放送法 第164条(議決権の保有制限)
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- 認定放送持株会社の株主名簿に記載され、又は記録されている一の者が有する株式(その者の子会社その他その者と総務省令で定める特別の関係にある者であつて株主名簿に記載され、又は記録されているものが有する当該認定放送持株会社の株式を含む。以下この項において「特定株式」という。)の全てについて議決権を有することとした場合にその者の有することとなる議決権の当該認定放送持株会社の総株主の議決権に占める割合が保有基準割合を超えることとなるときは、特定株主(特定株式のうち、その議決権の当該認定放送持株会社の総株主の議決権に占める割合が保有基準割合を超えることとならないように総務省令で定めるところにより議決権を有することとなる株式以外の株式を有する株主をいう。)は、当該株式についての議決権を有しない。
- 2.前項の保有基準割合は、第九十一条第二項各号に掲げる事項を勘案して十分の一以上三分の一以下の範囲内で総務省令で定める割合をいう。
この条文の基本情報
議決権の保有制限とは何ですか?
定義議決権の保有制限とは、放送法第164条に定められた規定で、「認定放送持株会社の株主名簿に記載され、又は記録されている一の者が有する株式(その者の子会社その他その者と総務省令で定める特別の関係にある者であつて株主名簿に記載…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第164条(議決権の保有制限)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第164条の条文原文は「認定放送持株会社の株主名簿に記載され、又は記録されている一の者が有する株式(その者の子会社その他その者と総務省令で定める特別の関係にある者であつて株主名簿に記載…」で始まります。
- 放送法第164条は第八章 認定放送持株会社に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第164条の前の条は放送法第163条です。
- 放送法第164条の次の条は放送法第165条です。
- 放送法第164条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第164条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第164条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/164
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法164条は、認定放送持株会社の株主が特別関係者の分と合算して保有基準割合を超える議決権を持つ場合、超過分の株式の議決権を否定する。株の保有自体は禁止されない。
Q · テレビ局の持株会社の株を大量に買えば、局を支配できるの?
株は買えるが、上限を超えた分の議決権は消える
放送法164条により、認定放送持株会社の株主が、子会社など特別関係者の名義分も合算して保有基準割合を超える議決権を持つことになる場合、超えた部分の株式については議決権を有しません。保有基準割合は10分の1以上3分の1以下の範囲で総務省令が定めます(同条2項)。売却命令や没収はなく、配当を受ける権利も条文上は制限されていませんが、株主総会で行使できる票は上限までに限られます。
解説
テレビ局の持株会社の株を買い進めれば局を支配できる、という発想には法律上の上限がある。放送法164条は、総務大臣の認定を受けた放送持株会社(認定放送持株会社:在京キー局グループの多くがこの形をとる)について、一人の株主の議決権に天井を設けている。天井は10分の1以上3分の1以下の範囲で総務省令が決める「保有基準割合」である。子会社など「特別の関係にある者」の名義の株も合算される。天井を超えた株は没収されないし、売却も強制されない。ただ、超えた部分について議決権だけが消える(議決権:株主総会で取締役の選任などに賛否を投じる権利)。何十億円かけて買い増しても、総会の採決では上限分しか効かない。会社法の「一株一議決権」の原則(会社法308条)を、放送の多元性を理由に放送法が上書きしている。買収劇のニュースで「この株主はあと何%で局を押さえる」と聞いたら、まず確かめるべきなのは持株比率ではなく、議決権として数えられる比率である。
法的な位置づけ
放送法164条は、認定放送持株会社に対する議決権の保有制限を定める規定である。一の者が有する株式に、その子会社その他総務省令で定める特別の関係にある者の株式を合算し、議決権割合が保有基準割合を超える場合、超過分の株式について議決権を否定する。保有基準割合は同法91条2項各号の事項を勘案し、10分の1以上3分の1以下の範囲で総務省令が定める。
手順
- 1.対象が認定放送持株会社かを確認する 出資や買い増しを検討する前に、対象会社が総務大臣の認定を受けた認定放送持株会社かどうかを、有価証券報告書や総務省の公表情報で確認する
- 2.特別関係者の名義を洗い出す 自社本体に加え、子会社、関連ファンドなど総務省令で定める特別の関係にある者の名義で、対象会社の株式がどれだけ株主名簿に記載されているかを一覧化する
- 3.合算議決権割合を保有基準割合と比較する 合算した議決権が総株主の議決権に占める割合を算出し、総務省令で定める保有基準割合と比べて、超過分の有無と株数を試算する
- 4.基準日前に保有方針を決め専門家に確認する 超過分を配当目的の保有と割り切るか、売却で整理するかを株主総会の基準日より前に決める。特別関係者の範囲に解釈の余地があれば、弁護士と協議し総務省への事前照会も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1認定放送持株会社とは何ですか?
