員があっせん案を示す手続で、拘束力はないが柔軟に解決しやすい。裁定(放送法144条)は総務大臣が同意すべきかどうかを決める強い手続だが、申請すればあっせんも仲裁も使えなくなる(142条1項、3項のただし書)。実務のポイント:実務では、裁定は交渉のカードとして見せる場面が多く、実際の決着はあっせんの段階で付くことが少なくない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「話し合いがまとまらなければ、とりあえず仲裁にかければよい」と考えがちだが、仲裁は当事者の双方による申請が要件である(本条3項)。相手が拒めば、仲裁は始まりもしない。一方だけで動かせるのは、あっせんと大臣裁定の二つである。
- 区域外再放送の問題は「地元の視聴者が見たい番組を見られない」消費者問題に見えるかもしれない。しかし法律上の当事者はケーブル局と地上波局だけで、視聴者には申請権がない。不満を持つ視聴者が動かせるのは自治体や議会を通じた働きかけであり、本条の手続ではない。
- あっせん、仲裁、裁定はどれも中立的な救済手段だと理解している人は多い。だが三つの性質の違いが持つ重みは見落とされやすい。あっせん案には拘束力がない。仲裁判断は確定判決と同じ効力を持ち(仲裁法45条)、不服があっても原則として争えない。どの手続を選ぶかは、最終的に誰が決定権を持つかを選ぶことに等しい。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 放送法142条:紛争処理委員会によるあっせん・仲裁 | 放送法144条:総務大臣による裁定 放送法11条:再放送に地上波局の同意を要する原則 |
| 誰が申請できるか | あっせん=当事者の一方、仲裁=当事者の双方 | ケーブル側の一般放送事業者 (申請手続ではなく同意要件の規定) |
| 結論の拘束力 | あっせん案は拘束力なし/仲裁判断は確定判決と同一の効力 | 大臣が同意すべき旨を裁定できる強い手続 同意がなければ再放送できない |
| 他手続との関係 | 144条の裁定申請後はあっせん・仲裁とも申請不可 | 申請すると142条の手続が閉じる 142条・144条の前提となる要件 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では、ケーブル事業者に無線テレビ局の番組を同時再送信させる「必載」の枠組みがあり、日本の同意要件+紛争処理型とは発想が異なる
韓国も地上波の再送信をめぐる紛争が多く、放送通信委員会の放送紛争調停委員会による調停の枠組みがある
米国は retransmission consent と must-carry の選択制をとり、再送信料をめぐる交渉決裂(ブラックアウト)が社会問題化してきた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方のケーブル局で編成を担当している。隣県の民放キー局系列局に区域外再放送の同意を求めて半年になるが、返事がない。あっせんは相手が黙っていても一方的に申請できる。仲裁は相手の合意がない限り始まらない。
- 地上波局の側に立つ場合を考える。ケーブル局からあっせん申請の通知が届いた。応じなければ、相手は次に144条の大臣裁定へ進み、拒否に「正当な理由」があるかどうかを総務大臣が判断することになる。あっせんの席で妥協点を探るのか、裁定で白黒をつけるのか。
- もしあっせんの途中で、焦ったケーブル局の役員が大臣裁定を申請してしまったら? 本条1項ただし書により、その時点で進行中のあっせんの土台は崩れ、話し合いで解決する道は事実上閉じる。
- 番組改編期まで残り3か月。再放送の同意が取れなければ、チャンネル表から1局が消え、加入者の解約が始まる。あっせんで粘るのか、早めに裁定へ切り替えるのか、社内で決めなければならない。
取るべき行動
被害を受けた側:ケーブル局側が同意を得られない場合の手順。1. 協議を申し入れた日付、相手の回答、拒否の理由を書面とメールで記録する2. 相手が協議に応じないか、協議がまとまらない段階で、総務大臣経由であっせんを申請する(本条1項、5項) 3. 相手も解決を望むなら、双方で仲裁を申請する(同3項)。仲裁判断には拘束力があるので、受け入れられる最低ラインを事前に決めておく4. 最後の手段として144条の大臣裁定を申請する。ただし申請後はあっせんと仲裁が使えなくなる点に注意する
訴えられた側:地上波局側が申請を受けた場合の対応。1. 同意を拒否している理由(放送対象地域の制度趣旨、地元局の経営への影響、番組の権利処理など)を文書で整理する2. あっせんの席では、条件付きの同意(期間や範囲を限定する案)を示して主導権を握る3. 仲裁には応じる義務がない。拘束力のある判断を第三者に委ねるのがよいか慎重に判断する4. 協議を放置すると、裁定の場で拒否に正当な理由がないと評価されるおそれがあるため、交渉の記録を残しておく
時効(請求できる期限):本条の申請に特定の期間制限はない。権利の消滅については、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が問題となる余地があるにとどまる。実務上の期限は二つある。一つは、144条1項の裁定申請をした時点であっせんの申請はできなくなり(本条1項ただし書)、仲裁の申請もできなくなる(同3項ただし書)こと。もう一つは、番組改編期やチャンネル表の印刷締切といった事業上の期限である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 改正:放送法の大改正により、有線テレビジョン放送法などの放送関連法が放送法に統合された。ケーブルによる再放送をめぐる紛争処理の規定も、放送法の中に位置づけられた
- 放送法 第11条再放送同意の要件、本条の前提
- 放送法 第144条総務大臣裁定、申請後はあっせん・仲裁を排除
- 放送法 第140条指定再放送事業者の再放送義務(現行効力を要確認)
- 電気通信事業法 第154条あっせん手続の準用元
- 電気通信事業法 第155条仲裁手続の準用元
- 仲裁法 第45条仲裁判断に確定判決と同一の効力
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