放送法 第140条(受信障害区域における再放送)
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- 登録一般放送事業者であつて、市町村の区域を勘案して総務省令で定める区域の全部又は大部分において有線電気通信設備を用いてテレビジョン放送を行う者として総務大臣が指定する者は、当該登録に係る業務区域内に地上基幹放送(テレビジョン放送に限る。以下この条、第百四十二条及び第百四十四条において同じ。)の受信の障害が発生している区域があるときは、正当な理由がある場合として総務省令で定める場合を除き、当該受信の障害が発生している区域において、基幹放送普及計画により放送がされるべきものとされるすべての地上基幹放送を受信し、そのすべての放送番組に変更を加えないで同時に再放送をしなければならない。
- 2.前項の規定により指定を受けた者(以下「指定再放送事業者」という。)は、同項の規定による再放送の役務の提供条件について契約約款を定め、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。当該契約約款を変更しようとするときも、同様とする。
- 3.指定再放送事業者は、第一項の規定による再放送及び当該再放送以外の放送を併せて行うときは、当該再放送の役務の提供のみについて契約を締結することができるよう前項の提供条件を定めることその他の受信者の利益を確保するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
- 4.第十一条の規定は、第一項の規定による地上基幹放送の再放送については、適用しない。
- 5.国及び地方公共団体は、指定再放送事業者が一般放送の業務に用いる有線電気通信設備の設置が円滑に行われるために必要な措置が講ぜられるよう配慮するものとする。
- 6.第一項の指定に関し必要な事項は、総務省令で定める。
この条文の基本情報
受信障害区域における再放送とは何ですか?
定義受信障害区域における再放送とは、放送法第140条に定められた規定で、「登録一般放送事業者であつて、市町村の区域を勘案して総務省令で定める区域の全部又は大部分において有線電気通信設備を用いてテレビジョン放送を行う者として総務大臣が指…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第140条(受信障害区域における再放送)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第140条の条文原文は「登録一般放送事業者であつて、市町村の区域を勘案して総務省令で定める区域の全部又は大部分において有線電気通信設備を用いてテレビジョン放送を行う者として総務大臣が指…」で始まります。
- 放送法第140条は第二節 業務に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第140条の前の条は放送法第139条です。
- 放送法第140条の次の条は放送法第141条です。
- 放送法第140条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第140条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第140条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/140
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法140条は、総務大臣が指定したケーブルテレビ事業者に、受信障害区域で地上テレビ全局を無改変・同時に再放送する義務を課す。正当な理由がある場合は除かれる。
Q · 電波が届かない地域で、ケーブル会社は地デジを全部流さないといけないの?
指定事業者なら全局を無改変・同時に再放送する義務がある
放送法140条1項により、総務大臣が指定した登録一般放送事業者は、業務区域内に地上テレビの受信障害区域があれば、基幹放送普及計画上その区域で放送されるべき全ての地上基幹放送を、番組に変更を加えず同時に再放送しなければなりません。総務省令で定める正当な理由がある場合だけが例外です。指定を受けていない事業者や、電波が普通に届く区域にはこの義務は及びません。
解説
山あいの集落や高層ビルの陰では、屋根のアンテナでは地デジがまともに映らない。そうした受信障害区域について、放送法140条は、総務大臣が指定したケーブルテレビ事業者に重い義務を課している。基幹放送普及計画で放送されるべきものとされる地上テレビ放送をすべて受信し、番組に一切手を加えず、同時に流さなければならない。局を選ぶことも、CM を差し替えることも、時間をずらすこともできない。拒めるのは、総務省令が定める「正当な理由」がある場合だけである。しかも通常の再放送で必要な放送局の同意(11条)は、この場面では不要とされる。この義務によって地上テレビの再放送は事業者の「サービス」ではなく「公的な責務」に変わる。だから住民は、ケーブル会社に「映るようにしてもらえませんか」とお願いする立場ではない。「指定事業者としての義務を果たしているか」を問える立場に立つ。さらに3項は、多チャンネルのパックを買わなくても再放送だけを契約できるようにする努力義務を定めている。これを知らずに月額数千円のパックを勧められるまま契約している世帯は少なくない。
法的な位置づけ
放送法140条は、受信障害区域における地上テレビジョン放送の義務的再放送を定める規定である。総務大臣の指定を受けた登録一般放送事業者(指定再放送事業者)は、総務省令で定める正当な理由がある場合を除き、基幹放送普及計画上放送されるべき全ての地上基幹放送を無改変かつ同時に再放送しなければならず、契約約款の届出義務と再放送単独契約の努力義務も負う。
手順
- 1.受信障害の実態を記録する 受信不良が一時的なものか、地形や建物による恒常的な受信障害かを確認する。販売店などに受信測定を依頼し、日時・症状・映らない局を記録しておく
- 2.ケーブル事業者の指定と業務区域を照会する 地域のケーブル事業者に、140条1項の指定再放送事業者かどうか、自宅が業務区域内の受信障害区域に含まれるかを書面またはメールで照会する
- 3.届出済みの契約約款で再放送単独プランを確認する 再放送だけを契約できるプランの有無を、口頭ではなく総務大臣に届け出た契約約款の該当箇所で示してもらう。多チャンネルパックとの料金差も比較する
- 4.局の欠落や改変を総合通信局に相談する 放送されるべき局が欠けている、CMが差し替えられている、時間がずれているなどの事実があれば、チャンネル番号・日時・内容を記録し、管轄の総合通信局に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1指定再放送事業者とは?