複数の放送事業者を子会社として傘下に置く持株会社のうち、総務大臣の認定を受けたものです。在京キー局グループの多くがこの形をとり、株主の議決権に上限が課されます。
Q2放送法 議決権 上限 何パーセント?
法律が定めるのは「10分の1以上3分の1以下」という幅だけです。具体的な保有基準割合は総務省令で定められるため、最新の放送法施行規則で確認する必要があります。
Q3子会社名義の株も議決権の上限に含まれますか?
含まれます。放送法164条1項は、子会社その他総務省令で定める特別の関係にある者が株主名簿に記載されている株式も「特定株式」として合算します。
Q4放送持株会社の株を上限以上買うのは違法?
違法ではありません。本条は取得や保有を禁止しておらず、上限を超える部分の株式について議決権を有しないという効果を定めるだけです。
Q5議決権のない株はどれになりますか?
総務省令で定める算定方法により、議決権割合が保有基準割合を超えないように議決権を持つ株式が決まり、それ以外の株式が議決権を持たない株式となります。
Q6テレビ局の買収はなぜ難しいのですか?
認定放送持株会社では一人の株主の議決権に上限があるため、株を買い集めても単独で総会の過半数を握れません。放送の多元性を守るための仕組みです。
Q7議決権の上限は株主総会のいつ時点で判断される?
株主名簿の記載が基準となるため、実務上は各株主総会の基準日時点の名簿で判断されます。基準日後に名義を整理しても、その総会には反映されません。
Q8議決権の数え方を誤った総会決議は争える?
議決権の算定を誤った決議は、決議方法の法令違反として、決議の日から3か月以内に決議取消しの訴えを提起できる余地があります(会社法831条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1テレビ局の持株会社って、結局何%まで買えるんですか?
買うこと自体に上限はありません。上限があるのは議決権です。放送法164条2項は、10分の1以上3分の1以下の範囲で総務省令が保有基準割合を定めるとしています(現行の具体的な割合は総務省令でご確認ください)。実務のポイント:報道で出てくるのはたいてい単独名義の比率です。合算対象となる子会社名義を足すと、すでに上限に達している大株主は少なくありません
Q2上限を超えて持っている株って、配当も止まるんですか?
164条1項が奪うのは「議決権」だけです。配当など財産上の権利は、条文上は制限されていません。実務のポイント:そのため上限超えの株は「票のない配当株」として持ち続けられます。支配を狙わない長期投資家にとって、上限は致命傷になりません。逆に経営に口を出したい株主には、上限を超えた分の資金が丸ごと無駄になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「上限を超えたら株を売らされる」と思われがちだが、本条には売却命令も没収もない。超えた部分の議決権が自動的に消えるだけである。処分を強制する代わりに、支配力だけを取り上げる設計になっている
- 「名義を分ければ上限をすり抜けられる」と考えるのは前提から誤っている。条文は、子会社その他総務省令で定める特別の関係にある者の株も「特定株式」として合算する。名義を分ける手口は、立法時点で想定済みである
- 持株比率は会社法の世界の物差しであり、放送持株会社では議決権比率が別に計算される。この二つを混同したまま提携契約や株主間協定を書くと、契約上は「支配権を得る」はずの出資が、総会では過半を取れない数字になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 放送法164条:認定放送持株会社の株主の議決権 | 放送法158条:放送持株会社が認定を受けるための要件・手続 放送法91条:基幹放送普及計画(本条の保有基準割合の勘案事項) |
| 法的効果 | 保有基準割合を超える部分の株式は議決権を有しない | 認定により持株会社として複数の放送事業者を傘下に置ける 総務大臣が普及計画を定め、放送の多元性等の指針を示す |
| 名宛人 | 認定放送持株会社の株主(特別関係者を含む) | 認定を申請する持株会社 総務大臣(計画策定者) |