放送法140条1項にもとづき総務大臣の指定を受けた登録一般放送事業者のことです。受信障害区域で地上テレビ全局を無改変・同時に再放送する義務を負います。
Q2受信障害区域とはどんな地域ですか?
山間部の地形やビル陰などにより、地上テレビ放送をアンテナで正常に受信できない区域です。140条の義務は、指定事業者の業務区域内にあるこうした区域で生じます。
Q3ケーブルテレビの再送信に放送局の同意は必要?
通常の再放送には放送法11条により放送事業者の同意が必要です。ただし140条1項による義務的再放送については、4項で11条が適用除外とされています。
Q4ケーブルテレビ 地上波だけの契約 できる?
指定再放送事業者は、再放送だけを契約できるよう提供条件を定める努力義務を負います(140条3項)。努力義務のため、まず届出済みの契約約款で確認するのが確実です。
Q5ケーブル会社が地上波のCMを差し替えるのは違法?
受信障害区域での義務的再放送では、140条1項が番組に変更を加えないことを求めています。CMの差替えは改変に当たる可能性が高く、問題となりえます。
Q6ケーブルテレビの料金改定に届出は必要?
指定再放送事業者は再放送の提供条件を契約約款で定め、実施前に総務大臣へ届け出る必要があります。約款を変更するときも同様です(140条2項)。
Q7ケーブル会社が地デジの一部の局を流さないのはなぜ?
指定事業者でない、受信障害区域外である、または総務省令の正当な理由に当たる場合が考えられます。いずれにも当たらなければ1項の義務違反となりえます。
Q8ケーブル再送信の問題はどこに相談する?
まず事業者に指定の有無や契約約款の提示を求め、解決しなければ管轄の総合通信局に相談するのが一般的な流れです。日時と内容の記録が役立ちます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ケーブル会社に地上波だけの安いプランはないって言われたけど、本当にないの?
受信障害区域で指定再放送事業者が再放送を行う場合、140条3項は再放送だけを契約できるよう提供条件を定める努力義務を課しています。努力義務なので、ないこと自体が直ちに違法とは限りません。実務のポイント:電話窓口が知らないだけで、届出済みの契約約款には再送信だけのコースが載っていることがある。口頭で済ませず、約款の該当ページを出すよう求めるのが近道だ
Q2ケーブルで見てる地上波、CM が地元企業のものに変わってた気がする。いいの?
受信障害区域での義務的な再放送であれば、140条1項は番組に変更を加えないで同時に再放送することを求めており、CM の差替えも改変に当たりうります。実務のポイント:ケーブル局の自主放送チャンネルで流れる地域 CM と、地上波の再送信チャンネルを見間違えているケースも多い。チャンネル番号と時刻を記録してから問い合わせると、話が早く進む
Q3うちは山の上で電波が悪いけど、ケーブル会社がそもそも来てない。140条でどうにかならない?