| 数値の決まり方 | 10分の1以上3分の1以下の範囲で総務省令が定める | 条文自体に議決権割合の数値なし(要確認) 計画事項の定めであり数値基準は直接定めない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も放送事業の所有集中を規制するが、議決権の自動停止ではなく、許可審査や持株規制を通じて調整する構造とされる(条番号は要確認)
韓国は放送事業者の株式・持分の保有上限を法律で直接定める。日本が議決権だけを止めるのに対し、保有そのものを制限する点が異なる
ドイツは視聴シェアを基準に「支配的な世論形成力」の有無を審査する方式で、株式数の上限ではなく影響力ベースで規制する
米国は FCC の所有規制により、同一市場での複数局保有などを制限する。株主の議決権を個別に止める仕組みではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- キー局の持株会社に投資ファンドが買い増しを宣言した。報道は「筆頭株主が30%超へ」と煽る。しかし子会社名義の株も合算され、保有基準割合を超えた分の議決権は消える。株主総会で取締役を入れ替えられるかは、見出しの数字では判断できない
- あなたは事業会社の経営企画部員で、放送持株会社の株を本体と投資子会社の二つの名義で持っている。それぞれは基準内でも、合算すると上限を超える。総会の直前になって、子会社分の議決権が数えられないと知らされる
- 株主総会の基準日まであと2週間。どの株が議決権を持ち、どの株が持たないかは、株主名簿の記載をもとに総務省令の算定方法で決まる。名義の整理を基準日後に始めても、その総会には間に合わない
- 上限を超えて株を持ち続けたら、配当も受け取れなくなるのか? 本条が奪うのは議決権だけである。配当を受け取る権利は条文上は制限されていない。支配はできないが、投資としては残る
- M&A アドバイザーとして放送グループの資本提携案を組む。相手方の持株会社が認定放送持株会社かどうかを最初に確認しないと、出資比率の設計がそっくり無駄になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 経営陣側で大株主の支配を警戒しているなら、株主名簿と大量保有報告書から特別関係者の名義を洗い出す2. 合算すると保有基準割合を超えるかを、総務省令の算定方法に沿って試算する3. 超えた部分の議決権を数えない運用を、総会の議決権集計の手順に落とし込み、弁護士と事前に確認する4. 集計の根拠を記録として残し、後の決議取消訴訟に備える
訴えられた側:1. 投資する側なら、出資前に対象が認定放送持株会社かを確認する2. 本体と子会社、関連ファンドの名義をすべて合算し、上限内に収まる設計にする3. 上限を超えた株は配当目的の保有と割り切るか、売却で整理するかを基準日より前に決める4. 「特別の関係」の範囲に解釈の余地がある場合は、総務省へ事前に照会することを検討する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。議決権が消えるかどうかは株主名簿の記載が基準となるため、実務上の期限は各株主総会の基準日である。総会決議の効力を争う場合、決議取消しの訴えは決議の日から3か月以内(会社法831条)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正(要検証) 認定放送持株会社制度の創設に伴い、議決権の保有制限が新設されたとされる。施行は平成20年(2008年)とされるが、人的検証が必要
- 平成22年(2010年)改正(要検証) 放送関連法体系の再編に伴い条番号が移動し、現行の164条となったとされる。文言変更の有無は要確認
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:放送法改正により認定放送持株会社制度が創設され、株主の議決権保有制限が設けられた。施行は平成20年(2008年)4月
- 2.平成22年(2010年) 改正:放送関連法体系の再編に伴う放送法改正により条番号が移動し、現行の164条となった。文言変更の詳細は要確認
- 放送法 第91条保有基準割合の勘案事項を定める
- 放送法 第158条認定放送持株会社の認定(現行効力を要確認)
- 放送法 第93条基幹放送業務認定と集中排除原則(現行効力を要確認)
- 会社法 第308条一株一議決権原則を本条が修正
- 会社法 第831条議決権算定誤りによる決議取消訴訟
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