140条の義務は、指定再放送事業者の登録された業務区域内に限られます。事業者がいない地域には直接は及びません。ただし5項は、国と地方公共団体に設備設置の円滑化への配慮を求めています。実務のポイント:難視聴対策は自治体の共聴施設整備や辺地共聴の支援として動くことが多い。まず役場の情報政策担当に相談するほうが、ケーブル会社への直談判より結果が早い場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- ケーブルテレビはどこでも地上波を再送信する義務を負っていると思われがちだが、そうではない。義務を負うのは総務大臣が指定した事業者だけで、範囲も業務区域内の受信障害区域に限られる。電波が普通に届く区域での再送信は、140条の義務ではなく事業者の経営判断である
- 「放送局の同意がないから再送信できない」というケーブル側の説明は、受信障害区域では前提から崩れる。4項は11条の同意規定を適用除外しており、著作権法99条2項も、法令で義務付けられた有線放送には放送事業者の有線放送権を及ぼさないと定める。義務の場面で、同意の欠如は断る理由にならない
- 住民から見れば「地デジが映ればそれでいい」かもしれない。しかし法律の目線は「普及計画上その区域で見られるべき全局が、改変なしで同時に届いているか」にある。1局欠けていても、CM が差し替えられていても、映ってはいるので気付かれにくい。その気付かなさが不完全な履行を長引かせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 再放送と放送局の同意 | 放送法140条:義務的再放送では同意不要(4項で11条を適用除外) | 放送法11条:再放送には原則として放送事業者の同意が必要 放送法64条:受信契約の規定で、再放送の同意とは無関係 |
| 義務を負う者 | 総務大臣が指定した登録一般放送事業者(指定再放送事業者) | 他の放送事業者の放送を再放送しようとする放送事業者 協会の放送を受信できる受信設備を設置した者 |
| 利用者から見た意味 | 受信障害区域で地デジ全局を改変なしで視聴できる根拠 | 受信障害区域外では、局の同意次第で再送信されないことがある ケーブル経由で視聴していても受信契約の対象になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は有線テレビ事業者に無線テレビ局の番組と広告を、形式と内容を変えずに同時転播するよう求める。日本と異なり受信障害区域に限定されない一般的な必載義務である
韓国は総合有線放送事業者などに、KBS 1TV と EBS の同時再送信を義務付ける。対象局が法律で特定されている点が日本と異なる
ドイツは州間メディア協定で、プラットフォームの伝送容量の一部を公共放送などに割り当てる must-carry 規律を置く
米国はケーブル事業者に地元商業局の再送信を義務付け、局側は must-carry か再送信同意かを選択できる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 受信障害区域に住んでいるのに、ケーブル会社が「地上波だけの契約はありません」と言ってきたら、どう反論できる? 140条3項は、再放送だけを契約できるよう提供条件を定める努力義務を指定再放送事業者に課している。努力義務なので直ちに違法とまでは言えない。それでも届出済みの契約約款を見せるよう求め、総合通信局に相談するという足場はある
- 隣の空き地に15階建てのマンションが建ち、翌週からテレビの映りが悪くなった。原因者負担で受信障害対策を求める交渉と、140条にもとづくケーブル再放送の利用は、別ルートとして同時に検討できる
- 地方のケーブル局で編成を担当しているあなたが、視聴率の低い県外局の再送信を「回線がもったいない」という理由で止める案を出した。受信障害区域が業務区域に含まれていれば、普及計画上その区域で放送されるべき局を独断で外すことは、1項の「すべての地上基幹放送」に反するおそれがある。社内会議で通る前に止めるべき案件だ
- ケーブル局が独自の地域 CM を地上波の CM 枠に差し込もうとしている。1項の「変更を加えないで」に正面からぶつかる
- 契約約款の料金改定を来月1日から実施する予定なのに、総務大臣への届出がまだ済んでいない。2項は「実施前」の届出を求めている。残りは10日。届出が施行日に間に合わなければ、新料金を請求する根拠そのものが揺らぐ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自宅の受信不良が一時的なものか、地形や建物による恒常的な受信障害かを、販売店の受信測定などで記録する2. 地域のケーブル事業者が指定再放送事業者かどうか、受信障害区域が業務区域に入っているかを事業者に照会する3. 再放送だけの契約が可能かを確認し、届出済みの契約約款の提示を求める4. 局の欠落や番組の改変があれば、日時と内容を記録して管轄の総合通信局に相談する5. 建物による障害であれば、原因者への対策要求も並行して進める
訴えられた側:1. 自社が受けている指定の範囲と、業務区域内にある受信障害区域を地図レベルで洗い出す2. 普及計画上その区域で放送されるべき全局を再送信しているか、CM 差替えや遅延がないかを点検する3. 再送信できない局がある場合、総務省令の「正当な理由」に当たるかを根拠資料とともに整理する4. 料金改定の前には必ず契約約款を届け出て、再放送だけのプランの存在と案内方法を見直す
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。ただし契約約款は実施前(変更時も同様)に総務大臣へ届け出る必要があり、届出前の実施は2項違反となる。利用者と事業者の間の料金返還などの債権には、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)放送法改正(平成23年施行) 旧有線テレビジョン放送法の受信障害区域における再送信義務の規律が、放送法の統合再編に伴い本条に置かれたとされる。旧法からの移行の細部と、その後の改正の有無は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 新設:放送関連法の統合再編に伴う放送法改正により、旧有線テレビジョン放送法の受信障害区域における再送信義務の規律が本条に置かれたとされる(平成23年施行)。細部は人による検証が必要
- 放送法 第11条再放送同意原則、本条4項で適用除外
- 放送法 第126条一般放送の業務の登録、指定の前提
- 放送法 第144条地上テレビ再放送同意の大臣裁定(現行効力を要確認)
- 放送法 第64条受信契約義務、ケーブル受信世帯にも関係
- 著作権法 第99条法令上義務の有線放送は有線放送権の対象外(2項)
- 道路法 第32条ケーブル敷設に伴う道路占用許可
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